褒めまくる映画伝道師のブログ

映画の記事がメイン。自己基準で良かった映画ばかり紹介します。とにかく褒めることがコンセプトです。

映画 いとこ同士(1959) リアリティに溢れています

2015年06月02日 | 映画(あ行)
 この世の中、真面目に努力すれば、きっと報われると思っている人が多いと思うし、俺もそのように信じているようにしている。しかし、そのように思っている人が今回紹介する映画いとこ同士を観れば、きっとショックを受けるだろう。俺みたいな馬鹿正直に生きる人間は、いざと言う時にひ弱な部分が出てしまうが、好い加減に生きる人間の図太さが非常に羨ましく感じてしまう今日この頃。フランスのヌーベルヴァーグを代表する映画として語られることが多い映画だが、現在にも通用する内容だ。

 堅物とプレイボーイ、性格が全く異なるいとこ同士において、非情なる運命に呆気にとられそうになるストーリーとは如何なるものか。
 田舎から大学へ通うためにパリへ出て来たシャルル(ジェラール・ブラン)は、従兄のポール(ジャン=クロード・ブリアリ )が暮らす豪勢なアパートに移り住む。真面目に部屋に籠って勉強しまくるシャルル(ジェラール・ブラン)と毎日友達をアパートに呼んで酒池肉林のパーティーを繰り広げるポール(ジャン=クロード・ブリアリ )の生活は正反対。
 ある日の事、シャルル(ジェラール・ブラン)は一目惚れしたフローランス(ジュリエット・メニエル)とデートの約束をするが、とんだ行き違いがあってフローランス(ジュリエット・メニエル)はポール(ジャン=クロード・ブリアリ )と一緒に彼のアパートでシャルル(ジェラール・ブラン)が帰ってくるまで待つ羽目になるが、その間にポール(ジャン=クロード・ブリアリ )とフローランス(ジュリエット・メニエル)の仲が恋愛関係に発展してしまう。
 せっかくの恋愛を滅多切りにされたシャルル(ジェラール・ブラン)は、さらに勉強に打ち込むのだが、隣の部屋ではポール(ジャン=クロード・ブリアリ )とフローランス(ジュリエット・メニエル)がいちゃついている日々が続く。
 そして、いよいよ試験の日がやって来た。全く勉強せずにパーティーばかりやっていたポール(ジャン=クロード・ブリアリ )は要領良くカンニングする等して合格。そして次の日にシャルル(ジェラール・ブラン)が試験を受けるのだが、なんと不合格になってしまう。落第してしまったシャルル(ジェラール・ブラン)は自暴自棄になりパリを彷徨い、そしてアパートへ戻り拳銃をポール(ジャン=クロード・ブリアリ )に向けるのだが・・・

 この、いとこ同士だが決して仲が悪いことはなく、むしろ仲が良いぐらいだ。見かけによらず、この2人の関係はなかなか熱いものがあるし、それはラストシーンにも表われる。さて、この2人だが田舎暮らしで何かと母親想いのシャルル(ジェラール・ブラン)と、ちょっと悪そうな人間と絡みながらも何不自由なく都会での生活を楽しんでいるポール(ジャン=クロード・ブリアリ )の生き方、価値観、モラルは正反対。俺なんかは当然の如くシャルル(ジェラール・ブラン)の方に同情してしまう。
 しかし、女は横取りされ、努力はまるで報われない。そして、運命という引き鉄までも自分に向かってくるように、まさに踏んだり蹴ったりの、やってられない結末。しかし、この映画を観終わった後に我々は気付く。やっぱり現実はコッチだよね~ということに。
 正直なところ、ひたすらノーテンキでハッピーな映画を好む人にはお勧めできないが、昔のフランス映画が好き、夢物語よりリアリティのある映画が観たい、ヌーヴェルバーグと聞いて心が踊る人、このブログを読んで本作に興味が湧いてきた人には映画いとこ同士はお勧めだ

いとこ同志 [DVD]
ジェラール・ブラン,ジャン=クロード・ブリアリ
IVC,Ltd.(VC)(D)


 監督はジャン=リュック・ゴタール、フランソワ・トリュフォー、ルイ・マル等と一斉にマンネリ化したフランス映画に革命を起こしたヌーヴェルバーグを代表するクロード・シャブロル。実はこの監督の作品は本作しか観たことがないので、逆にお勧めがあれば教えてください。

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映画 アモーレス・ペロス(2000) 犬好きにはお勧めです

2015年05月04日 | 映画(あ行)
 先日バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)でアカデミー賞、作品賞、監督を受賞するなど、今や名匠の地位を得た感があるメキシコ人監督のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ。なんとも長ったらしい名前だが、まだ若くて、才能に溢れた監督なだけに覚えておいて損はないだろう。
 さて、彼の監督デビュー作にして、非常に凝った構成が観る者をうならせる作品が今回紹介する映画アモーレス・ペロス。タイトルの意味はスペイン語で『犬のような愛』。タイトルから想像できるように犬好きにはぜひお勧めしたい映画だ。
 だいたい犬をテーマにした映画といえば、犬と飼い主の固い絆を描いた作品が多い。そのようなテーマは本作においても見られるが、他の動物(犬)映画よりも突出している点は多くの犬が登場し、しかも見ていて卒倒しそうなぐらい、たくさんの犬が死んでしまうこと。また、その犬の死に方がけっこう悲惨だったりする。一匹の犬が寿命で死ぬだけでも涙が出そうなぐらい感動するのだから、本作の感動度は凄いものがある?

 実は本作は3つのストーリーで構成されていて、時間軸が同時進行で進む。その3つのストーリーが交差するある出来事の前後を描くことによって、それぞれに登場する人間たちが過酷な運命に導かれ、それぞれのストーリーで犬が非常に重要な役割を果たす。それではできるだけ簡単に3つのストーリーを紹介しよう。

 2人の若者が車で暴走中。後部座席には血まみれで瀕死状態の犬を乗せている。後ろから追いかけてくる車からはピストルで撃ってくる。追いかけてくる車を振り切ったかと思われた瞬間に交差点で別の車に激突。その現場に居合わせた3人に迫る過酷な運命とは?

 貧民街で暮らすオクタヴィオ(ガエル・ガルシア・ベルナル)は、暴力的で怠惰な兄ラミロ(マルコ・ペレス)の嫁であるスサナ(バネッサ・バウチェ)を密かに愛している。スサナ(バウチェ)にはラミロ(ペレス)との間にまだ幼い息子が居り、今も妊娠している。オクタヴィオ(ベルナル)はスサナ(バウチェ)と新天地で新しい生活を始めるために、自分が飼っている犬を闘犬場に送り出し大儲けするが・・・。

 スペインからメキシコにやって来たバレリア(ゴヤ・トレド)はモデルとして大成功。しかも広告デザイナーであるダニエル(アルバロ・ゲレロ)からの不倫の愛を勝ち取り、新しいマンションで2人の生活が始まるはずだった。しかし、バレリヤ(トレド)は自動車事故に遭ってしまい、命は助かったものの自宅での療養生活を強いられる。
 しかし、その事故のせいでバレリヤ(トレド)は仕事の契約を打ち切られてしまい、ダニエル(ゲレロ)とも口喧嘩が絶えなくなってしまう。しかも脚の怪我が悪化してしまい・・・。

 かつては大学の教授であったチーヴォ(エミリオ・エチェヴァリア)だったが反政府活動にのめり込み過ぎて、今はすっかり殺し屋に落ちぶれてしまい、廃墟のような所でたくさんの犬に囲まれて暮らしている。彼には妻と娘のマル(ルルデス・エチェヴァリア)が居るのだが、家族を捨てて反政府活動に飛び込んだために、彼はマル(ルルデス・エチェヴァリア)と堂々と会うことは出来ず、しかも彼は死んでしまったことになっていた。
 そんなチーヴォ(エチェヴァリア)の元に殺しの依頼が入ってきて、彼は殺す相手の後を何日も追いかけるが、その過程で自動車事故の現場を見てしまい・・・。

