9月の中ごろ
夕方の買い物の帰りに
神社に寄り道したら
つぼみが膨らみ始めたスイフヨウの木で
一番最初に咲いた「一番花」が
しぼんで赤く、ポツリと残っていました。
フヨウは夏の初めに咲くイメージだけど
スイフヨウって、秋に咲き始めるんだっけ?
赤く染まった一番花と
明日にも開きそうな子を探して
少しだけ、いただいてきました。
夕方5時。
「明日は咲くよ~」とはしゃぐつぼみたち(^^♪
朝が楽しみです。
翌朝、大輪の花がパーンと開いていました。
八重咲が2つと
花びらが少し重なった一重
それと、一重の花が2つ咲きました。
つぼみの時の圧縮率がすごいのか
まるで手品みたいな変わりようです。
午前10時半頃
花びらはまだ白いです。
11時半
うっすら、色が差してきました。
午後1時過ぎには
ほんのり頬を染めた
乙女のイメージになりました(#^.^#)
スイフヨウが、白からピンク(赤)へと変わるのは
花びらの中に「アントシアニン」という酵素が
生成されるからだそうです。
3時半の花色。
夕方の5時半には、濃いピンク色になって
しべを隠し包み込むように
花びらが内側へ巻いてきました。
色の変化は、温度が25度以上で進み
それ以下だと、アントシアニンの合成があまりされず
夕方になっても白花のまま、しぼむこともなく
翌朝まで開いているそうです。
朝に紅白の花が同時に咲いているのを
不思議に思っていましたが、
そういう理由でした。
夜の10時。
しぼんだ花びらが
栗の茶巾絞りみたい。
私はお酒を飲んでも
顔が赤くなったりしないので
こんなふうに頬がポッと染まったら
可愛らしいのになぁと
少し羨ましい気持ちになりました(^m^)
*
さて、花色の変化の仕組みは分かったのですが
白から赤に変わる「理由」は何なのだろう?
誰に向けてのアピールなの?
ただ、可愛いから♡とか
人に綺麗だねって、喜んで貰えるから
なーんて理由であるはずもなく・・・
その理由を調べてみたら
とても興味深いことがわかりました!
花の形や色、香りなどはすべて
花粉を運んでくれる「昆虫」へのアピールなのですが
スイフヨウの他にも、
ハコネウツギという花や、スイカズラなども
咲き始めは白色、次第に赤や黄色に変色していきます。
スイフヨウが、自分のところへ来て欲しいと
ターゲットに選んだ昆虫は
花から花へ飛び回る、働き者の蜂の仲間たちです。
蜂は、視力がそれほど良くなくて
白い色はよく見えるけど
人間が見ている赤色は、黒色に見えているそうです。
植物は、咲き始めのまだ受粉が済んでいない花を
蜂が見えやすい白色にして、白い花には「蜜がたくさん残っていますよー」と
効率よく訪花してもらうための目印にしているのだそうです。
開花してから時間が経っている花は
受粉が済んでいる確率が高いので
花びらを赤くして、赤には蜜が少ないことを
記憶力の良い蜂に学習させています。
**
スイフヨウが咲き終わった次の朝。
一重咲きの花、3本は
きれいな形にしぼんでいますが
2本の八重咲の花は
クシャッと、つぶれたような形になっていました。
挿していたガラス瓶から抜き取って
花を持ち上げたら・・・
花柄がポキッと自然に折れました。
えっ?どうして?
他の花も、そっと取り出して
柄にゆっくり力を加えてみると
つなぎ目のような筋から
きれいに切り離されました。
折れた断面は
瑞々しくなめらかです。
これは何のための仕掛けなの??
色が変わるだけでなく
スイフヨウちゃん!
まだまだ何かを隠しているでしょ~
さっそく調べてみたら・・・
どうやらこれは
うまく受粉できなかった果実を
自動的に枝から落とす「摘果」の仕組みらしいです。
落葉樹が秋に葉を落とす、植物ホルモンの仕組みと
似ているのかもしれないです。
研究している人たちって、こういう不思議に
ドキドキ、ワクワクするんだろうなぁ・・
それにしても、華やかに開花しながら
スイフヨウが陰で(笑)そんなことをしていたなんて
知らなかったなー
植物って本当にすごいですね。
そこで!
受粉の有無で花柄が折れるのかどうか?
もう一度つぼみを採りに行って
人工授粉(の真似事)の実験をしてみました。
朝、開いた一重咲きの花に
八重咲の花粉を受粉させて
花柄が折れるか、確かめてみます。
翌朝の結果は・・・
う~ん・・
前回の、持っただけでポッキよりも
強度がある感じがするけど
力を少し加えると、折れてしまいました。
実験は、また来年のお楽しみです(^-^)V
***
自然では、どんなふうに実が落とされているのか
実物を見たくなって、11月になってからまた
神社のスイフヨウを見に行ってきました。
みんな実になっている!
