安倍政権の思惑とは異なり、実質賃金が昨年(7~12月期)厚生労働省の発表で実質1%下落しているのが分かりました。やっぱり浮かれていたのは安倍首相周辺のお友達と輸出大企業、投資家でした。このまま世界の新興市場通貨、特に金利を大幅に引き上げても下げ止まらないトルコリラが不安定な動きの中、日本が4月のから消費税を引き上げれば97年の消費税引き上げ不況の再来になります。そうした中、筆者が度肝を抜かしたのはアベノミクスを補完するタモガミクス発表です。財源として1兆2000億円のオリンピック基金、景気回復による税収増3000億円そして5000億円の都債発行です。景気対策にドンピシャミラクル政策です。
田母神俊雄氏のみ有力候補の中で実質無所属です。自由に政策を主張でき今後起こるであろう消費税不況を防ぐ救世主になるのでしょうか?安倍内閣は景気が下落しデフレに逆戻りすれば、親中、韓の自民党・公明党有力議員連合から引き摺り下ろされることになります。安倍首相にとっては靖国神社参拝問題や尖閣諸島問題で援護射撃をしてくれる田母神氏の方が自民党推薦の舛添氏より結果延命につながります。そのことや世界情勢の激変を受けて、安倍首相支持の自民党保守層、景気底割れを恐れる都内中小企業からの支持票が大量に田母神陣営へ流れそうです。タモガミクスはインパクト抜群ドンピシャのバズーカ砲です。
(以下 三橋貴明ブログコピー )労働者の賃金を物価の影響を考慮した「実質賃金」でみると、二〇一三年下半期(七~十二月)は前年同期と比べ、1%超下落した可能性の高いことが二十五日、分かった。実際に手にする賃金が伸び悩んだのに加え、原油高や円安に伴って物価が上昇に転じたためだ。
デフレ脱却を目指す政権の経済政策で、今年に入っても物価の上昇傾向は続いている。三月に向けて本格化する春闘で企業の賃上げが広がらなければ、四月の消費税増税で家計負担がさらに増す懸念がある。
実質賃金は、現金給与総額に消費者物価の変動を加味して賃金の実態を分かりやすくした指数で、厚生労働省が毎月公表している。
一三年上半期(一~六月)はプラス基調が続き、全体では0・4%の上昇だった。しかし、物価の上昇が強まった七月にマイナスに転じ、十一月まで1・0~2・0%の下落幅で推移した。
来月発表される十二月分も、賞与を増やした企業の底上げ効果が見込まれるものの、物価の上昇分はとても補えず、マイナスが続く見通しだ。下半期全体では、リーマン・ショックで景気が悪化した〇九年下半期(1・6%下落)に匹敵する下落幅となる公算が大きい。こうした傾向に関し、専門家は「賃金に比べて物価上昇ペースが速すぎる」(ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎経済調査室長)と指摘する。
今年四月には消費税率が5%から8%に上がる影響を受け、消費者物価の上昇率は2%程度になると見込まれている。増税以外の要素も加味すると、家計が直面する物価上昇率は4%を超えるとの見方もある。』 アベノミクス効果で物価は上昇に転じており、4月には消費税も増税されます。とはいえ、未だに労働者の賃金の名目金額は上がっていないか、もしくは物価の上昇率に追い付いていないため、今年の上半期も実質賃金が伸びないのは確実でしょう。すなわち、物価の上昇に所得の伸びが追いつかないわけです。 特に、企業数で日本の99%超を占める中小企業は、「目の前の仕事」が増えていない以上、おいそれと賃上げはできません。昨日も書きましたが、中小企業の経営者(わたくしもですが)が賃上げに踏み切るには、目の前の仕事が継続的に、安定的に増えていく必要があるのです。
というわけで、田母神俊雄は東京強靭化に加え、東京都総合経済対策「タモガミクス」を提唱しています。
【タモガミクス(東京総合経済対策)三本の矢】
一本目 都民税減税により、4月の消費税増税による景気の落ち込みを防ぐ
二本目 防災・五輪関連の公共事業拡大
三本目 中小企業の「仕事」と「所得」を増やす
ポイントは、財政的に最も豊かである東京都が、都民税を減税し、消費税増税のインパクトを緩和すると同時に、
「中小企業の仕事」
が生まれる形で財政を拡大する、という点です。具体的には、
「首都直下型地震の脅威」
「東京都の首都高速、トンネル、橋などの老朽化対策(メンテナンス)」
「東京五輪に向けたインフラ整備」
を中心とする公共事業の拡大と、各種の「非常事態への備え」を目的とした事業の推進になります。安全保障、危機管理のスペシャリストとして、田母神は非常事態を見据えた各施策を推進しますが、この中には当然ながらハード的な事業のみならず、ソフト的事業が多く含まれています。 すなわち、今のところ大手輸出企業、あるいは「黒字企業」に対する施策が中心であるアベノミクスを「補完するタモガミクス」というわけでございます。安倍政権は法人税減税を実施しますが、これは全体の三割に満たない黒字企業の純利益を増やすのみで、「仕事不足」で赤字に苦しんでいる企業には何の恩恵もいきません。だからこそ、東京都が率先して「仕事」を作ることで、赤字企業を黒字転換し、さらには賃金の引き上げが可能な環境を構築する必要があるのです。