株式に投資する人をニュース等では「投資家」と
紹介されているのだが、実態は「投機家」である。
投資(Investment)は、事業を興したり、
株式を長期で保有したりすることであり雇用等
二次的な経済効果を発生させるが、
投機は、株式などの短期的な値上がりに
期待したり、憶測で金融商品を売買いを繰り返す行為であり、
一方で得する者があれば、他方で同額の損をする者も居るという
投資とは根本的に違う経済行為なのである。
更には、投機は英語ではSpeculation、
スペイン語でもEspeculación と書き、
Esperar(待つ)、Esperarse(期待する)から派生している
単語だと思われる。
つまり、投機とは実現するかどうかが不明な経済行為や
実態の無い経済事象に対して金銭を注ぎ込む、
ある意味では博打的な経済行為であると思う。
今の株高、円安で大儲けしたヘッジファンドなどは、
例えば、円が80円前後の頃、6ヶ月後に10億ドルを
渡してくれとの約束で、先物市場で800億で
10億ドルを買っておけば、6ヶ月後に渡される10億ドルが
990億円となり、僅か6ヶ月で190億円もの膨大な利益をもたらし、
濡れ手に粟のようにして儲けられるのである。
それは、株式先物でもまったく同じでなのである。
この様に、汗水垂らして働くこと無しに数百億が儲かって
いるうちは良いのだが、損失が出た場合、
特に金融機関などが迂回融資をしている機関投資家が
巨額な損失を出した場合、銀行救済の名の下に、
再び血税が使われるのである。
有効な経済効果をもたらす投資に対して
優遇税制を採って、投資を促進することは必要ではあるが、
不労所得的な投機行為までをも優遇している
現行の税制で果たして良いのであろうか。
おそらく再び見直すべき時期が早々にやってくる気がしている。