 第1話のオクタヴィオ(ガエル・ガルシア・ベルナル)は絶望的な愛を求め過ぎて何もかも無くしてしまい、第2話のバレリア(ゴヤ・トレド)は類希なる美貌を持ち、栄光の絶頂を極めながらも、偽りの幸せは彼女を一気に転落させ、第3話のチーヴォ(エミリオ・エチェヴァリア)は理想の社会の実現のために本当に大切な物を無くしてしまう。
 彼等の行動は決して褒められないが、自然と沸き起こってくる自らの欲望、欲求、理想に従ったまでのことであり、訪れる過酷な運命は非情すぎるように思える。しかし、当たり前のことだが、人間はどれだけボロボロになっても人生は続いて行くということが、本作を観ればよくわかる。
 彼等の今後を考えると絶望的状況しか待っていないような気がするが、それでもほんの少しの希望が感じられることがせめてもの救い。人間はなぜ犬が好きなのか?それは決して犬から何かの見返りを求めているわけでは無い。そこには無償の愛が存在する。考えてみれば人間同士においても、親子関係、恋人関係等には無償の愛が横たわっている。だからこそ我々は絶望しそうになっても、希望を失わないで生きていけるのだ。
 観終わった後に余韻が欲しい人、犬が好きな人、ハッピーすぎる結末の映画に飽きた人には映画アモーレス・ペロスはお勧めしたい。そして犬を飼っている人が本作を観れば、きっと我が愛犬を抱きしめたくなるはずだ

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ガエル・ガルシア・ベルナル,エミリオ・エチュバリア,ゴヤ・トレド,アルバロ・ゲレロ,バネッサ・バウチェ
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 監督は前述したようにメキシコの俊英アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ。彼のお勧めは父子の固い結束を描いたBIUTIFUL  ビューティフル、命の尊さを感じる21グラム、日本人なら観ておきたいバベルがお勧めです

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映画 エル・マリアッチ(1992) ロバート・ロドリゲス監督のデビュー作品です

2015年02月26日 | 映画(あ行)
 最近も『シン・シティ 復讐の女神』などでその鬼才ぶりを発揮しているロバート・ロドリゲス監督だが、彼の名を一躍有名にした作品がたったの7,000ドルで制作された監督デビュー作である今回紹介する映画エル・マリアッチ。大した予算がなくても面白い映画を撮ることができる見本のような作品だ。アクション、ギャグ、スピード感、ラテン系の綺麗なオネエちゃん、アホっぽさ等、娯楽映画の要素がふんだんに取り入れられているのが良いのだ。
 ストーリー展開は、たまたまフラフラ~とメキシコの小さな町にやって来ただけの主人公であるエル・マリアッチ(ギター弾きの歌手)が、人違いが原因でギャングが放つ殺し屋から次々に命を狙われて追いかけられてしまう内容。『何で俺が、命を狙われるの?』なんてキョトンとした表情をしながら、とにかく逃げまくる主人公のエル・マリアッチの運の悪さが笑える。
 しかし、運が悪いと言っても、追いかけてくる殺し屋達の頭の悪さのおかげで運良く助かったり、ギターを弾きながら歌を歌うだけが取り得の主人公のはずだが、逆にいざという時には殺し屋たちも顔負けの銃さばきを見せたり、驚くほど俊敏な動きを見せて殺し屋たちを血祭りにあげるような、テキトーな展開が非常に笑える斬新なアクション映画だ。

 ハリウッド映画のような超人的な人間が活躍して悪い奴を懲らしめてスカッとした気分になるような映画も良いが、時にはショボイ奴が活躍して結果的に悪い奴を懲らしめる映画も良いよね~、と思わせるストーリーとはいかなるものか。
 メキシコの小さな町が舞台。刑務所を運良く脱獄したアズール(レイノル・マーティネス)はかつての仲間であり、自分の金を横領した町を牛耳るギャングのモーリシオ(ピーター・マルカルド)が送り込んでくる暗殺者を逆に次々と殺していた。
 殆んど時を同じくして、ギターケースを抱えたマリアッチ(カルロス・ガラルドー)が、この町にたどり着く。チープなホテルで泊まろうとしていると、なぜか銃を持った奴等が自分の命を狙ってくる。町中を逃げまくるマリアッチ(カルロス・ガラルドー)は、女主人ドミノ(コンスエロ・ゴメス)が経営するバーで隠れさせてもらうのだが・・・

 それにしても、マリアッチ(カルロス・ガラルドー)がアズール(レイノル・マーティネス)と間違えられて命を狙われる理由が笑える。顔も全く似ていなければ体形も全く違うのに、なんで人間違いだけの理由で殺されそうになってしまうのか?それは、ここでネタ晴らしをするより映画を観てもらう方が良いだろう。
 そして更にこの映画の面白いところにアズール(レイノル・マーティネス)とモーリシオ(ピーター・マルカルド)の争いにおいて活躍する2人の部下達が笑わせる。こんな馬鹿な部下ばかりいるギャングの組織が本当にあったら、直ぐに壊滅するんじゃねぇ~の!?なんて思わせるほどのお粗末な部下達。しかも、親分に対して忠誠心が全く無いのだから尚更笑えるのだ。そしてアズール(レイノル・マーティネス)の持ち物にも注目だ。 

 最近はすっかり売れっ子監督になってマチェーテシン・シティのヒットシリーズでCG使いまくり、豪華キャスト使いまくりで、やたら無駄な大金をつぎ込んでいるイメージのあるロバート・ロドリゲス監督の映画だが、もう一度本作を撮った頃のハングリー精神を思い出せ!とアドバイスをしたくなる映画エル・マリアッチは、なかなかの快作でお勧めだ

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ロバート・ロドリゲス
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カルロス・ガラルド
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント


 監督のロバート・ロドリゲスは前述したヒットシリーズ以外にも、本作の続編に当たるデスペラード,レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラードの2作もお勧め。
 そして逃亡物とホラーの要素を組み合わせたジョージ・クルーニー主演のフロム・ダスク・ティルドーンもお勧めです。

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映画 エデンの東(1955) ジェームズ・ディーンと言えばコレ

2015年02月21日 | 映画(あ行)
 旧約聖書によると人類史上最初の人殺しはカインとアベルによる兄弟の間で起こった殺人事件。兄のカインが、神に愛された弟アベルに嫉妬したがために起こった出来事。そんなカインとアベルの兄弟の確執を題材にして書かれたジョン・スタインベックの同名小説の映画化作品が今回紹介するエデンの東。たった3本の出演作品で伝説と化したジェームズ・ディーン主演の名作だ。
 本作のジェームズ・ディーンは格好良いとは思えず、むしろ俺の方が格好良いぐらいだ。だいたい最初の登場シーンからして今で言う完全なストーカー。その後もウジウジしているし、目付きもヤバイし、チョット暗い。それでいてハタ迷惑な行いを繰り返すなど、正直なところ友達にはなりたくないタイプの人間。格好良いジェームズ・ディーンが見たいと思って、本作を観ると恐らく期待ハズレの結果に終わるだろう。
 しかしながら、本作のジェームズ・ディーンの魅力は格好良さではなくてナイーヴなところ。それが多くの女性の母性本能をくすぐった。俺なんかは決して弱いところを見せないことに男の美学を感じ、女の前では決して涙を見せないと心に誓っているのだが、本作のジェームズ・ディーンはとにかく泣きまくり。これからは俺も気に入った女の子の前では泣き落とし作戦を実行だ

