まだ薄暗い中でひとりの女性を
毎日見かける。
午前6時07分、いつもの交差点近く。
おそらく私より年上ではないかと
思われるその方は
とても小柄な体格で少し腰を曲げ、
大きめのバッグを肩から提げて歩いて行く。
その姿は暑い夏の日も、真冬の今も変わりはない。
きちっとしたスーツを毎日身にまとい、そこからも2kmはあるだろう
駅に向かう道のりを静かな面持ちで歩いていくのだ。
「今日も頑張りましょう」
思わずそう心の中で言葉を掛けたくなってしまう。
車の窓越しにそんな事を思っている人間がいることなど
想像もつかない彼女だろうが、そんな朝があってこそ私の一日が始まるのだ。
こうして、彼女と私は数年来の“長いお付き合い”となっている。
お付き合いと言っては実に一方的で御幣があるかもしれないが、
私にとってはとても大切な日々のイベントでもあるのだ。
それは、平和である毎日の
象徴であるかのようにも思えるのだが、
実のところ変化に乏しく、
退屈な毎日の繰り返しでもある。
それが良いかどうかは別として
彼女の人生が
そして私の人生が
この先も同じ様に続く限り、明日も明後日もあの交差点で
その姿を見続けるに違いない。
変化を求める気持ち。
それは誰しもあること。
たとえ現状に満足していたとしても、人の欲望とは上限を知らない。
より良い人生、より良い境遇を求め、人間は限りなく夢を見続ける。
だからと言って、私達に夢が無いから同じサイクルで生きているのでは
断じてない無い。
こうして日々を同じサイクルで
生きているのだ。
それは矛盾を思わせることだが、
実はそれは、春を待つ植物が
雪の中で春が来るのを
じっと待っているかのように、
羽ばたく事の出来ないひな鳥が、
巣の中で親鳥が運ぶ餌だけを頼りに
生きているかのように、何時かは無限の世界に芽を出し、
そして羽ばたける時を待っているのと同じ事。
もちろんそれは、年齢的な物や精神的な物は全て無視しての事であり、
誰しも思うように、夢に年齢制限など有り得ないのだから。
いつか芽吹き、そして羽ばたく。
そう思いながら、彼女も、私も暗い早朝の道を、これからも歩み続けるだろう。
通勤で出会う人って、だいたいが同じ人ですよね
私も仕事してるときは、同じ時間に、同じ場所で、同じ人に出会ってました
やっぱり、心の中で、「おはよう!」って声かけたりしてましたね
バス亭で見かけなかったりすると、今日はいないな、休みかな?風邪でもひいたのかな?次の日に出会うと、ほっとしたりしたり・・・
普通の平凡な日々を送れることって、実は幸せなことだったりするんですよね
その女性に、思い切って声かけてみたら?
「今日も頑張りましょう!」当たり前の普通の言葉だけど、元気出る言葉だね(^^♪
2枚目の写真、好きです
そして、一度会話ができてしまうともう同じではなくなってしまうような・・・
この状態でずっと留めておきたいような・・・
朝のひと時をシェアする同士☆
その人の存在を確認して安心するというか。
その方も同じ事を考えてらしたりして・・・?[E:confident]
yoppe様へ
それはないですよ。
ただ同じ方を見かけるだけで、「ああ今日も一日が始まるんだな・・・」って
思うだけで、この方と会話を交わすとか挨拶をするとかは
全くありえないことなんですよ。
でも、それだけで充分だと思うのです。
それは、お互いに変わりのない一日を迎えられたと言うことで
それが幸せな事かどうかは分かりませんが、
それって平凡ですが、一番よいことかもしれませんものね。
毎日「何か良いことがないかな・・・」とか思ってますが
実は何も無いことが本当の「良いこと」かもしれません。
時には刺激的なことがあったりすれば、普段の生活にメ
リハリが出来るかもしれませんが、正直な話、疲れます・・・(笑)
ならば、同じペースで・・・と言う事がベストなのかなと。
う~ん、人間って難しい生き物ですね。
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miho様へ
そうですね。
あちらの方も「あっ、いつも見る車だ」と思っているかもしれません。
同じ時間に同じ場所でお会いするわけですから
「今日も遅刻しないね・・・」とか、思っているかもしれませんね。
それだけで良いのですよね。
同じペースでお互い行動しているわけで、もしこれが機会同士だったら
歯車がかみ合っている動作となるのでしょうね。
でも、ちょっと気にはなっているのです。
あまり元気そうには見えないし、凄く小柄で痩せていて
それでも毎日、朝早くから出勤(?)するその姿を見ていると
「疲れているのかな・・・」とか、「仕事がきついのかな・・・」とか
思っちゃうんですよね。
でも決して会話をする事はないでしょう。
いつもその場所で、その姿を見つけ、そして心の中で励まし
そして自分もスイッチをその場所でいれて、その日の仕事を頑張る。
それだけで充分なんですよね。
また、いつまでもそんな出会いが続くといいなと思っています。