プロ野球の新人選手選択会議(ドラフト会議)は本日午後4時50分から東京都内で開かれる。今年は常広羽也斗(青学大)、細野晴希(東洋大)らロッテの佐々木朗希と同世代の大学生投手に注目株が多く、〝即戦力〟として各チームの中核投手として期待される。 指名が予想される10名を選んでみました。
速報
| 阪神 | 広島 | DeNA
| 巨人 | 西武 |
1
位 指 名 | 下村海翔 | 常廣羽也斗 | 度会隆輝 | 西舘勇陽 | 武内夏暉 |
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▼1位:常広羽也斗[投手・青山学院大](前回順位:3位)
(つねひろ・はやと/右投右打/大分舞鶴高)180/80
将来像:力強い岸孝之(楽天)
好素材が多い今年の大学生投手の中でも将来性を含めた総合力でナンバーワンと言える本格派右腕。まだ細身だが柔らかく鋭い腕の振りから投げ込む150キロを超えるストレートは勢い十分で、コントロールも安定している。変化球も140キロ台で鋭く落ちるフォークが必殺の決め球で、それ以外もチェンジアップ、スライダー、カットボールなど多彩な球種を操る。ピンチでスピードが上がるだけでなく、変化球の精度が上がるのも見事。10月13日には早くも広島が1位指名を公言したが、複数球団による競合となる可能性も高いだろう。
2位:細野晴希[投手・東洋大](前回順位:2位)
(ほその・はるき/左投左打/東亜学園高)180/85
将来像:柔らかい菊池雄星(ブルージェイズ)
豪快な腕の振りが魅力の本格派サウスポー。楽に投げても140キロ台後半のスピードをマークし、勝負所での150キロ台のストレートの勢いは目を見張るものがある。二部でのプレーが長かったが、春は大車輪の活躍でチームの一部昇格に大きく貢献。この秋は2年春以来となる一部でもしっかりと結果を残している。球数と四死球の多さは課題だが、好調時のストレートの迫力は圧倒的なものがあり、カーブ、スライダーなど変化球も生き物のように鋭く変化する。スタミナも申し分なく、投球術を身につければ球界を代表する投手になれる素材だ。
▼3位:武内夏暉[投手・国学院大](前回順位:9位)
(たけうち・なつき/左投左打/八幡南高)185/83
将来像:大型の大野雄大(中日)
大学で驚きの成長を見せた大型左腕。高校では全国的に無名の存在で、リーグ戦デビューも2年秋と早くはなかったが、3年秋には先発に定着すると4勝0敗、防御率0.68という見事な成績を残してチームを優勝に導き、MVPにも輝いた。右打者の内角いっぱいに投げ込む140キロ台後半のストレートと、鋭く落ちるスライダー、ツーシームで打たせてとるピッチングが持ち味。大型左腕でも制球力が高く、試合を作る能力が高い。豊富な大学生投手の中でも即戦力という意味ではNo.1と言えるだろう。
▼4位:西舘勇陽[投手・中央大](前回順位:10位)
(にしだて・ゆうひ/右投右打/花巻東高)182/80
将来像:大型の浅尾拓也(元中日)
花巻東時代から注目を集めていた大型右腕。大学で着実にレベルアップを果たし、コンスタントに150キロを超えるまでになった。この春は打ち込まれる試合が多く、成績を落としたが、秋には見事に復調。スライダーとカットボールの制球力が大幅にアップし、亜細亜大戦と日本大戦ではいずれも13奪三振完封と圧巻のピッチングを見せた。スピードに注目が集まることが多いが、変化球も一級品でスタミナも申し分ない。今の状態を維持できれば早くから一軍の戦力となる可能性も高い。
▼5位:度会隆輝[外野手・ENEOS](前回順位:4位)
(わたらい・りゅうき/右投左打/横浜高)183/83
将来像:福留孝介(元中日など)