 さて、何かと優秀な兄貴と比べられることに苦しみ、ひたすら愛を渇望し、何をやっても裏目に出てしまっているジェームズ・ディーンの哀感漂うストーリーとはいかなるものか。
 1917年、アメリカ合衆国カリフォルニア州サリナスにおいて。農場を経営するアダム(レイモンド・マッセイ)には真面目で優秀な兄アロン(リチャード・タヴァロス)と少々品行に問題のある弟キャル(ジェームズ・ディーン)の2人の息子がいた。
 キャル(ジェームズ・ディーン)は兄のアロン(リチャード・タヴァロス)のことは褒めてばかりいるのに、なぜか自分には冷たい父親のアダム(レイモンド・マッセイ)は自分を嫌っていると思っている。そのことについて悩んでいることを兄アロン(リチャード・タヴァロス)の恋人であるアブラ(ジュリー・ハリス)に相談をしていくうちに二人の仲は次第に親密になっていく。
 ある日のこと、アダム(レイモンド・マッセイ)は事業に失敗し、大損をしてしまう。キャル(ジェームズ・ディーン)は激しくなるヨーロッパでの戦争によって高騰する豆の先物取引で儲けて、損失した分のお金を父の誕生日にコッソリプレゼントをし、父からの愛情を得ようとするのだが・・・

 旧約聖書の創世記の『カインとアベル』の逸話を現代(1917年~)に置き換えたストーリーだが、それでもバリバリの宗教感が漂ってくる映画。とんでもないぐらい大きな罪を犯し、悲劇を呼び込んでしまったキャル(ジェームズ・ディーン)に対して訪れる運命はまさに宗教的。旧約聖書では、たびたび馬鹿な行いをしてしまう人間に対して寛大な心で接する神様が登場するシーンが出てくるが、本作のラストシーンがまさにソレ
 そして、名作らしく色々なテーマが内包されている。親子愛、恋愛、兄弟愛、戦争、赦し、贖罪、・・・。
 誰からも愛されないことほど辛いものは無い事を知り、今までの人生を罪の意識で悩まされている人には魂の救済を得られる気分になる映画エデンの東は最高の音楽を聞きながら大いに泣ける、お勧めの映画です

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 監督は名匠エリア・カザン。多くの名作を世に送り出しましたが、ハリウッドにも吹き荒れた赤狩りは彼の過去にも暗い影を残しています。アメリカ国内におけるユダヤ人偏見を描いたグレゴリー・ペック主演の紳士協定、マーロン・ブランド主演の優しいだけの男が信念を貫く波止場等がお勧めです。

 主演は永遠の大スタージェームズ・ディーン。彼の赤いジャケット、シーンズ姿の格好良さが堪能できるのが理由なき反抗、野心満々の成金を演じたジャイアンツは彼の老け役も観ることができますが、エリザベス・テイラーの美しさが印象的です。

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映画 インビクタス/負けざる者たち(2009) ネルソン・マンデラのリーダーシップ、カリスマ性がわかります

2015年02月08日 | 映画(あ行)
 20世紀を代表する南アフリカ共和国の偉大なる政治家であるネルソン・マンデラ。反アパルトヘイト体制の闘士として白人を恐れさせ、黒人からは尊敬を集めるそのカリスマ性。そして命懸けのパフォーマンスさえ厭わない政治力。世界中が民族、宗教の問題で対立が表面化する今日この頃において、そのような問題を楽々とクリアして見せたネルソン・マンデラの凄さを感じさせられる映画が今回紹介するインビクタス/負けざる者たち。なんだか過去の遺恨を晴らすことばかり考えているかのような、只今の世界各国のリーダー達の懐の狭さには情けない限りだが、ネルソン・マンデラの凄さが今さらだが益々身に沁みてくる。かつて自分を獄中に27年間もぶち込んだ白人たちに対して、復讐ではなくて共存共栄することによって未来を切り拓こうとしたネルソン・マンデラの信条は現在の世界中で起こっている争いを解決する道標となり得るだろう。
 マンデラの獄中生活を主に描いた映画はマンデラの名もなき看守に任せておいて、彼が大統領になってからの政治家マンデラが描かれており、1995年に彼の自国である南アフリカ共和国で開催されたラグビーワールドカップにまつわる実話を背景にしているのが本作。

 冒頭のシーンからなかなか興味深いシーンを見せてくれる。富裕層の白人はラグビー、貧困層の黒人はサッカーと完全に塀で区切られているが、このシーンだけでアパルトヘイト政策の特徴をズバリと見せてくれる。南アフリカにとってラグビーはまさに白人が好んでするスポーツの象徴であり、逆に黒人からは嫌われているスポーツ。しかし、黒人であるマンデラ大統領はあえてラグビーを盛り上げることによって国民の一体感を作り上げ、人種差別国家の汚名返上に乗り出す。悪く言えばスポーツの政治利用だが、スポーツの持っている威力を最大限に活かそうとしたマンデラ大統領はやっぱり偉い。

 ちなみにタイトル名のインビクタス(invictus)を聞いても、全く何のことだかサッパリわからない日本人が殆んどだが、ラテン語で『征服されない』『屈服しない』の意味。マンデラ自身の人生そのものであり、ラグビーの南アフリカ代表にその精神を叩き込んだストーリーとは如何なるものか。
 1994年、南アフリカにおいて初の黒人大統領が誕生する。その名はネルソン・マンデラ(モーガン・フリーマン)。しかし、彼は大統領になって早々から、更に激しくなる黒人と白人の対立、拡がる経済格差、不況などの問題で目白押し。自身も家族と上手くいっていないなど多くの悩みを抱えていた。
 まず手始めに、彼はクビを切られると思っている白人官僚を取り込み、今まで黒人ばかりだった用心棒に白人も登用するなどして人種間の問題を取り払おうとし、多くの国と積極的に外交を繰り広げる等して国内の諸問題を解決しようとしていた。
 さらに来年の1995年に自国で開催されるラグビーワールドカップに目をつけ、あらゆる試合で連戦連敗を続けていた南アフリカ代表(スプリングボクス)に注目。マンデラ(モーガン・フリーマン)は主将のフランソワ・ピナール(マット・デイモン)を官邸に呼び出し、必ず優勝するように無言のプレッシャーをかけるのだが・・・

 ネルソン・マンデラのリーダーシップ、カリスマ性に政治家としての凄みを感じさせ、それでいてスポーツ映画らしい爽やかな感動も観ている我々に届けてくれる。なんだかクリント・イーストウッド監督の映画って後味が悪いよね~、なんて思って敬遠している人も本作においてはそんな心配は全くの無用だ。
 人種間の融和を図り、国民の一体化を成し遂げたネルソン・マンデラの功績は計り知れないほど大きいのは確かだ。しかしながら現状の南アフリカの状況は彼自身が思い描いていたのとは程遠いのも事実。今や世界有数の治安の悪い都市ヨハネスブルクを抱え、富裕層と貧困層の格差は拡がる一方、相変わらず低い黒人の教育レベル、エイズの蔓延など問題だらけ。
 しかし、この事実から世の中が劇的に良くなる方法など滅多に有り得ないということに気付く。民主主義の政治においては、一歩だけ進んで半歩下がることの繰り返し。人類の歴史そのものがまさにそのような状態であることを我々は胆に命じる必要があるだろう。
 クリント・イーストウッド監督らしく色々なテーマが込められ、スポーツ映画として観ても臨場感は抜群だし、非常に心地良い気分が得られる。そして、彼の映画は毎度のことながら音楽が素晴らしい。クリント・イーストウッド監督作品のファン、それ以外の人々にも映画インビクタス/負けざる者たちはお勧めだ

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 今さらクリント・イーストウッド監督のお勧め作品を紹介するのも気が引けますが、本作のように感動できる作品としてブロンコ・ビリーパーフェクト・ワールドを挙げておこう。

