blog友の 古民家に住みたいという記事を読み 思い出したことが
あります。昔からの友は仕事が現役のころ 夫婦の長年の夢であった
古民家を持ちました。
老夫婦が亡くなり 空き家になったいなかの百姓家を 地続きの畑と
ともに買い 改装しライフラインも整え 古民家風の別荘にしました。
街中に家はありますが 週末には夫婦で別荘に泊まり 庭の手入れや
野菜作りなどを 2人は定年退職後も続けました。
別荘を持って2年ほどして招かれましたが 太い梁やどっしりした柱は
そのままに 元あったものを磨きあげ生かした家は ゆったりとした
古民家風の宿 と感じるほどでした。
当初 大工さんとの打ち合わせで 800万円前後で仕上がる見積もりが
あちこち注文を付けているうちに 2倍近くの額になったと 友は苦笑
します。そりゃそうでしょうと そのとき思いました。
庭木の根元には 芝に浮かんで見える飛び石と 石灯籠も立ててあり
ここにシシオドシなど置けば ちょっとした料亭やね と感心しました。
退職後は夫婦で旅を という友の夢は 現役のころ 国内外の出張が
多かった夫から 旅行は勘弁してくれ 愛する野菜を置いては行けない
と断られ 妻のお守りをたのまれた私は せっせと2人で旅に出ました。
ありがとうと 友の夫からのお礼は 毎度たくさんの採れたて野菜です。
退職後も友夫婦は 畑仕事に精をだす日々でしたが 4年前のこと友の夫
は突然倒れ 運ばれた救急病院で亡くなりました くも膜下出血でした。
以来 友は家にこもり別荘に寄りつかず 庭も畑も草ぼうぼうになり
害虫が湧くからと 人を雇って草刈りをしてもらうようになりました。
使わない別荘を持ち続けるは 税金も維持費もかかり続ける。この家なら
欲しい人もたくさんいるはず 今なら高く売れるから と一周忌が済んだ
ころ娘2人が提案し
年金収入が一人分になった今は いらん出費は避けねば との私の意見も
あの家は お父さんとの想い出がいっぱい詰まった家だから 手放さない。
私が死んだら 売るなり壊すなり 好きにしなさい と友は譲りません。
娘たちも私も 別荘を売れとはもう言いません。県内の感染者が落ちつき
ワクチン接種が済んだら 友の想い出の家を 訪ねたいと思います。