そんな中、ひとつだけ咲いている花を見つけました。
9月に、ここで一番最初に咲いた花に出会って
そしていま、一番最後の花に会えたのは
何かのご縁のような気がしました。
沢山の果実をつけた枝でも
3、4個は果柄で切り落とされています。
熟して開いた果実からは
種がこぼれ出しそうになっていました。
スイフヨウの種には毛が生えています。
ふわふわの綿毛ではなく
けっこう剛毛です。
これで風に乗って、新天地へ飛んでいくのでしょうね。
そして今回、いろいろと調べものをして知った
お話しですが・・・
ほとんどの種類の植物の
八重咲の花には、種ができないのだそうです。
知らなかった!
2倍体、3倍体などという遺伝子の関係で
これもまた、調べ出すと興奮してしまうくらい
興味深くて面白い話ですが・・・
更に話が長くなるので(笑)またいつかに。
スイフヨウも、八重咲の株だけ
果実の姿は1個も無くて
膨らんだ果実の痕跡さえなく
枯れた花びらが絡まって
株元にも、落ちた花柄が
茶色く転がっていました。
****
ああ、おもしろかった。
今までは「きれいだなぁ~」と眺めるだけだった
スイフヨウのお花が
「ふしぎだな~」に変わって
もっと細かい観察と、実験がしたくなりました。
来年の開花が今からもう、待ち遠しいです(#^.^#)
夕方の買い物の帰りに
神社に寄り道したら
つぼみが膨らみ始めたスイフヨウの木で
一番最初に咲いた「一番花」が
しぼんで赤く、ポツリと残っていました。
フヨウは夏の初めに咲くイメージだけど
スイフヨウって、秋に咲き始めるんだっけ?
赤く染まった一番花と
明日にも開きそうな子を探して
少しだけ、いただいてきました。
夕方5時。
「明日は咲くよ~」とはしゃぐつぼみたち(^^♪
朝が楽しみです。
翌朝、大輪の花がパーンと開いていました。
八重咲が2つと
花びらが少し重なった一重
それと、一重の花が2つ咲きました。
つぼみの時の圧縮率がすごいのか
まるで手品みたいな変わりようです。
午前10時半頃
花びらはまだ白いです。
11時半
うっすら、色が差してきました。
午後1時過ぎには
ほんのり頬を染めた
乙女のイメージになりました(#^.^#)
スイフヨウが、白からピンク(赤)へと変わるのは
花びらの中に「アントシアニン」という酵素が
生成されるからだそうです。
3時半の花色。
夕方の5時半には、濃いピンク色になって
しべを隠し包み込むように
花びらが内側へ巻いてきました。
色の変化は、温度が25度以上で進み
それ以下だと、アントシアニンの合成があまりされず
夕方になっても白花のまま、しぼむこともなく
翌朝まで開いているそうです。
朝に紅白の花が同時に咲いているのを
不思議に思っていましたが、
そういう理由でした。
夜の10時。
しぼんだ花びらが
栗の茶巾絞りみたい。
私はお酒を飲んでも
顔が赤くなったりしないので
こんなふうに頬がポッと染まったら
可愛らしいのになぁと
少し羨ましい気持ちになりました(^m^)
*
さて、花色の変化の仕組みは分かったのですが
白から赤に変わる「理由」は何なのだろう?
誰に向けてのアピールなの?
ただ、可愛いから♡とか
人に綺麗だねって、喜んで貰えるから
なーんて理由であるはずもなく・・・
その理由を調べてみたら
とても興味深いことがわかりました!
花の形や色、香りなどはすべて
花粉を運んでくれる「昆虫」へのアピールなのですが
スイフヨウの他にも、
ハコネウツギという花や、スイカズラなども
咲き始めは白色、次第に赤や黄色に変色していきます。
スイフヨウが、自分のところへ来て欲しいと
ターゲットに選んだ昆虫は
花から花へ飛び回る、働き者の蜂の仲間たちです。
蜂は、視力がそれほど良くなくて
白い色はよく見えるけど
人間が見ている赤色は、黒色に見えているそうです。
植物は、咲き始めのまだ受粉が済んでいない花を
蜂が見えやすい白色にして、白い花には「蜜がたくさん残っていますよー」と
効率よく訪花してもらうための目印にしているのだそうです。
開花してから時間が経っている花は
受粉が済んでいる確率が高いので
花びらを赤くして、赤には蜜が少ないことを
記憶力の良い蜂に学習させています。
**
スイフヨウが咲き終わった次の朝。
一重咲きの花、3本は
きれいな形にしぼんでいますが
2本の八重咲の花は
クシャッと、つぶれたような形になっていました。
挿していたガラス瓶から抜き取って
花を持ち上げたら・・・
花柄がポキッと自然に折れました。
えっ?どうして?
