風をうけて vol.3

お引越ししてまいりました。
拙いブログですがよろしくお願いします。

忘れていた感覚 「浅間山登山マラソン」を走ってきました。

2010-10-04 11:18:36 | マラソン

2010_10030073 「これだ、これなんだよな~」

昨日、天候の危ぶまれる中

長野県小諸市で行われた

「浅間山登山マラソン」に

参加してきた。

しかしここ最近、とてつもなく忙しい日々が続き

殆ど練習らしい練習は行えてなかったのだが

ぶっつけ本番に近い状態で臨んだこの大会は

今回で10回目の記念大会となっていた。

それが良い事なのかどうかは別として、記念大会にふさわしく

今回はゲストランナーとして、またこの大会を毎回プロディュースしている

ニッポンランナーズ理事長である金哲彦氏を向かえ、

少人数(500人弱)ではあるけど、和気藹々としたなかでありながら盛大に

2010_10030017 そして、地元開催の

ふーど祭りという骨董市の会場の

応援の人並みの中から

スタートが切られた。

この大会、実は参加は今回で

2回目なのだが

今回は記念大会ということで

大幅にコースが変更されていた。

名前のとおりの浅間山ではないのだが、その裏側の山を走る大会で

「チェリーパークライン」と言う道路の頂上までの17kmを

ひた走ると言ったレース。

ゴール地点のアサマ2000スキー場は標高1880mにも達し、

平均斜度が8%、標高差1300mといった実に過酷な大会なのだ。

2010_10030012 以前はその道路の途中にある

浅間山荘までの12kmを

折り返すと言った大会だったのだが

今年は折り返し無しの上りっ放し。

一旦は参加を躊躇したのだが

あの景色を見たいがために

相当な困難なコースとなろうとも

もう一度走りたいと、

参加を決めてしまったのだ。

ましてや、事前の天気予報では相当な荒天も予想され、

山の上ではかなり低温になるとの注意書きもあり、この日の苦難な道を

想像せずにはいられなかった。

スタート前の小諸市は冷たい風が吹くようなうす曇の天気で、

気温15℃だと言うのが信じられないくらいの肌寒さを感じられていた。

しかし、いざスタートすると山の裏側になる為か、冷たい風は感じられず

むしろ暑さを感じるくらいの好天となっていた。

2010_10030048 青い空に澄んだ空気。

そして綺麗に見える雲と

信州の山々が

今までの時間がなく

忙しい毎日に終始していた

自分の心に染み渡り

どんどん浄化されていくのが

手を取るように分かった。

しかしそんな気分とは裏腹に、このコースの厳しさが練習不足の

その足にダメージを与えていく。

いや、足にと言うよりも標高が上がるにつれ、やはり呼吸系に

不都合が感じられてくるのだ。

2010_10030063 この頃では

喘息の症状も全くでていなかった

私ではあるが

こうした標高の高い場所で

激しく呼吸をすると

やはり左の肺に違和感を感じる。

右側に比べて明らかに機能が低いと

感じてしまうのだ。

普通の人ならそんな事など、思うことも感じる事もないのだろうが

そこをそうして感じ取れると言う事は、やはりどこかに不具合があるのだろうなと、

改めて感じてしまった。

2010_10030065 そうした中でも10km地点を越え

ひたすらかなりの斜度のある

坂を上って行くのだが

この頃は遅いなりにも

前を行くランナーをひとりひとり

拾っていく事ができた。

皆、苦しそうな息遣いであり

私よりも明らかに呼吸が荒い。

そうなれば、かわしたランナーは私に付く事はできず、目で確認する事もなく

簡単に離れていくのが容易に感じられた。

絶対スピードはかなり遅く、この辺でのラップはキロ7分ぐらいか。

それでも苦しさにあえぐ。

滴り落ちる汗が道路をぬらし、それは前を行くランナーも同じ事らしく

雨粒が道路を濡らすかのように、こぼれた汗がその苦しさを物語っていた。

最後の給水所、ここでスポーツドリンクを戴いたのだが

その時に足を止めてから、再び走りだす足がなくなっていることに気付く。

2010_10030079 しかし前に行かなければ、ゴールはない。

苦しくとも、例え歩きであっても、

その一歩は確実にゴールを近づける。

周りのランナーも皆、歩きに入っていた。

が、一人が走り出すと

皆も順次走り出すと言った根性比べ。

そこで私が皆からの遅れを黙って

容認する事はできない。

力でもなく、技術でもなく、そこには意地と根性しか存在しない世界。

それはたぶん私だけが感じていたのではなく、歩く事しかできないランナーも

走ってはいても歩くスピードと変わらぬランナーも、

猛然と後ろから追い上げてくるランナーも、皆同じ気持ちだったろう。

まさしく「闘志のぶつかり合い」、これこそがレースの

醍醐味なんだろうなと考えていた。

そうしているうちに予想もしていなかった、まさかの下りに突入した。

2010_10030087 それは、もうここまでだなと諦め

死にかけていた私の闘志の炎に、

再び油を注ぐが如く再点火。

前を行くランナーまで数十メートル、

ここで追いつき追い抜いたとしても

何が変わるでもないのだが、走る走る。

そう、「これだ、これなんだよな~」、

そう思った瞬間だ。

なんともいえぬ快感や感動、そして爽快感が忘れかけていた心の中に、

霧雨が降り注いだかのように覆いかぶされ、思わず身震いした。

コメント (9)
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