風をうけて vol.3

お引越ししてまいりました。
拙いブログですがよろしくお願いします。

「転機」

2010-12-10 17:54:43 | 日記・エッセイ・コラム

2010_12050089_2 人生の中で「転機」と

言われる時があるとしたら

その代表的なもののひとつに

結婚というものがある。

好いた相手と契りを交わす

とても大事な儀式だ。

昨今ではその儀式自体を

無意味と位置づけ、

省略してしまう者も少なくはない。

しかし、これはただの儀式ではないと強く思わせてくれるような

素晴らしい結婚式に出席する事ができた。

初冬とは思えないほどの暖かく、そして雲ひとつない青空の下で

粛々ととり行われた姪の結婚式。

今では珍しくなってしまった神殿での祝儀だ。

しかも、式場やホテルに宮司を招いて行うものではなく、

由緒正しい神社に出向いての祝儀である。

2010_12050063 粛々ととり行われるその式には

心の底から神聖さを感じ

当事者御両人はもちろんのこと

この日御出席の親族までもが

感激に慕っていた。

私の数多く出席した結婚式の中でも

この日の式はかなりい印象に残る。

チャペルで行われる式が

どうだとかではなく、白無垢に身を包んだ花嫁の、

そしてそれを気遣う花婿の澄んだ心根を肌で感じる、素晴らしい式でもあった。

そうしてみると将来に向けての誓いの言葉が、カタチだけのものではなく

心の奥底から自然に湧き出たような強さも感じる。

人間の感覚とは不思議なもので、そうなるとお二人のこれからの幸せな

生活をも想像させてしまうのだ。

是非、この日のこのすばらしい式の感激をいつまでも忘れずにいて頂きたい。

2010_12050009_2 また、祝宴の会場は

南フランスをイメージした

造りであるらしく

豪華であり、美しく、清潔で

この青い空にとてもマッチしていた。

自分が日本の片田舎にいることを

忘れさせてくれるような

そんなスチュエーションでもあった。

また、招かれたご友人だろうか、艶やかなドレスや豪華なお着物を

着飾った若きご婦人達に目を奪われてしまいそうだった事は言うまでもない。

もちろん料理の美味しさにも舌鼓をうち調子に乗った私は

カクテルからビール、そして焼酎のロックで締めくくるという呑ん兵の

2010_12050100_2 フルコースまでご披露してしまった。

全く結婚式と言うものは良いものだと

思うに余りある時間でもあった。

ただひとつだけ気になった事がある。

それは私にもふたりの娘と

ひとりの息子がいるということだ。

もしも、もしもの事だが

息子はともかくとして、

娘が結婚するとの事で、この日のように披露宴がとりおこなわれ

そして最後に娘から花束など貰った日には私はどうなってしまうのだろう。

いや、正確に言うとその時間まで正気でいられるかと言う事。

この日のように、美味しいお酒が飲み放題だなんて実に、

2010_12050214 美味し過ぎるではないか。

飲みすぎて正体をなくしてしまったら、

感動の場面が台無しになるどころか、

娘や奥方に一生嫌味を

言われ続けるだろう。

それだけはなんとしても

避けなければいけない。

その時の為に、

今から然りと心しようと思う私の「転機」でもあった。

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「無題」

2010-12-10 17:53:01 | 日記・エッセイ・コラム

初冬の北風に吹かれて随分空気も澄んでいるのだろう。

満天の星空、そしてグラデーションを彩る夜明けの空。

夜勤も終る時間、外に出てみればこの季節にはいつも

そんな幻想的な景色を見せてくれる。

清々しいと言えば、確かにそうなのだが疲労と眠気に心躍らせる事もなく、

ただただ、ぼんやりとひんやりした空気に身をさらしている。

ここ何週間は随分無気力な日々を過ごしてしまった。

理由は分からないが、何となく何をする気にもならなかった。

あれもこれもやらねばならないと分かっていても、

どうした事かそれをこなしていく気力が沸かない。

なのに時間は止まる事はなく、次から次へと追い立てられるように

場面を変えていく。

心が付いてゆけない。

からだも悲鳴をあげ、夏から続く湿疹がほぼ全身に広がりをみせる。

新しく処方された薬は以前のものとは比べ物にならないほど強く、

強烈に眠気をも伴うものとなり、とてもではないが夜勤中にそれに頼る事は

自殺行為に等しい。

耐えられず、いつの間にか掻き越した傷口は無数と増え、

風呂にでも入ろうものなら、両こぶしを握り締めその刺激にしばし唇を噛む。

何たることか・・・。

いったいこんな生活がいつまで続くのだろうと、

ひとり真夜中には溜息をつくばかり。

荒んでいた・・・。

安らぎが欲しいと心の底から思う。

しかし、この状況から抜け出した先に何があるというのだろう。

疲れきった体と心は残された命の時間のうちに、再び活気を取り戻せるのか

しおれた生気は潤いと艶やかさを生み出せるのか。

ただ時間だけを見送るだけの人生なら、永らえるだけの命なら

ここで自分の役割を終えたと、そう思うに違いない。

ならば、こうした今の時間こそが自分の存在価値、生きる意義なのだろう。

どんなにダメージを負おうが、みすぼらしい醜態をさらそうが

それが自分に課せられた使命だと諦めるしかない。

空は無限に高い。

だからこそ、怖さも感じる。

こんなに澄んだ朝だというのに。

始まる今日の日を汚れた心の目で見つめていた。

コメント (2)
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