社会人で最大の目玉と言われている強打の外野手。高校時代からバットコントロールには定評があったが、社会人で長打力も大きく成長し、昨年の都市対抗では4本塁打を放ってMVPにあたる橋戸賞も受賞した。今年の都市対抗では厳しいマークもあって2試合で1安打に終わったものの、他の公式戦ではしっかり結果を残しており、高い評価が変わることはない。高校卒の社会人野手としては福留孝介(元中日)以来の目玉であり、プロでもタイトルを争うような選手になる可能性は十分だ。
▼6位:前田悠伍[投手・大阪桐蔭高](前回順位:6位)
(まえだ・ゆうご/左投左打)180/80
将来像:川口和久(元広島など)
逸材が揃うチームにあって、1年秋から不動の主戦として活躍したサウスポー。2年春にはセンバツ優勝、1年秋と2年秋には明治神宮大会連覇など、積み重ねてきた実績は他の追随を許さない。選抜の後にはしばらく実戦から遠ざかり、夏の大阪大会では決勝で敗れたものの、U-18W杯では世界の強豪を相手に圧巻の投球を見せて、改めて世代ナンバーワンの実力を示した。高校生とは思えない完成度の高さと投球術を誇るだけに、体力面さえしっかり向上すれば2年目くらいから一軍の先発に加わることも期待できそうだ。
▼7位:下村海翔[投手・青山学院大](前回順位:8位)176/73
(しもむら・かいと/右投右打)
将来像:山岡泰輔(オリックス)
好投手が揃う青山学院大でも下級生から主戦を任せられている本格派右腕。故障に苦しんだ時期もあったが、昨年秋に復活すると、今年は常広羽也斗との二枚看板でチームのリーグ優勝、日本一にも大きく貢献した。174㎝と上背はないものの、全身のバネは抜群で躍動感あふれるフォームから投げ込むストレートはコンスタントに150キロを超える。すべてのボールを操ることができる制球力の高さも魅力だ。早くから一軍のローテーション争いに加わることも期待できるだろう。
▼8位:上田希由翔[三塁手・明治大](前回順位:13位)
(うえだ・きゅうと/右投左打/愛産大三河高)
将来像:佐野恵太(DeNA)
東京六大学を代表する左の強打者。10月14日終了時点でいずれも現役トップとなる92安打、71打点をマークしており、大学日本代表でも中軸として活躍した。たくましい体格だがパワーだけでなくバットコントロールの巧みさが持ち味で、三振も少ない。厳しいマークの中でも春、秋ともに3割を大きく超える打率をマークしている。大型でも脚力があり、スローイングは少し不安定だがあらゆるポジションを守ることができるのも魅力だ。大学生野手では最も即戦力に近い存在と言えるだろう。
▼9位:真鍋慧[一塁手・広陵高](前回順位:5位)
(まなべ・けいた/右投左打)189/89
将来像:佐藤輝明(阪神)
“広陵のボンズ”の異名をとる大型スラッガー。名門で1年夏から中軸を任され、明治神宮大会では2年連続で特大アーチを放つなど全国の舞台でも活躍を見せた。無駄な動きのないスウィングで引っ張るだけでなく、センターや左中間にも大きい当たりを放つことができるのが魅力。ボールを長く見られるため選球眼も良い。攻守とも少し不器用なところはあるものの、肩の強さと脚力があるのもプラス材料だ。佐々木麟太郎(花巻東)がプロ志望届を提出しなかっただけに、将来の中軸候補が欲しい球団にとってはぜひとも狙いたい大器である。
▼10位:東松快征[投手・享栄高](前回順位:7位)
(とうまつ・かいせい/左投左打)177/83
将来像:小笠原慎之介(中日)
東海地区を代表する本格派サウスポー。下級生の頃から140キロ台後半のストレートをマークして注目を集め、この春は制球力が向上したところも見せて評価を上げた。たくましい体格は高校生離れしたものがあり、軽く投げているようでもボールの勢いは素晴らしいものがある。夏の愛知大会では愛工大名電に打ち込まれて大敗を喫したものの、高校生の左腕では前田悠伍(大阪桐蔭)に次ぐ評価というのは変わりない。左のパワーピッチャーが不足している球団にとっては垂涎の存在と言えるだろう。