一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

列車事故

2009-07-13 | よしなしごと

月曜から縁起でもないニュースですが

建設中のニューデリーの新交通システムの橋脚が折れてしまったという事故です。
Metro rail bridge collapse kills 5 in India

ニューデリーは2010のコモンウエルス・ゲームの開催地になることが決定して、それに向けて6年前から突貫工事で建設が進められていたものだそうです。(日本でいう「国体道路」みたいなものですね。)
この交通システムは昨年にも別の箇所で橋が崩れたそうなので、そもそもの施工が大丈夫か、というものかもしれません。
日本企業が受注しているプロジェクトではないですよね・・・?


ところで最近列車の事故が多いような気がします。

6月22日にはワシントンでの列車事故

7月5日にはディズニー・ワールドのモノレールの事故

がありました。

それぞれ追突だか正面衝突という普通は起きなそうな事故です。


飛行機事故は一度おきるとなぜか続くことがありますが、列車事故もそうならないでほしいものです。
(もっと怖いのはこちらとの連鎖ですが、あんまり悪い想像はやめておきましょう。)

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都議選

2009-07-13 | まつりごと
予想どおりの民主党圧勝でした。

定数1の区の自民党現職と4名以上の区の複数いる自民党現職を民主党の新人が破るとオセロのように議席数が一気に逆転するということですね。
衆議院選挙だと小選挙区ではもっとドラスティックな(小泉内閣のときの郵政解散のような)ことが起きそうです。

問題は、その後どうするという方なんですが。


ところで、開票速報で自民党の代表として石原伸晃幹事長代理が出ていたのですが、都議選の運動も氏が中心で仕切っていたとすると、世襲批判のなか逆効果だったんじゃないでしょうか・・・

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梅蘭のやきそば

2009-07-12 | 飲んだり食べたり


テレビなどではよく取り上げられていて有名らしいですが、渋谷に支店で昼食。

焼きそばの麺を固まるまで焼いて具の上に乗せた、普通の焼きそばの逆さ版です。
中にこんな風に具が入ってます。



具自体は普通の中華料理の焼きそばのあんでからめた具ですが、「五目」というよりちょっと神奈川名物サンマーメンっぽい感じ。モヤシが存在感を主張しています。
「牛肉やきそば」「海鮮やきそば」というのもあるので、普通のものはシンプルなんでしょう。
「名物」ではあっても「高級」ではなく庶民の味というところだと思います。
渋谷の道玄坂という場所代かもしれませんが980円はちょっと高いかな。

上下逆にして麺をしっかり焼いているので、保温効果は高く、夜に飲みながらのんびり食べても大丈夫そうです。
また、あんと麺の絡み具合を自分の好みで調節できるのはいいですね。

もともとは麺を焼きすぎてしまってまかない用にしたらけっこういけた、というところが発祥なのではと。

お店のHPを見ると、渋谷のほかにもショッピングセンターなどにも出店していて、「2008年6月6日六本木ヒルズにオープン」ともうたっています(あんまり更新してない?)。

ただ、渋谷店のメニューを見た感じでは海老チリ、酢豚、小籠包、春巻きなどオーソドックスな中華料理店の品揃えなので、六本木ヒルズだと夜の集客はけっこうきついかなとも思います。
六本木ヒルズも飲食店を入れ替えて低価格ゾーンを作ったのか、それとも梅蘭が高級版の店を始めたのでしょうか。
今度覗いてみましょう。



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地方分権

2009-07-11 | まつりごと

明日は東京都議会議員選挙ですが、その結果を受けて総選挙の日程も決まってきそうです。

今回の選挙では地方分権がキーワードのひとつになりそうです。

政権公約を点数化へ=自公民の分権方針-知事会特別委
(2009年7月8日(水)22:03 時事通信)  

全国知事会の「政権公約評価特別委員会」(委員長・古川康佐賀県知事)は8日、次期総選挙に向けて自民、民主、公明各党がマニフェスト(政権公約)で示す地方分権改革方針を点数で評価することを決めた。各党がマニフェストの検討作業を進める中、分権改革への前向きな姿勢を引き出すため、知事会の要望項目がマニフェストにどこまで反映されているか採点する。採点基準は14、15の両日開かれる全国知事会議で詰める。  

