靖国神社参拝と「日本の誇り」
[HRPニュースファイル727]
◆「靖国神社参拝問題」と「自虐史観」
8月15日の終戦記念日を目前に控え、安倍首相の靖国参拝や歴史認識に関する注目が高まっています。
現在、幸福実現党は、釈量子党首を先頭に「日本の誇り」を取り戻すために、安倍首相の靖国参拝を強く求める活動を展開しています。⇒参照:「終戦記念日の首相靖国参拝を求める(党声明)」
ところが、安倍内閣の閣僚で、終戦記念日の8月15日に靖国神社を参拝する可能性があるのは3閣僚のみで、残念ながら安倍首相は参拝を見送る方向です。
この「靖国神社参拝問題」と「自虐史観」とは深い関係があります。
左翼マスコミや中国・韓国は、「先の大戦は日本の侵略戦争であった」という「自虐史観」を前提に、「軍人を祀ることは、侵略戦争を肯定することだ」「A級戦犯を祀る靖国神社への参拝は軍国主義の復活だ」という批判を強め、靖国参拝阻止の動きを見せています。
◆首相の靖国参拝は当然のこと
元々、靖国神社は、明治維新の際、戊辰戦争で亡くなった方々を祀る社として建立され、その後、西南戦争、日清戦争、日露戦争、大東亜戦争の戦没者など、246万6千余柱の英霊を祀っています。
そうした意味で、靖国神社はアメリカで言うところの「アーリントン国立墓地」にあたるものだと言えます。
アメリカの歴代大統領がアーリントン墓地に参拝しているように、日本の歴代総理大臣は、戦後、春秋の例大祭を中心として靖国参拝をして参りました。
例えば、首相在任中の靖国参拝の回数は、吉田茂氏5回、岸信介氏2回、池田勇人氏5回、佐藤栄作氏11回、田中角栄氏5回、中曽根康弘氏10回となっていますが、三木元首相の靖国参拝以前は政治問題になったことは全くありませんでした。
◆三木武夫氏による「亡国のパフォーマンス」
靖国参拝が政治問題になったのは、田中角栄氏の次に自民党総裁、内閣総理大臣となった三木武夫氏(首相在任期間1974年〜76年)による参拝以降です。
昭和50年、三木氏は戦後初めて、8月15日に靖国神社に参拝しました。これだけ聞くと、信念のある立派な政治家に思えるのですが、実情は全く逆です。
元々、三木氏は、自民党内での支持基盤が極めて弱かったことが大きな課題でした。
それは、田中氏が金権政治の批判によって退陣に追い込まれた後、実力ではなく、「クリーン」という理由で選ばれた総理だったからです。
そこで、三木氏が目をつけたのが、当時、反田中政治の旗頭であった「青嵐会(石原慎太郎、浜田幸一などの当時の自民党派閥横断的に結成された保守派の若手議員からなる政策集団)」からの支持でした。
三木氏は、青嵐会の支持を得ることを主たる目的としたパフォーマンスとして、「8月15日」に靖国参拝を強行しました。
しかしながら、三木氏は、自分の信念とは反対の行為であったために、国民やマスコミに対して、「私的」に参拝したので、全く問題がないという言い訳をしたのです。
このようなパフォーマンスと言い訳が、後々まで靖国参拝が「政治問題化」する大きな火種になり、それ以降、靖国参拝については、常に「公的か」「私的か」が問われることになりました。
◆三木夫妻による日本弱体化のための活動
ちなみに、この三木武夫氏は総理時代、防衛予算の「GDP比1%枠」という政策を閣議決定しています。
「防衛省の予算は、その年のGDP1%以内とする」という自主的な取り決めで、この考えは、その後の防衛予算の事実上の基準となりました。
1990年代以降、GDPが停滞し、防衛予算は減少を続ける一方、中国の軍事費が毎年二桁成長を続けたことが、日本の「国難」をもたらしたと言えます。
また、これまで、恒例行事として春秋の例大祭に靖国への御親拝を続けて来られた昭和天皇も、昭和50年以降、御親拝を控えられるようになりました。
これは、三木氏が「私人」として靖国参拝をしたことを機に、天皇の御親拝が「公的」か「私的」かが問題になったためです。
御親拝の中止は、靖国に祀られている三百万の英霊にとって、また、そのご遺族の方々にとって、痛恨の出来事です。
なお、三木元総理の夫人、睦子氏は、(1)日本国憲法阻止を訴える「9条の会」の呼びかけ人、(2)従軍慰安婦たちへの国家賠償を求める活動、(3)北朝鮮から親善勲章第1級を与えられるなど、左翼・親北で有名な方です。
河野洋平氏と同様、三木武夫氏のようなリベラル系の人々が「自民党政権」の中核にあったことが、日本の「国難」を招いた要因なのです。
◆取り戻すべき日本の誇り
「大川談話」は、先の大戦を「アジアの同胞を解放するための聖戦」と位置づけています。
実際、日本は戦争には敗れましたが、ことごとく欧米列強に侵略されていたアジアの国々が、日本軍の快進撃を見て、自らの力を信じて立ち上がり、多くの国々が欧米の植民地支配からの独立を果たすきっかけとなりました。
例えば、第二次大戦の時、イギリスに「プリンス・オブ・ウェールズ」という、当時「世界最強」と言われた戦艦がありました。多くのイギリス人がこの戦艦を、国の誇りに思っていました。
ところが、1941年12月のマレー沖海戦で、日本軍はこの戦艦を、戦闘機の攻撃によって撃沈しました。これは、チャーチルが回顧録の中で「第2次世界大戦で最も衝撃を受けた事」と言われるほどの大きな事件でした。
当時は、戦闘機が戦艦を沈めるということは考えもできなかったのですが、この常識を簡単に覆す日本の戦闘機、及びパイロットの技術は、既に世界最高水準に達していた事を示す出来事でもありました。
日本の技術は戦後に発展しただけではなく、戦前、戦中においても、世界最高水準に近いものがあり、アジアに「日本」という国があるということが、多くの国々の希望にもなっていたのです。
8月15日の首相の靖国参拝は、三百万の尊い英霊に感謝と敬意を捧げると共に、日本の誇り、先人への敬意を取り戻すことであり、日本復活への端緒を開くこととなるのです。(文責・小鮒将人)
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