歴史認識の譲歩が国を滅ぼす
[HRPニュースファイル743]
◆憲法改正封印から始まった「譲歩行進」
安倍政権は、憲法改正問題がトーンダウンした5月中旬頃から歴史認識問題で譲歩を続けています。
最大の問題は、歴史認識問題のコアとなる「河野談話」と「村山談話」でした。総理は、両談話を撤廃することに意欲を示していたにも関わらず、最終的に両談話を踏襲してしまいました。
参考:「安倍首相の侵略容認発言が及ぼした悪影響」⇒http://hrp-newsfile.jp/2013/752/
そして、参院選で自公両党が圧勝。衆参のねじれは解消しましたが、すぐに8月15日の靖国神社参拝が注目を集めました。
結果として、総理は玉串奉納のみとなり、麻生副総理をはじめとした主要閣僚4人(外務大臣と官房長官)は、中国と韓国の反発を恐れて参拝を見送りました。
◆歴史認識の譲歩はさらなる賠償を招く
こうした一連の「配慮」は、本当に日本にとってメリットがあったのでしょうか?また、中国や韓国は、日本の態度に満足したのでしょうか?
答えは「No!」だと言わざるを得ません。
例えば、新日鐵住金への賠償請求問題。法律的には、1965年の日韓基本条約によって両国間の賠償問題は決着済です。
実は、大韓民国憲法第13条第2項において遡及立法による財産の剥奪を禁じています。
にもかかわらず、2005年には「反日民族行為者財産の国家帰属に関する特別法」を制定し、親日派の財産を没収する暴挙に出ました。
これは憲法違反の可能性が高く、韓国国内でも異論が出ていたほどです(その他にも法の不遡及の原則を逸脱している特別法がいくつもある)。
新日鐵住金の賠償問題がいきなり出てきたように、韓国には法の遡及原則を無視してでも日本を貶める法案の制定は肯定されているというわけです。
もし、日本政府や企業が賠償に応じた場合、今後も様々な理屈をつけて賠償請求してくることは火を見るよりも明らかです。従って、日本政府は、絶対に賠償に応じてはなりません。
◆国連事務総長までが歴史認識問題発言
さらに、藩基文(パン・ギムン)国連事務総長による歴史認識問題発言がありました。(8/26 読売「潘基文国連事務総長、異例の発言…安倍政権批判」)
地元韓国外務省で「正しい歴史(認識)が、良き国家関係を維持する。日本の政治指導者には深い省察と、国際的な未来を見通す展望が必要だ」と言及した藩事務総長の言動は、国連憲章100条に明記されている「国際的職員の地位を損ずる行動」に抵触している可能性があり、日本政府としても調査に乗り出しています。
元々、同事務総長には前科がいくつかあります。「台湾は中国の一部」と発言して物議を醸しました(2007/9/7 台湾の国連加盟についての答弁)。
また、従軍慰安婦問題推進の立場をとっています。
さらには、藩事務総長が主催した2007年10月24日、「国連の日」を祝うコンサートが国連本部で開催されました。
その際、韓国国連代表が作成した日本海を「東海」と記した英文パンフレットが式次第とともに配布されました。
多数の大使が集まる会場で、韓国側のみの政治的主張を掲載したパンフレットの配布は、当然、日本政府から抗議を受けました。
このように、藩事務総長は「公人としての中立性」から著しく逸脱した行動をしているわけです。
今回の発言に対しても、日本政府は、厳重な抗議と国連憲章違反の追求を徹底的に行うべきでしょう。
◆アメリカやロシアの動きにも注意
日本が歴史認識問題で譲歩を繰り返すと、喜ぶのは中国と韓国だけではありません。
実は、アメリカの左派には、民主党のマイク・ホンダ下院議員のように、反日プロパガンダに加担している人物が多数います。
米民主党には、反日親中&新韓議員が多数おり、安易な譲歩や謝罪は、こうした左派勢力に隙を与えることになるのです。
また、ロシアはメドベージェフ前大統領時代に9月2日(日本が降伏文書を調印した日)を戦勝記念日とする国内法を2010年に改正しました。
ロシアは中国と歴史認識問題の連携を促進していることにも注意を払う必要があるでしょう。プーチン大統領が親日だからといって安心することは禁物です。
◆本格的な情報発信と国際的啓蒙運動を
反日活動は国際的に展開されています。加えて、「反日包囲網」は国内のマスコミによっても拡大されます。
従って、歴史認識問題における譲歩は、さらなる反日プロパガンダを増長するだけであり、「百害あって一利なし」です。
その意味では、幸福実現党の大川隆法総裁による「大川談話」は、こうした国内外からの歴史認識問題に対する反論体制を作る上での最高の内容です。
もうこれ以上、日本人の誇りと日本の国際的地位を貶めることは許されません。
もし、現政権で新しい談話の発表が不可能ならば、幸福実現党が「日本の誇りを取り戻す」ために、歴史認識問題についての政策提言を続けて参ります。
この活動は、国内を超えて国際的な発信と啓蒙を含んでいるため、それだけ使命は重く、厳しい道のりだということです。(文責・静岡県本部幹事長 中野雄太)
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