会合では、大阪府の橋下徹知事が「分権改革のメッセージを国民に示すには、政党(のマニフェスト)を点数で採点すべきだ」と主張、東国原英夫宮崎県知事ら他の参加者も同意した。知事会は地方への税源移譲、直轄事業負担金の廃止、政府・地方代表による協議機関設置などを3党に要望しており、点数化に際して重視する見通しだ。

総論としては地方の活性化は日本経済の回復のためにも必要なのですが、上の公約だけでは効果がないのではないか、という話。  

今週聞いた話だと、税源移譲といっても、もともと国税・地方税とも地方では税収が少ないので、税源移譲したら東京都の独り勝ちになってしまう。
地方税の割合を増やして国税を減らすと地方交付税の税源も減るので、結局経済力の低い地方の自治体は歳入が減るんじゃないだろうか。 
直轄負担金については、廃止してしまうと財政負担はなくなるものの、国による無駄遣いについての牽制が効かなくなるおそれがあるので、負担率を引き下げるとか、直轄事業を決定する前に自治体の同意を必要とするとかのほうが制度としては合理的では?ということ。

結局パイが限られている中でどう取り合うか、という話だといずれ行き詰るし、道州制も行政コストの削減(「平成の大合併」でも行政コストはそんなに下がってないらしいし)だけでなく、道州制にすれば経済力(税収)アップにつながる施策を打ち出せるという説得力が必要で、「地方分権」という掛け声だけでなくてもっと議論を深める必要がありそうです。  


都議選については、ウチの周辺では選挙カーも街頭演説も少なくいまひとつ盛り上がっていないようなのですが、小ネタをひとつ。
選挙カーで候補者名を連呼する女性を「ウグイス嬢」と言いますが、あれを男性のスタッフがやるのは「カラス」と呼ばれているんだそうです。


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応報感情への配慮

2009-07-10 | 法律・裁判・弁護士

福知山線の事故に関する起訴のつづき。

検察の事情については朝日新聞が意味ありげな書きぶりをしています。
異例づくし、検察対JR全面対決 宝塚線事故で社長起訴
(2009年7月9日8時6分 朝日新聞)  

検察当局は通常、捜査結果を発表する際、立証の経緯説明などがそのまま外部に流れるのを嫌ってカメラを入れない。だが、今回はカメラを通じて被害者に処分結果を伝えた。最高検企画調査課も「珍しい」と話す。こうした被害者への配慮の背景には、神戸地検特有の事情があった。  

兵庫県明石市で01年7月、花火大会でごった返していた歩道橋で11人が死亡する事故が起きた。県警は当時の明石署長(死亡)と副署長を業務上過失致死傷容疑で書類送検したが、地検は不起訴とし、神戸検察審査会が「起訴相当」を2度議決しても判断を変えなかった。  

不起訴に納得しない遺族への最高検の対応にも不手際があり、06年に当時の検事総長が「『被害者とともに泣く検察』という言葉があるが、本当に泣いてきたのかとの声もある」と陳謝した。  

「明石のトラウマ」を抱える神戸地検は、今回の捜査で被害者全員にどんな処罰を求めているかを尋ねる手紙を送り、面談を希望する人には担当検事らが直接応じてきた。  

遺族の処罰感情が捜査に影響を与えたかとの問いには、「起訴は具体的な証拠に基づいた判断だ」と否定したものの、「被害者の『真相を知りたい』という声は捜査のモチベーションを高めてくれた。法廷では(遺族らが求める)JR西日本の経営責任も明らかにしたい」とも話した。  

上の記事をみるとさらに検察はマーケティングか御用聞きに回っていたようにも読めます。 

もっとも他の新聞を見ると、警察は送検の際にも慎重な見解だったようですし、検察内部でもかなりもめたとのことなので、もちろん単純に被害者の意向を尊重したということではないとは思いますがやはり配慮はしたような感じです。

たとえば産経新聞では  

県警は昨年9月、業務上過失致死傷罪でJR西幹部ら10人を書類送検する際、山崎被告ら現場カーブ付け替え時の幹部ら5人について、最も厳しい「厳重処分」ではなく、刑事責任を問う余地はあるとする「相当処分」の意見を付けた。

