『名も無く豊かに元気で面白く』

読んだ本、ニュース、新聞、雑誌の論点整理、備忘録として始めました。浅学非才の身ながら、お役に立てれば幸いです。

鈴木敏文氏がセブン&アイホールディングス会長兼最高経営責任者(CEO)退任

2016-05-31 07:23:01 | 日記

 鈴木敏文氏にとって、最後になる株主総会。意外な人物が、株主として挙手し、指名を受けた。「豊洲でセブンーイレブンを経営している山本です」。と発言した山本憲司氏。74年に開店したセブンーイレブンの国内1号店のオーナーである。筆者も昔読んだセブンイレブン成功本で度々登場していた人物です。カリスマの退任は寂しい限りですが、顧客から『本当にご苦労様でした。この場を借りて感謝したい。』と言われ経営者冥利に尽きると思います。鈴木敏文氏個人は、流通革命を起した偉大な仕事をやり遂げサバサバしているでしょう。しかし、経営は別、今後ハゲタカファンドに喰い荒らされ、普通の会社に転落し、日本の経営者が上場の意味を考える機会になりそうです。

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 日本にコンビニを持ち込み、定着させた「カリスマ経営者」、鈴木敏文氏がセブン&アイホールディングス会長兼最高経営責任者(CEO)から退いた。5月26日、東京都千代田区の本社会議室で開かれた同社の株主総会。83歳の鈴木氏は、ほぼ二回り年下の58歳、井阪隆一氏に同社の舵取り役を譲った。井坂氏はセブンーイレブン・ジャパン社長兼最高執行責任者(COO)から、セブン&アイホールディングス社長に昇格した。1時間52分にわたる株主総会の模様をつぶさに報告する。【経済プレミア編集部】

 午前10時、鈴木氏の側近である村田紀敏セブン&アイホールディングス社長兼COOが議長として開会を宣言。事業報告のビデオが上映され、その後、三つの議案説明があった。

 第2号議案が役員の人事案だ。鈴木氏と村田氏の2人が退任し、代わりに1人が取締役になる。村田氏は次のように説明した。

 ◇村田社長が人事案の経緯の概要を説明

 「当社は3月、役員の指名手続きの客観性や透明性を確保することなどを目的に、指名・報酬委員会を設置した。同委員会は複数回開催され、人事案の原案について検討したが、結論が出ず、取締役会の審議に委ねることになった」

 この原案とは、鈴木氏や村田氏が主導した議案のことだ。井阪氏がセブンーイレブン社長を退任する内容である。そして、村田氏は説明を続けた。

 「4月7日の取締役会では、賛成が過半数に達せず、原案は承認されなかった。15日の指名・報酬委員会で、こうした状況を踏まえて新体制を組成することになり、新体制案を全員一致で決定した。同19日の取締役会で、全員賛成でその案を承認した」

 井阪氏の退任案が取締役会で否決され、その後の協議で、逆に鈴木氏、村田氏が退任することになった。人事案の経過を、村田氏は相当省略した形で説明し、株主との質疑に入った。

 ◇無記名投票の中身を問う株主質問

 最初に質問に立った株主は、4月7日の取締役会で井阪氏の退任案を否決した際、無記名投票だったことを取り上げ、「どの取締役がどういう理由で賛成したのか、反対したのかを明らかにしてほしい」と、質問を投げかけた。

 これに対しては村田氏が答弁した。

 「取締役はそれぞれの意見に基づき投票した。この方法は弁護士からも違法でないと確認した。その結果として井阪さんの退任案は否決された。今後は『ノーサイド』。全員一体となって経営に当たる。どの取締役が賛成か反対かはわかりません。それを問うことは必要としておりません」

 村田氏は井阪氏退任案を提案した側であり、賛成投票をしたはずだ。しかし、この日はそうした過去を振り切るように、強く「ノーサイド」と答弁すると、会場からは「そうだ」の声と、拍手があがった。

 別の株主が質問に立った。「(鈴木氏の)居場所までなくなるのは寂しいことだ。功労者の追い出し方としては許せない」。途中から涙声になった。

 鈴木氏にとって、最後になる株主総会。意外な人物が、株主として挙手し、指名を受けた。「株主番号○○番、豊洲でセブンーイレブンを経営している山本です」。山本憲司氏。74年に開店したセブンーイレブンの国内1号店のオーナーである。


 引退する鈴木氏は、名誉顧問に就任する。ただ、本社内に執務室があると、鈴木氏の影響力が残る。このため、社長になる井阪氏らの意向で、本社内に鈴木氏の顧問としての執務室は置かないことになった。その点を突いた質問だった。

 ◇すべて水に流すかのように

 これに対しても村田氏が答弁した。「鈴木会長と井阪氏らとの間で検討をした。最終的に、会長も『自分が本社にいるとやりづらいこともあるだろう』ということで、近くにオフィスを開設して、いつでも役員や社長が相談できるようにしようということになった」

 隣に座った鈴木氏は、静かにこの答弁を聞いている。淡々とした表情だ。前代未聞の人事抗争など、すべて水に流したような形で、株主質問が進んでいった。

 鈴木氏にとって、最後になる株主総会。意外な人物が、株主として挙手し、指名を受けた。「株主番号○○番、豊洲でセブンーイレブンを経営している山本です」。山本憲司氏。74年に開店したセブンーイレブンの国内1号店のオーナーである。

 「鈴木さんの退任は驚きと同時に寂しい思いだ。43年前からともにやってきた。本当にご苦労様でした。この場を借りて感謝したい」

 ◇若き日、鈴木氏と熱く語りあった1号店オーナーが「エール」

 これを受け、鈴木氏がマイクを握った。

 「1号店のオーナーさんは24歳の若さで進んでセブンーイレブンに参加していただいた。こちらのオーナーさんに参加してもらわなかったら、今のセブンーイレブンの形がどうだったかと考えている」

 鈴木氏は当時41歳。1号店を出す際、周囲は直営店で出店すべきだと主張していた。鈴木氏はそれを押し切って、フランチャイズ方式で山本氏の1号店を出した。それが成功し、今では全国で1万8000店を超す店舗網になった。そして、次のように続けた。

 「私自身、会社に(名誉)顧問として残らせていただく。長い間お世話になりました」

 会場から万雷の拍手が鳴り響いた。

 そして、新体制の人事案も含め、三つの議案がすべて賛成多数で可決され、鈴木氏が最後に退任のあいさつに立った。

 ◇「オムニチャネル」に"未練"も

 「私が入社した63年の売上高は40億円、店舗は5店舗だった。今日、グループの売上高は10兆円を超す規模になった。多大な支援をいただいたおかげだ。そして、これからは『オムニチャネル』だ。どれだけ(新体制が)力を入れてくれるか。もちろん『力を入れてくれる』と宣言している。それがきちっとできれば、この先も、小売業として日本でNO1として成長していく」

 オムニチャネルはネットと店舗の両方を活用し、顧客に商品を届ける仕組みだ。セブン&アイに君臨した鈴木敏文氏は、こうして満場の拍手を受け、井阪氏と握手をして総会の場から姿を消していったのである。

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トランプ「アメリカの若者を戦争に出すことにカネを使うな 」

2016-05-30 07:39:48 | 日記


トランプ大統領誕生の可能性が高くなってきました。彼がアメリカ大統領になった場合世界、日本はどのように変わるのでしょうか?トランプ氏は『なんで、オレたちがあいつらのことを命を懸けて護らなきゃいけないの。自分の身を護りたいのなら、勝手に護ったら。アメリカにとって有害だということだったら出て行くけど。』とサファリパークにいる日本や韓国にとって衝撃発言をしています。今後、アメリカ頼みの安全保障の前提条件が根本から変わるかもしれないのです。さらに今回、原爆を落とした国のオバマ大統領が従前なら考えられない被爆地広島訪問。被爆国として守られてきた歴史は大きく転換しています。今、日本人に必要なことは『覚悟』。もはや国防は米国一辺倒では賄いきれないと覚悟すべきです。色々な綻びが生じている中、形だけ、建前だけの民主主義は通用しなくなってきています。


以下抜粋コピー   本記事は、『佐藤優直伝「インテリジェンスの教室」に収録している文化放送「くにまる・じゃぱん」の放送内容(2016年3月4日)

 要するに、トランプはアメリカ孤立主義者なんですよ。激しいことを言うんだけれども、「ルーズベルト大統領が真珠湾奇襲の後、第2次世界大戦に突入したのが間違いだった。ナチスが台頭していようが、日本が出てこようが、放っておけばよかった。アメリカはアメリカの繁栄だけを考えていればよかった。もっとアメリカを豊かにしよう。偉大なアメリカにしよう。アメリカ人の生活さえ良くなればいいんだ。あとは知ったことじゃない」という理屈です。

アメリカが石油を手に入れるのであれば、「アメリカのそばにあるベネズエラが生意気だ。少しシメて、あそこから石油をとってくるか」と、こういう感じですよ。

だから、意外と平和外交になる。

邦丸:平和外交!

佐藤:だから、中国もロシアも大歓迎。

邦丸:アメリカが出てこなくなるわけですものね。

佐藤:「金持ちケンカせず」ということです。トランプビルを中国に造るといったら、習近平も「いいヤツじゃないか」となる。

だから、世界秩序を全部、ひっくり返す。日本との関係も、まさに昔、鳩山由紀夫さんが言っていた「駐留なき安保」になる可能性もある。要するに、米軍が全部、退いちゃうんです。

「なんで、オレたちがあいつらのことを命を懸けて護らなきゃいけないの。自分の身を護りたいのなら、勝手に護ったら。アメリカにとって有害だということだったら出て行くけれど、アメリカ本土やグアムにいるよ」という感じになりますよ。

「TPPもやめる。日本のクルマにも家電にも思い切り関税をかけてやる。アメリカだけ良ければいいんだ。悔しければ、力をつけろ」と。こういう方針ですよ。だから、アメリカ人は拍手喝采なんですよ。

 邦丸:民主党候補のバーニー・サンダースが予想外に支持を集めたのも、モヤモヤしている若い世代が、このままアメリカ国民でいて、われわれは幸せなのかと思っているところに、大学の無償化とか、スポッと胸に響く言葉を言ったからなんですね。

佐藤:モヤモヤなんていうレベルではないんですよ。私が去年の12月31日に対談した山口真由さんをご存じですか。

邦丸・西川:

佐藤:東大をトップで卒業したあと、財務省に入省して2年で辞め、国際弁護士を目指してハーバード大学に留学中の方です。勉強法などの本もたくさん書いています。その彼女に「ハーバードはいかがですか?」とたずねたところ、「佐藤さん、ひどいところなので驚いたんですよ。授業料がいくらかご存じですか?」と言うんです。「いくら?」と聞くと、「7万ドルです」と。

西川:7万ドル!