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映画 イヴォンヌの香り(1994) 妙にエロイです

2014年12月03日 | 映画(あ行)
 今年のノーベル文学賞受賞者であるフランスの作家パトリック・モディアノの同名小説の映画化作品が今回紹介する映画イヴォンヌの香り。最近は女性が観るためのAVと言うのがあるそうだが、実際は女性がそんなものを観ようと思っても恥ずかしくてレンタルできないというのが本当のところだろう。そんな恥じらいを何時までも持ち続けている女性でも堂々と観ることができるタイトル名にして、エロスを感じさせる映画だ。女性の方が男性よりもエロいことは何となくわかっていたが、本作を観ればハッキリとそのことが理解できる。
 この映画の主人公の女性はエロスを撒き散らしているが、とても気品があり美しい。やたらセックスアピールを振り撒くような女性とはタイプが異なる。俺の意見に賛同する人は少ないかもしれないが、主人公の女性のタイプは外見は清楚な綾瀬はるかだが、頭の中はエッチなことばかり考えている壇蜜と言ったところか。
 そしてこの女性の体を舐め回すように撮るカメラがエロい。足フェチ、お尻フェチにはたまらないショットがたくさん出てくる。男性がこの女性の体を撫で回すシーンが出てくるが、本当に女性の体って美しいと思うし、神様が創った最高の芸術作品を観ているような気分にさえなる。
 そして大胆な濡れ場が凄いという宣伝に釣られて観てしまうと、実際はそんな場面は最初の数分間のワンシーンだけ、もしくはその後は申し訳程度に出てくるだけの映画が多いが、本作はそんな最後の方には飽きてしまうような構成とは違う。最初は足を触らせるだけのシーンから始まり、次第にエロさのハードルを上げていくパターン。これならいちいち巻き戻してしまうこともなく、最後まで興味を持って観る事ができるという訳だ。

 それでは、ここまで書くとストーリーなんかどうでも良いように思えるが、簡単に紹介を。
 ヴィクトール(イポリット・ジラルド)は1958年の夏の出来事を振り返る。その頃ヴィクトール(イポリット・ジラルド)は仕事もせず、ひたすらホテルで読書をしたり、人間観察ばかりしているような、堕落した生活をしていた。しかし、彼はホテルでとても魅力的な女性イヴォンヌ(サンドラ・マジャーニ)をボンヤリと見ていると彼女と目が合う。ヴィクトール(イポリット・ジラルド)とイヴォンヌ(サンドラ・マジャーニ)が愛し合うまでに時間は掛らず、二人は結婚をする約束までするのだが・・・

 時間軸がバラバラだったり、今ひとつ場所もハッキリせず、色々と説明不足のために何だか違和感が漂いまくる。最後の最後に、何でこうなるの?という結末を見せられて、ほんの少しモヤモヤした気分が晴れる気になる。しかし、それほど深みのあるストーリーがあったように思えないが、男性が何時まで経っても思い出から抜け出せないところや、急に思いついたように夢を描いてしまうところは非常に共感が持てるし、女性が今の瞬間の幸せを大事にする件は、個人的にはナルホドと感じさせられた。
 しかしながら、この映画の正しい観賞方法はストーリーを追いかけることではなくて、イヴォンヌの醸し出すエロスを堪能すること。エロスに溺れたいと思うのは男も女もいっしょ。もちろん今やアラフィフ以上においてもエロスを感じさせる男女はたくさんいるように老いも若きもエロスに対する情熱は失いたくないもの。アダルトビデオのような内容を期待するとガッカリするかもしれないが、とにかく女性が美しい映画を観たいと思う人にはお勧めしたい

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 監督は恋愛映画の名手であるフランス人のパトリス・ルコント。1990年代のフランス映画の凋落振りは末期症状に近いものがあったが、この監督だけは男女の機微を描いた作品でフランス映画を支え続けたと言っても過言ではない。お勧めは髪結いの亭主、ダニエル・オートゥイユ主演の橋の上の娘、こんなに恋愛に臆病なフランス人が居たのかとビックリの仕立て屋の恋がお勧めです

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映画 イングリッシュ・ペイシェント(1996) 壮大な恋愛映画です

2014年11月09日 | 映画(あ行)
 不倫映画の傑作、名作は昔からたくさんあるが、どう考えてもモラルに反するような内容の映画が現在においても、なぜ根強い人気があるのだろうか。まあ、俺なりの結論として現実的なサスペンスとして最もドキドキ感が味わえるのが不倫映画。旦那あるいは奥さんにバレるかバレないか、これはリアルにスリル満点。特にエイドリアン・ライン監督の危険な情事なんて映画があったが、あれなんかはスリルがあると言うより、ホラーより怖い。世の中のお父さん連中はマイケル・ダグラスを自分に重ね合わせてしまい、心の底から恐怖を味わった。だいたい、何だかブツブツの巨大な怪獣が登場してきて町中を破壊し、人間を追いかけてくるような設定はあまりに素っ頓狂過ぎて、大してスリルも感じない、と言うのは俺の意見。
 そうは言っても不倫映画というのは、他人の内輪もめを見て『ダメよ~、ダメ、ダメ!』と思いながら観ている人が殆んどだろう。しかし、官能的な不倫を描きながらも愛の尊さ、大切さを描いた作品が今回紹介する映画イングリッシュ・ペイシェント。第二次世界大戦の前後の時代、そして北アフリカとヨーロッパ(イタリア)の大陸間。二つの時間、二つの場所をまたがって描かれるロマンスから、観ている我々は何を学び、何を感じるのか。

 単なる不倫映画として片付けるだけでは、非常に勿体ない壮大な恋愛映画とは、いかなるストーリーをなのか。
 1944年、イタリアの野戦病院に北アフリカの戦場で撃墜された飛行機から全身大やけどを負って顔も焼け爛れ、瀕死の状態で男が担ぎ込まれてきた。その男は殆んどの記憶を失っており、イングリッシュ・ペイシェント(英国の患者)(レイフ・ファインズ)と名付けられる。
 戦争によって、恋人を失い、親友も目の前で無くし、悲嘆にくれていた従軍看護婦であるカナダ人のハナ(ジュリエット・ビノシュ)は、軍から離れ、廃墟と化した修道院にて、もはや命が幾許も無い状態であるように見えるイングリッシュ・ペイシェントと名付けられた男(レイフ・ファインズ)の看護を献身的に務めようとする。
 ハナ(ジュリエット・ビノシュ)が介護をしていく内に、少しづつ記憶を取り戻していくイングリッシュ・ペイシェントと名付けられた男(レイフ・ファインズ)だが、彼の語る回想はある人妻との不倫の関係。そんな2人だけの空間に突然、親指を無くしたカナダ人のカラヴァッジョ(ウィレム・デフォー)が同郷のよしみのふりをして近づいてくるのだが・・・

 非常に印象深いのは不倫に到る過程及び結末のシーン。結果的には、そりゃ~、不倫の結末はやっぱりね、という事になるのだが、実は本作はそれだけにとどまらない奥深いテーマ性がある。この映画に登場する人物たちはあらゆる国籍の人物が多々出てくる。カナダ人、アフリカ人、英国人、ドイツ人、インド人、アメリカ人、そしてイングリッシュ・ペイシェントと名付けられた男は当然英国人だろうと思いきや、実はハンガリーの伯爵の家に生まれた人物。これらの国籍の人物が争い、憎しみ合い、逆に協力し合っている様子は第二次世界大戦の時代が背景ではあるが、現代の我々にも戦争の悲惨さ、平和の尊さを感じ取るメッセージとして伝わってくる。
 憎しみ、復讐、絶望からは決して何も生み出さない。愛を求める過ぎるあまりに不幸を呼び込んでしまうことがあるだろう。しかし、この映画には明日へ向かっていく愛が描かれている。そして特にこの映画に対して俺が共感できることは人生の再生、希望が描かれていることだ。
 そして、冒頭、上空から見下ろす砂漠のシーンがあるのだが、これが本当に素晴らしい。一瞬、なんだこの縞模様は?なんて思ったりしたが、砂漠ってただ白いだけじゃなかったんだと気付かせてくれるシーンだ。