他の花も、そっと取り出して
柄にゆっくり力を加えてみると
つなぎ目のような筋から
きれいに切り離されました。
折れた断面は
瑞々しくなめらかです。
これは何のための仕掛けなの??
色が変わるだけでなく
スイフヨウちゃん!
まだまだ何かを隠しているでしょ~
さっそく調べてみたら・・・
どうやらこれは
うまく受粉できなかった果実を
自動的に枝から落とす「摘果」の仕組みらしいです。
落葉樹が秋に葉を落とす、植物ホルモンの仕組みと
似ているのかもしれないです。
研究している人たちって、こういう不思議に
ドキドキ、ワクワクするんだろうなぁ・・
それにしても、華やかに開花しながら
スイフヨウが陰で(笑)そんなことをしていたなんて
知らなかったなー
植物って本当にすごいですね。
そこで!
受粉の有無で花柄が折れるのかどうか?
もう一度つぼみを採りに行って
人工授粉(の真似事)の実験をしてみました。
朝、開いた一重咲きの花に
八重咲の花粉を受粉させて
花柄が折れるか、確かめてみます。
翌朝の結果は・・・
う~ん・・
前回の、持っただけでポッキよりも
強度がある感じがするけど
力を少し加えると、折れてしまいました。
実験は、また来年のお楽しみです(^-^)V
***
自然では、どんなふうに実が落とされているのか
実物を見たくなって、11月になってからまた
神社のスイフヨウを見に行ってきました。
みんな実になっている!
そんな中、ひとつだけ咲いている花を見つけました。
9月に、ここで一番最初に咲いた花に出会って
そしていま、一番最後の花に会えたのは
何かのご縁のような気がしました。
沢山の果実をつけた枝でも
3、4個は果柄で切り落とされています。
熟して開いた果実からは
種がこぼれ出しそうになっていました。
スイフヨウの種には毛が生えています。
ふわふわの綿毛ではなく
けっこう剛毛です。
これで風に乗って、新天地へ飛んでいくのでしょうね。
そして今回、いろいろと調べものをして知った
お話しですが・・・
ほとんどの種類の植物の
八重咲の花には、種ができないのだそうです。
知らなかった!
2倍体、3倍体などという遺伝子の関係で
これもまた、調べ出すと興奮してしまうくらい
興味深くて面白い話ですが・・・
更に話が長くなるので(笑)またいつかに。
スイフヨウも、八重咲の株だけ
果実の姿は1個も無くて
膨らんだ果実の痕跡さえなく
枯れた花びらが絡まって
株元にも、落ちた花柄が
茶色く転がっていました。
****
ああ、おもしろかった。
今までは「きれいだなぁ~」と眺めるだけだった
スイフヨウのお花が
「ふしぎだな~」に変わって
もっと細かい観察と、実験がしたくなりました。
来年の開花が今からもう、待ち遠しいです(#^.^#)
こちらこそ、長いブログを読んでくださって
嬉しかったです😃💕
ありがとうございました🍀
酔芙蓉はやっぱり、和名表示がいいです🏵️
今年の夏、初めて出会って驚かされた花。スイフヨウって名前だったんですね。 ボンヤリ眺めてウットリし、ひとつだけ貰って帰ったら、帰宅時にはすっかり萎れていました。ションボリしてお終い。それが私のパターンですが、やはりfuyuさんだと違うんですね。一本づつ瓶にさしアントシアニンの色の変化をチェック、ですね。ん〜〜やっぱりねえ。
スイフヨウが我が家にあったら、ボンヤリと眺めてお酒なしでいつも酔いしれていることでしょう。少量のアルコールで、いつでも真っ赤になれます。😚
来年も楽しみですね!
以前に拝見した、「ガガ様」の鞘は近くの植栽に今も健在で、種が飛ぶ日を楽しみにしています。
いつも興味深い記事を、ワクワク、楽しませていただき、ありがとうございます。
なんとか元気でやっています。
stellaさんは、ちょっぴり飲んだら、真っ赤になるんですか~
可愛い人ですね(#^.^#)
私はかなり酔っていも「あれ?今日は飲まないの?」と
聞かれるくらい、朝一番のスイフヨウのようです(笑)
スイフヨウは一日花なので
来年はつぼみを摘んできて、花色の変化を楽しめるといいですね(^^♪
一見、平凡に普通に咲いているお花たちにも
生き残りのための、すっごい戦略とか秘密があって
偶然それを知った時の、ワクワク感がたまらなく好きです(笑)
ガガ様の実!
あれからどうなったか、無事に生き残っているか
気になっていたので、とても嬉しいです\(^o^)/
またその後の様子を教えてくださいね