菅政権下で衆参3選挙で全敗を喫した自民党。都議会議員選挙でも敗北し総選挙へ立て直しを急ぐが、全国各地で頻発
する内紛が追い打ちをかけているようです。山口4区 は安倍前首相の選挙区で岩盤ですが、山口3区は内紛です。二階
派の河村建夫元官房長官対岸田派の林芳正元文部科学相の対決で、自民党総裁選絡みの様相です。次期衆院選挙で大幅
に議席を減らしそうな自民党はこんな争いをしている場合ではないでしょうが、当事者にとっては死活問題です。筆者
は高齢の河村氏が比例に回れば済むような気もしますが、選挙に弱い菅首相の指導力低下が原因でしょう。衆議院選挙を
目前に控え不安を抱える自民党若手議員を中心とした総選挙前の自民党総裁選挙の芽が膨らんでいる様相ですね。
❷山口3区“代理戦争”二階派と岸田派、衆院選挙後の主導権争い
永田町では、首相を目指す上で衆院議員の肩書は必須条件とされる。次々回の衆院選で山口県の選挙区は4から3に減る
こともあり、「林氏には今回が最後のチャンス」と岸田派幹部。派内には政策通の林氏が衆院議員になれば、林氏への
「代替わり」を期待する声もある。派閥領袖(りょうしゅう)の地位を脅かす存在でもある林氏の挑戦について、岸田
氏は「日本にとって大切な人材。しっかり応援したい」と強調した。一方、河村氏の後ろ盾となる二階俊博幹事長らは
一斉に反発。林氏の会見直後に開かれた派閥会合では「(河村氏を)全員で支える」と確認。二階派幹部は「もう引け
ない。全面戦争だ」と鼻息を荒くした。河村氏も記者団に「党公認として議席を守る使命感に燃えている」と強気を前
面に出した。党執行部は「現職優先」を掲げており、二階氏は林氏の処分も辞さない構えだ。だが、党内には公認を争
う選挙区が他にも10程度あり、他派閥の現職に二階派の現職らが挑むケースも多い。公認調整を巡っては、二階派議
員にブーメランのように跳ね返ってくる可能性もある。
以下抜粋コピー
自民党岸田派の林芳正元文部科学相(60)=参院山口選挙区=が15日、次期衆院選で二階派の河村建夫元官房長官
(78)が現職を務める山口3区(山口県宇部市、萩市など)からのくら替え出馬を正式表明した。党本部は「現職優
先」の立場だが、県連は林氏の公認を求める方針で、閣僚経験者同士による公認争いはさらに過熱しそうだ。衆院選
のたびに取り沙汰されていた林氏のくら替えが現実になった。「山口3区から立候補する決意を固めさせていただいた」
記者会見に先立つ15日の後援会会合で林氏が表明すると、支持者約100人から大きな拍手が湧いた。自民党県連や公
明党県本部の幹部も参加。県連は午後の役員会議で、3区は林氏を推薦する方針を確認した。くら替えは安倍晋三前
首相=山口4区=に続く首相候補として、多くの県連幹部が後押ししてきた。これまでに参院議員から首相に就任し
た例はないためだ。6月に発表された2020年国勢調査結果(速報値)を受け、県内四つの小選挙区は次々回の衆院選
から1減する可能性が高い。県連関係者は「今回を逃せば、くら替えは難しくなる」と語る。自民党の二階俊博幹事
長が山口3区について「現職優先は間違いない」と林氏をけん制する中、県連の中核である県議たちが動いた。複数
の関係者によると、県連の重鎮である柳居俊学(しゅんがく)県議会議長が、県議会(定数47)の最大会派「自民党」
所属の議員全員を当選回数別などで呼び出し、白い和紙への署名を求めた。上京した柳居氏は今月13日山口泰明・党
選対委員長に26人分の署名が入った“推薦状”を示した。県連関係者は「党本部に『林氏支持は地元の声だ』と示すた
め」と説明。林氏は公認が得られなくても出馬する意向で、県連幹部は「林氏が勝てばいいだけ。その時に党本部が
どう対応するのか。原則は主権在民だ」と強気に語る。くら替えを巡る動きが激しさを増す中、河村氏は5日から朝
夕のつじ立ちを始めた。文科相や官房長官など要職を歴任した、当選10回のベテランだが、9日夕方に萩市の交差点
に立った際は「最初に立候補した初心に立ち返る」との思いからビールケースの上に立ち約1時間、行き交う車に手
を振り続けた。近年は選挙前につじ立ちをしたことはなく、周囲は「林氏の動き対する強い 危機感の表れ」とみる。
「自由民主党」と書かれたたすきもかけ、自民現職を強調した。支援者へのあいさつ回りも精力的に進めるなど「細
かく歩いて顔を合わせる」(陣営関係者)ようにしており、18日に宇部市で開くセミナーにはオンラインで麻生太
郎副総理兼財務相が参加を予定するなど政権中枢との関係もアピールする。河村氏は15日、報道陣の取材に「どなた
がお出になろうと、党の議席を守る使命がある。強い思いで選挙に臨みたい」と対抗心をにじませた。河村氏の後援
会幹部も「我々が起こした争いではないので粛々と対応するだけ。互いに政治生命をかけた厳しい選挙になる」と保
守分裂の戦いへ気を引き締めた。