 人間ならば一生のうち、大切な物だったり、大切な人を失うことなんて多々ある。しかし、当の本人は気づいていないことが多いのだが、逆に失った分、あるいはそれ以上の大切な物や人を得ていることがきっとある。やや恋愛部分に焦点が当てられている気がするが、国境、民族、人種、歴史など色々と多く考えさせられる映画イングリッシュ・ペイシェントは万人にお勧めだ。

 監督はアンソニー・ミンゲラ。もっと活躍できた監督なのに比較的若くして亡くなってしまったのが残念。実は僕はこの監督の作品はこれしか観ていないので、他の作品をお勧めできないです。逆にお勧めを教えて欲しいぐらいです。

 キャスト陣がかなり豪華。
 イングリッシュ・ペイシェントことアルマシーを演じているのがレイフ・ファインズ。多くの傑作に出演していてお勧め映画多数。本作と同じハンガリー人を演じているイシュトヴァン・サボー監督、太陽の雫をお勧めしておこう。

 非常に魅力的な人妻キャサリンを演じているのがクリスティン・スコット・トーマス。比較的最近の映画でサラの鍵がお勧め。

 献身的な看護婦役でジュリエット・ビノシュ存在の耐えられない軽さの彼女は超可愛いし、お勧め。この人もお勧め作品が多数ですが、ラッセ・ハルストレム監督のショコラ、ミヒャエル・ハネケ監督の隠された記憶、アッバス・キアロスタミ監督のトスカーナの贋作など、個性的な監督作品の映画に多数出演しています。

 親指を失って登場するカラヴァッジョ役でウィレム・デフォー。主役から脇役まで様々な役を簡単にこなしてしまう名優。プラトーンで大スターになって以来、名作、傑作に多数出演。今回は怪演が観られるという意味で処刑人をお勧めに挙げておこう。
 
 今回改めて観てビックリしたのがコリン・ファースが実は重要な役で出演していたこと。今やすっかり名優及び人気者として引っ張りだこの俳優になりましたが、やはり英国王のスピーチがお勧め。それからフェルメールが好きな人にはピーター・ウェバー監督、スカーレット・ヨハンソン共演の真珠の耳飾りの少女、ラブコメの傑作ラブ・アクチュアリーもお勧め。

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映画 インサイド・マン(2006) クライムサスペンス映画の傑作です

2014年10月23日 | 映画(あ行)
 いきなり偉そうなことを言って申し訳ないが、自分が賢いのか馬鹿なのかを知りたい人は今回紹介する映画インサイド・マンを観ればハッキリわかる。こいつはすげ~面白い映画だと思った人は自分に自信を持てば良いし、逆に全くつまらな~いと思った人に対するアドバイスとしては、決してショックを受けるな、以上
 上記に書いたことは少しだけ冗談が混ざっているが、本作は知的レベルの高い映画であり、それでいて適度なユーモアがあり、堅苦しさなんかは全く無いし、骨太のサスペンスが展開される傑作だ。ちなみに本作はよく見られる銀行強盗がメインの映画だが、だいたいそこで描かれている強盗連中はアホっぽく描かれていることが多い。しかし、本作の銀行強盗の主犯格の男は用意周到、自信満々、頭脳もどうやら水準よりは高く、そしてタイトル名が表わしているように狭い所が好き。これだけでも今までに無かったタイプの銀行強盗犯に思える。そして、この銀行強盗における本当の目的が明らかにされた時、観ている我々は大きな驚きだけでなく新鮮な感動を得ることになるのだ。

 とにかく銀行強盗の方法は今までの映画でも有りそうで無かったやり口でナルホドと思えるし、また銀行強盗の主犯格と刑事側の交渉人との心理戦ともいえる駆け引きは緊迫感があって楽しい。強盗刑事の争いだけでも楽しめそうなものだが、そんな中に割って入ってくるように、欲の面の皮が推定30センチの美人弁護士が登場。更に銀行強盗ぐらい軽い犯罪に思えるような極悪人が存在していたり、魅力的な登場人物たちがこの映画を更に面白くしている。単なるサスペンスだけでは飽き足らず、人種偏見、歴史、そして金欲的な人間に対する皮肉が込められていたりで、大人が楽しめる娯楽要素満載のクライムサスペンス映画だ。

 社会派監督として有名なスパイク・リー監督が放つ渾身の力作とはいかなるストーリーなのか!
 ニューヨークのマンハッタン信託銀行において、従業員や客で賑わっている真っ昼間にダルトン(クライヴ・オーウェン)をリーダーとする4人組による銀行強盗が起きてしまい、彼らはその場に居た従業員、客を人質にして立て篭もる。
 現場に急行したニューヨーク市警のキース(デンゼル・ワシントン)とビル(キウェテル・イジョフォー)は銀行の出口を固め、ダルトン(クライヴ・オーウェン)達を閉じ込めることに成功するのだが用意周到な彼らの手口の前には容易に突入できない状況になってしまう。キース(デンゼル・ワシントン)はダルトン(クライヴ・オーウェン)との交渉に臨むが、彼の要求することは無理難題なことばかり。膠着状態が続いている最中に、マンハッタン信託銀行の創始者であり会長であるアーサー(クリストファー・プラマー)は見ていて気の毒になるくらいに狼狽し、優秀な女弁護士マデリーン(ジョディ・フォスター)を呼び出して、彼女を事件現場に送り出すのだが・・・

 見終わった後に、1番悪そうに見えたクライヴ・オーウェン演じる銀行強盗が、なんだかとても男気があって、確たるプライドを持っていて、とても格好良く思えたのは俺だけだろうか?ドンデン返しの妙を感じ、人種のるつぼであるニューヨークが上手くストーリーに活かされている。
 そして出演者が非常に豪華すぎて、名優ウィレム・デフォーが完全に脇役に回っているという贅沢というか、勿体ない使い方。だいたい豪華キャスト映画というのは評判倒れになってしまうことが多いが、本作はウィレム・デフォー以外は充分に存在感を示した。
 そして、俺の耳には『テンヤ、テンヤ、テンヤ』と聞こえる個性的な音楽も非常に印象的だし、この映画について語り出せば良い事だらけ。まだまだ言い足りないことはたくさんあるのだが、大人が楽しめる映画インサイド・マンをお勧めとして挙げておこう
 ちなみに一度観て、まるでわからないと感じても、時間を開けて再見してみることをお勧めする。人間って時を経ると感性が鋭くなり、知識が増えていることに気付けるし、観るたびに新しいことを発見し、自分が成長していることを感じることができるはずだ。

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 監督はアフリカ系アメリカ人のスパイク・リー監督。代表作となるマルコムXだが、偉大なる黒人指導者の伝記映画としてお勧めできる。他にパリよりもニューヨークの方が好きだと言う人にはエドワード・ノートン主演の25時がお勧め。他にいきなりショッキングなシーンで始まるセントアンナの奇跡は奇跡の連発に感動します。他にブルックリンを舞台にコミカルながらも激しい人種間を対立を描いたドゥ・ザ・ライト・シングもお勧め。

 豪華俳優陣たちの中に混じって、デンゼル・ワシントンの相棒役のキウェテル・イジョフォーですが、この人は最近ではそれでも夜は明ける(まだ僕は観てませんが)の主役等で大活躍。本当に芸達者な人でお勧め映画多数。スティーヴン・フリアーズ監督、オドレイ・トトゥ共演の堕天使のパスポートは社会派サスペンス映画の傑作。何とドラァグクイーンを演じたキンキーブーツ等がお勧め。

