一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

鳩山首相のレトリックの功罪

2009-11-06 | まつりごと

小泉元首相は「ワンフレーズ・ポリティクス」と揶揄されましたが、鳩山首相のレトリックも気になるようになってきました。

首相、官房機密費の使途非公開に 「オープンの筋合いない」
(2009年11月05日 22:48 日本経済新聞) 

鳩山由紀夫首相は5日、国政に必要な経費として官房長官の判断で支出できる内閣官房機密費(報償費)の使途について「国民にすべてをオープンにすべき筋合いのものとは思っていない」と述べ、民主党政権でも公開しない方針を示した。首相官邸で記者団の質問に答えた。  

首相は「国益のために言えないものもなくはない。皆さんもある程度は分かっておられると思う」と指摘。同時に「平野博文官房長官から『任せてほしい』と言われているから、一切この問題には触らないようにしたい」と語った。  

機密費の使途を公開しないというのは(誰が政権にあろうと)正しいと思うのですが(だから「機密費」なんだし、総額でタガをはめればいい)、「筋合いない」という言い方はいかがなものかと。 
「使途を公開することが必ずしも国民の利益にはならない」ということをきちんと説明したほうが賛同を得られると思います。  


鳩山首相は国会の自民党の代表質問でも、「あなた方に言われたくない」というフレーズを乱発してましたが、実はけっこう気が短い人なのではないかと思います。 
自民党が引き下がったからいいのですが「だから我々は選挙に負けて責任を取ったので、野党になったからには現時点での政策を問う」というような開き直り方をされたら困ったのではないでしょうか。   

政権政党としてはやることが山積していて、次から次へと決断を下すので精一杯なのかもしれませんが、「小泉改革の見直し」をコンセプトのひとつにするのであれば、政策決定の理由についてきちんとした説明をしたほうが(それが「時間がない中で腰だめの決断だ」というのであったとしても)評価されるのではないかと思います。

 

コメント
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