朝顔

日々の見聞からトンガったことを探して、できるだけ丸く書いてみたいと思います。

京都賞2013

2013-11-14 | 京都の文化(秋)
稲盛財団が主催する京都賞の表彰式に招待されたので出席しました。(11月10日)



会場の國立京都国際会館の入り口。うんと若い時に、この会場で2,000人規模の国際学会、内半数が外国人、の事務局を担当し、この入口にならべた受付テーブルに座ってお客さんを迎えたことを思い出しました。(脚注参照)



裏千家による呈茶のおもてなし。



あいにく外の庭には小雨が降っていたので、池の周りを歩くことはできません。



歴代の受賞者のポスター。ノーベル賞の山中博士も掲示されていました。



本物のメダルが並べてありました。250グラムの金(20K)、大きな再結晶エメラルドと同ルビーが各4個付けられ、中央には神の木である楠のデザインがあり鹿児島出身で文化勲章受賞の
帖佐美行(ちょうさよしゆき)氏の彫金がほどこされています。

この再結晶宝石は、京セラの製品でもあり「イナモリストーン」と呼ばれているそうです。



一番大きなホールでの式典。正面の一段高い壇上には、京都市交響楽団が並んでいました。

臨席とお言葉は、高円宮妃久子殿下。

受賞者は、ロバート・デナード博士(米国、エレクトロニクス)、根井正利博士(米国(日本生まれ)遺伝学)、セシル・テイラー氏(米国、ジャズ音楽家)でした。

交響楽団の演奏に加え、京都聖母学院小学校合唱団の少女たち約50人が鮮やかな着物姿で登場し、「浜辺の歌」「まっかな秋」「地球はだれのもの」を聞かせてくれました。

詳しい受賞者紹介は、財団のwebをご覧いただくとして、



このデナード博士は、我々にも身近なPCやケータイ、デジカメに使われている半導体メモリーに関する画期的な発明をした人です。


(引用:Wikipedia”DRAM”)

1個のトランジスタと1個の静電気を貯める回路(キャパシタ)だけで1ビットのメモリーを構成する方法を考案しました。これを縦横、格子状に配置して高度に集積化することが出来るようになった結果、今日のとてつもなく大容量で高速度のデジタル・メモリー(DRAM(ダイナミック・ランダムアクセス・メモリー))が安価に実現されました。



この先生は、京大大学院で遺伝学を数学的に研究し、その後、米国の大学で生物集団の進化について研究成果をあげられました。スピーチで、「象の鼻はなぜ長くなったか」という疑問から出発されたそうです。



晩餐会も開催されました。



相当な数の招待者がグランドプリンスホテルの広い宴会場に着席していました。重要な役職や上位の審査委員は夫妻でよばれています。名簿が配布されたので見てみると、委員の方が女性で、その夫君との肩書も散見されました。ま、当然ですが。

フルコースの食事(前菜、スープ、真鯛・海老、牛フィレ・ロースト、デザート)、コーヒーとシャンペン(本物)、白ワイン(ブルゴーニュ)、赤ワイン(ボルドー)でした。



出し物は、「手打ちの義」祇園芸妓。



こちらは、日本舞踊「千代の友」祇園芸妓。

すべてが終わって、来賓が退場するとき、すぐそばを久子妃が通られたのですが、ボクの斜め前に座っていた同年代の女性(おそらく専門委員の奥様)と目があって、「また今度ね」と庶民的な口調で声を掛けていかれました。友人なのでしょう。



その後、なんとアフター・ディナーの部屋があり、音楽の演奏とカクテルやディジェスティフが振る舞われていました。

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稲盛財団は1984年に稲盛和夫氏により私財約200億円(現在財産784億円)を投じて設立されました。

脚注:
 三十数年前、当時は国際会議専門の支援会社は存在していなくて、ホテルやバスの手配以外はすべて手作りでした。海外との連絡もテレックスか郵便。ファックスもなし。登録受付とその確認、リスト作成に、NTT研究所の研究用コンピュータを特別に借りて使用させてもらいました。論文予稿集(電話帳サイズで3~4冊)(今はCDやDVD)の編集、印刷も手作業。
 会議前日の事前受付は、京都ホテル(現京都ホテルオークラ)で夜8時までやって、その後、国際会館へ帳票や荷物とともに移動。会議場受付では、外国人デスク(英語)と日本人用に分けて対応。クレジットカードだけしか持ってこなかった米国人がいて、キャッシングのためにホテルにタクシーで送ったり、等々てんやわんやでした。笑
コメント
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