木屋町四条下ルの近辺にある和食に行きました。
観月祭で夕食の時間がずれて、いつもよりは遅い午後8時半過ぎです。上賀茂あたりは閉店が早い。やむなく繁華街まで46番のバスで行きました。この辺りならば、飲食店が多いので遅くなっても食べ物を出すところも多いだろうと。
さて、到着した店は、この写真のように間口2間(停めてある自転車のサイズでもわかるでしょう)、奥行きもその程度ですから、面積4坪(8畳)くらいのスペースです。
元は「ショット・バー」を営業していた物件だそうです。
U字型のカウンターの外側に椅子が、公称7席。(この日は9人入れましたが)
調理スペースは、2x3mくらいのところに、流し、冷蔵庫(下にあり見えない)、調理台(これは客席の正面)、ガス焼レンジ、ガスコンロ2台くらい(後方壁際)、調味料ビン類、食材収納、食器類、ゴミバケツ、調理器具(どこに?、包丁は数本がまな板付近に)などが、立体的にぎっしりと詰っています。
それでも、酒、焼酎の常温保管は、客席の後ろの壁の棚、大きな食器も客席後ろの収納においてあり、必要なときは「お客さん、すんません、その酒のビン「朝日」を取ってください」などと手伝いをお願いします。
奥のお客が出入りする時、トイレに時も、すんなりとは客席に後ろを通れません。椅子を引くとか、立つとか。
以下、順不同で、簡単に食べた料理のご紹介です。
まず「ヨコワあぶり、あぶらない刺身も少々付いてきました。
少し焦げ目の付いた皮と魚のアブラ分が香ばしい。わさびもうまい。
サバのちっと酢でしめたん、を頂きました。写真なし。
これは、出し巻き卵。
実に、軟らかく、薄味のお出しがたっぷり入りました。目の前で、赤い殻の卵を割って、四角い例の卵焼き器で手早く作ります。
これらの調理を、すぐ50センチの目の前で、次々に作っていくのです。
まるで、手品のよう。
食材をあしらう手つき、つまりパフォーマンスが見ていて楽しく、すばらしい。
この日も満員の客の入りだったので、注文した品が出て来るのには相当に時間がかかるのですが、入店したお客にはまず最初の品を数分後には出しますが、あとは相当に待たされるのです。でも、不思議と退屈しませんでした。
これは、新ショウガと野菜のてんぷら。
生姜の千切りも、包丁さばきがとても器用で、見とれます。
もちろん、さくさくの天麩羅に、ぴりヒリの生姜の風味が生きています。
チャーハン。
まず、赤玉の卵をささと熱い鍋に割りいれて、ご飯を混ぜて、ちりめんジャコ、万願寺ししとうの刻んだのを投げこみ、最後に山椒の粉をたっぷり。
たまらん味でした。
メインは、実は、「ハモしゃぶと松茸鍋」でした。
なんと、磁器の土鍋を目いっぱい熱くして、出汁、マッタケ、水菜を入れて、客の前に出します。
そして、目前のまな板で、開いたハモを、シャキシャキと骨切りし、2センチ幅位に切り身にして、この鍋の中にほり込むのでした。
30秒後に、はいどうぞ。
上の写真は、鱧の骨を切っているところです。
この店長・調理人は、なんと、31歳らしい。
数軒の料亭と割烹で修行をして、最近、2ヶ月前に開業したそうです。
一人で、すべてやっています。
お客との会話も、普通は黙々と調理してますが、良いタイミングで適度の会話が飛び交います。遅い時間になると、以前の職場の仲間らしい若者が次々と入ってきたり、満席だと店長に声だけかけていきました。
こんな実力ある起業職人さんが、もっと増えれば、日本は元気になるでしょう。(食堂おがわ、にて)