毎日新聞では

検察内部では当初、経営幹部の過失責任を問うのは困難だという見方が強かった。だが、昨年春に遺族が兵庫県警に山崎社長らを告訴してから雰囲気が変わり始めた。  

大阪高検と神戸地検に対し、最高検は「なぜ社長だけが予見できるのか」と慎重姿勢を崩さず、証拠の積み重ねを求めた。3回の協議の結果、最高検は了承した。

刑事裁判でも被害者の意見陳述制度や一定の犯罪には被害者参加制度が認められましたが、応法感情の満足にあまりに重きを置くと、かえって刑事裁判の公平さを欠いてしまうおそれがあるようにも思います。  


法律論について、今回は今までの他の業務上過失の事件より踏み込んだ感じがしているなと思った点については、落合弁護士のブログ福知山脱線事故、公判は「予見可能性」が争点にでの解説が丁寧です。  

最近、問題となった特殊業過事故としては、・・・今回の福知山事故のケースを含め、結果に最も近いところにある「直近過失」だけでなく、その前に位置する過失というものも問題にされ、複数の過失が「競合」しているとされている点に共通する特徴があると思います。  

しかし、あたごの事故についてコメントしたように、先行する過失に比べて、後行する過失の度合いが著しく大きいような場合は、「競合」を認定することが不合理な場合もあると思われ、また、直近過失(福知山事故では運転士、あたご事故では衝突時の当直者、エレベーター事故では管理会社関係者)より前に位置している者は、結果から離れているだけに、予見可能性や結果回避可能性が低い、乏しい、ということになりやすいとも思われ、安易に「過失の競合」を論じ認定すると、過失責任を問われる者の範囲は不当に拡大し、人の行動の自由が大きく制約されることにもなりかねないでしょう。  

その意味で、福知山事故において、神戸地検は、あたご事故やエレベーター事故で見受けられた最近の検察庁における過失認定の傾向を、さらに推し進め、従来であれば踏み込めないと思われた領域まで遂に踏み込んできた、という見方もでき、・・・JR西日本の社長が最終的に有罪になるようであれば、従来の実務が、基本的に直近過失論の立場に立ち厳格に過失責任を考えていたことから大きく踏み出し、結果が発生した以上は関連する過失をさかのぼって幅広く追及するという新たなステージへとつながる可能性もありそうです。本当にそれで良いのか、という問題意識は、やはり必要でしょう。

最後の一文は同感です。




余談ですが、国鉄時代には「順法闘争」(参照)という規則を厳密に守って運行に支障をきたすという労働組合の闘争手段がありました。
また、それに怒った乗客が暴動を起こす(上尾事件が有名ですね)というようなこともありました。

今では「停止信号です」のアナウンスで満員電車に閉じ込められても、乗客同士の小競り合いがあるくらいですから隔世の感があります。
これもコンプライアンス全盛のおかげでしょうか。

高度成長の時代は遥か昔になったということかもしれません。

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時間差攻撃

2009-07-09 | 法律・裁判・弁護士

JR西社長を在宅起訴 宝塚線事故「安全対策怠る」
(2009年7月8日23時47分 朝日新聞)  

107人が死亡、562人が負傷した05年4月のJR宝塚線(福知山線)脱線事故で、神戸地検は8日、96年の現場カーブ付け替え時に自動列車停止装置(ATS)の設置を怠り、事故を発生させたとして、JR西日本の山崎正夫社長(66)を業務上過失致死傷の罪で在宅起訴した。山崎社長は付け替え当時の常務取締役鉄道本部長で、地検は同社の安全対策を統括する最高責任者としての義務を果たさなかった過失があると判断した。山崎社長は起訴後に会見し、社長の辞任を表明した。  

起訴状によると、山崎社長は鉄道本部長だった96年12月、現場カーブを半径600メートルから同304メートルの急カーブに付け替える例のない工事を実施した際、十分な安全対策を講じなければ大事故が起きることを予測できたのに、ATS設置を指示せずに05年4月25日に脱線事故を発生させたとされる。  