佐藤:「1年で?」と聞くと、「10ヵ月で7万ドルです」と。つまり800万円。ロースクールまで最低6年かかるでしょ。ということは、授業料だけで4800万円かかるんですって。

邦丸:はあ~~~。

佐藤:その金額を払える家の子弟しか、もうハーバードには入れない。ひと昔前までは、軍隊に入ればハーバードに入ることができるという話があったんだけれど、もうそういう時代ではない。超富裕層の子どもしか入れない。アメリカのほとんどのエリート大学がそうで、エリート大学を出ると投資銀行で年収2000万~3000万からのスタートになる。

それ以外のフツーのアメリカ人は就職口がない。あるいは、大学を卒業してもアルバイトで日銭20~30ドルもらっている。

こういう状態になっているから、若い人たちは閉塞感なんていうもんじゃない。格差が絶対に追いつかないところまで拡がってしまっている。だから、大変な不満があるし、これは異常な社会になっていると、彼女は言っていました。

トランプはカネ持ちが嫌い?

邦丸:仮にドナルド・トランプ大統領が誕生し、「アメリカさえよければいい」という一国孤立主義の考えに従って、「アメリカ軍はどんどん退く。今までは世界の警察と言われてきたけれど、これからは違う。日本も中東もアメリカには関係ない」となったとしましょう。いわゆる武器商人がアメリカでは巨大な力を持っていると言いますが、彼らからすれば戦争はカネ儲けになる。だから煽るんですね。

佐藤:はい。なので、戦争になります。トランプは「それに関しては適宜、儲けてください」というスタンスですから。それはもう中東で空白ができるから、戦争が起きますよ。そして国内では、おそらくカネ持ちをいじめると思う。

邦丸:カネ持ちいじめ。

佐藤:トランプ自身が、土地と土建で這い上がってきたから、遺産を相続するとか、金融でカネを右から左へ動かすとかいうのは嫌いなんです。だから、そっちのほうには課税したりするでしょうね。産業資本を強化する建設業のような、額に汗する人を重視する。

邦丸:実業を重視する。

佐藤:産業が大事だということで。

邦丸:ウォール街をシメちゃうということですか。

佐藤:今回のネオコンやマスコミの総反発というのは、実はウォール・ストリートの反発だと思うんです。

トランプは、ウォール・ストリートの大ガネ持ちにとってプラスじゃない。ということは裏返して言うと、庶民感覚のところの人にしてみれば、「なかなかいいじゃないか」ということになる。

ウォール・ストリートをシメ上げて、アメリカを強くするためにはみんなにチャンスがなくてはいけないということで、大学の授業料を安くすると思う。

邦丸:奇しくも、バーニー・サンダースと同じことをすることになっちゃうわけですね。

 佐藤:同じですね。バーニー・サンダースは社会主義的な方法、トランプはファシズム的な方法で社会政策をやろうとしている。だから図式的に見ると、新自由主義による格差が行き過ぎちゃったから、一方においては社会主義、他方においてはファシズムが出ているという感じです。

日本も他人事ではない。特に子どもの貧困がひどいでしょう。6人に1人が食を欠くことがある。一人親の家庭の子どもは2人に1人という状態になっている。この格差がもう少し拡大すると、日本においても一方でサンダース現象、他方においてトランプ現象が出てきますよ。

邦丸:今、アメリカほどではないにしろ、日本でも少しずつ出ていますよね。

佐藤:率直に言って、トランプの雰囲気は橋下徹さんのなかにあるでしょう。一方、日本共産党が「国民連合政府」と言い出して小沢一郎さんがそこに全面的に賛成しているということだから、こっちはサンダースみたいな感じですね。

両方ともそれほど影響力を持たないのは、まだまだ日本は格差がアメリカに比べれば知れているし、戦争に直面もしていないからですよね。ただ、どの国でもこういうふうになってくると思います。

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舛添都知事、延命のため『弁護士に一刻も早くシロの結果を出してもらいたい』

2016-05-28 08:21:03 | 日記

『またウソを言っているだろう』と思われるからまともな釈明すら行わず、定例記者会見だか定例釈明会見だか分からなくなっている釈明ダルマ、レイムダック状態の舛添要一氏です。ついに、様子見を決め込んでいた都議会が共産党提出の100条委員会委員会を設置する可能性が出てきました。マスコミから連日新ネタの政治資金私的流用バッシングを浴び、さらに都民の9割が納得指定していないこの現状で、与党側が百条委員会の設置を拒否することは、民意の反映ではないことから、参議院選挙、来年の都議会選挙への影響が大きすぎ、見過ごすことはできなくなったからです。6/1から始まる都議会で、後援者からの突き上げで尻に火がついた味方であるはずの与党議員たちからの厳しい質問に真面に答えられず、本人の延命希望とは異なり100条委員会設置、辞任へと一直線に進むと予想。

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100条委員会とは

地方自治法100条にもとづき、地方自治体が議決により設置し、自治体の事務について調査するものです。

第100条(抜粋)
1.普通地方公共団体の議会は、当該普通地方公共団体の事務に関する調査を行い、選挙人その他の関係人の出頭及び証言並びに記録の提出を請求することができる。

こういった委員会は、行政の事務処理などが適切であったかを調査する場合に設置されることがしばしばですが、議員ならび、地方公共団体の長も調査対象に含まれ、その対象は広範に及びます。

百条委員会の設置により、関係者の出頭、証言、記録の提出を請求できます。

委員会への出席拒否・記録を提出しない場合、また偽証をした場合には罰則も容易されています。

(出席拒否など:6月以下の懲役または10万円以下の罰金、偽証:3月以上5年以下の禁錮刑

猪瀬前都知事にも百条委員会が設置されていた。

猪瀬前東京都知事が在任の2013年、徳洲会グループより5000万円を受け取った疑惑で、東京都議会が百条委員会を設置しました。

しかし百条委員会の設置については猪瀬前知事のダメージも大きかったようで、

  • 12月18日に東京都議会が百条委員会の設置を決定
  • 12月19日(翌日)猪瀬前都知事が辞職

と、説明をする機会が設けられることなく、スピード辞職をしています。

これほどにまで、百条委員会のプレッシャーというものは大きいものと考えられます。

百条委委員会の弱点

とはいえ、現実問題としてその力の範囲は必ずしも絶大であるとは言えません。直近の例などをもとに問題点を取り上げたいと思います。

証言の実質的拒否が可能

出席の拒否や証言の拒否などについては、罰則の対象となりますが、こういった発言は、拒否と断定できるものでもなく、罰則の適用対象になるとは限りません。

したがって、舛添氏のお家芸である「第三者の厳しい目」というかわし方は、この百条委員会でも通用する可能性が存在します。

都において百条委員会の設置が可決成立するか

現在共産党側は百条委員会の設置を求めていますが、舛添氏が自民党系であり、都議会では与党である自民と公明党が3分の2以上の議席を有していることもあり、百条委員会の設置が可決されない可能性もあります。

しかし都民の9割が納得指定していないこの現状で、百条委員会の設置を拒否することは、民意の反映ではないことから、選挙への影響も大きいため、与党側も見過ごすことはできないでしょう。

まとめ

  • 百条委員会は行政・議員・長など広範囲を対象とする捜査機関であり、議会の議決によって成立する。
  • 罰則なども存在する法的拘束力の強い組織である。
  • ただし実質的に証言拒否が可能であるとも考えられるため、相手次第。

安倍総理も「公私混同という厳しい指摘がなされている以上、政治家は『信なくば立たず』であるので、しっかりと説明責任を果たしていくことが大切だ」と、説明責任を果たすよう発言していることもあり、道義上自民党の関係者らも本件の調査に関するべきであると考えます。

百条委員会の設置により舛添都知事の疑惑が解明されるかは不明ですが、少なくとも議員らは第三者的視点ではなく、積極的に問題解明に取り組んで行くべきではないかと思います。

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<安倍首相>消費増税、再延期へ 「リーマン前に似ている」

2016-05-27 07:48:38 | 日記

安倍首相が国内政局事情で、リーマンショック直前と酷似と指摘した無理筋感はありますが、租税回避地に世界に流通しているお金の17%、日本のGDPに匹敵する470兆円ものお金が租税を回避し、もはや最大の世界経済かく乱要因になっているのも事実です。各国は政治的思惑も絡み対応が後手に回り、その意味では危機的状況です。安倍首相はやっと消費税を延期しなければ、経済が悪くなり、念願の憲法改正が達成できないと踏んでだようです。安倍首相の頭の中は、あくまで憲法改正ありきです。その意味ではトランプ氏が大統領に就任すれば願ったり叶ったりです。次のターゲットは参議院選挙、最大の難関は自らは辞職しない舛添都知事です。しかも、舛添氏はナント『都知事就任後初の定例記者会見で、選挙で支援を受けた自民党の憲法改正草案について「立憲主義の観点から問題がある。今のままの草案だったら、私は国民投票で反対する」と述べた。』安倍首相が主導する憲法改正の邪魔者なのです。参議院選挙への悪影響を回避するため、舛添辞任に追い込む駆け引きが今後起きそうです。

