だんだん大物が出だしてきました。
農林中金、08年度中に1兆円増資へ 金融危機下で国内最大規模
(2008年11月26日07:00 日本経済新聞)
農林中央金庫は25日、今年度中に1兆円を上回る規模で資本を増強する方針を固めた。当初は3000億円規模を計画していたが、長引く金融市場の混乱を踏まえ、保有する有価証券の価格下落に伴う自己資本の目減りを補うため、増資額を大幅に増やして財務基盤を強化する。全国の信用農業協同組合連合会(信連)などJAグループ内から資金調達する方向で調整している。
増資額が1兆円を超えると、今回の金融危機下での資本増強としては国内金融機関で最大規模。具体的な調達方法は今後詰めるが、返済義務のない資本(中核的資本)に算入可能な優先出資証券などの方法で調達する見通し。9月中間期末の自己資本比率は国際業務を手がける金融機関に求められる8%を上回る11%超のもようだ。
一月前の金融機関に公的資金注入を可能にする、という記事では(参照)
農協・漁協などの個別金融機関に資本を割り振れるようにする。
と言っていたのですが、やはり本体の方が痛んでいたようです。
でも、傘下の信連は増資に応じる余裕はあるのでしょうか。
お金の流れがよくわからないのですが、それぞれの信連の自己資本を増強しないで出資すると農林中金からの資金を出資に回しているだけになるような。
また前の記事では
これらの上部機関は傘下金融機関の資本支援だけでなく、本体の資本増強にも活用できる。
と公的資金の注入も可能になったわけですが、農業政策では補助金の獲得に貪欲だったはずが公的資金導入の前に自力で資本増強を図るのは国のコントロールが厳しくなるのをきらったからでしょうか。それともまずは努力する姿勢を見せる、ということだったりして・・・
信連の出資がいきなり出資が毀損したり、その後注入される公的資金に劣後したりすると信連の理事が責任を問われることになると思うのですが、このへん経営の原状と将来の見込みについてどういう説明をするのか興味があります。