一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

新型インフルエンザ事情

2009-11-19 | よしなしごと
開業医の友人の話


新型インフルエンザのワクチンは、10ccの容器(=「10mlバイアル」)に入って供給される。
普通は1mlバイアルの容器なのだが、長妻厚労相によれば季節性インフルエンザ用のワクチン製造への影響を減らすために(主に製造している製薬会社4社中1社の事情をくんで)容器の大きさを変えたらしい。(参照
(友人は製造コストとスピードを優先させたのではと言っている。それでも、季節性の供給も例年の8割になるらしい)

ただ、ワクチン一人あたりの接種は0.2cc程度なので50人分。
しかも、ワクチンは開封後24時間で使いきるようにという厚労省からの通達がある(参照

なので、予約を取る際には接種日を決めて1日に50人分まとめて接種しなければならない。
そうなると個人経営の開業医は普通の診療に影響が出るので、休診日にまとめて接種することになる。
希望者側にも日程に融通が利かないことを説明しなければならない。
10mlバイアルでの供給は医師・患者双方に負担のかかる仕組みだということは厚労省は考えてないようだ。


それから、勤務先から、発熱などの症状が出た場合陰性の証明書がないと出社してはいけないといわれているので、サラリーマンがインフルエンザの簡易診断を求めて殺到しているそうです。

ただ検査キットは感染後12時間後でないと診断の効果が出ない(しかも7割程度の精度)ので、朝発熱したからといって来られても実は意味がない。
一日(半日)安静にして症状がおさまらなかったら初めて検査を受けたほうがいい。

しかし検査の意味がない可能性について説明しても「会社の決まりだから」と検査(正確には「検査結果」)を求める人がほとんどなので(「そんなに会社に行きたいのかな?」)、これも限られた資源(と診療時間)の有効配分としては甚だ疑問。


後者については、「新型インフルエンザをめぐる企業のリスク管理」などのセミナーの悪影響ですね。

コメント (1)
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