以下抜粋コピー

安倍首相はサミット首脳会議で、世界経済に関し、エネルギーや食料、素材などの商品価格について、資料を示しながら「最近の14年6月~16年1月にはリーマン・ショック前後の08年7月~09年2月と同じく55%下落した」と指摘。さらに中国など新興国や途上国の投資伸び率については「リーマン・ショック後の09年は05年以降では最低の3.8%だったのに対し、15年は2.5%とさらに落ち込んだ」など繰り返しリーマン・ショック時との比較に言及した。

 首相はこうした説明を踏まえて「リーマン・ショック直前の洞爺湖サミットで危機の発生を防ぐことができなかった。そのてつは踏みたくない」と強調。そのうえで「世界経済は分岐点にある。政策対応を誤ると、危機に陥るリスクがあるのは認識しておかなければならない」と訴えた。

 首相はこれまで、消費増税について「リーマン・ショックや大震災のような事態が発生しない限り実施する」と繰り返し発言していた。リーマン級にはなっていないが、その「直前の状況」に似ているとして延期を決めれば、増税延期の理由を変更することになる。延期しても「アベノミクスの失敗」ではないと主張できると考えているとみられる。

金融取引などへの税率を低くしている国・地域が域外から受け入れたお金の残高が2015年に約470兆円に上ったことが、財務省の資料で分かった。パナマなど租税回避地(タックスヘイブン)とされる国・地域が含まれ、残高は世界全体の17%を占めた。実態が不透明な取引も多く、政府は各国と連携して取引の透明化を進める。

 財務省は26日、政府税制調査会(会長・中里実東大教授)が開いた作業部会で、預金や借入金として域外から入ってきたお金を国・地域別に集計した資料を示した。

 資料では、その国・地域の経済規模に見合わない多額の外貨建て取引をしている22の国・地域を「オフショアセンター」に分類。パナマ、ケイマン諸島、バハマなど租税回避地も含む。域外から受け入れたお金の残高のシェアは米国(14%)よりも高く、英国と並んで世界最高だった。日本は3%だった。

 オフショアセンターの預金残高は08年に最高になり、09年以降は横ばい圏で推移している。ただ、05年と比べると15年は1.5倍に膨らんでおり、存在感が高まっている。

 企業や個人による租税回避地の利用実態を明らかにした「パナマ文書」の公表をきっかけに課税逃れの対策への関心は国際的に強まっている。租税回避地に資金を置くことは合法だが、一部で過度な節税や脱税につながっているとの指摘がある。

 財務省は租税回避地などでの不透明な取引の実態が明らかになるように「より詳細なデータを集めていく必要がある」としている。

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『衆参同日選』見送りの公算…安倍首相、消費増税2年延期へ

2016-05-26 08:01:40 | 日記

安倍首相は衆参同日選見送りに続き、消費税に関しては引き上げれば任期中デフレ脱却が難しくなるとの理由で先送りの方向。二階総務会長が提出した2019年4月まで2年間先送りする案を軸に延期方法を検討中です。決断は遅すぎますが、デフレ再突入という最悪の事態は回避されそうです。安倍首相は失敗した政策をノートに書き込んで新しい政策に反映しているそうですが、前回の引き上げの失敗が今回生かされるようです。為替も小康状態が続いており、つかの間の株式市場で短期戻りが期待できますが、基本自民党の経済運営は期待が持てず、一定のレンジからの脱却は無理でしょう。

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安倍首相が、夏の参院選と次期衆院選を同じ日に行う「衆参同日選」を見送る公算が大きくなった。

 現時点では衆院解散を考えていない意向を与党幹部に伝えた。参院選情勢や熊本地震の復興状況などを踏まえたとみられる。また、来年4月の消費税率10%への引き上げについては先送りする方向で、6月1日の今国会閉会後にも表明する。

 参院選は「6月22日公示―7月10日投開票」の日程で行われる予定で、参院選に向けた動きが本格化する。

 首相は25日午前、自民党の谷垣幹事長と首相官邸で約20分間会談した。谷垣氏は会談後、「国会と(参院選の)選挙戦の状況を報告した」と述べた。同日選や消費増税についても協議したとみられる。

 自民党の佐藤勉国会対策委員長は25日午前、都内で記者団に「同日選がないのは当然だ。大義がない」と語った。首相は24日には公明党の山口代表と会談し、「今は解散の『か』の字も考えていない」と述べた。

 首相は、同日選による相乗効果で参院の議席上積みが可能かどうかを検討してきた。共闘を進める民進、共産両党との政権選択選挙に持ち込む思惑もあった。

 しかし、オバマ米大統領の広島訪問決定などで内閣支持率が上昇し、参院選単独でも与党が有利に戦えると判断したようだ。さらに、熊本地震で今も多くの被災者が避難生活を強いられていることもあり、与党内から「復興より政局優先と批判される」と慎重論が高まっていた。公明党も同日選に否定的な姿勢を崩していない。

 このため、首相は同日選に踏み切るのは現時点では難しいと判断したとみられる。ただ、野党は今国会で内閣不信任決議案の提出を検討しており、野党の対応などを見極めた上で最終決定する意向だ。

 一方、消費増税の先送りを決めたのは、国内外の経済が不透明感を増す中、増税に踏み切ればデフレ脱却が困難になると判断したためだ。26、27日の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)で世界経済を下支えするための財政出動への協調を取り付けた上で、今国会閉会後の表明を検討している。

 先送りする場合、参院選後の臨時国会に関連法案を提出する。自民党の二階総務会長は2019年4月まで2年間先送りする案を首相に提言している。消費税率は15年10月に10%に引き上げる予定だったが、首相は14年11月、引き上げを1年半先送りする方針を表明した。

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『問うに落ちずに語るに落ちる』「舛添要一の極楽財産術で手法暴露」

2016-05-25 08:09:04 | 日記

 政治資金の使い道のプロ『政治資金規正法の権威舛添要一都知事』ですが、ヤラセ無罪を勝ち取る前に過去の「マスゾエ式蓄財哲学」ブーメラン発言が、極楽財産術とはいかず語るに落ちる状況を作り出しそうです。今後、『政治資金で購入し私物化した?』絵画財テクの実態も明らかになるはずです。安倍政権もこのまま放置すれば、推薦責任として東京参議院選挙に直接影響を与え、参議院選挙苦戦も予想される中、対応に追われます。2014年都知事選挙戦で『新都知事としてリーダーとして資質があるかどうかの戦い』と連呼していましたが、ブーメランで自滅。今後、都民感情としては合わせ技ではなく、正義の最後の砦東京地検特捜部が『政治資金規正法違反容疑で自宅強制捜査・起訴』と進めることを願っています。

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舛添要一・東京都知事の政治資金私的流用疑惑が止まらない。温泉代も美術品代も、娘の服代も政治資金で浮かせる「蓄財哲学」をかつて本誌に語っていた。記事は、「舛添要一 『50歳からの極楽財産術』」(週刊ポスト2005年7月29日号)と題したもの。バブル期には不動産投資にも挑戦したが失敗したと語る彼が行き着いたのが、絵画による資産形成だった。

〈不動産に投資する余裕資金があるなら、私なら趣味を活かした資産形成を考えますね。実際、私は絵が好きなので、絵画を購入しています。

 絵画を資産として所有する人は少ないかも知れませんが、1000万円で買った絵が5年後に2000万円の価値になっていることは十分ありえる。私は、買った絵を毎日眺めているだけで精神的な満足感が得られるので、たとえ値上がりしなくても、20年間見続けていたら、それだけで元を取った気分になれると思っています〉

 このインタビュー記事のきっかけとなった当時の新刊『マスゾエ式 定年後極楽生活入門』では、より詳細な「絵画財テク」の手法を明かしている。

〈コーヒーを毎日飲む人と同じく、(絵画で)精神的な満足感を得ているわけで、毎日コーヒー代の300円分の利益を得ていると考えることができます。年間365日で毎日300円の効果だとすると、私は年に約11万円分を得たことになります〉

 絵画による癒やしすら金額換算してしまうところが、いかにも舛添氏らしい。

 同書では不動産投資について、〈購入したワンルームマンションに、入居者が入ってくれるかどうかという問題〉のほか、不動産取得税や固定資産税、部屋の維持管理費用、入居者とのトラブルなどのデメリットを挙げて、〈私ならば不動産よりも絵を選びます〉と力説する。よほど絵画は稼げるようだ。

公用車での温泉地通いや、家族との旅行を「政治活動」として政治資金から支出していた疑惑に加え、5月15日にはヤフーオークションで絵画を購入し、それを「資料代」として政治資金収支報告書に計上していた事実も明らかになった。

「金持ちにはケチが多い」という“金言”を体現するかのような舛添要一・東京都知事は、かつて1円でも多く財産を築こうとする執念の蓄財術を『週刊ポスト』誌に語っていた。

 記事は、「舛添要一『50歳からの極楽財産術』」(2005年7月29号)と題したもので、舛添氏が老後のための財産形成術を余すことなく公開している。

〈仕事に追われた第一の人生を卒業し、自分の好きな生き方が選択できる第二の人生が待っているわけですが、実は、それもお金の準備があってこそなのです〉

 と語る舛添氏。自身の実体験を踏まえて〈家計は妻任せにせず、(中略)毎月の収入と支出をきちんと把握する〉と説く。どうやらこの約束事は現在も守っているようだ。

〈この不景気の時代に、収入を殖やすことは容易ではありません。その分、減らせる支出がないか細かくチェックする。節約というと世知辛い感じもしますが、家計費が1割削減できれば、10%の金利がついた金融商品を購入したのと同じ効果が上げられるのです〉

 政治資金の私的流用で削減した家計費は1割どころではなさそうだ。

 舛添氏が勧めるのは節約だけではない。2005年当時、参議院の財政金融委員会委員を務めていた舛添氏は、自身は株式投資をしていないとしつつも、

〈妻は株主優待や配当狙いで株式投資を実践しているようで、それらを利回りに換算すると、銀行の定期預金金利よりはるかに有利〉

〈株式投資をやっていれば、流行や国際情勢まで考えなければならないのでボケ防止に役立ちますよ(笑い)〉と語っている。

 バブル期には、不動産投資にも挑戦したというから根っからの「財テク」好きだが、バブル崩壊とその後のデフレ進行によって、3億円で購入した東京・世田谷の物件が6000万円まで下がってしまうなど、不動産投資は大失敗している。

