朝顔

日々の見聞からトンガったことを探して、できるだけ丸く書いてみたいと思います。

実光院(大原) 天台声明

2013-11-05 | 京都の文化(秋)
三千院の門前をすこし先に行った左手に、このお寺があります。



今までに何度もこの奥にある宝泉院に行くとき通過していたのですが、友人からこの実光院がtwitterで庭の開花状況などを発信していると聞き、訪問してみる気持ちになりました。



玄関で案内を乞い、呈茶つきの拝観となりました。



この客殿で、お菓子(八つ橋饅頭)と抹茶を頂きました。



庭園を拝見しながら、ゆっくりと茶を楽しみます。



江戸時代後期の作庭で、心字池に律川から引いいた滝の水が流れ落ちています。築山の松は鶴を、池の島は亀を表象しています。

このお寺は、「天台声明」(てんだい・しょうみょう)の根本道場でもあります。
声明とは、寺院での法要儀式で仏教経典などに節をつけて唄う仏教音楽のことです。



声明の音を合わせるために作られた石の打楽器です。それぞれの石に、名称がついています。音の名称かもしれませんが。

驚いたことに、試しに叩いて鳴らすことが許されていました。

声明の音調を記述した資料や、もっと大きい楽器もあります。

声明には、梵語(古代インド語)、漢語、和語で唄われるものがあり、呂曲、律曲といわれる旋法があります。拍子のある定曲、それがない序曲など多種多様な曲があります。

この声明がもとになって、鎌倉から室町時代にかけて語り物音楽である平曲や謡曲が生まれ、さらには浄瑠璃、義太夫節、長唄、清元など邦楽の源流であるといわれています。

※以前の「聲明 (しょうみょう)」関連の記事はここ

※「ろれつがまわらない」の「ろれつ」とは、「呂律」と書き、上記の音階が合わない、言葉の調子が外れることから転じた表現です。



これは「編鐘」、中国の雅楽で用いられた楽器です。これも、試しに鳴らしてみることができます。



調律が難しく製作されてこなかった楽器でしたが、昭和58年になって再現されたものです。



右手の庭には、立派な台杉が並んでいます。この庭に降りて散策することができました。
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