風に乗って♪

自然観察が趣味の主婦です。おもしろそうな事は何でもやってみたくて、好奇心のおもむくまま暮らしています。

アカメガシワの枝に穴を開けるゾウウムシ

2023年06月15日 | いきものの観察や飼育
あーーー!
また私の木が切られている('A`)


仕事から帰って、車から降りると
庭の入り口に生えたアカメガシワの新芽が
地面に落ちて萎れているのを見つけました(>_<)


アカメガシワは雌雄異株、オスとメスの木が別の落葉高木で
放っておくと背丈が10mにもなるので
本来なら、庭に生えてはいけない樹木の一種なのかもしれないのですが・・・
去年の夏にこの木がメスだと分かったのです。
どうしても果実を見たくて、冬に低い位置で剪定して、春芽吹きを待ちました。


春の芽吹き。


この木の成長の速さが怖くなりながらも
美しい葉を眺めているうちに・・


あっと言う間に私の背丈を越えてしまいました(^^ゞ


このアカメガシワには昨年、雌花が咲いたのですが
果実が実るまでには至らず
今年こそと、楽しみにしていました。
大切な木を切ったのは、天敵の父だと思って
瞬間的に苦しい思いになりましたが・・・
ん?ちょっと待って。


人が切ったとしては不自然な感じ。
何だろう?枝の間をよく見てみると・・・
小さな虫が枝にしがみ付いていました。


もしかして、アナタが切ったの?

鼻が長いです。
ゾウムシ?それともチョッキリ?
ボケてない写真を撮るのに雨の中、何度もシャッターを押して
どうにか撮れたのが、この写真です(^^ゞ


葉を切り落とすのは、チョッキリの特徴ですが
その葉をよく調べても産卵はされていなくて、謎です。
チョッキリやオトシブミでないなら、この子はゾウムシなの?
それで「アカメガシワ・ゾウムシ」で画像検索してみると
写真に撮った虫さんと同じ姿の
「ホオジロアシナガゾウムシ」が見つかりました\(^o^)/


**
ホオジロアシナガゾウムシ
(頬白脚長象鼻虫)
ゾウムシ科、アナアキゾウムシ亜科
頬が白いと表現されていますが、白いのは頭部でなく胸だそうです。
前脚が特に長くて、枝につかまるのに適した進化です。
この虫は、長い口で木の幹に小さな穴を開けて、そこにひと粒ずつ卵を産みます

***
ハゼやヌルデ、アカメガシワに集まり、それらの若枝を切って産卵する・・
ネットで調べたらそう書いてありました。
さらっと書いてありますが、産卵するのにどうして「若枝を切る」のか
その理由が分かりません。
産卵した場所を覆うように、葉があった方が良いと思うのだけど、あえて切るのはなんでだろう?
枝先を切り落とすことで、産卵した箇所に水分や養分が行き渡るのか?
植物の事に詳しくならなければ、虫のことも理解できないのかもしれないです。


その代わり、ひとつ発見したことがありました(#^.^#)
ホオジロアシナガゾウムシは産卵したあと
その穴を埋めるために木くず詰めると書いてあったのですが
その木クズをどこから調達するのか?
息をひそめてずっと観察していたところ、それが分かったのです。


次の穴を掘ったときに出る木くずを、前の穴に丁寧に詰めていました。
少しずつ、顔を左右に振り
トントンと叩きつけながら、根気よく詰めていました。
産卵のために開ける穴は、3~4か所ですが
最後の穴だけは、木くずを採るためだけの穴で、ぽっかり開いていました。


一番上の穴だけ、空っぽに開いてます。


「細長い口で木の幹に穴を開けるゾウウムシ」
短い動画ですが、木くずを詰める動作が可愛いです(#^.^#)


ゾウムシを見つけてから、今日で3日目。
毎日葉を切り落とし、たくさんの穴を開けて、卵を産み付けています。
大切な木なのに、葉を切り落とされているのを見るたびに
嬉しくて心が躍ります。
全部切ってもいいからね~と。
もし父が切ったのなら、凄い怒りの感情が出てくるのに、と思ったら笑えました。
エコヒイキですね(^m^)

ホホジロアシナガゾウムシは梅雨の頃が産卵期で
その年に羽化した個体が越冬して、翌年に産卵するというサイクルだそうです。
孵化の様子を見てみたいので、引き続き観察を続けます(^-^)ゝ