 これに懲りたのか、〈不動産投資は、今の日本ではお勧めできません。デフレ経済がまだまだ続きそうだからです〉と語っていた。

 

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『日本経済に再び訪れる円高試練』米大統領選が年後半の円高要因

2016-05-24 09:40:01 | 日記

ドルは直近、利上げ観測が憶測を呼び、ドル高に移行しています。しかし、110円台の壁は厚い。為替は大方の人々が予想している反対方向に移行することが多々あります。今回も3カ月連続の黒字となった貿易統計など実需や米国の保護主義化への移行で筆者は円高に振れると予想します。円高により輸出が悪化し、外国人訪問者や買い物に影響が出てくれば、通常日本経済は悪化し、再び円安に戻るというのが一般的ですが、今回はどうでしょう。東京オリンピック特需、中国の不動産関連への過剰融資問題、世界経済低迷の煽りで円高が長引くかもしれません。

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先週末のドル円相場は一時、4月28日以来の110円台後半までドル高・円安が進んだ。いくつかの米経済指標が予想を上回り、18日に公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が6月の追加利上げの可能性を高めたこともあって、ドルが上昇したためである。

ドル円相場は年初の120円台から4カ月間で105円台半ばまで12%程度下落した後、5月に入ってからは反発基調にある。4月末までのドル円下落は円高とドル安の双方によって引き起こされた。この4カ月間の主要通貨の騰落率を見ると、円が最強通貨となっている一方、ドルは英ポンドに次いで2番目に弱い通貨となっている。

一方、5月に入ってからのドル円の反発は主にドル高によるものだ。5月以降の主要通貨のパフォーマンスを見ると、ドルが最強通貨となる中、円は中位程度に位置している。

米利上げに関して、市場は7月27日のFOMCでの利上げさえ完全に織り込んでおらず、来年末までで見ても、合計2回の利上げを織り込むのがやっとといった状態になっている。今後市場が米国の利上げをさらに織り込んでいく中で、短期的にドルが上昇する余地はまだあるかもしれない。

しかし一方で、年後半にはドルにとって、かなり大きなリスク要因が待ち構えていることを忘れてはならないだろう。それは米大統領選挙である。

<中国発のドル売り・円買い誘発も>

今のところ共和党の大統領候補はドナルド・トランプ氏で固まり、民主党の候補もヒラリー・クリントン氏に決まりそうな情勢である。この両候補は、ドルの先行きにとってかなり深刻な影響を与えそうな共通の政策目標を重要項目として掲げている。それは通商政策である。

トランプ氏の選挙キャンペーン用ウェブサイトを見ると、7つの重要政策が掲げられており、「メキシコに壁建設の代金を払わせる」「ヘルスケア改革」「税制改革」などと並んで、「米中貿易の改革」がある。トランプ氏はその中で、「即座に中国を為替操作国と認定する」としている。

一方、クリントン氏のウェブサイトには、31項目の政策が掲げられている。その中に「製造業」という項目があり、大統領直属の首席貿易検察官(Chief Trade Prosecutor)というポジションを新設し、貿易取締官の数を3倍にし、「米国の労働者を傷つける中国に立ち向かい、為替操作に対して断固たる措置を取る」と記している。

両者とも、今のところ中国に主な焦点を当てているように見える。確かに、米国の貿易赤字の半分は中国に対する赤字であり、日本との貿易赤字は、対中赤字の5分の1程度しかない。したがって、巨額の円売り介入でも行わない限り、日本は標的にはならないだろう。

しかし、米中間の貿易摩擦の激化は、円相場には影響を及ぼすかもしれない。仮に、米国が対人民元でのドル安を促すような行動に出た場合、中国は外貨準備で保有するドルの為替リスクをヘッジするか、場合によってはドル建て資産を売却して、他の国の資産を外貨準備として保有するインセンティブを強めるかもしれない。

この時、それだけの大規模な資本移動を吸収できるのは、日本かユーロ圏しかないだろう。つまり、米国と中国の貿易摩擦激化は、中国によるドル売り・円買いの流れを誘発するリスクをはらんでいるのである。

<保護主義強まればドル安圧力に>

もう少し大きくマクロ経済的に考えても、米国が保護主義的な政策を強めたら、ドル安になることは想像に難くない。

米国は世界最大の経常赤字国で、世界最大の純債務国である。毎日のように世界の輸出業者は米国の輸入業者からドルを受け取り、それを自国通貨に換えようとしている。つまり、貿易取引に絡む為替フローだけを考えると、世界の為替市場はドル売りで溢れている。

このように毎日繰り返される世界の輸出業者によるドル売りは、米国に投資をしようと考える投資家によるドル買いで支えられている。そして、そうして積み上がったドル資産を世界の投資家は大量に保有している。

こうした状態で、米国が保護主義的な姿勢を強めていった場合、米国に投資をしようとする投資家のドル買いが細ったり、米国に投資を積み上げている人が投資を引き揚げようとすることになる。市場には貿易赤字から発生するドル売り需要が大量にあるのだから、世界の投資家がドル買いの手を緩めるだけでもドル安圧力は増す。

1993年から1995年半ばまでの日米貿易摩擦、2002年から2003年までの鉄鋼輸入をめぐる貿易摩擦の際もドルは大きく売られている。ちなみに、現在の米経常赤字の対国内総生産(GDP)比は2.8%程度と、1990年代半ばの1.5%程度よりはるかに大きい。

大統領選まではまだ半年もあり、市場参加者は依然としてマーケットに与える影響を本格的には考慮していない。しかし、7月になり、トランプ氏とクリントン氏が正式に各党の大統領候補に指名され、副大統領候補が決まり、具体的な政策に関する論戦が始まるようになると、為替市場は米次期大統領下でのドルのリスクを意識し始めるだろう。

トランプ氏よりクリントン氏の方が影響はマイルドかもしれない。そうなると、年後半は米大統領選向けた世論調査の結果に、市場が一喜一憂し、ドルが上下動することになる可能性が高いと考えられる。

しかし、政策は両者とも保護主義的な色合いが濃くなっており、いずれにしてもドルに与える影響はマイナス方向になる可能性が高い。

佐々木融 モルガン・チェース銀行 市場調査本部長

 

  

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再発する上海不動産バブル『支えは桁違いの融資増加額200兆円超』

2016-05-23 08:03:14 | 日記

中国の銀行融資増加額と上海不動産相場の推移

 

中国の銀行融資増加額と上海不動産相場の推移

上記のグラフのように日本で騒がれている「チャイナショック」とは裏腹に上海の不動産価格は昨年より3割も上昇しています。決め手は潤沢な銀行融資。日本の著名経済評論家は老若問わず、口々に不動産バブル崩壊を煽っていましたが結果は真逆です(筆者もタイムラグは感じつつ同調していました、やはり社会主義は前提条件が違います。)。支えているのは融資の増加額の規模。最近では日本円換算で200兆円を超えている。年間融資増加額は15兆円に過ぎない、ちまちましている日本とはまるで比較にならない。しかも規模がこれほどまでに大きくなると万一発生する中国バブル崩壊は中国だけの問題ではなく日本を筆頭にアジア、世界を巻き込む恐慌へと突き進むはずです。もはや他国の事ではなく、自国の経済に関わることです。考えられる影響は円高・中国進出企業の連鎖倒産・難民・一部インフレなどなどです。

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5月の連休は、久方ぶりに上海など中国の江南地方を回ってきた。まっすぐに伸びる片側4車線の高速道路、その両側には幅1キロメートル以上はあるかとおぼしき分厚い緩衝緑地帯。その向こうは高層マンション群の建設工事ラッシュだ。

 上海浦東地区では完工したばかりの上海タワー・ビルがそびえ立つ。このビルの高さは632メートルで、東京・浅草地区の東京スカイツリー(高さ634メートル)とほぼ同じ。超高層ビルとしてはドバイのブルジュ・ハリファ(高さ828・9メートル、ビル本体は636メートル)に次ぐ世界第2位である。

 天上の世界に達する建築物を建てようとして、神の怒りを買ったという旧約聖書「バベルの塔」の寓話(ぐうわ)、あるいは画期的な超高層ビルが建つたびにバブル崩壊が起きるという現代のジンクスを思い起こさせる。いったい、中国の不動産市場はどうなっているのか。不動産バブルは崩壊ずみではなかったのか。

 グラフは上海の不動産平均相場と中国の銀行融資年間増加額の推移である。共産党中央は2008年9月のリーマン・ショック後、党の指令下にある中国人民銀行と国有商業銀行に大号令をかけ、銀行融資をそれまでの3倍以上に増やさせた。地方政府は土地を農民や住民から取り上げ、デベロッパーを招いては不動産開発にいそしむ。中国全土で不動産バブルが起きたが、12年には破裂した。

グラフが示すように、崩壊前には銀行の新規融資額は大きく減っている。住宅市場の過熱に慌てた当時の胡錦涛政権が冷やしにかかった結果だった。各地で巨大なゴーストタウンが生まれ、現在でも醜悪な姿が野ざらしになっている。

 上海、北京、深●(=土へんに川)など沿海部の巨大都市は様相が異なる。不動産市況悪化とともに生じた景気悪化局面を打開しようと、党中央は再び銀行融資のかさ上げを命じた。余剰マネーは主として上海など巨大都市部に集中し、不動産相場を押し上げるようになった。

 何しろ、融資の増加額の規模はすさまじい。最近では日本円換算で200兆円を超えている。年間融資増加額は15兆円に過ぎない日本とはまるで比較にならない。上海の知り合いは今年初めに億ションを買ったが、数カ月で1000万円相当、値上がりしたとほくそ笑んでいた。

 異様な規模の融資の増加は、同時に同規模の債務の膨張をもたらす。不動産開発は鉄鋼、セメントなどモノの需要を押し上げるが、上海など一部地域に集中しており、11年当時の全国規模の開発とはわけが違う。鉄鋼などの過剰生産能力は温存されたままだ。

 銀行融資を抑えると、たちまち不動産バブルは崩壊し、資本逃避ラッシュが起き、人民元暴落の危機が再発しよう。高水準の銀行融資を続けるしかないが、その分だけ不動産バブルが巨大化するだけだ。バブルと債務主導の中国経済は日本を含め世界を巻き込むだけに不気味だ。 (産経新聞特別記者・田村秀男)

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『日米地位協定は存続』米軍に雇用されている人物でない。米高官犯人は民間人と責任転嫁!

