一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

震災後半年

2011-09-12 | スコップ団

週末スコップ団に参加してきました。

特に9月11日というのを意識していたわけではなく、たまたま都合がついて宿が取れたので。

ホテルで見た金曜夜(9日)のNHKのローカルニュースでは、石巻市で仮設住宅で残っているのが交通便の悪いところばかりになって、希望住戸の抽選に外れた人に強制的に割り当てようとしていることに反発が広がっているという話がありました。

マスコミが特集で「ここ半年を振り返る」とか「半年たっても復旧復興が進んでいないが国は何をしている」と怒って見せても現地ではこういう毎日が積み重なっているわけで、ちょっとズレがある感じがします。

そのほかにもいいニュースでは、東京在住の英語教師をしている外国人女性が南三陸町で耕作放棄地を借りて開墾し、地元の人と野菜作りをして仮設住宅の人に販売しているというものもありました。

被災地から離れたところにいる身としては、片付かない瓦礫を前にレポーターが嘆息するというお決まりの画でなく、こういう細かい実情を伝えてほしいと思います。

しかし実際は、NHKでも全国ニュースでは式典・イベントや原発関係、食品の放射能問題くらいしか取り上げられなくなっている感じです。
天気予報で被災地の天気に言及するより、一日一本でもいいからローカルニュースを流すべきではないでしょうか。


ひょっとすると「震災後半年」という特集をするマスコミや私たちの目線がだんだん外からのものになってきているのかもしれません。
企業も、ウェブサイトに「東日本大震災の被災者の方に心からお見舞い申し上げます」と乗せているところが多いですが、いつ元に戻そうかと考え出しているところも出てきているような気がします。(そしてまたこういうことになると横並びで「空気読みながら」という行動をしそうです。)


復旧復興が遅れていると国や県が批判はされますが、単位が大きくなるほど配分の公平に配慮しなければいけないし、現地にはりつけるだけの要員もいないわけで、後手に回るのは仕組みとして仕方がない部分もあります。
さらにトップが嫌われることを回避して政治的配慮を優先すると、総論のプランだけは作るが個別の優先順位付けが出来ないというまさに今の状態になってしまいます。

また、復旧・復興といっても万能の解決策があるわけでもなく、予算や立地上の制約もあるしそれぞれの市町村の個別事情もあるので、一律の施策がうまくいくとも思えません(大体机上で考えたことが大概上手くいくならこんなに「想定外」の連発は起きなかったわけですから)

結局は市町村や企業、もしくは個人単位でいろんな試行錯誤をする中でいくつかの成功例が出てきて、他のところも「あ、それいいな」と真似をする中で比較的有効な復興策が広まって行くんじゃないかと思います。

まだ整理できていないのですが、農業や水産業も今までみんなが仲良しクラブで同じことをやっていたわけではなく、そこには当然競争があり、上手くいった人(地域)は儲かるしそうでない人もいるという世界だったはずです。実際話を聞くと漁師にしろ農家にしろ罹災前は相当羽振りのいい人(いい意味で)もいたようです。
復旧復興にもいろんな工夫を可能にするような国や県からの支援のし方もあるのではないかと漠然と思っています。


なので、個人ベースでは何かのきっかけや縁とか単なる好き嫌いでもいいから「やろうとおもったことをやる」、のがいいと勝手に思ってます。
いずれ有効な支援の方法に集約されていくでしょうから。


で、週末のスコップ団

スコップ団でも誰からも「11日で半年」という話は出ず、黙々と(土曜は団長が首を痛めていたので監督にまわった分にぎやかだったけど)スコッピングをしてました。
相変わらず被災した住宅はそのままだし、片端から片付けるしかないですから。

土曜の1軒目。
この家は家ごと10mくらい(写真だと左方向に)流されています。
構造が丈夫だったので浮力で基礎からはがれたのでしょうか。女川町ではビルが横倒しになったくらいだから十分ありえることでしょう。


2軒目

外から見ると(玄関脇の柱が傾いているくらいで)比較的きれいですが

中は津波の傷跡が生々しいです。
床下にたまった泥も掻きだす必要があります。


3軒目

ここは海に近いところにあるので砂の量が半端なかったです。
しかも家が大きい。



母屋の浴室とは別にバスタブがひっくり返っていたので、二世帯住宅だったのかもしれません。

※ 2日目は筋肉痛をだましだましでしかも午前だけ参加だったので写真を撮る余裕はありませんでした。


スコップ団は2回目の参加ですが、勝手に集合場所に集まればよく、途中参加・退出も自由というルールの緩さ、自律性が気に入ってます。
それから参加して若い連中が頼もしいのを見ると、オジサンもがんばらねばと思います。
そして何より元気があっていいです。


スコップ団は横車には厳しいが猫車は大好きの図


関心のある方は事務局のブログ団長のブログをごらんください。

コメント
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