くりまんじゅうの日記

世間より少し いやだいぶん遅れている
老シーラカンスです。

映画 昼下りの情事。

2020-11-12 | 映画・TV

NHKBSでビリー・ワイルダー監督の『昼下りの情事』をやっており
渋柿の皮をはぎつつ 主題曲の『魅惑のワルツ』を聴いていました。
 
『昼下りの情事』ときくと いつも頭に浮かぶ男性がいます って
甘い話ではありません。

 

昔机を並べ仕事をした ある男性の話です。彼の名前を仮に 太郎とします。

話を聞いた当時50歳ぐらいの太郎が 17-8歳のころ 受験した大学を全部落ち
田舎ではいかんと 東京の予備校へ入りました。1977-8年ごろの話になります。

当時 東京の予備校で学ぶにはアパートを借りねばならず 予備校へはいって
数ヵ月後 心配した母が上京し息子のアパートへ行ってみると 太郎は留守で
散らかった部屋に  『昼下りの情事』のパンフレットがあったらしい。

母親は仰天し 息子の顔も見ずに高知へまいもどり
「おとうさん 太郎を東京へやったは間違いでした あの子は成人映画をみて
勉強はしていません」と泣きながら親父に伝えたろうね とは太郎の弁です。

太郎は母が来たことは大家に聞いてはいたが 飛行機の時間がないため 慌てて
帰ったと思っていたところ 翌日これも突然 父親がやってきて仰天したらしい。

父はなにも言わずに部屋にはいり いきなり太郎のほほを 思いきり平手で張り
「オレが しょう根をたたき直しちゃる!」 と高らかに叫んだそうです。

太郎は親父さんに 古い映画専門の館で A・ヘプバーンの『昼下りの情事』を
みたが お袋は映画を観ないから分からないだろうと説明し そうだったのかと
父も納得して その日の午後の便で帰っていった とのことでした。

これを聞いてから 太郎をジョージくんと呼んだら いやがるのでやめました。

息子に 白鵬並みの張り手をかました親父さんも 情事には 敏感に反応した
お袋さんも 今は空の上で 無事に定年をむかえた太郎を 見守っておられます。
 

コメント (14)
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