一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

『ナイロビの蜂』

2006-12-10 | キネマ
(予告編の範囲内+αのネタバレあり)

予告編で大体のあらすじがわかってしまっていたので、あとは脚本と演出の出来次第と思いながら借りてきました。


主人公の外交官が妻の思い出とともに妻を死に追いやった活動を探っていく、という映画です。

前半は主人公が全然妻のことを知らなかったということを明らかにしていくるのですが、生前の社会活動やパーティでの言動などから彼女の考えはわかるはずなのに今さらのように驚くあたりは、ちょいと主人公のお人よし(ボンクラ)度は高すぎるように思います。
また、そもそものなれそめから結婚に至る部分はかなり唐突で、主人公は単に利用されていただけ、とう印象すら持ってしまいます。

ところが後半になると、主人公は俄然やる気になります。
もっともこれは妻への愛情と生前の活動への共感という部分だけでなく、妻に横恋慕していた上司への不信感とか外務省からの理不尽なプレッシャーとかが重なっての結果です。

最後の30分で、主人公は反撃に転じるとともに、アフリカの抱える問題の根深さも実感することになります。
結末もイギリス映画らしく(ハリウッド映画ではないので)カタルシスをもたらすようなものではありませんが、逆に余韻を残します。


ジョン・ル・カレの原作をシティ・オブ・ゴッドのフェルナンド・メイレレスが監督、主演は「イングリッシュ・ペイシェント」のレイフ・ファインズという意欲的な組み合わせです。
確かにカメラワークは冴えてますし、レイフ・ファインズは(セリフを言わない)演技がうまいですし、音楽もいいです。

ただ全般的に脚本がストーリーの複雑さに対して消化不良な感じはしました。
シーンとシーンのつながりを理解するのに想像力が必要です。
それぞれの登場人物のサイドストーリーを掘り下げた方がよかったとのではとも思ったのですが、これで上映時間が2時間なので限界なのかもしれません。

逆にいえば、長さを感じさせなかったともいえます。
という意味では(いろいろくさしたけど)結構いい映画ですね^^;







コメント (4)
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「顔」

2006-12-10 | 乱読日記
傷害逮捕:被害者がレコード店で“再会”し通報 東京
(2006年12月9日 22時43分 毎日新聞)

これを見て松本清張の「顔」という短編を思い出しました。
こっちの小説方が事実より奇なり、ですが。

確か中学生の頃読んだ記憶があり、懐かしくなって調べてみると『張込み』という短編集に収録されています。
そうそう、この短編集なかなか粒ぞろいの作品が揃ってました。「鬼畜」とか怖かった記憶があります。

早速注文しました。

でも、この表紙は清張先生がご存命だったら文句を言ったのではないでしょうかねぇ。





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