今回の「本庄早稲田の杜
クロスカントリー&ハーフマラソン」での
デビューを目指して
企画、材料調達、製作に約二ヵ月を要し
本番ギリギリ、
何とか完成させる事ができました。
しかし、そこに至るまでにはさまざまな困難、ハプニング、苦悩を乗り越え、
そして苦労に苦労を重ね汗と涙と血のにじむような(針を刺して本当に血だらけ 笑)
努力とでやっと完成にこぎつけたのです。
今回はその完成までの秘話を紹介させていただこうと思います。
先ず、この「なみへい」、実は当初「なみへい」を製作するつもりではありませんでした。
ある子供に人気のキャラクターを目指して製作を始めたのですが、
完成にもう少しと言うところでその完成を断念したのです。
と、言うのもヘッド部は完成するものの、それにあわせた衣裳が手に
入らなくなってしまったのです。
その衣裳を求めネット販売を片っ端から検索したのですが殆どが売りきれ状態。
やっとの事である販売店にその在庫を見つけ速攻で注文。
しかし、いつになってもその衣裳が届く事がありませんでした。
そしてある日、「在庫切れ、納入の目処も立たず、キャンセルにして頂きたい」とのメールが。
そりゃ、慌てますよね。
他をあたってもそのような在庫はなし。
本格的な物でかなりな高額な衣裳なら手に入るも、それは本位ではありません。
よって、大会三週間前にある程度できていた物を慌てて壊し急遽進路変更。
他に球形のキャラクターを探し、色々検討した結果、
「なみへい」に白羽の矢が当たったのです。
それまで白のフェルトを全て取り外し、肌色のフェルトに張り替えました。
張り替える為のフェルトの型抜きは
簡単に行えます。
しかし、張り替えるといっても
針と糸とで縫ううように張っていくので
その作業自体、
かなりの時間を要してしまいます。
しかも球体の骨組みに張るというのは意外と難しいもので少しのズレが
だんだん大きなズレとなってしまい、何度も位置を変えながら
慎重に張って行かねばなりません。
骨組みはガーデニング用の円形プランターの装飾用のものでしょうか、
半円形の太目のワイヤー製のものをふたつ縛りつけ、顔を入れる部分をカットしたもの。
見つけるとなるとなかなか見つからない球体の骨組みも大型ホームセンターにいけば
何とかなります。
張り終わった球体に今度は鼻、目、耳を取り付けていくのですがこれが大変。
鼻、耳はフェルトを縫い合わせ中に綿を入れ本体に縫い付けるのですが
裁縫なんてほとんどやっとことなんてありませんからね。
何度も針で指を刺しもう血だらけ(笑)。
プラ板で作っためがねと髭、
眉毛を縫い付けます。
ここまでくるとなんとなく
「なみへい」らしくなってきました。
しかし、一番の問題は
何処から見るか。
こうなるともう口しかないですね。
そこで口に見立てた赤い布を探すのですが、ホームセンターや100円ショップでは
どうしても透ける布を見つけることができませんでした。
最後の望みをかけ、生地を扱うお店に。
するとあるじゃないですか、透ける生地が。
しかし、品物が品物だけに店員さんに変な目で見られちゃうんですよ、これが。
でも決していやらしい物に使うのではないので堂々と買いましたよ、私は。
これでやっと口の部分が完成します。
しかしそこで問題発生。
この被り物を肩で受けて走るのは
あまりに負担が多くなってしまいます。
と、言うのも元は太目のワイヤー。
それが肩に当たっている状態では
いつ痛くなっても不思議ではありません。
ならば肩に当たらぬ工夫をしなければなりません。
内側に帽子を・・・とも思ったのですが、布製の帽子よりも工事用のヘルメットの
インナー部分を取り付けたほうが強度的にも、通気性も良い事に気付きました。
しかし、その取り付け位置によってはまだ肩に当たってしまいます。
ですから、極力後方にそして高めの位置にと調整しながら固定しました。
あとは黒のフェルトで髪の毛を作り、
同じく縫いつけ。
そして最後の仕上げで
一本の毛を取り付けました。
こうしてヘッド部は完成したのですが
肝心なのは衣裳。
やはり「なみへい」といったら着物でしょう。
と、いっても高価な着物など購入できるはずもありません。
そこで目に入ったのが「リサイクル着物」と言う文字。
検索してみるとかなり安価で入手できることが判明しました。
仮装ランの汗でびちょびちょになってしまうのは惜しいぐらいの着物が
帯や腰紐も合わせて注文し
さあ、これで全ての準備が整いました。
が、これでハーフの距離を走れるのか、
いささか心配となってきてしまいました。
テストで公園や近所を走る訳にもいかず
何せ、狭い視界。
中にこもる熱。
給水の方法
さて、困りました。
暑さは何とか我慢するとしても、視界の狭さはどうにもなりません。
この後に及んで改造する時間もありません。
当日の気温が上がらぬ事を祈りつつ、ここはぶっつけ本番、
覚悟を決めて走るしかないようです。
給水は長めのストローを「命のストロー」と名づけ、数本を持参することにしました。
着物は慣れないことから自宅で着付けておくことにしました。
いざ、出陣!
もう後戻りはできません。
あとは野となれ山となれ。
玉砕覚悟、またそれも本望。
着物姿で運転する姿が
興味を掻き立てたのか
信号待ちで横の運転手さんがしきりにこちらをちらちら見ています。
そして会場到着。
身支度を整え、ちょっとだけアップで走ってみるとこれが意外と走れるじゃないですか。
それでも暑さと視界のなさ、それに付け加え足にからむ着物の裾は予想以上。
かなり不安を抱えてのスタートです。
走り出して直ぐにものすごい汗。
その汗が目に沁みて、沁みて、それでもぬぐうこともできません。
目の前は赤い布ですから
真っ赤な景色でしかありません。
そして不幸な事に快晴のこの日は川原を走ることもあり紫外線が強く
たちまち目を開けていられぬほどの痛みに襲われました。
ゴール後もこの目の痛みで涙が止まりません。
これは予想もつかなかった事。
汗対策は今後の仮装の事も含め何か良いアイデイアを探さなければならないようです。
やはり沿道の方々の応援の力。
一緒に走るランナーさんの励まし。
自分の力だけでは
絶対に無理であることも
こうして達成できるのです。
エネルギーを貰うとは良く使う言葉ではありますが、
それを身をもって体験できる仮装ラン。
一見おふざけであるように見えるかもしれませんが、実のところ、ものすごく奥深く
やればやるだけ大きな目標ができる素敵なランであることを改めて実感しました。
この先ももっとクォリテイの高いものに挑戦していこうと思っています。
バカな奴だとお思いでしょうが、今後もどうか温かい目で見守ってくださいね。