5月5日(日)
他の県ではどうだか知らないが、我が街の映画館ではだいぶ前から公開された映画「翔んで埼玉」が未だにロングランを続けている。埼玉を小馬鹿にしたような内容らしいから観たくも無かったが、テニス仲間に聞いてみると殆どの人が見終えており、「意外と面白かったよ。」と評判も悪く無い。
埼玉県民としてはやっぱり観とくべきかなと思い、昨日の午後映画館を訪れた。しかし少女漫画の実写版みたいな映像を観始めた途端、来るんじゃなかったと激しく後悔した。
これがテレビだったら即座にチャンネルを変えている。ビデオだったら速攻停止ボタンを押している。だけど安からぬチケット代払ったからにゃ帰る訳にもいかないではないか。
クダラナイ。内容が実にクダラナイ。アカデミー賞に「クダラナイで賞」という部門があったなら、断トツぶっちぎりで受賞する事間違いない出来栄えだ。
まず現代と過去がゴチャゴチャで、いつの時代背景やら判らない。主演のGACTや二階堂ふみを始め登場人物の化粧がケバ過ぎて、宝塚歌劇や旅芸人一座の演劇ショーを観てるような気分になった。
埼玉やその他関東周辺県をコケにして、この作品がヒットしているのは一体何故何だろうか?中高年をコケにして人気者になったお笑い芸人綾小路きみまろさんの漫談と、相通ずるものがあるようにも思える。
あまり埼玉をバカにして少しは申し訳ないとでも思ったのか、最後の方では「晴天率が日本一」、「埼玉発祥のヒット商品が一杯ある。」何て持ち上げるシーンも幾つかあったけれど、別に誉めてもらわなくてもけっこうだ。
「埼玉が本当はとても良い所」という事を・・・チコちゃんは知っている。・・じゃ無くて埼玉県民だけは知っている。例えば「天気が良くて災害が少ない。」「山へ行くにも都心へ行くにも便利な交通アクセス」、「海は無いけど豊かな自然に、恵みの田園風景」、等々と数え上がればキリが無い。
だけどそんな良いところを他県の人に知られたら、大勢の人が埼玉へ押寄せて地価は上がるし住み難くなる。実を言うとこの映画は、それを未然に防ごうとする埼玉県民の深い策略が隠されているのです。