一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

被災地再訪(その2)

2012-04-24 | 東日本大震災
気仙沼から南三陸町へ向かいます。


気仙沼市本吉町の小泉大橋の上をまたぐ気仙沼線の高架橋(陸前小泉駅の近く)。



昨年7月に行ったときは橋げたの上に引き波で運ばれてきた民家が乗っかっていて津波の大きさを実感したのですが(参照)、さすがに片付けられていました。
ただ、橋や駅舎の復旧工事は始まっていません。


南三陸町に入り、歌津地区へ。

歌津大橋は未だ復旧しておらず、国道は街中の旧道を迂回していきます。



迂回路がある以上、復旧の優先順位は低そうです。


歌津の仮設商店街





小泉大橋だけでなく気仙沼線はいたるところで駅舎や線路が流されたり橋が落ちたりしています。
地元は復旧を希望している一方で、JRは多額の復旧費用と復旧した後の採算を理由に難色を示しているそうです。

寸断されている現場を見るとJRが二の足を踏むのもよくわかります。
橋は橋げたごと作り変える必要があるものが多いでしょうし、線路の土盛りも改めてやらなければいけなそうです。

ただ、本吉町や歌津地区のように三陸自動車道から距離があり内陸部に向かう道路も弱いところでは沿岸部を走る鉄道の需要が高いのもわかります。

輸送力だけをとってみると路線バスに代替することは可能だと思いますが、地元住民は反対しているようです。
僕も直感的には(資金の面を無視すれば)鉄道の方がいいと思います。

その理由を考えてみると、「列車」と「バス」という車両・運行システムの違いではなく、「駅」と「バス停」の違いが大きいように思います。


乗り降りのしやすさや荷物の持ち込みやすさなどは、バスも車両を改造すればかなり改善できると思いますし、運行時刻の正確さも列車よりバスの運行本数を増やすことでカバーできそうです。

ただ、駅はバス停に比べて
・待合室で雨にぬれずに座って待つことができる
・駅員がいて、いろいろ尋ねることが出来る
・駅前にちょっとした広場があって、送り迎えや短時間の駐車ができる
という旅(移動)の快適さの部分ではるかに優位にあるように思います。

バス停にぽつんと立ってバスを待つのは、高齢者でなくても心細く苦痛でもあります。

それならば、バス停を駅と同じ機能を持つようにすれば、鉄道を路線バスで代替してもそれほど不便にはならないのではないでしょうか。

具体的には鉄道駅と同じ程度の主要なバス停に次のものを設置します。
・屋根つきの待合室
・送迎用の駐停車スペース
・バスの乗降、荷物の積み下ろしが容易なような専用の車路
・駅員の代わりの案内要員

上3つは200坪くらいの土地があれば設置可能でしょうし、コンビニや郵便局、地元商店などに隣接すれば案内要員を委託することもできます。

そうすればその停留所は、地元のコミュニティの一つの核にもなると思います。


「鉄道かバスか」でなく、その間のものを考えてみてもいいのではないでしょうか。



(前のエントリはこちら)
被災地再訪(その1)

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