2016-05-22 08:38:44 | 日記

日本の政府高官は声高々に『厳正な対応』を求めていますが、場当たり的に『アメリカ側に対して捜査への協力、綱紀粛正、再発防止の3点』での対応を強く求めても民間人の犯行で片付けられます。米軍人による婦女暴行事件は必ず、今後も起こりえます。ではどうすべきなのでしょう。上官の命令で、立ちはだかる敵を殺し、常に生死の極限状態に追い込まれる軍人のモラルに委ねるのではなく、根本的に日米地位協定を改正し、軍人といえども一度基地の外に出れば日本国内の法律に従わせるべきでしょう。又それに伴い日本は、憲法を改正し、独自に自衛をしなければならない。たぶん国民に覚悟がなく出来ないでしょうが、それが出来なければ、何も変わらず堂々巡り、又同じような事件は起こりえます。

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沖縄県うるま市で行方不明になった20歳の女性が遺体で発見された事件を受け、安倍首相は20日朝、「厳正な対応をアメリカ側に求めたい」と述べた。

 安倍首相「非常に強い憤りを覚えます、さぞ無念だったと思います。ご家族のことを思うと言葉もありません。今後徹底的な再発防止など厳正な対応を米国側に求めたい」

 政府は20日朝、岸田外相や菅官房長官ら沖縄関係閣僚による会議を開き、アメリカ側に対して捜査への協力、綱紀粛正、再発防止の3点を求めることなどを確認した。

 政府高官は、伊勢志摩サミットに合わせて、来週行われる日米首脳会談でもオバマ大統領に直接申し入れるとしている。

※ 沖縄米兵少女暴行事件(おきなわべいへいしょうじょぼうこうじけん)とは、1995年沖縄県に駐留する海兵隊員2名とアメリカ海軍軍人1名の計3名が、12歳の少女を拉致した上、集団強姦した事件。

起訴に至らなければ、関与が明らかでもアメリカ兵の身柄を日本側に引き渡すことができない”という日米地位協定の取り決めによって、実行犯である3人が引き渡されなかったことが大きな問題になった。この決定に対し、沖縄県民の間に燻っていた反基地感情及び反米感情が一気に爆発し、同協定の見直しのみならず、アメリカ軍基地の縮小・撤廃要求運動にまで発展する契機となった。また被疑者側および家族が人種差別的問題に絡めて発言を行ったため、日米のマスコミで取り上げられる場合微妙な温度差が生じた。

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富裕層、超富裕層はどんな人たち?マス層は半永久に抜け出せないのか?

2016-05-21 06:45:31 | 日記

日本は本当に景気が悪いのか?犬の散歩で近所を歩くと感じることがあります。道の両側で争うように建築ラッシュで立派な家ばかり立ち上がっている、オリンピック金メダリストなど富裕層が住む一角です。筆者は勝手に出世街道と名付けています。さらに都心の一部では居住マンションを次々と買い替えて資産を増やしていく”空中族”なる富裕層手前の世帯もいるようです。高額なマンションを所有する空中族や富裕層には入らないが、最終住処として家を新築し、アッパーマス層や準富裕層に転落した層は富裕層ではないのか?疑問の余地はありますが、ザックリ富裕層とは自宅を除く金融純資産一億円以上と定義します。下記の図から判断すると、世帯の79.66%マス層が何とアベノミクスの好影響をほとんど受けずにいたどころか、物価上昇で益々生活は苦しくなっています。今後、TPPなどで外国人労働者が増加する中、マス層に抜け出す機会があるのかも疑問です。100万世帯を超える富裕層の中身も、今までは給料が多い人をリッチと考える傾向がありましたが、変わってきているようです。

 

 

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近年、格差問題がクローズアップされる機会が増えてきました。全世界では1%の超富裕層が、富の半分を保有しているという推計もあるようですが、日本の富裕層はどのような人たちで、どのくらいお金を持っているのでしょうか。

 
富裕層は単なる高給取りではない。その定義とは?

 ひとくちに富裕層といっても、その定義は様々です。多くの人は、給料をもらって生活していますから、給料が多い人をリッチと考える傾向がありますが、それだけでは不十分です。富裕層の人は、年収はそれほどでなくても、極めて大きな額の資産を保有しているケースがあるからです。したがって富裕層マーケティングなどの世界では、年収に加えて資産額を評価することで富裕層かどうかを定義するのが一般的です。

 貯金や株式といった資産の額から借金を差し引いたものを純金融資産と呼びますが、この金額が1億円以上あると富裕層と呼ばれることが多いようです。野村総合研究所の調査では、純金融資産が1億円以上の富裕層は、日本では約100万世帯あるそうです。日本の世帯数は6000万弱ですから、約1.6%が富裕層に属することになります。同社では5億円以上の資産を持っている人を超富裕層と定義していますが、超富裕層の数はぐっと減って5.4万世帯となっています。

 富裕層と超富裕層が持つ金融資産は241兆円となっていますが、国民全体の純金融資産は約1300兆円(調査が行われた2013年当時)ですので、富裕層は全体の富の2割弱を持っている計算になります。これを格差が大きいと見るか、小さいと見るかは人それぞれでしょう。ちなみにボストンコンサルティンググループの調査によると、資産1億ドル(約107億円)以上を持つ超富裕層のランキングでは、日本は圏外となっており、いわゆる超リッチと呼ばれる人は日本にはわずかしかいないようです。

富裕層と呼ばれる人たちの職業は?

 では富裕層と呼ばれる人たちはどのような職業なのでしょうか。ソフトバンクの孫正義氏やユニクロの柳井正氏のように大企業の創業者というのは非常に分かりやすい存在ですが、こうした人たちは全体のごく一部です。資産額が1億円から5億円の一般的な富裕層の人はなかなかイメージが湧きません。

 現在ではプライバシーの問題から公表されなくなりましたが、以前は国税庁が高額納税者公示制度に基づき高額納税者の名簿を公開していました(いわゆる長者番付)。これは納税額を示したものであり、年収が高い人と土地などを売却した人が混在しているデータですが、おおよその状況は把握できます。経済学者の橘木俊昭氏らが長者番付掲載者の属性を丹念に調査した結果では、実業家が約33%、大企業の経営者が15%、医師が23.4%、その他が27%でした。その他の多くは、不動産の売却と考えられますので、ここには一般サラリーマンも入っている可能性があるでしょう。

 日本の富裕層は欧米に比べて、土地への依存度が高いといわれます。例えば、親から東京郊外の一戸建てを相続し、夫婦が大企業の社員だった場合、地味に生活をすれば、定年になる頃には1億円以上の資産を持つことは十分に可能です。日本の場合、こうした地味なプチ富裕層が多いと推察されます。

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1歳の子を連れた女子生徒1人を救出『ナイジェリア「ボコ・ハラム」大量拉致』

2016-05-20 06:36:09 | 日記

国連は政治目的で日本の女性人権問題を70年以上過去にさかのぼり、持ち出し、貶めることには熱心ですが、 現実に起こっているナイジェリアで起きた女子生徒の集団拉致問題には無力です。国連が有効な手立てを打たない中、2年前に大量拉致された女子生徒の一人が救出されました。しかし、拉致したボコ・ハラム関係者との子供とみられる1歳の子供も一緒です。平和な日本にいると気付きませんが、世界ではまだ公然と蛮行が繰り返されているのです。救出された女子生徒は隣国カメルーンとの国境地帯にある森の中で見つかり、少女の親たちの団体が身元を確認した。ということですので、国連は命の危険がある他の女子生徒救出に全力を尽くすべきです。

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西アフリカのナイジェリアで200人以上の女子生徒がイスラム過激派に誘拐された事件で、少女1人が2年ぶりに救出され、今も行方が分からない少女たちの救出につながるのか注目されます。

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ナイジェリアでは2年前、イスラム過激派組織「ボコ・ハラム」が北東部の町にある学校から女子生徒たち200人以上を誘拐したうえで「奴隷として売り飛ばす」と脅し、その後、生徒たちの行方は分からないままとなっています。
この事件について、ナイジェリア軍は18日、誘拐された少女のうち1人を救出したと発表しました。ナイジェリア軍は救出の状況など詳しいことを明らかにしていませんが、ロイター通信は誘拐された少女が救出されたのは初めてだと伝えています。
少女たちの救出を訴えているグループによりますと、少女は隣国カメルーンとの国境地帯にある森の中で見つかり、少女の親たちの団体が身元を確認したということです。また、少女は1歳ほどの子どもを連れていたということです。
見つかった少女は、一緒に誘拐された女子生徒の多くは「ボコ・ハラム」の厳しい監視のもと森の中にいると話しているということで、今回の救出が、今も行方が分からない少女たちの発見につながるかどうか注目されます。

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キタ――(゜∀゜)――!!舛添要一都知事(67)“政党交付金400万円”ネコババ疑惑『週刊文春』

2016-05-18 21:33:56 | 日記

本物の税金泥棒』になりそうです。舛添要一都知事の疑惑第3弾❓キタ――(゜∀゜)――!!舛添要一都知事(67)『政党交付金400万円ネコババ疑惑』が明日発売「週刊文春」でスクープ掲載。叩けばセコイ疑惑だらけの都知事です。クリーンな政治を目指すとしながら、集めた公金をネコババしまくり。他の政治家と違うところは入金に対してではなく、あくまで公私混同の支出。正月家族旅行、離党後の政党交付金400万円ネコババ疑惑、趣味の絵画購入費用、家族での飲食、はては家族の衣服まで公金を財布代わりに政治活動以外で使いまくりです。都職員へのまともな自腹接待は、高校生並みのマクドナルドでの食事。トップで、このまま居座れば、都議会は踊り、都庁職員はクレーム対応で仕事が出来ず、真面目な都民の納税意欲は下がりまくりです。都議会与党も来年の選挙を控え動かざろう得ません。