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映画 男たちの挽歌(1986) 男の友情が熱すぎる

2014年09月07日 | 映画(あ行)
 かつての香港映画と言えばジャッキー・チェンに代表されるようなカンフー映画やマイケル・ホイに代表されるコメディ映画の印象がある。己の肉体を駆使して、まるで機械体操のような動きで格闘するカンフー映画もそれなりに楽しかったが、そんな香港映画の流れをぶっ飛ばしたのが、ジョン・ウー監督の名を一躍知らしめた本作男たちの挽歌。激しいガンアクション、ド派手な爆発、大量に流される血と汗など、男ならハートが熱くなれる香港製マフィア映画だ。しかし、それ以上に本作を熱くしているのが男同士の友情。その友情を感じさせるシーンだが、実はちょっと冷静になって考えてみるとアホらしい~行動、台詞が連発しているが、まるで少年のようなピュアな心を持った俺は心が震えまくり。一歩間違えたら白けた気分になりそうな場面でも、これだけハートを熱く燃えさせるとは、これぞジョン・ウー監督作品。やっぱり彼の映画は、こうでなくっちゃいけない

 しかしながらけっこう初めの方は、ずいぶんとのんびりした雰囲気が漂うし、チョウ・ユンファにしてもけっこうコミカルな動きを披露したりして、かなりチャライ奴に見える。親友同士、兄弟、恋人同士のやりとりはけっこう笑えてホノボノとさせる。まあ、最初の方は従来どおりの香港映画らしいコメディタッチがこの頃のジョン・ウー監督にしても抜け切れていないと言ったところか。
 しかし、一旦銃弾が飛び交えば増えていくのは死人の数。そして、この銃撃シーンの最中の男たちの表情が良い。顔中から汗水を垂らしている表情を観ていると、こいつらは全身全霊をかけて闘っているんだな~と感動し、男がストイックに人殺しとはいえ、一生懸命に仕事をしている様子は本当に格好良いし、女性が観ていてもきっとしびれるんじゃないか。チョウ・ユンファなんて二丁拳銃で撃ちまくってからは、ニヤニヤした表情が一変する。

 そして、本作はマフィア映画であるが、人間ドラマの部分でも見応え充分。主人公のマフィアの幹部である兄貴が、弟のために足を洗おうと一生懸命に努力し、償いをするシーンは見ていて泣けてくる。必死でマトモな人間になって人生をやり直すことが、どれほど大変なのか!昔のマフィア仲間が否応なく汚い手を使って、再び暗黒の世界に引きずり込んでくる様子は、まるでこの世のアリ地獄。そんな兄貴の切ない心情を察しながら見ると、きっと誰もが許しを請う事の大変さを痛感するはずだ。

 さて、香港映画界に一大革命を起こしたエポックメイキング的な作品である香港製マフィア映画の内容とは如何なるものなのか。
 香港マフィアの幹部であるホー(ティ・ロン)は病気でベットで寝たきりになっている父親からマフィアの世界から足を洗うように諭される。小さい頃から仲の良かった弟のキット(レスリー・チャン)が大学を卒業したら警官になろうとしていたからだ。キット(レスリー・チャン)は兄のホー(ティ・ロン)の仕事が、贋札を捌くマフィアの世界に身を置いているなど夢にも思っていなかった。ホー(ティ・ロン)は同じ組織で働く弟分であり大親友のマーク(チョウ・ユンファ)に、今回の台湾での贋札を捌く仕事を最後にして、マフィアの世界から足を洗うことを決意したことを語る。
 ところがホー(ティ・ロン)の台湾での仕事は地元の警察にバレバレになっており、本人は負傷した上に警官に囲まれて自首。そして3年間を刑務所暮らしをする羽目になってしまう。その間にマーク(チョウ・ユンファ)はホー(ティ・ロン)の敵討ちに行った際に足を負傷してしまい、キット(レスリー・チャン)は目の前で父親が殺され、兄ホー(ティ・ロン)の正体を知ってしまう。

 3年間の刑期を終えたホー(ティ・ロン)はマフィアの世界から足を洗うことを決意してキット(レスリー・チャン)の元に向かうが、今やキット(レスリー・チャン)は父親を殺したマフィアと同様ににホー(ティ・ロン)に対しても憎しみを抱いていて、叩き出され追い返されてしまう。そして、親友のマーク(チョウ・ユンファ)の元に行ってみると、そこにはすっかり落ちぶれてしまっているマーク(チョウ・ユンファ)の姿があった・・・

 兄のホー(ティ・ロン)が警官になった弟のキット(レスリー・チャン)に対して『俺の人生は間違ってた、お前の方が正しい』と急に偉そうぶって語りだしたりするが、今頃やっと気付いたのかよ~、と叫んでしまいそうになったり、またボロカス蹴られ、殴られ、ドラム缶で叩きのめされて、車から放り投げられたりなどフルボッコ状態になっているマーク(チョウ・ユンファ)を見て、ホー(ティ・ロン)が『早く救急箱を!』なんて、まるでかすり傷扱いの台詞には思わずプッと吐いてしまいそうになったり、かなり粗が目立つ。
 アクションシーンにしたって、推定何百人もいそうな敵の雑魚は銃弾一発で死んでしまうのに、こちらの主人公ときたら脇腹に一発喰らったぐらいでは軽症レベルで済んでしまう。チョウ・ユンファにしてもクライマックスシーンでは防御無しで、気合いと根性で撃ちまくっている様子は人間レベルを通り超えている。
 早い話が色々とツッコミどころ満載だが、観ている最中はそんなシーンですら感動しまくり、心が震えっぱなし。そして音楽がまたグッとくる効果を更に上げている。最近はアクション映画を観ていてもコンピューターの発達のせいで、嘘っぱちなシーンがバレバレで大して盛り上がらないのが多くなってきているが、本作はアナログ風な作りが逆に観ている我々に度肝を抜くような演出を見せてくれる。純粋な男たちの格好良さを堪能できる男たちの挽歌は、最近は何かと気持ちが冷めている人にはぜひお勧めしたい映画だ

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 監督は前述しているようにジョン・ウー。個人的に彼の映画で1番好きなのは狼/男たちの挽歌・最終章、これもとにかく燃えます。ハリウッドに行ってから、熱さが足りなくなったのが残念ですが、ニコラス・ケイジ、ジョン・トラヴォルタ共演のフェイス/オフは面白い。他に熱さという点でニコラス・ケイジ主演の戦争映画ウインドトーカーズがお勧め。

 実は今回のチョウ・ユンファは主演ではありませんが、本作の続編からは彼が主演になっております。最近は渋みが増していますが、そんな彼のお勧めはアンリー監督の任侠映画グリーン・デスティニー、チャン・イーモウ監督の王妃の紋章がお勧め。

 弟のキット役はレスリー・チャン。46歳の若さでホテルから飛び降り自殺。大スターになっても色々悩みがあるんですね。彼のお勧めはチェン・カイコー監督のさらば、わが愛/覇王別姫、個人的には中国映画で最も好きな映画でお勧めです。

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映画 イヤー・オブ・ザ・ドラゴン(1985) ジョン・ローン対ミッキー・ローク

2014年08月23日 | 映画(あ行)
 もう崩壊寸前だ、なんて言われて久しい中国だが中国共産党の弾圧、我がまま、恫喝など相変わらず目立っている。今や世界中に影響力を行使し、アメリカですら中国経済におんぶにだっこの状態だ。まだ乗り物と言えば、車よりも自転車だった時代に制作された映画が今回紹介するイヤー・オブ・ザ・ドラゴン。今、改めて観ると現在の中国台頭の兆しを感じさせ、義理も人情もまるで持たずに自らの利益ばかりを追求するチャイニーズ・マフィアの若きドンの姿に、現在の中国と重ね合わせて観ることができる興味深い作品だ。

