一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

数字で見る被災状況・復旧状況

2011-08-20 | 東日本大震災
「助け合いジャパン」のサイトがリニューアルされ、各地の復興状況のデータが復興状況マップとしてわかるようになりました。


今アップされているデータが8月初旬時点でちょうど実査の時期と合っていたので、印象を数字で確認するために一覧にまとめてみました(ただし内陸部は省略しています)


別窓はこちら

太字のところが今回実査したところです。


石巻市の被害の大きさが群を抜いて大きいのが印象的です。

岩手県の中では、陸前高田市の瓦礫撤去の進捗の早さ、大槌「町」山田「町」の仮設住宅の多さが目立ちます。

宮城県では近接しているにもかかわらず石巻市・東松島市のダメージの深さと松島に守られた松島町・塩竈市の被害の少なさの対照が目を引きます。また石巻市以外でも気仙沼市の瓦礫は陸前高田市・釜石市・大船渡市の倍近く、南三陸町がこの3市と同程度であることがわかります。
それから、完成した仮設住宅の入居率が気仙沼市、南三陸町、石巻市では80%前後なのが少し気になります。完成から入居までのタイムラグの問題ならいいのですが。

全般的には岩手県に比較して宮城県の被害が大きく、瓦礫撤去が遅れていることがわかります。

前にも少し触れたのですが、素人考えとしてはつぎのとおり。

・岩手県の方がリアス式海岸が海岸まで迫っていて、それぞれの町で平坦な部分の面積が少ないのにに比べて宮城県は比較的大きな河口の三角州のような平坦な場所が多く、集落・漁港の数も多い(漁港は岩手111に対し宮城県142)。
・その結果宮城県においては津波の遡上した範囲がそれぞれの町で広範囲に渡り被害が大きかった。
・岩手県は海岸沿いの地形が険しいため、道路が山沿いを走りそこから枝分かれして海岸部の町に行く構造をとっているのに対し、宮城県は海岸沿いの道が整備されていた。今回は海岸沿いの道が津波で被害を受けたため、復旧の輸送ルートの回復に時間がかかったのではないか。
(逆に岩手県では平坦なところが少ないのか、仮設住宅は町から相当離れたところや戸数の小規模なものが多かった印象があります。)


ただ、宮城県の名誉のために言えば、絶対数で言えば宮城県は岩手県より3倍以上の避難者と5割多い避難所に物資を供給しつつ、5,600戸多く仮設住宅を完成させ、倍以上の瓦礫を処理しています。しかし宮城県の処理しなければいけない瓦礫の量は岩手県の3倍以上なので、進捗度合を比較すると遅れているということになってしまいます。


ややもすれば原発問題に関心がシフトしつつある中で、被災地の現状を正確に理解することはとても大事なので、こういう情報提供は大いに必要だと思います。



※ 関連エントリはこちらから被災地に行ってきました。

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