山崎氏は鉄道本部長のときの責任を問われているのですが、「現社長」というところがJR西の広報的には厳しい(ニュース的にはおいしい)です。

業務上過失致死罪の要件や取締役に対しての適用についてはtoshiさんがエントリを立てられているのでそちらをご参照いただくとして、2005年の事故について起訴まで4年もかかっているというところがJRにとっては予想外だったと思います。
記事によると書類送検されたのが昨年9月なのですが、そこまでかかったというのは警察としては事故調査委員会の報告などを受け事件性なしと判断したあとに刑事告訴を受けたのでしょうか。

業務上過失致死傷罪の法定刑は「5年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金」なので公訴時効は5年ですが、特に社会的にインパクトのあるような事件の現場=重要な業務の責任者は社内的には優秀な人なのでしょうから、5年もすればけっこう昇格している可能性もあります。
会社としては「重要な役職に昇格した後に起訴されるリスク」をあまり考慮すると人材起用に保守的になってしまいますし、そもそも起訴されない・起訴されても無罪になる可能性もあるので、それも合理的な行動とは言えません。
起訴(されたくはないでしょうがどうせ)するなら早めにしてくれよ、というのが本音ではないでしょうか。


今回のような大事件でなくとも、事故・事件からしばらく経った後に類似の事件が他社で起き、その頃には安全性の世間的な要求レベルが上がっていて「じゃああの事故もいけなかったんじゃないか」というケースや、もっと意図的に、当時の責任者が昇格した後にマスコミなどを動員して話題を盛り上げてから告訴・告発をするという「太らせてから食う作戦」を取られるということまで考えると、企業側にとっては業務上過失致死傷罪の公訴時効はけっこう厄介な問題だと思います。


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違和感のある事件(報道)

2009-07-09 | よしなしごと

昨日はいやな事件がおおかったのですが、取り上げられ方に違和感があったのがこれ。

切り付け直後に登校か=「変わった様子なかった」-補導の中2次男・出雲市教委 (2009年7月8日(水)06:05 時事通信)

島根県出雲市の市営住宅で、会社員男性(43)が殺害された事件で、補導された中学2年の次男(13)が、切り付けた直後に登校していたとみられることが8日、分かった。同市教委は「(事件発生の)7日午前は授業を受けており、特に変わった様子はなかった」としている。

朝のテレビで教育委員会の人が記者会見をしていたのですが、こういうことにも教育委員会はコメントする必要があるのでしょうか。
確かに保護者のうち父親は被害者だし母親は取材に応じられる状態ではないでしょうが、そういう場合に「誰かがコメントをしなければいけない」ということでもないと思います。 (教育委員会が自発的に記者会見をするとも思えないのですが記者クラブあたりから教育委員会に「強い要請」をしたのでしょうか。)  

そもそも家庭内のトラブルについては教育委員会の責任ではないし、厳密にいえば日頃の素行についてはプライバシーの部分もあるんじゃないでしょうか(興信所の調査に対して教育委員会が生徒の日頃の素行を話したりしたらマスコミに袋叩きにされそうです。)。 
14歳未満の犯罪は刑事責任を問わず児童相談所(経由で家庭裁判所)の判断になるので(参考)、必要であればそこからの事情聴取に応じればよいだけではないかと思うのですが。


それから、「格差」とか「セーフティネット」の議論もありますが、貧しかろうがなんだろうがやっちゃいけないこと、という社会常識が薄れつつあるように思うのが二件ありました。

事件時、失業保険切れ=経済的な行き詰まり原因か-パチンコ店放火殺人・大阪府警
(2009年7月8日(水)20:03 時事通信) 

大阪市此花区のパチンコ店が放火され、4人が死亡、19人が重軽傷を負った事件で、殺人や現住建造物等放火容疑などで逮捕された無職高見素直容疑者(41)が事件の約1カ月前、「失業保険が切れた。仕事もまだ見つからない」などと話していたことが8日、関係者への取材で分かった。  

大阪府警此花署捜査本部は、高見容疑者が200万~300万円の借金を抱えていた上、再就職のめども立たないなど経済的に追い詰められ、事件を起こした可能性があるとみて調べている。   


千葉の路上、ガソリンかけ火つける ハローワーク女性重傷 女を現行犯逮捕
(2009年7月8日(水)15:45 産経新聞)

