深田久弥さんの
日本百名山より
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頂上は木立に囲まれた静寂な小平地で見晴らしは利かない。
しかし、庚申から皇海まで至る途中で、快晴に恵まれた
私たちは素晴らしい山の展望を得た。私たちの足はそのため
しばしば楽しい停止にゆだねられた。
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不動沢を登り
コルといわれる鞍部は
さほど広くはないけれど
平らな地面があることで安心して
休めます。
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ガスがなければ
林の低い前方には
鋸山方面が見えるはずですが
この日は白いベールに包まれています。
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深田久弥さんも通った本来の登山道を
北に向かい皇海山を目指します。
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稜線にも関わらず深い林で
地面は笹が、
岩はコケが、
覆っています。
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かすかに山の形が見えた林の切れ目も
わずかな間で
深田久弥さんのいう
原始的自然美を保っている山域という
舞台の中であり
鋸山周辺から見た皇海山が
颯爽と峰頭をもたげと表現される
急登が続きます。
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大きな岩が扉を閉めているように
立ちはだかると
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その先には
苔むした庭園の中に
木村惟一さん奉納の青銅の剣が立ち
庚申二柱大神と記されて
この深い森に包まれた山が
信仰の山であることが再認識されます。
皇海山の山頂は
この剣のすぐ先になります。
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コルから35分かかりました。
木立に囲まれ見通しはききません。
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ましてや
ガスで覆われていました。
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静まり返る山頂を後に
コルまで30分で戻り
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天候の回復を期待しましたが
相変わらずガスっています。
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鋸山から皇海山を眺めたいのですが
期待できません。
楽に行けるとこまで行って
引き返すことにしました。
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コルから鋸山への道は
さらに登山者が少ないようで
道が見えないほどに
藪がはびこっていました。
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10分ほどして少し下るところまでで
引き返します。
どのみちガスで
皇海山を見ることはできないでしょう。
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コルから1時間半
ゆっくりと写真を撮りながら
登山口に戻りました。
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カラマツ林・苔・沢
今まで登った山とは違う魅力のある
名山でした。
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この日の歩数
12,178歩
end