monologue
夜明けに向けて
 



   昨日、NHKBS1「アジアクロスロード」でミハイル・ホドルコフスキー 裁判に対する内部告発を採り上げていた。ウイキペディアによるとミハイル・ボリソヴィッチ・ホドルコフスキー(Михаил Борисович Ходорковский, Mikhail Borisovich Khodorkovskii, 1963年6月26日 - )(47歳)は、ユダヤ系ロシア人でロシアの実業家、企業家。石油会社ユコス社の元社長で新興財閥(オリガルヒ)のひとりであったが2003年4月に「シブネフチ」社を吸収合併する計画を発表後10月に脱税などの罪で逮捕・起訴され社長を辞任した。2003年後半にホドルコフスキーがプーチン大統領への批判を公言し始め、ロシア連邦共産党を含む野党に対し献金を行っていたことが直接的な原因で石油の国家管理を進めるプーチン政権の反発を招いたという。2005年5月31日モスクワ市メシャンスキー地区裁判所は、ホドルコフスキーに対して禁固9年の実刑判決を言い渡した。同年9月22日モスクワ市裁判所は、控訴審判決で、ホドルコフスキーに対し、禁固9年とした1審の判決を減刑し禁固8年を言い渡した。また、1999年から2000年まで約170億ルーブル(約652億円相当)を脱税したとして、詐欺罪、横領罪でも有罪とされた。刑の確定により、同年12月に予定される下院補欠選挙に立候補する資格を失った。これはプーチン政権による事実上の立候補妨害との観測が強いという。その後ホドルコフスキーはシベリア・チタ州(現在はザバイカリエ地方)の刑務所に収監され、現在も服役中。メドヴェージェフ政権発足後の2008年7月16日、刑期の半分が過ぎたことから仮釈放を申請したが、同年7月22日、ザバイカリエ地方チタ市の地区裁判所はこれを却下し2010年末、刑期の2017年までの延長が決定されたということである。

  その裁判に対して判決を下した裁判長の補佐官の女性法務秘書ナターリア・ヴァシーリエヴァ(Наталиа Василиева)が、民間のテレビ局にホドルコフスキー裁判の判決は、担当判事のダニーキン(Виктор Даникин)が、他人が書いた判決文を単に読み上げたに過ぎなかったと暴露したのだ。ダニーキンはこの裁判に関して常に上級裁判所(モスクワ市裁判所)から圧力を受けていて判決を書いたのは裁判長ではなく、上級の裁判所の複数の判事で、それを押し付けられた。また裁判長はたびたび上級の裁判所に呼び出されるなど、たえず厳しい統制と圧力を受けていたことを証言したのである。プーチン首相は判決の前に、「泥棒は刑務所に入れておくべきだ」と発言していたという。ロシアでは司法行政立法の三権が分立していないということをうかがわせる興味深い ニュースだった。翻って日本ではどうかというと、尖閣諸島沖中国漁船体当たり事件の船長釈放は官邸の指図であったということが定説になっている。それでも日本は先進国で司法行政立法の三権が分立していると胸を張れるだろうか。
fumio


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