風に乗って♪

自然観察が趣味の主婦です。おもしろそうな事は何でもやってみたくて、好奇心のおもむくまま暮らしています。

毒草をかじっていたナミアゲハの幼虫

2023年06月10日 | ナミアゲハ
庭で水まきしているとき
鉢植えで育てている「ミヤマシキミ」の葉の上に小さな虫がいて
葉の端っこがほんの少しだけ、かじられているのをみつけました。

うわ~、ミヤマシキミは強い毒を持っている植物です。
こんなの食べるの、どこの誰??
何年か前に山で採ってきた枝を挿し木して育てているのですが
この葉っぱを食べた虫を見たのは初めてです!

メガネを掛けて、顔を葉に近付けてみると・・・
えっ?なんで??
葉っぱの上にいたのは、ほんの小さなアゲハ蝶の幼虫でした。


アナタが食べたの?
ミヤマシキミの鉢植えは、ちょうどミカンの木の下に置いてあったので
ミカンから落ちてきた幼虫が、空腹に耐えられずかじったのかもしれません。
それにしても食草でない葉を、空腹で食べるなんてこと、あるの?
謎でしたが、とりあえず部屋に連れてきて、ミカンの葉の上に乗っけてみました。


3分後、すごい勢いで葉を食べ始めました。
お腹すいてたんだね・・・



毒で死なないか心配して様子を見ていましたが
うちに来て5日後に脱皮をしました。


脱皮する前も鳥のフンに似ていましたが、さらにテカテカ光って
新鮮なフンに擬態しています。
水分を含んでいるような見た目ですが、触ってみると体はサラサラです。
まるで「だまし絵」みたいな、高度なテクニックです(^m^)


体長はやっと17mmくらい。
毒の影響はなかったようで、良かったです。


台所で洗い物をするとき、真ん前で見られる位置にケースを置いて
観察しつつ、生き物が同じ部屋にいることに癒されています(^-^)ゝ


**
この鳥フンの時期は、それほど食欲旺盛でもなく
食べているより、葉の上でじっとしている姿を見るほうが多いのに
脱皮してから2日で、体長が1cmも伸びました。


そして
前回の脱皮から、わずか4日後・・・
午後11時頃、寝る時に「おやすみね~」とケースの中を見ると
えっ?鳥フンちゃんが青虫になっていました\(^o^)/


脱皮した直後のようです。
ナミアゲハですね(#^.^#)
お面が記念写真のように、良い場所にありました(笑)


アゲハチョウの幼虫は、5回目の脱皮で青虫になるそうです。
鳥のフンに擬態しているのなら、最後まで黒いままで良いのでは?と思いますが・・
これだけ体が大きくなると、フンには化けられず葉と同色になるのでしょうか。


最後に脱皮してから2日後です。
休む間もなく、葉を食べてムチムチになってきました。


これから身を守るのは、大きな目玉模様です。


今回、アゲハチョウのエサは、ふつうのミカンよりも大きな
八朔の葉を与えています。
一枚の葉の面積は、幼虫の体長の約5~6倍もあるので
もし人間だったら、畳2畳分くらいの大好物の上に乗っているようなものなのかなと
想像したら楽しくなります。
一心に葉をかじる幼虫を見るのは飽きません。




この頃、父に庭の八朔の新芽を、ぜんぶ切らました(>_<)
切られた枝を1本ずつよく見て確かめたけど
葉に居た幼虫はこの子しか見つけられず、部屋に連れてきました。


***
ナミアゲハが終齢幼虫になってからちょうど1週間経ったお昼頃
葉から離れてケースの壁面に貼り付きました。
今までも、食べるのに飽きたのか、エサの鮮度が気に入らないのか
葉を離れて、ケースの壁に引っ付いている事はありましたが
今回は「一時離脱」とは違う感じです。


まだ体を固定していなくて、少し動くようなので、ケースの角に段ボールを貼り付けました。
ブログをフォローさせていただいている方の、天才的なアイデアなのですが
ここでサナギになってくれると、羽化の準備が格段にスムーズなのです!


見守りましたが翌日、体を折り曲げて
壁面でサナギになる態勢に入りました。
もう少し早く段ボールを貼れば良かったです。


翌朝、サナギになる場面を見たいと思って起きてきたら
早起きしていた母が「サナギ、落ちてるよ」と教えてくれました。
えーー、うそ、なんで。
生き物観察はもう「なんで、どうして」この言葉の繰り返しです(^^ゞ


あらら・・
原因は、脱いだ皮がお尻から上手く外せなくて
体を固定していた糸が切れてしまったせいみたいです。


蛹化ホヤホヤの、柔らかいサナギをどうにかつまんで
ティッシュペーパーで作ったお包みに納めました。


カエルさんに抱っこされてる(^m^)


生まれてすぐ、食草から落っこちて
サナギになってすぐに、また落下するなんて・・・
でも、縁あって出会った幼虫なので、無事に羽化できるように祈っています。


それから、このブログを書くのにミヤマシキミのことを詳しく調べたら
普通にシキミと呼ばれている植物は「マツブサ科」ですが
ミヤマシキミは「ミカン科」だと初めて知りました。
だから、幼虫がちょっとかじってあったのかな?
虫と植物の関係は奥深くて、興味が尽きません(#^.^#)

蛹化は6月3日でした。
今の時期なら、2週間後くらいに羽化すると思うのですが
羽化は毎回心配で、今からドキドキしています。