幸福の科学 北海道正心館
(本稿は、2011年4月27日北海道正心館七の日講話の内容をまとめたものです。)
中東紛争の火種となった
ヤーウェのひと言
さらに言えば、細かくは詳述しませんけれども、
「あなた方は、私以外の神を信じてはならない」(「出エジプト記第20章)
「あなた方は、偶像を造ってはならない」(同上)
「あなた方の神であるわたしは、妬む神である」(同上)
「だから、わたしを憎む者には、父の咎(とが)を子に報い、三代、四代先まで呪ってやろう」(同上)
という言葉は、ヘブライ語の原典までさかのぼれば、「主」とは言っていますが、すべてヤーウェの言葉であることがわかります。
もう一つ付け加えれば、モーセがシナイ山で「十戒」を授かった有名な場面がありますが、そのとき、なかなかモーセが山から降りて来ないのを見て、イスラエルの民が、エジプト時代のように、子牛の像をつくって、その周りで踊ったりします。
すると、それを見たモーセは怒り狂って、こう叫びます。
「ヤーウェは、こう仰っている。『おのおの腰に剣を帯び、宿営の中を入り口から入り口へ行き巡って、自分達の兄弟、自分達の友、自分達の隣人を皆殺しにせよ』と」
そして、そのとおり実行したので、一晩で三千人が虐殺されたと、「創世記」第32章には書いてあります。しかし、真実を言えば、天地創造の神が、そんな「異常性のある行動」を命じるはずもなく、ヘブライ語の聖書までさかのぼれば、それはヤーウェの命令であり、エローヒムではなかったことが記されています。
さらに、「創世記」第12章の以下の言葉に戻ってみましょう。
元々アブラハムの一族は、メソポタミア(今のイラク方面)の一地方に住んでいたのですが、ヤーウェは、アブラハムに向って、
「あなたの生まれ故郷を出て、わたしが指し示す土地へ行きなさい」
と命じ、カナン(今のイスラエル)の地に向かわせます。
そして、アブラハムが一族と共に、カナンの地に入ったとき、再びヤーウェが現れて、
「あなたの子孫に、わたしはこの土地を与える」
と言いました。これが今の「中東紛争」の起源です。
第二次世界大戦後、英米の後ろ盾を得て、世界中のユダヤ人が移植してきて、イスラエルの地に建国したとき、この「創世記」第12章のヤーウェの言葉が根拠とされました。
「四千年近く前の言葉が根拠にされる」というのも、すごい話ですが、いずれにせよ、イスラエルという国は、これを根拠にして建国されました。
その土地には、ユダヤ人もいましたが、アラブ人(パレスチナ人)が沢山住んでいました。したがって、追い出された人もいるわけですが、「神のくださった約束だから」ということで、それが「正当化」されているのです。
しかし、その神も、「主」とは表現されていますが、ヘブライ語の原典までさかのぼれば、「ヤーウェ」です。「エローヒム」ではありません。
この二つが「旧約聖書」の中で混在していることが、問題なのです。
(もちろん断っておきますが、この議論を通じて、イスラム教の側に立っているのではありません。レジメ校正中に、オサマ・ビン・ラディンが米軍の急襲で殺害されたニュースが入ってきましたが、イスラム教サイドの問題点については、機会を改めて触れたいと思います。)
「イザヤ書」の秘密を解く
今年1月16日の「『救世の法』講義」の後半部分で、新しい論点のお話がありました。その中で、
『今日講演するにあたって、昨日いくつかの世界宗教のルーツの霊査に入りました。一神教のユダヤ教から調べに入りました。最初の頃のユダヤ民族の預言者には、モーセもそうなのですが、ヤーウェを信仰する一神教が頻繁に出てくるのですが、しかし、別の神の名前も出てきます』
と仰っしゃりながら、ここで新しく、旧約聖書の「イザヤ書」の話をされています。
「イザヤ書」には、第一イザヤ、第二イザヤという人が登場してきて(第三イザヤがいるという説もある)、この第二イザヤが、昔のリーディングでいうと、西郷隆盛なのですが、 (注 :魂の転生として)
『この第一イザヤ、第二イザヤから、神の名前を「エローヒム」と呼んでいます』 と、そこで仰っています。
『そのエローヒムが、イザヤの前に現れた理由は、その数百年後、イエスが降臨することになっていたので、その準備のためでした』
とありました。
ところで、この先生の御言葉は、日本語の聖書を読んでも、当然のことながら、わかりません。
また、英語版の聖書で読んでも、これまで、「創世記」や「出エジプト記」を分析してきた手法では、手がかりがつかめないのです。
これをどう解読したらよいのか。
主のおっしゃった、
「イエスの降臨を準備するため」
という言葉をヒントにして、以下で解明してみましょう。
(「その5」に続く)