言われる時があるとしたら
その代表的なもののひとつに
結婚というものがある。
好いた相手と契りを交わす
とても大事な儀式だ。
昨今ではその儀式自体を
無意味と位置づけ、
省略してしまう者も少なくはない。
しかし、これはただの儀式ではないと強く思わせてくれるような
素晴らしい結婚式に出席する事ができた。
初冬とは思えないほどの暖かく、そして雲ひとつない青空の下で
粛々ととり行われた姪の結婚式。
今では珍しくなってしまった神殿での祝儀だ。
しかも、式場やホテルに宮司を招いて行うものではなく、
由緒正しい神社に出向いての祝儀である。
心の底から神聖さを感じ
当事者御両人はもちろんのこと
この日御出席の親族までもが
感激に慕っていた。
私の数多く出席した結婚式の中でも
この日の式はかなりい印象に残る。
チャペルで行われる式が
どうだとかではなく、白無垢に身を包んだ花嫁の、
そしてそれを気遣う花婿の澄んだ心根を肌で感じる、素晴らしい式でもあった。
そうしてみると将来に向けての誓いの言葉が、カタチだけのものではなく
心の奥底から自然に湧き出たような強さも感じる。
人間の感覚とは不思議なもので、そうなるとお二人のこれからの幸せな
生活をも想像させてしまうのだ。
是非、この日のこのすばらしい式の感激をいつまでも忘れずにいて頂きたい。
南フランスをイメージした
造りであるらしく
豪華であり、美しく、清潔で
この青い空にとてもマッチしていた。
自分が日本の片田舎にいることを
忘れさせてくれるような
そんなスチュエーションでもあった。
また、招かれたご友人だろうか、艶やかなドレスや豪華なお着物を
着飾った若きご婦人達に目を奪われてしまいそうだった事は言うまでもない。
もちろん料理の美味しさにも舌鼓をうち、調子に乗った私は
カクテルからビール、そして焼酎のロックで締めくくるという呑ん兵の
全く結婚式と言うものは良いものだと
思うに余りある時間でもあった。
ただひとつだけ気になった事がある。
それは私にもふたりの娘と
ひとりの息子がいるということだ。
もしも、もしもの事だが
息子はともかくとして、
娘が結婚するとの事で、この日のように披露宴がとりおこなわれ
そして最後に娘から花束など貰った日には私はどうなってしまうのだろう。
いや、正確に言うとその時間まで正気でいられるかと言う事。
この日のように、美味しいお酒が飲み放題だなんて実に、
飲みすぎて正体をなくしてしまったら、
感動の場面が台無しになるどころか、
娘や奥方に一生嫌味を
言われ続けるだろう。
それだけはなんとしても
避けなければいけない。
その時の為に、
今から然りと心しようと思う私の「転機」でもあった。