ではなく「弾性限界」の話。
東日本大震災地震でも、免震装置のついているマンションに住んでいた友人は揺れがかなり少なかったようです。
ただ大きな入力がかかった場合、免震ゴムが弾性限界を超えて亀裂が入るなどして免震性能が低下しなかったんだろうかと思っていたのですが、やはり専門家の調査がなされていたようです。
免震建物の可動部、大震災で3割損傷 ビル主要部は無事
(2012年1月26日5時0分 朝日新聞)
免震建物に取り付けられた可動部材の約3割が東日本大震災で損傷したことが、日本免震構造協会の調査でわかった。損傷で天井や壁に傷がついたり、けが人が出たりする恐れもあるうえ、設計通りに機能しないのは問題だとして、同協会は再発防止に向けた指針作りを検討する。
これだけ読むと、「可動部」というのは地震で揺れると動く免震装置(ゴムやボールベアリングやダンパー)のことで3割も損傷したのかと驚いたのですが損傷を受けたのは「免震建物と地面の間など地震での動きが異なる部分を橋渡しする装置」この図で言う「エキスパンションジョイント」の部分のようです。
(エキスパンションジョイントについてはこちら参照)
記事のつづきによると、
不具合は、製品の機能や設置に問題があったもののほか、レールにほこりがついていた、動くのを妨げる柱が別の工事でつけられていたなど、維持管理が不十分な例が目立った。揺れを押さえる装置に亀裂が見つかった例もあった。
ホコリはともかく、柱があったりそもそも動かないようになっているのはダメですが、それでも素人的に考えるとエキスパンションジョイントが損傷する程度なら取り替えればそれほど費用もかからないように思います。
より大事なのは最後の部分で、「揺れを押さえる装置」=免震装置に亀裂が見つかったということは、やはり、免震ゴムが弾性限界をこえてしまったものがあるようです。
免震装置が地震のエネルギーを受け止めた結果の亀裂なので装置自体はきちんと機能したと思うのですが、今回大丈夫だったからといって安心するだけでなく次の地震に備えて点検・交換が必要だというのは注意した方がいいですね。
また、マンションなどでは、一定以上の規模の地震があった後は、免震装置を点検したほうがいいのかもしれません。