「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

絞首 130年続く -- 死刑執行の現実 (3)

2008年10月31日 21時07分07秒 | 死刑制度と癒し
 
(前の記事からの続き)

 死刑は 「絞首して執行する」 と、 刑法で定められています。

 死刑囚は 踏み台の上に立ち、 クビにロープがかけられます。

 別室の刑務官3人が 同時にボタンを押し、

 そのうちの1つが 踏み板と連動しています。

 落下の衝撃で 回転するロープを、 押さえる役目の 刑務官もいます。

 死刑囚は 自分の体重で 首の骨が折れ、 呼吸が止まりますが、

 心臓が止まるまでは 15分くらいかかります。

 瞬時に意識を失うので、 本人は苦痛を感じないはずだ といいます。

 踏み板の下で、 医師が脚立を使って 死刑囚の胸に 聴診器を当て、

 心停止を告げると 刑の執行は終了です。

 遺体は清拭され、 白装束に着替えます。

 首に索条痕 (さくじょうこん) は残りますが、 出血などはないそうです。

 現行の絞首は 明治6年に始まり、 当時は 斬首も併存していました。

 絞首は斬首と違って 体と首がバラバラにならず、

 親族が遺体を引き取る時の 悲哀感情が軽いとされます。

 1955年 最高裁は、

 「絞首刑は、 斬殺,銃殺,電気殺,ガス殺などと比較して、

 特に人道上 残虐とは言えない」 と判断し、

 これが絞首を維持する 法的根拠となっています。

 一方アメリカでは、 電気椅子やガス室から、

 苦痛が少なく人道的とされる 薬物注射が主流になっています。

 しかし、 法務省は 執行方法を見直す 検討はしていません。

 死刑を執行する 国の責任として、 できるだけ苦痛が 少ない方法を、

 外部の専門家も入れて 検討するべきだと指摘されています。

〔読売新聞より〕

(次の記事に続く)
 
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