monologue
夜明けに向けて
 



「六さん、この系図のトヨもまたイチであればヒミコより始まったイノチをつないでゆく名前イチを、継ぐものがこれから現れる時、新たな時代が開くのだろうね。」
「もうお忘れでしょうがおいらはヒミコの本名を知りたかったわけでその目的は遂げたのでもうおいとまします。脚本を書きに帰りますのでそれでは…。劇団員のチケット割り当てはひとり20枚なんですがお礼をこめていくらかお送りしますよ。カンパが劇団のイノチをつないでゆくって知ってますよねえ、ご隠居さん」
「えっ、それでは脚本が完成するというのか。そ、そんな…、芝居ができあがってもチケットは送らないでおくれよ。お願いだから…。わたしのことは忘れてくれ。」了
fumio

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