数日前のエントリで揶揄気味に書いたパシフィックホールディングス株式会社ですが、中国から舟板助け舟が来たようです。
株式会社中柏ジャパンによるパシフィックホールディングス株式会社への資本参加等についての投資契約書の締結に関するお知らせ
(平成20年11月26日)
中柏ジャパンは、中国における大手上場不動産会社等の出資を順次受ける予定である日本法人であり、今回の当社への投融資は、中国政府が奨励する「走出去(ゾウチュチィ)戦略(中国国外への投資を積極的に行うことを意味する)」の一環と位置づけられます。中国の大手不動産会社グループは、中柏ジャパンを通じて当社への出資を行うと共に、協働で不動産プライベートファンドの組成を実施するなど、日本において資産運用事業展開の橋頭堡を築くことを目的としています。
中柏ジャパンの概要及び現況は、上記記載のとおり、平成20年3月に設立され、日本企業及び中国企業の間の資本提携・業務提携の支援に積極的に取組む株式会社経営共創基盤(※)の100% 子会社であります。
同社は、今後中国における大手上場不動産会社等より順次出資を受け、これら一連の取引を実行する予定です。また、将来的には数社から十数社の中国大手不動産会社により出資を受け、出資者らの日本における投資戦略推進の橋頭堡として活動を行う予定です。
※ 株式会社経営共創基盤の概要
代表者 :代表取締役CEO 冨山 和彦
主な事業内容 :人材投入型成長支援事業
中国資本を持ってきたのは元産業再生機構の冨山氏ということで、金の出所が胡散臭いという雰囲気はなさそうです。
資本参加の内容ですが
普通株6.5億1株につき2,288円:今日の終値2,220円をベースにしたのでしょうけど、今日ストップ高というのもなんだか・・・これはSESCの調査が入りそうですね。
普通社債270億これは優先株470億の払い込みに現物出資されるようです
H20年11月期の3Qの純資産額533億円から考えると「買い叩いた」という感じでもなさそうです。
中国企業にとっては500億円弱という金額はちょっと前なら小遣い銭だったでしょうが、今の状況ではどうなんでしょうか。
(また、中国の不動産会社が国内ではなく日本に投資機会を求めてきているというのも別の意味で興味深いものがありますが、話が広がりすぎるのでそれはまた機会があれば考えてみます。)
今後のスケジュールは
平成20年12月19日 本普通株式増資に係る払込期日(予定)
平成20年12月26日 社債引受期日(予定)
平成21年2月26日 定時株主総会にて定款変更及び本優先株式増資決議(予定)平成21年2月27日 本優先株式増資に係る払込期日(予定)
以上すべての払い込みについて「当社がその事業の継続に必要な既存取引銀行のサポートが得られること、割当先に対する資金供与者が中華人民共和国政府から資金拠出に必要な許認可を得ていること等」が前提条件となっています。
それはそうでしょうが、中国当局のスピードからすると普通株式の払い込みに間に合うのでしょうか(水面下で打診していたのでしょうけど)。
よほど大物の「上場不動産会社」なんでしょうかね(太子党関係とか)。
で、このお金で何をするかですが 第三者割当による新株式(普通株式及びA種優先株式)の発行に関するお知らせによると
(2)調達する資金の具体的な使途
本普通株式
上記差引手取概算額の合計649,368,000 円については、当社グループが新規で組成する不動産投資ファンド向け物件の工事代金として充当する予定です。
本優先株式
上記差引手取概算額の合計46,828,380,000 円について、うち約270 億円につきましては、平成20 年12 月末発行予定の社債が現物出資され、払込金の一部に充当される見込です。また、残額約200 億円につきましては、当社グループと新しい事業パートナーが協働で組成を行う不動産投資ファンド向けの物件の取得資金として充当する予定です。
昨日までの状況では「新規で組成する不動産ファンド」などと言っている場合ではなかったのでここをもう少し深読みしてみると
当座の6億円は「当社グループが新規で組成する不動産投資ファンド向け物件の工事代金」という微妙な言い回し(新規で組成するファンドの資金であれば少なすぎるし工事代金以外に土地代金も必要)から、現在開発中でReitに卸せなかったり買手がつかないプライベートファンド物件(=リファイナンスも苦しいので工事代金の資金繰りも厳しかった)の工事代金の支払(の見せ金)にあてて、とりあえず完成させてキャッシュフローをつけたうえで、「当社グループと新しい事業パートナーが協働で組成を行う不動産投資ファンド」に卸す、ということを計画しているのではないかと思います。
ただ、プライベートファンドから新ファンドへの売却というのは利害関係者取引の塊なので、けっこうもめそうですね(投資運用業者としての振る舞いも相当難しそうです)。
そのへん中国の投資家とはどういう話になっているのでしょうか。
このへんについてしばらく注目していきたいと思います。
PS
しかし、関連するJ-Reitのリリース(日本レジデンシャル投資法人 日本コマーシャル投資法人)が一字一句同じというのもなぁ・・・