 現在において世界中に存在するチャイナタウンだが、アメリカで最大のチャイナタウンと言えばサンフランシスコだと言われているが、アメリカを縄張りにするチャイニーズマフィアが一大勢力を形成しているのが実はニューヨークのチャイナタウン。かつてのニューヨークを舞台にしたマフィア映画といえばリトル・イタリーを舞台にしたイタリア系マフィアが主だったが、もはやリトル・イタリーなんかは縮小されるばかり。その代わりにリトル・イタリーを食い潰すようにチャイナタウンが拡がっている。そんな背景も本作のイヤー・オブ・ザ・ドラゴンを観れば少々わかってくるし、中国系コミュニティーの混沌とした状況も少しだけわかった気分になれる。

 しかし、この映画の面白いところは小難しいチャイナタウンの説明などではなく、バイオレンスシーンの数々。ジョン・ローン演じるチャイニーズ・マフィアの若きドンとミッキー・ローク演じる周囲の仲間からも迷惑がられている一匹狼的存在のニューヨーク市警の白人刑事の2人による怨念バトルの様相。血で血を洗うかの如くの対決が最大の見せ場。
 そして、ド派手な銃撃戦は楽しいし、中国人(系)同士の殺し合いは、あまりにも非道すぎて笑えた。白昼堂々の人殺し、必殺首切り、ただ暴れたいだけ?にしか見えない銃の乱れ撃ち・・・等、日本人から見ても同じアジアの人種である中国(系)人の行動は理解が難しい。しかし、この描き方は面白いことは面白いが、中国(系)の人間から見れば、抗議の1つや2つ言いたくなる気持ちも充分にわかる。

 そして表面状は単なるバイオレンスアクション映画の類だが、チョッとばかり本作を奥深い作品にしているのが、ミッキー・ローク演じる白人刑事のキャラクター。この刑事の設定がベトナム戦争帰りで、そのトラウマが黄色人種に対する偏見を持つ切っ掛けとなっている。向こう見ずな性格は周囲の人間からは非常にはた迷惑な存在で、利用できる物(者)は何でも利用してしまう。しかしながら、人種偏見はチャイニーズマフィアを撲滅するためのパワーの源になり、ニューヨーク市警の上司や同僚などが今ひとつ捜査に乗り気で無くても、たった1人で大勢の中国人の中に飛び込んでいくなど、実はけっこうマトモな刑事。賄賂などは全くこの男には通用しないように少々性格には問題があるが、正義感溢れる刑事だ。さらに心憎い設定が、この白人刑事をポーランド系アメリカ人にしていること。ある意味、ポーランド系アメリカ人もアメリカ社会で迫害されてきた歴史を持っていることを考えると、なかなか興味深いし、クリント・イーストウッド監督の傑作グラン・トリノと通じる部分もある。

 チャイニーズ・マフィアの若きドン対人種偏見丸出しの刑事、そんな言い方よりもジョン・ローン対ミッキー・ロークと言った方が手っ取り早い、2人の男の対決を描いたストーリーとは如何なるものか。
 ニューヨークのチャイナタウンにおいて。白昼堂々とチャイナタウンを仕切るチャイニーズ・マフィアの親分が刺されて殺害される。更にその後、イタリア系の麻薬の売人が殺される。いずれの殺人事件も旧組織型の体制に反旗を翻して自らが組織のトップに立ち、更なる利潤を追求しようとする若き幹部のジョーイ(ジョン・ローン)の策略だ。
 チャイナタウンでの抗争を抑えようとニューヨーク市警から送り込まれたのが敏腕刑事としてなるスタンリー(ミッキー・ローク)。しかし、彼の強引とも受け取れるやり方は市警内部でも問題になり、彼は孤立を深めることになるのだが、その事はやがてジョーイ(ジョン・ローン)とスタンリー(ミッキー・ローク)の死闘へと導かれる・・・

 ミッキー・ロークとジョン・ローンの主演の2人が本作を切っ掛けにブレイクしたように、2人の魅力が爆発した作品だ。ミッキー・ロークがドハデにジョン・ローンを殴るシーンは殺気すら感じさせるし、ジョン・ローンも『ヌハハハ~』と笑うシーンや感情を押し殺そうとする表情は非常にクールに感じる。

 しかし、改めて観直すとアレ~、こんなにツッコミどころ満載の映画だったけ!?ミッキー・ロークの友達であり上司にあたる友人が、いきなり『おい、どうした』と叫びながら、真っ昼間からライフルを持ちながら走って登場するシーンは度肝を抜かれた。
 ジョン・ローンがタイでの麻薬の取引きのシーンにおいて、最後の最後にある切り札を出すシーンがあるのだが、チョ~ビックリ。『お前、何時の間にそんな物を持っていたんだ』?となることは必至だし、一体どんな手品や奇術を使ってんだ?となること請け合いだ。
 他にも重傷を追いながらも名誉勲章モノの活躍を見せていた子分がとうてい割に合わない仕打ちを受けたり、ミッキー・ロークと一緒にいる仲間の刑事が腹に弾丸を撃たれているのに病院のベッドで寝ているどころか、痛々しい姿で協力していたり等、挙げていけばキリが無い。今まで何回か観ているはずなのに、何の疑問も持たずに観ていたことが、とっても不思議。
 しかしながら、そんなツッコミどころ満載のシーンが多いからと言って本作を駄作扱いするのは全くの見当ハズレ。バイオレンスシーンは楽しいし、2人の主演の男たちは今の姿からは想像できないぐらいに格好良いし、エロシーンもおまけ扱いで付いてくる。中国人が大好きな人には、あまりお勧めしにくいが、それ以外の人にはイヤー・オブ・ザ・ドラゴンはお勧めだ

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 監督は色々とワケがあって年齢とキャリアの割に寡作なマイケル・チミノ。この人のお勧めベトナム戦争の大いなる傷心を描いたロバート・デ・ニーロ、クリストファー・ウォーケン、メリル・ストリープ共演のディア・ハンターが傑作です。

 人種偏見丸出しの刑事役にミッキー・ローク。かつての格好良い時はエンゼル・ハートナイン・ハーフがお勧め。
 一方、若きチャイニーズ・マフィアのジョーイを演じるのがジョン・ローン。ベルナルド・ベルトルッチ監督のラスト・エンペラーがお勧め。

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映画 王妃マルゴ(1994) イザベル・アジャーニが綺麗です

2014年08月18日 | 映画(あ行)
 よく西欧を舞台にした歴史映画が好きだという人がいるが、王様や貴族が身に付けている豪華な衣装と浮き世離れした生活ぶりに、普段では味わうことができない金持ちになった気分になるのが、その理由として挙げられるだろう。しかし、実際の王様たちの暮らしは見た目は豪華だが、おどろおどろしい話でいっぱいだ。毒殺、ギロチン、骨肉の争い、革命・・・。王様になっても、これでは心が休まる日がまるでない。いったい昔の俺は王様のどこに憧れていたのだろう?
 そして、日本人から西欧諸国の歴史を調べてビックリするのが宗教戦争。宗教改革に端を発するカトリックプロテスタントの対立だが、三十年戦争やら八十年戦争などネーミングそのままに長い期間対立し、多くの人が死んでいる。

 そして今回紹介する映画王妃マルゴだが、三銃士などで知られるフランスの文豪アレクサンドル・デュマの同名小説の映画化であり、16世紀のフランスを舞台にした歴史映画。しかしながら、王室一家の謀殺ありの内輪もめ、カトリック側がプロテスタント側を大虐殺したサン・バルテルミの虐殺等、血が吹き飛ぶ地獄絵巻の様相と化している。金持ち気分になりたいと思って優雅に観ようとすると地雷を踏んでしまう映画だ。前述したように中世ヨーロッパの暗黒の歴史がわかった気分になれる映画だが、実は話のメインはタイトルが示しているように王妃マルゴ。血生臭いフランスの王室、フランスを二分するカトリックとプロテスタントの殺し合い。そんな殺伐とした世の中で王妃マルゴは、何を求めて生きていくのか、そして彼女の我々には理解できないような想像を絶する情熱はどこから来るのか

