友人の息子さんの家が新築落成し 餅投げをすると聞き行ってみました。
土佐では新築の家から餅を投げ 集まった人が拾うしきたりが昔からあり
これは方言と思いますが 餅ばあし または 餅ばい と呼ばれます。
餅をばう とは餅を奪い合うから来た方言と思われ 土佐流に言えば
餅のばいあい ということになります。
なかなか立派な家です。
こちらのお宅の場合庭がありますのでここへ 餅ばい をする人が集まり この家の
あるじと施工した工務店の大工さんらが 2階ベランダから餅を投げるわけで 餅ばい
の人々は手に手に ビニール袋を持ち 3時の決戦 餅ばあしを待っておりました。
昔は新築では当たり前であった餅ばあしも 最近では滅多に聞かず まず庭がないと
餅ばあしができません。
庭があるお宅でも 餅のばいあいをするわけですから 庭木が痛むことから 田んぼに
やぐらを組み 餅ばあしする場合もあります。
子どもの頃から餅ばいが苦手で 日頃はやさしいおばちゃんが 人格が変わったように
人を突きのけ 餅をばいあうさまは 子ども心に 怖ろしくもありました。
それでもこの日は3個拾い あとはトンボが拾ったものです。
ここのお宅への道は不慣れなため 運転手をお願いし いっしょに来ておりました。
昔の餅ばいと違ったところは お餅が1つずつビニールに入れられ 昔のように泥だらけ
の餅はなくなり 袋ラーメンやお菓子類も投げられます。
餅ばあし 餅ばい と呼ばれる土佐の餅投げは これから増々減っていくと思いますが
餅ばいを趣味とし 新築落成のニュースを聞き 家族総出で拾いにいくという人もおり
土佐の伝統として 後世に残してほしいものです。