8日午前8時すぎ、千葉県野田市山崎の東武野田線梅郷駅付近の路上で「女性が火を付けられ、火だるまになっている」と通行人から110番があった。  

野田署によると、同県柏市に住む国家公務員の女性(40)が女に火を付けられた。野田市消防本部によると、女性は茨城県内の病院に搬送された。上半身にやけどを負っており、重傷という。  

野田署は現場近くにいた自称中国生まれで、柏市内に住む無職、樊玉萍容疑者(45)を殺人未遂容疑で現行犯逮捕した。現在の国籍は不明。  

県警によると、被害者の女性はハローワークに勤務。樊容疑者は「仕事を探していたが見つからず、自暴自棄になって脅かそうとした。自分も死のうと思った」と供述している。

下については、こういうときは「110番」でなく「119番」じゃないか、というつっこみはさておき、こういう動機をことさらに報道すると、経済的に追い詰められたら赤の他人を殺すこともありうる、というのが「通り相場」になってしまいそうです。 



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位討たれ?

2009-07-09 | まつりごと

東国原知事の衆議院出馬問題については一昨日のエントリの自民党による「位討」ではなく、単に「勘違い」(言うなれば「位討たれ」?)なのではという意見がこちら

大前研一の「産業突然死」時代の人生論 知事連合で地方から国政を変えられる(2009年7月7日)

中央集権の国において地方自治体の首長が持っている権限は小さい。一県の知事として「できること」はきわめて小さなものなのだ。その小さな実績をもとに自分の能力を過信し、国政に身を転ずる政治家が出てくる土壌が地方政治にある。いわば「勘違い」を育ててしまうのだ。  

わかりやすい例をあげておこう。全国の人気知事・有名知事の中で、県民所得を平均より高めて経済的な復興を果たした人物はいないのである(埼玉県や神奈川県は近年県民所得が上がっているが、それは東京都の経済があふれ出して流入してきたための経済成長であるのでここでは考えない)。大した実績がなくても人気を集めてしまうのが知事職(あるいいは政令指定都市の市長職)なのだ。  

では、なぜ人気が出るか。中央に逆らうポーズのためだ。国に抵抗する姿勢を見せると「お、この人勇気がある。期待が持てるかも…」となってしまうわけである。   

で、勘違いしないためにはどうするかといえば、 昨日のエントリのチェ・ゲバラではないですが、自分が「頭をとる」ことでなく「数をまとめる」ことが大事で、それは知事のままでもできるではないかということを、大前氏の持論の道州制実現をモデルに語っています。

知事連合という仕掛けをうまく使えば、地方の政治にかかわりながら国政にもかかわることができる。県知事と国務大臣との二足のわらじを無理やり履く必要もなければ、県民を袖にして政権政党の総裁になる必要もない。本当に道州制をめざすのであれば地方自治体のほうで十分できるし、道州制移行を実現するための議員を地方から中央に送り込むことからまず始められるだろう。何も知事自ら中央に乗り込んでいくことはないのである。同じ考えで仲間となる首長の数を増やすだけで自動的に国会の多数が握れるからである。

結局、位が上になることより視座を高く・視野を広くすることのほうが大事(上の位を求めるとしても必要なことですが)だということですね。

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『チェ 28歳の革命/39歳別れの手紙』

2009-07-08 | キネマ
新彊ウイグル自治区では、実際には何が起きているのでしょうか。
実際のところは後になってからの取材でないと明らかにならないと思いますので、とりあえずは中国の公式発表と断片的な情報を見ているしかないのではないかと。


で、本題の映画。
週末に観たのはチェ・ゲバラを主人公にした連作。
前半の「28歳の革命」はカストロとともにキューバ革命を成し遂げるまで、そして「39歳別れの手紙」はボリビアの革命に従事したものの夢果たせずに死を遂げるまでを描いています。
共同製作者にもなっているベニチオ・デル・トロはチェ・ゲバラの思いが画面を通して伝わってくるような熱演です。

キューバ革命においては、わずが60人でスタートした革命軍がキューバ市民を味方につけながら最後は政府を瓦解に導きますが、ボリビアにおいてはボリビア共産党からの支持も得られず軍の住民への宣伝工作もあって革命軍が孤立していきます。