子供の卒業式様に落札。政治資金で落札ならばOUT

 

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舛添要一都知事(67)に、また新たな疑惑が浮上した。舛添氏がかつて党代表を務めていた新党改革関係者が“告発”する。

「2014年の都知事選の期間中、舛添氏は新党改革から約400万円の政党交付金を“ネコババ”しています。新党改革を離党し、無所属で出馬したにもかかわらず、新党改革支部から自身の資金管理団体に政党交付金を移動させているのです」

 この証言をもとに小誌特別取材班が取材を進めると、政治資金収支報告書の記載により、告発内容が事実であることが裏付けられた。

 まず、立候補直前の2014年1月3日と22日の2日に分けて、「新党改革」から舛添氏が代表を務める政治団体「新党改革比例区第四支部」に計600万円が寄附されている。そして告示後の1月28日、31日には、同支部から舛添氏自身の資金管理団体である「グローバルネットワーク研究会」(以下、グ研)に2日に分けて、約526万円が寄附として移動している。このうち429万円が政党交付金、つまり血税であることが、「政党交付金使途等報告書」により明らかになった(その後、「グ研」が14年7月に解散すると、「グ研」の資金約5000万円は舛添氏の現在の資金管理団体「泰山会」へと引き継がれている)。

 この不可解なカネの流れについて、上脇博之・神戸学院大学教授が疑問を呈する。

「政党助成法によれば、政党本部、支部が解散した場合、余った政党交付金は国庫に返還するように定められています。ところが舛添氏は自らの資金管理団体に持ち逃げしており、返還逃れであると同時に公金の私物化です。政治資金規正法の趣旨に反します」

 この疑惑について、舛添氏は事務所を通じて「事実関係を調査したいと思います」と回答したが、都知事選期間中の疑惑だけに都知事としての「正当性」が問われる事態となりつつある。

「週刊文春」

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『鈴木敏文』もう二度と現れない経営の神様――セブンイレブンのすべてをつくり、追われたカリスマ 

2016-05-18 07:32:30 | 日記


息子(鈴木康弘取締役執行役員)が社長になるなんていうのは、まるっきり嘘で、誰もそんなこと言ってない。まるきりそんなことはありえない。と『週刊誌』などによる情報戦で敗れ追われることになったカリスマは『嘘つきは絶対許さない』と不満をぶつけた。自分は「客の心理がわかる」とイトーヨーカ堂創業者伊藤雅俊氏の下でカリスマ性を発揮し続けた鈴木敏文氏でしたが、後継者問題で最後の最後に創業伊藤家を疑心暗鬼にさせ、見放された❓乗っ取りを企てるサード・ポイントのような外資系ファンドや年に数千億円規模の取引があった大企業三井物産を昨年突然、変えたことで逆恨みを買ったのかもしれません。その鈴木氏は「伊藤さんに信用されていたから、ここまでやってこられた」と実直に感謝し続けていた。伊藤氏も高齢により判断力が鈍るまでは常に判断を鈴木氏に任せ、鈴木氏もその期待以上の働きをし、創業家の資産を増やし続けた。しかし、そのカリスマを結果、退陣に追いやり、代わりに天才に否定された凡庸な社長を担いだツケを今後払わされることになりそうです。それにしても潔い引き際です。

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 潔い「引き際」

 愚直なまでに率直な物言い、顧客視線を貫いた商品へのこだわり、ときに強引にも見えた経営手法――カリスマともワンマンとも評されたが、これほど凄い経営者はもう二度と現れないかもしれない。

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勝見明: ジャーナリスト。構成書に『働く力を君に』(鈴木敏文著/講談社刊)。鈴木氏に「私以上に私を知っている男」と評される
信田洋二: 小売り・物流コンサルタント。「Believe Up」代表。セブンイレブン在籍時は120店舗以上の経営指導にあたる
磯山友幸: ジャーナリスト。元日経新聞記者(証券部)、チューリヒ支局長、日経ビジネス編集委員。企業のガバナンス問題に詳しい
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浅漬けひとつでクビが飛ぶ

 信田: 私は'95年から'09年まで、セブンイレブンに勤めましたが、鈴木敏文会長(83歳)の経営スタイルには、驚かされることばかりでした。正直ついていけないな、と思うことも日常茶飯事……。とにかく次に何を言い出すかわからない経営者なのです。

 勝見: 凡人とは全く違う発想法の人でしたからね。

 信田: 例えば、こんな話があります。セブンイレブンでは毎日のように鈴木会長をはじめとした経営陣たちがそろって商品を試食し、品評するのですが、ある日、鈴木会長が「これはうまい」といたく気に入ったキャベツの浅漬けがあった。

 ところが、全国の店ではこの浅漬けがあまり発注されておらず、売り上げも少なかった。その現状に納得がいかなかった鈴木会長は「こんなに美味しい浅漬けをちゃんと売れないなんてどういうことだ!」と激怒し、何人かの責任者が飛ばされたのです。

 カリカリの梅干しが入ったご飯も大変気に入って、同じようなことがありました。たった一つの商品でも、カミナリが落ちるので、周りはついていくのが大変です。一事が万事この調子でしたから、社員の離職率も高かったですよ。

 勝見: 鈴木氏の発想に普通の人々がついていけないのは、彼の考え方のユニークさ故でしょう。

 普通の人々は、去年の同時期の売り上げはこれくらいだったから、今年はこれくらいになるだろうというように、過去や現在の状況を分析して、ものごとを判断します。ところが、鈴木氏の発想の起点はいつも「未来」にあるんです。「現状がこうだから、未来はこうなる」ではなく、「未来がこうなっているだろうから、現状をこう変える」という発想法。

 これは、何気ないことのようで、なかなかできない考え方で、事実、鈴木氏が見ている未来のビジョンを周りの人間が共有できなくて軋轢が生まれたこともありました。

営業経験も販売経験もなし

 磯山: 大型スーパーが全盛の時代に、コンビニを日本に持ってくるという話から始まって、家で作るのが当たり前だったおにぎりを店で売ったり、ATMだけの銀行を作ったり、どれも最初は周囲が反対した例ですね。

 それでも鈴木氏は、反対を押し切ってワンマン経営を進めて成功してきた。ただ、株主など企業の利益を共有している人たちへの「アカウンタビリティ(説明責任)」が求められる風潮が日本でも広がってきて、鈴木氏の経営手法はだんだんと時代に合わなくなってきていたのも事実です。

 勝見: 彼は一対一になると口下手で人見知りなのです。自分の発案を懇々と部下たちに説明するタイプではなく、誤解を生むことも多い。誰にでもわかる一般理論から説く「形式知」の人ではなく、常識とはかけ離れたところから優れた発想をする「暗黙知」の人なんです。

 信田: 伝えたいことがあるのに、口下手で説明しきれないということは、たしかにありました。だから社員も話を聞くときは、鈴木氏が何を言いたいのか、「行間」を読むのに必死でした。

 磯山: そうやって「空気を読む」風土は、非常に日本企業らしい。それでうまく経営が回っているときは問題ないし、社内で価値観が共有できているのは大切なことです。会社が大きくなり、ステークホルダーが多様化してくると、そうもいきませんが……。

 勝見: 鈴木氏は上がり症で、昔、イトーヨーカ堂の店頭に立った時も無愛想で、「お前が立っていると喧嘩を売っているみたいだ」と言われたほどです。店頭での販売や営業の経験もほとんどない。

 磯山: それで、日本の小売りの業界に革命をもたらしたのですから、すごい話ですね。

 勝見: 鈴木氏は自分は「客の心理がわかる」という自信はあったし、それが小売りという商売で一番大切だということをよくわかっていた。

 セブンイレブンのすごいところは、そのような鈴木氏の思考法を会社全体で共有していることです。例えば、セブンイレブンの強みのひとつに「単品管理」という手法があります。これは、商品の売れ筋について仮説を立てて発注し、POSを使って販売データをチェックし、仮説を検証することで次の発注の精度を高めていくという手法です。この仮説と検証というサイクルは、全国すべての店舗で実践されています。

 私が取材していても、OFC(店舗経営相談員。フランチャイズ加盟店に対して経営コンサルティングを行う職種)や店舗オーナーたちが、みな鈴木氏と同じ話をするんですよ。まるで金太郎飴のようです。「お客のためでなく、お客の立場で考える」「最大の競争相手は、お客のニーズの変化である」といった鈴木イズムが隅々まで行きわたっている。このことがセブンイレブンの強みだと思います。

 信田: 私はOFCとして、しばしば鈴木氏の謦咳に接する機会がありました。セブンイレブンでは毎週火曜日朝11時から30分ほど、全国からOFCが集まる会議が開かれて、鈴木氏のスピーチがあります。そこで鈴木イズムが徹底的に叩き込まれる。

「過去のデータに頼るな!」

 磯山: 具体的には、どのような話があったのですか? 
 信田: 例えば、「完売すること」の問題について。普通の店だと商品が完売したら、「よく売りきった」とほめられるのが普通ですが、セブンイレブンでは、「販売の機会損失、売り逃し」として「犯罪行為」にも等しいとみなされます。コンビニに来て、商品がないと、お客が味わう失望感はとても大きいのです。欠品の罪深さについては、毎回話が出ました。

 それから、先ほども話が出た「過去のデータにとらわれないこと」の大切さ。ときどき鈴木氏は「前年のデータなんて消してしまえ」と、データをすべて消去してしまうんです。本来であれば、過去の売り上げの詰まったとても大切なデータなのですが、それにとらわれすぎていては、未来から見た斬新な発想ができなくなる。

 実際、データを消すと、各店舗からの発注数が大幅に増えます。店側もたくさん仕入れれば、在庫を抱えないために一生懸命に売るようになる。

 磯山: すごいショック療法ですね。あれほどの大きな流通組織で、前年比という発想を否定するのは、なかなかできるものではありません。鈴木氏はセブン&アイ・ホールディングスの創業家ではありませんが、実質的には創業者に近い大胆な経営を行っていたことがよくわかるエピソードです。

 信田: イトーヨーカ堂の創業家は伊藤家ですが、セブンイレブンに関しては、実質的には鈴木氏が創業者みたいなものですからね。

 火曜日のFC会議も、前日の売り上げの数字が少し悪かったりすると、月曜日の夜に急遽キャンセルになり、OFCたちには担当の店を回るよう指示が出ることもしばしばあって、急な予定変更に振り回されましたね。

 鈴木氏は、部下たちと一緒に飲んで、話をするというようなこともいっさいしない人でしたね。それどころか挨拶もしない。私が勤めていた頃は、本社の9階に健康相談室というのがあって、そこで顔を合わせることが多かったのですが、こちらが挨拶しても、返事が返ってきたことは一度もありませんでした。

 磯山: 周囲に説明のつかない大胆な決断というのは、社内にとどまらなかった。取引先との折衝も大変だったのではないでしょうか。

 昨年には三井物産との取引を急に減らして、問題になったようですね。ローソンには三菱商事、ファミリーマートには伊藤忠というメインの取引先があって、セブンイレブンにとっては三井物産が重要な役割を果たしてきた。

 信田: 三菱商事や伊藤忠に比べて、三井の商品調達力が弱かったことが気に入らなかったとも言われていますが、取り立てて落ち度があったわけでもなく、切られた理由はよくわかりません。

 理由はともかく、年に数千億円規模の取引があった取引先を急に変えると言っても、他に対応できる会社など簡単に見つからない。結局、食品専門商社の国分グループと取引することになりましたが、この決定には相当大きな軋轢がありました。

優秀な後継者は「潰す」

 勝見: 営業成績の数字は良くても、鈴木氏からすれば、どこかマンネリ化したところが見えたのでしょう。

 実はこれまでも、鈴木氏がメーカーとの取引を急に変更するようなことはしばしばありました。長年のお付き合いだからといって、取引を続けるのはあくまで会社の都合。客の都合とはまったく関係がない。鈴木氏はそういう会社の都合で経営がマンネリ化し、店舗の品ぞろえに驚きがなくなり、客に飽きられることを何よりも恐れていました。

 磯山: 鈴木氏のワンマン体制は'90年代から'00年代までは非常にうまく機能していたと思います。私が『日経ビジネス』にいた時代も、鈴木氏やセブンイレブンを取り上げると雑誌がよく売れたものです。

 一方で、いつまでもワンマン経営ではいけない、ガバナンス体制を強化しなければいけないという話は、セブン内部でも以前からありました。鈴木氏自身、そのことをいちばんよくわかっていたと思います。しかし、そのような話が出るたびに反対して潰してきた。

 勝見: ガバナンスとは要するに経営者が好き勝手しないよう監視するということ。それは株主の利益のためなのですが、逆にガバナンスが過剰になれば、スピード感のある経営は難しくなります。

 磯山: 以前は創業家で大株主の伊藤雅俊氏(92歳)も、鈴木氏に全幅の信頼を置いていました。その意味で、ガバナンスもきっちりと効いた上で、鈴木氏は自由に経営手腕を振るえた。しかし、伊藤氏が高齢となり、創業家内部で世代交代が起こり、サード・ポイントのような外資系ファンドが経営に口を出すようになって事情は変わってきた。

 鈴木氏の退任が決定的になった4月7日の指命報酬委員会でも、伊藤氏に信任のハンコをもらうようにこだわったのは鈴木氏だった。彼はぎりぎりまで伊藤家に信任されていると思い込んでいた。

 信田: 鈴木氏の伊藤家への思いというのは複雑なものがあったと思います。

 鈴木氏は、持ち株会社のセブン&アイを設立するにあたって、イトーヨーカ堂の象徴だったハトのマークを次々と消しました。また、それまで社歌は3番まであったのですが、なぜか2番までしか歌われなくなった。これは3番の歌詞に「愛を届けるハトになる」という歌詞があるからだという噂が、社内ではまことしやかに語られていました。

 勝見: ただ、鈴木氏には「伊藤さんに信用されていたから、ここまでやってこられた」という気持ちは常にあったと思います。

 30歳でイトーヨーカ堂に転職して、頭角を現し始めた頃、西武の堤清二氏やダイエーの中内功氏が鈴木氏のことを欲しがったそうですが、「もし彼らの下で働いていたら3日でクビになっていただろう」と話していました。

 磯山: その創業家から井阪一社長を外すという人事案の賛成を得られなかったことで、鈴木氏は退任を決めたのでしょう。

 鈴木氏には、「井阪ではだめだ」という未来が見えていたのかもしれませんが、彼の直感を押し通せる時代ではもうなくなっていた。

 勝見: ただ、社外取締役も含め周囲から納得を得られる経営者が必ずしも正しいとは限りません。鈴木氏が周囲を納得させることばかり重視する経営者だったら、現在のような躍進はなかったと思います。

 信田: 井阪氏の仕事ぶりは堅実で、社内での評判は悪くありません。鈴木会長には物足りなかったのかもしれませんが……。

 いまやセブンイレブンは全国に1万8000店を展開する大企業で、成長期から安定期に入りました。お客の都合を優先することがなにより大切なのもわかりますが、会社の都合とのバランスを取っていかなければならない時代になっています。

 井阪氏以前にも、有力な後継者だと見なされながら、鈴木氏に意見をして、刺し違えて社を去って行った人は何人もいます。鈴木氏は後継者を育てるタイプではなく、むしろ優秀な部下はつぶしにかかる。

 その一方で、次男の康弘氏はホールディングスの取締役にまで出世しているので、社内では「なぜ、会長の次男ばかりが出世するのか」という声が出ていました。

潔い「引き際」

 勝見: なるほど、結果として康弘氏が取締役になっていますが、敏文氏自身が明言しているように、息子を後継者としては見ていなかったと思います。彼は、決して嘘をつかない人ですし、私利私欲もない人。これといった趣味もなく、ゴルフもあくまで「運動のため」にやっているくらい。根っから実務に徹する仕事人間なんです。

 信田: 正直なところ、私は最後まで鈴木氏の真意がどこにあるのかわからなかった。彼の指示に従って、自分がやってきたことが正しいかどうかもわかりません。

 それでもFC会議で毎週のように叱られているうちに、鈴木イズムが体に染みつきましたし、それが今の仕事にもつながっています。鈴木氏が一線から退いたとしても、彼の経営方針がセブンイレブンの隅々にまで共有されているうちは、ちょっとやそっとで屋台骨は揺るがないでしょう。

 磯山: 改めて言うまでもなく、鈴木氏は稀に見る偉大な経営者でした。独自の発想とスピード感で創造と破壊を繰り返し、コンビニという小売りの形態を極限にまで成長させた。しかし鈴木氏が引退した後、集団指導体制になれば、必然的に経営のスピード感はなくなっていくでしょう。やはり、後継者を育てられなかったことが経営者としての限界だった。

 最後に付け加えるとすれば、鈴木氏はオーナーでなかったこともあって、スパッと辞めることができたのは会社にとっても、本人にとってもよかったと思います。今後、最高顧問といった肩書がつくかどうかわかりませんが、ダイエーの中内氏などと比べて、引き際が潔かった。特異な才能で流通の一時代を築いたカリスマにふさわしい去り方だったのではないでしょうか。

 「週刊現代」2016年5月21日号

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『清原和博被告(48)の初公判』「更生の大前提は入れ墨を消すこと」情状証人 佐々木主浩氏

2016-05-17 08:35:47 | 日記

元プロ野球選手の清原和博氏が今後自身の生計を立て、過去を生かし社会貢献するには「野球界」しか無いはずです。佐々木氏が主張しているように刺青を消し、極道界から完全に足を洗うことです。更生できれば、いつか過去を「しくじり先生」などで赤裸々に笑って語ることも出来る。初公判で清原和博氏はスポーツマンらしく起訴内容を認め、即日結審する見通しです。東京地裁は甲子園を沸かせたKKコンビ以来の大フィーバーになりそうです。

以下コピー

覚せい剤取締法違反の罪に問われた元プロ野球選手の清原和博被告(48)の初公判が17日午後1時半から、東京地裁(吉戒純一裁判官)で開かれる。2月に逮捕されて以降、公の場に姿を見せるのは初めてで、発言が注目される。公判に弁護側の情状証人として出廷する野球評論家の佐々木主浩氏(48)は周囲に、更生の第一歩として「まず入れ墨を消すべき」と話している。

 清原被告が佐々木氏に情状証人を依頼したのは、3月17日の保釈後すぐだったとみられる。関係者によると、清原被告から直接電話があったという。

 佐々木氏は清原被告と同学年で高校時代からの友人。公判では人柄や今後の更生に協力することなどを証言するとみられる。

 佐々木氏が更生の大前提にしているのが「入れ墨を消す」ことだ。清原被告は右脚や左胸から背中にかけて竜の入れ墨がある。佐々木氏は周囲に「入れ墨があるとグラウンドに入ることも、仕事もできない。入れ墨を消して出直すべきだ」と話し、本人に直言したこともあった。清原被告の更生を願う人の多くが同じ考えで、PL学園の1年先輩だった清水哲氏も「まず入れ墨を消すところから」と社会復帰への道を思い描いている。

 佐々木氏の知人は「入れ墨を消すのは大変なことだと思うが、これからも求めていくことになるだろう。それが清原被告のためになると佐々木さんは信じているんです」と思いを代弁する。

 2月2日に逮捕されてから105日ぶりに公の場に姿を見せる清原被告。初公判で弁護側は起訴内容を認め、即日結審する見通し。覚醒剤を使い始めた時期や経緯など分かっていない部分が残っており、公判で明らかになるのかどうか注目される。

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舛添都知事の“拙劣極まりない危機対応”、元東京地検特捜部郷原氏、刑事事件化を予言!