チェ・ゲバラの理想の高さとそれゆえの規律の厳しさと組織末端や一般民衆とのギャップが「28歳」のラストシーンあたりから暗示されますが、結局革命なり政権転覆を果たすには活動家の努力や理想だけではダメで一般大衆の支持・組織化が必要ということが、チェの孤軍奮闘から逆に浮かび上がります。


また話は冒頭に戻りますが、
新彊ウイグル自治区の暴動に関しても、中国の報道機関は政治不安に結び付けないように一部の活動家による扇動という報道の仕方をしているようですが、被害者のインタビュー映像などを見ると、かえって民族対立がクローズアップされかねない感じもします。

実際にウイグル族と漢民族の人たちは今回の事件をどのように受け止めているのか、また当局はどういうシナリオで収束させようとしているのか、しばらく注目したいと思います。



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『橋本治と内田樹』

2009-07-07 | 乱読日記

書名のまんま二人の対談本です。

対談といっても橋本治氏の自由奔放な話の展開に、これをどうにか対談として成り立たせようとしている内田センセイが相槌も打てない、というところが随所にあり、そのへんがまたお互いの性格とこの対談での役割が出ていて面白かった。

「考える」とか「わかる」とか「楽しむ」ということが独特の輝きを持って感じられるところが橋本治の魅力なんだな、とあらためて思った次第です。


いろんな話があるのでまとめてしまうのはもったいないのですが、気に入ったフレーズをいくつか

(橋本) ・・・オリジナルに勉強する、高を括るっていう、優越感て持たないとだめですよね。それがないと、「えーっ」て人の後ついていって平均点のノート取るだけになっちゃう。


(橋本) ・・・教養というのは、くだらないことを分かるためのパーツだという考え方をしなくなったのも、ひとつの問題かも知れない。


それから、面白かったのが「官討(かんうち)」「位討(くらいうち)」という言葉。
平安時代の末期に源氏などの武家の侵略者に対して、朝廷の方はこれを受け入れて短期間にどんどん侵略者の身分を上げてしまう。そうすると成り上がり者がうっかり高いところに行ってしまって、分不相応なことをしでかして自滅する、という朝廷だけが持っている人事権を武器として戦うという手法のことだそうです。


最近で言うと東国原宮崎県知事と自民党の関係ってこういう部分があるのかな、とふと思ったわけです。
ただ、「位討」が成り立つにはエスタブリッシュメント側の責任感と美意識と誇り、橋本治言うところの「美しい偉そうさ」がなければいけない(そうでないと何をやっても「分不相応」「不始末」にならない)わけで、それが今の自民党にあるかというとそれはそれで疑問なわけです。
まあ、もともと自民党にそういう「美しい偉そうさ」があったかという話もありますし。

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セールスマンの歩合?

2009-07-06 | まつりごと

先週のニュースですがちょっと気になっていたもの
東国原知事 稼ぎがっぽり 副収入 給与の3倍 TV出演、印税、講演
(2009年7月1日 00:34 西日本新聞)

「自民総裁候補」の要求で混迷政局の主役の1人に躍り出た宮崎県の東国原英夫知事=似顔絵。昨年、テレビ出演料や著書の印税収入などが知事給与のほぼ3倍に当たる4347万円に上ったことが30日の所得公開で分かった。テレビや講演会に引っ張りだこで、著書も多数出版。その人気を反映した稼ぎぶりだった。  

県によると、2008年の知事所得は全国トップの計5782万円。内訳は給与所得が1436万円▽テレビ出演料や著書の印税収入などの雑所得が4330万円▽一時所得(日本PR大賞の賞金)が17万円‐だった。  

東国原知事は「マニフェスト」による選挙をずっと主唱していますが 東国原英夫のマニフェストをみると「政策理念」の「4.宮崎のセールスマン、宮崎を全国、世界へ」にはこうあります。

それらのポテンシャルを刺激し、私が宮崎にできること。それは私自身が培ってきた様々な人とのつながりを宮崎のために活かすことではないかと考えています。
ありがたいことに、私には故郷を離れて働いてきた長い時間の中で、本当に多くの方に知っていただき、応援していただいたという財産があります。この財産を宮崎のために活用するという意味で、自分自身で全国や世界に宮崎を発信していくセールマンの仕事をする。宮崎をセールスすることによって、宮崎の産業・観光・誘致等の活性化に資するつもりです。
歳出カットは当然として、それらのセールスを通じて、歳入を増やす努力。そのような政策が必要だと考えます。

セールスを通じてご自身の歳入を増やしちゃうのはいいんでしょうか?
テレビ出演なども公務扱いだと思ってたんですが、県のPRと自分のPRは分けていたんですかね。


PS
ところでこのマニフェストの内容はどの程度実現されているのでしょうか。
実現する前に衆議院選挙に出るとすれば、そりゃ地元は怒るよな・・・

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ミーア

2009-07-05 | ネタ
TSUTAYAの新作ランキングの棚。



これはネタだよな?








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スパークリングワインの心得

2009-07-04 | 飲んだり食べたり
アメリカ産のスパークリングワインを開けようとしたらいきなりこんな表示が









で、"Warning"はこれ








万が一事故でもあればすぐにメーカーが訴えられるアメリカならではの表示ですが、雰囲気もデザインありませんね。


夏場でこの注意書きを熟読しているうちに温度が上がって栓が暴発したらやはり文句を言われるかもしれないので、どうせなら(1)は"chill well after reading this warning"としたほうがいいんじゃないでしょうか。






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過去をふりかえる時間軸

2009-07-03 | よしなしごと

過去を理解する上で、現代の価値観から評価するのでなく、当時の人の立場に立って考えてみるというのはなかなか難しい、などと思ったのはこんなニュースがきっかけ

古墳期の田畑にも洪水跡 被害と闘い農業営む 池島・福万寺遺跡 大阪
(2009年7月2日7時56分 産経新聞)  

弥生時代の大規模な洪水跡が発見された東大阪市池島町の池島・福万寺遺跡で、古墳時代中期(5世紀後半~6世紀前半)の水田や畑跡が府文化財センターの発掘調査で見つかっていたことが1日、分かった。水田跡などは洪水で水没したことも判明し、洪水に見舞われながらも懸命に農業を営んでいたことを物語る興味深い資料になりそうだ。  

水田跡は、畑跡より数十センチ低い場所に築かれていたことから、水が確保しやすい低地に水田を設け、稲作と畑作を効率的に営んでいたことも分かった。  

水田跡や畑跡の一部は砂で覆われていたことから、洪水によって水没したと推定。同遺跡では、弥生時代前期~中期初め(紀元前4~1世紀)の大規模な洪水跡が見つかっており、この地域はたびたび洪水被害を受けていたという。  

昔学校で「エジプト文明はナイル川が起こす洪水が肥沃な土壌をもたらしていた」と習った記憶があるのですが、当時の灌漑技術や施肥の実態を考えると洪水が災厄なのかな?というのが素人の第一の疑問。  

また、「洪水で水没した」跡が遺跡に残っているということは1回の大洪水で壊滅的打撃をうけたのかもしれません。
「紀元前4~1世紀」という400年の期間に1回あった洪水だとしたら、干ばつ、冷害、日照不足などの他の自然要因のほうが日常的にはインパクトがあったようにも思います。 

また、池島・福万寺遺跡のサイトをみると、遺跡は川沿いに広がっているようなので、洪水が日常的にあったのかもしれません。
さらにナイル川と違ってそれが歓迎できないものだとしたら、当時の人もなんらかのリスク回避をはかっていたんじゃないかと思います。たとえば田の配置を分散させるとか。  

こういうのを掘り下げて考えると、考古学って面白いんだろうな、と思いながら、そこから先になかなか興味が進まないんですけどね・・・

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「ウェブはバカと暇人のもの」実践編

2009-07-02 | 乱読日記

先日取り上げた『ウェブはバカと暇人のもの 』ですが、実際に著者が編集しているサイトというのを切込隊長経由で知りました。

おい中川淳一郎。ちょっと待て。何だそのクソサイトは  

・・・中川氏が責任編集をしているというアメーバニュースというのは訪れない日々が続いておりまして。  

で、某誌編集者から「どうですか」という照会があってアメーバニュースを観に逝ったんですが… 何ですかこれ。酷い有様です。

当の「日刊アメーバニュース」はこちら

確かに「バカと暇人」をターゲットにしている感じですが、これで実際にアクセス数を稼いでいるとすると、それはそれですごいことともいえますが・・・


 

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