2016-05-15 18:04:52 | 日記

政治資金に詳しい元地検特捜部郷原弁護士によると「政治資金の「支出」に関する虚偽記入について、政治資金規正法違反で刑事責任を問われた例は、おそらく過去にはないだろう。」もし「電話のやり取りのみで会議は行われておらず、『宿泊費』として政治資金収支報告書に記載すべきだったのに、会計責任者が『会議費』と誤って記載してしまった。」と説明し、いずれにしても「収支報告書を訂正、削除した上で返金する。」と記者会見すれば刑事責任は免れたと個人的意見を述べた。元地検特捜部上がりの先生ですから重みがあります。どうやら立ち会った記者達の追求の甘い稚拙さで逃げ切った感がありましたが、語るに落ちた感が出てきました。決め手は『自分のカネは極力ケチった為に十分なリーガルチェックを怠った。』会見で会議をしたと明言した以上、会議した相手や内容等の客観的資料が必要で東京地検特捜部が「告発」に基づき調べれば事実関係はすぐに解明できるはずです。会議は開催されていない。→「虚偽記入罪」→政治資金規正法違反容疑→都議会紛糾→辞職?裁判 舛添知事の好きなパリの「会議は踊る、されど進まず」と200年前のウィーン会議張りの都議会大混乱です。来年の都議会選挙を見据えて、与党といえども我が身かわいさに紛糾するはずです。

以下抜粋コピー

正月の家族旅行の費用を、政治資金収支報告書に「会議費」として記載していた疑いなどが指摘されていた舛添要一東京都知事が、昨日(5月13日)の定例記者会見で、

参議院議員時代の2013年1月と2014年1月の2回にわたり計37万1000円を会議費として千葉県内のホテルに支出していたことについては、宿泊していた部屋で事務所の関係者らと会議を行った。2013年は直前に行われた総選挙の結果総括と、その年の7月に予定されていた参議院選挙の対応について、2014年については、直後に出馬表明した都知事選の対応について会議を行なった。

などと、ホテル代金の支払いは政治活動の支出であったと説明した。そして、

会議使用とはいえ、家族が宿泊している部屋を使用して懸念を招いたことは反省している。

と述べて、2件の会議費の支出について、収支報告書を訂正、削除した上で返金する方針を明らかにした。

正月の温泉ホテルでの家族との滞在の際に、政治に関連する「会議」を開いたと説明しながら、会議の内容はおろか、参加者や人数などについても「政治的な機微やプライバシーに関わる」として明らかにしないという説明は凡そ論外であり、全く信用できない。この点については、長谷川豊氏、おときた駿氏などのブログでの厳しい指摘に全く同感である。

私は、舛添氏の政治家としての姿勢・資質について、かねてから根本的な疑問を持っており、今回の疑惑について週刊文春で指摘された後、「精査する」という言葉を繰り返していた舛添氏が、記者会見で、真摯な説明・謝罪をすることはないだろうと思っていた。舛添氏が、会見で見苦しい弁明・言い逃れをしたのは予想どおりであった。

しかし、それにしても私が不思議に思うのは、数日間、「精査する」という言葉を繰り返し、時間をかけて検討していたわりには、余りにも弁明の内容が拙劣なことだ。都民の理解・納得を得られないどころか、刑事責任という面に関しても、重大な「突っ込みどころ」を提供してしまったように思える。

今回の舛添氏の疑惑については、政治資金規正法違反(政治資金収支報告書への虚偽記入罪)に当たるのでないかが問題とされていた。家族旅行の費用を政治資金の支出として記載するのが、「虚偽の記入」に当たることは当然のようにも思えるが、それが、実際に、犯罪として処罰の対象になるかと言えば、そこには、いくつかの隘路があった。

まず、政治資金の「支出」に関する虚偽記入について、政治資金規正法違反で刑事責任を問われた例は、おそらく過去にはないだろうということだ。

政治資金の寄附などの「収入」を収支報告書の記載から除外する「ヤミ献金」が処罰の対象にされた例は多数ある、しかし、「支出」に関しては、過去に、問題が指摘されて政治家が批判された例は少なくないものの、刑事事件として立件され、処罰された例は聞いたことがない。政治資金の使い方は、基本的には、政治家や政党の政治的判断に委ねられているので、おかしな使い方をしていても、「支出の適切さ」の問題にとどまり、収支報告書の記載が「虚偽」で、しかも、「意図的な虚偽の記入」だと立証できる場合はほとんどないからだ。

ましてや、2件のホテルの宿泊代の合計約37万円という金額は、過去の政治資金収支報告書の虚偽記入罪の事例と比較すると、二桁小さい。

常識的に考えれば、今回の舛添氏の問題も、刑事事件として立件され、起訴される可能性は低いということになる。

ところが、今回の舛添氏の弁明で、「会議費」として記載した理由について、「宿泊していた部屋で事務所の関係者らと会議を行った。」と説明したことで、その「会議」が実際に行われたのかどうかが、収支報告書の「虚偽」記入があったのか否かに関する最大のポイントとなった。しかも、その「会議」の存在には、重大な疑問が残されたままである。

そもそも、本当に会議を開いたのであれば、少なくとも、参加者の人数ぐらいは示せるはずであり、長谷川氏も指摘するように、正月の家族旅行中に緊急に会議を行ったのであれば、関連するメール等のやり取りがあるのが当然だ。

舛添氏の会見での説明が嘘だとして、政治資金規正法違反で検察庁に告発が行われる可能性は高いであろう。その場合、「会議」が実際に開かれたかの事実解明が、検察によって、刑事事件の捜査として行われることになる。客観的証拠を収集し、関係者から聴取すれば、事実は容易に判明するはずだ。

37万円という金額について、刑事事件にするレベルかという問題はあるものの、政治団体の代表者である舛添氏自らが、「会議を開いたのだから“会議費“の記載は虚偽ではない」という弁解を続け、それが虚偽だったということになれば、「政治資金の収支を公開し、政治団体及び公職の候補者により行われる政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにする」という政治資金規正法の趣旨に照らして、看過できない犯罪と評価されることになりかねない。

もっとも、政治資金収支報告書に関連する犯罪については、収支報告書の記載について責任を負うのは会計責任者であり、今回の舛添氏の問題も、会計責任者に「虚偽の認識」がない限り犯罪にならない、という見方もあるが、私は、必ずしもそうは思わない。

というのは、政治資金収支報告書に、記載すべき事項を記載しなかったという「不記載罪」は、その記載義務を負う会計責任者の「身分犯」であり、会計責任者に犯罪が成立しなければ、代表者を含め、他の者に犯罪が成立する余地はないが、「収支報告書に虚偽の記入をした」という「虚偽記入罪」は、身分犯ではなく、誰が行っても犯罪は成立するとされている。今回の問題でも、「会議費」の記載について、舛添氏自身が行ったか、或いは、行わせたという事実が立証できれば、犯罪が成立することになる。

事実関係の詳細は不明だが、家族旅行のホテルの宿泊費は、舛添氏自身が支払いを行い、ホテル側から領収書を受け取っているはずだ。そして、舛添氏が、記者会見で、それを「返金する」と言っていることからすると、そのホテル宿泊費に該当する金額が、政治資金から舛添氏に支払われたということだろう。そうなると、その領収書を会計責任者に渡し、政治資金から支払いを受けた段階で、実際には、会議が開かれていなかったということであれば、虚偽であることを認識していた舛添氏の指示によって、会計責任者が、政治資金収支報告書に「会議費」と虚偽の記載をしたことになり、舛添氏自身について虚偽記入罪が成立することになる。(会計責任者が「会議の不存在」を認識していれば舛添氏との共犯。知らなければ、会計責任者を「道具」に使って舛添氏が自ら記入したということになり、「間接正犯」が成立する。)

つまり、会議が実際は行われていなかったとすれば、告発された場合には、罰金程度の処罰は免れないという結果になる可能性が高い。(罰金刑でも、原則として公民権停止で都知事失職となる。)

舛添氏は、どうして、自ら墓穴を掘るような拙劣な対応をするに至ったのだろうか。この数日間、舛添氏の危機対応を検討し、助言する弁護士や専門家がいれば、そのような助言はしないはずだ。

私が予想していた、最も「手強い弁解」、「巧妙な危機対応」は、「正月の家族旅行でホテル宿泊中にも、常に政治情勢の分析を行い、自らの政治活動の方針について考え続けていた。そのためのロケーションとして、家族も滞在する、海の近くのホテルが最も相応しい場所だった。滞在中も、関係者との電話連絡も行った。そこで、ホテル滞在費も、政治に関する費用に含まれると考え、政治資金から支出した。」と説明し、「『宿泊費』として政治資金収支報告書に記載すべきだったのに、会計責任者が『会議費』と誤って記載してしまった。」と説明し、いずれにしても「収支報告書を訂正、削除した上で返金する。」としていれば、これを「明白で意図的な虚偽記入」だとして刑事処罰を行うことは困難だったはずだ。

そのような説明で、「会議費」ではなく「宿泊費」だったと認めた上で、全面的に自らの非を認め、政治資金の使い方についての自ら姿勢を徹底的に改めるとして、真摯に謝罪していれば、都民の理解納得を得ることも、ある程度ではあるが期待でき、しかも、刑事処罰のリスクもなくすことができたはずだ。

長谷川氏は、「時間をかけて弁護士さんやリスクマネジメントの専門家チームと何時間もかけて質疑応答の練習をしてたんでしょ。訴えられないように。」と推測しているが、専門家にそういうことを依頼するとすれば、その費用には、都の予算はもちろん、政治資金をあてることもできず、「自腹で払う」ことになっていたはずだ。あらゆることについて自信満々で、しかも、ケチだとされる舛添氏は、そのようなことにお金を使おうとしなかったのではないか。

だとすると、結局、そういう舛添氏の人間性が、このような拙劣な危機対応という結果を招き、事態を一層深刻なものにしてしまったと言えるだろう。

郷原信郎(郷原総合コンプライアンス法律事務所代表)

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