 さて、王室という不自由な空間に縛られながらも、自らの欲望のままに生きることに従った王妃マルゴの生き様とは如何なるものだったのか。
 カトリック側であるマルゴ(イザベル・アジャーニー)とプロテスタント側のナヴァール公アンリ(後のアンリ四世)(ダニエル・オートゥイユ)の結婚式が行われている。その周辺では彼らの結婚式を見ようと、カトリック、プロテスタントの両者の民衆で溢れかえっていた。しかし、これはあくまでも政略結婚であり、マルゴ(イザベル・アジャーニー)にとっては全く愛の無い結婚だった。
 実はマルゴ(イザベル・アジャーニー)は王室から抜け出しては男漁りをする淫乱な女性。彼女には何人もの愛人がおり、兄弟とも姦通しているような気配が漂うようなドン引きするぐらいのエロ女。新婚初夜においても、夫であるアンリ(ダニエル・オートゥイユ)とは会おうともせず、愛人とベッドをともにしようとする。しかしながら、愛人から拒否されると、『新婚初夜にセックスができないなんて気が狂いそ~う』なんて叫びながら、仮面をつけて男漁りをしていたら、プロテスタント側の青年ラ・モール(ヴァンサン・ペレーズ)に一目惚れし愛しまくる。

 その時、マルゴ(イザベル・アジャーニー)の兄であるシャルル九世ジャン=ユーグ・アングラード)は国王であるが、実際の権力は母のカトリーヌヴィルナ・リージ)に握られている。カトリーヌ(ヴィルナ・リージ)はシャルル九世(ジャン=ユーグ・アングラード)がプロテスタント側であるコリーニ提督(ジャン=クロード・ブリアリ )を父のように慕っていることに危機感を抱き、彼女はコリーニ提督(ジャン=クロード・ブリアリ )暗殺を企むが失敗に終わる。
 プロテスタント側の復讐を恐れたカトリーヌ(ヴィルナ・リージ)はサン・バルテルミの虐殺を引き起こし、プロテスタントの人間を殺しまくる。大虐殺に巻き込まれたラ・モール(ヴァンサン・ペレーズ)が死に掛けているのをマルゴ(イザベル・アジャーニー)はコッソリと介抱してやっていた。
 そしてその後、マルゴ(イザベル・アジャーニー)とラ・モール(ヴァンサン・ペレーズ)は誰にもばれないように密会を繰り返すのだが、カトリーヌ(ヴィルナ・リージ)の更なる謀略は、2人の運命を過酷な方向へ導いてしまうのだが・・・

 前半のマルゴ(イザベル・アジャーニー)はまるでセックス依存症に見えて、かなりドン引きさせる。現在なら治療が必要なレベルで、ちょっと病院で診てもらった方がいいんじゃね~!?なんて思いながら見ていたのだが、次第にマルゴ(イザベル・アジャーニー)の熱い情熱が観ている我々に伝わってくる。決して彼女の行動は現代のモラルで考えると褒められたものではないが、何かと悲惨な事が付きまとう中世ヨーロッパの時代においては、彼女の生き方は真っ直ぐで感動する。それなのに、あの結末とは何たることか

 登場人物では王妃マルゴ以外にも、現在においてもフランスで人気のあるアンリ四世が非常に興味深い人間として描かれている。常に命を狙われている状態なのだが、非常に処世術に優れていて、しぶとく生き残り、後々は名声を得ることになる。結局は彼も暗殺されてしまうのだが。
 当時38歳だったイザベル・アジャーニーは本当に綺麗で、神秘的な美しさを感じる。本作でも大胆なエロシーンを演じてしまうなど気合いの入った演技を魅せる。他にも有名俳優多数でどこかこじんまりとした印象のあるフランスの映画だが、本作は金が掛っている事がよくわかる大作だ。
 歴史映画が好きというよりも、チョッとハードな恋愛映画を観たい人には王妃マルゴはお勧めだ

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 主演のマルゴを演じるのがイザベル・アジャーニー。類稀なる美貌と演技力はフランス映画史上に残る大女優と言っても過言ではあるまい。彼女のお勧め作品はフランソワ・トリュフォー監督のアデルの恋の物語。この映画でも恋愛に情熱的な女性を演じています。他に出番は少ないですがライアン・オニール共演のザ・ドライバーの神秘的な女性が印象的で作品も超お勧め。
 
 アンリ四世役でダニエル・オートゥイユ。フランスを代表する名優。彼の作品はお勧め多数。鬼才ジャコ・ヴァン・ドルマル監督の八日目、パトリス・ルコント監督の橋の上の娘、コンドームが重要な役割を果たすコメディ映画メルシィ!人生、格好良い刑事映画あるいは裏切りという名の犬等がお勧め。

 他にニキータベティ・ブルー 愛と激情の日々で有名なジャン=ユーグ・アングラード、ヌーヴェルバーグの傑作いとこ同士で有名なジャン=クロード・ブリアリ 等が出演しています。

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映画 アンダー・サスピション(2000) 誰にでも秘密はあります

2014年08月10日 | 映画(あ行)
 人間なら誰しも多かれ少なかれ他人に知られたくない秘密があるはずだ。常に聖人君子のように振る舞っている俺ですら、決して他人には知られたくない恥ずかしい秘密がいっぱいある。そんな秘密をテーマにしたサスペンスドラマが今回紹介する映画アンダー・サスピション
 モーガン・フリーマンジーン・ハックマンという誰もが知っている名優2人の演技合戦が最大のみどころ。なんせ殆んどの場面が2人の警察署内での尋問及び会話のシーンだから、どちらか一方でも台詞の棒読みしか出来ないような役者だったら、はっきり言って最低レベルの映画になったかもしれない。モーガン・フリーマンは、いつもながら大して表情は変えないのに存在感抜群だし、ジーン・ハックマンも相変わらずの気合いの入った熱演を見せる。特にジーン・ハックマンの自虐ネタは笑えると同時に、この映画の秘密というテーマを暗示している。

 本作の構成としては2人の尋問シーンをメインに、所々で事件現場等の回想シーンが入るというスタイル。個人的には回想シーンが今観てもなかなかの斬新的で面白い創りだと感心した。そして本作で忘れていけないのはイタリアの宝石と呼び称えられるモニカ・ベルッチことベルッチ姐さんのオッパイのでかさ。ベルッチ姐さんの最初の登場シーンが色気ありすぎで、エロスの匂いが漂いまくり。彼女の演技は相変わらず台詞が少なく、登場シーンもそれほど多くないのだが、彼女の美しさとエロスは観ている誰もが男女問わずにウットリしてしまう。

 モーガン・フリーマンのキャラクター設定は地元の警察署長で、連続少女レイプ殺人事件の解決に執念を燃やし、上層部から圧力をかけられても決して物怖じせず、治安を守るために犯人を見つけ出そうとする至極真っ当な刑事。賄賂や脅しに直ぐに屈してしまうダメ刑事とは違うが、チョッと思い込みが激しく、嫉妬深い性格が欠点か?
 そして対するジーン・ハックマンのキャラクター設定は地元の弁護士であり名士であるエリート。しかも、年齢の離れた奥さんは美人でスタイルが抜群に良い。実はその奥さん役がベルッチ姐さん。ベルッチ姐さんのように美人でエロフェロモンを出しまくっているような女性と一つ屋根の下に暮らせるとは羨ましい奴だ!と思っていたら、なんと最近の2年間はすっかりベルッチ姐さんに拒否られ、全く性交渉なしという状態。いくら何でも、これは男性にとっては、かなりキツイ。そして、こんなつらい状況が原因?で更なる悲劇がジーン・ハックマンに襲い掛かってくる。

 
 秘密、嫉妬、欺瞞そして疑惑なんてことを考えさせる、非常に大人向けのサスペンス映画の内容とはいかなるものか。
 プエルトリコにおいて、連続少女レイプ殺人事件が発生。地元の警察署長であるビクター(モーガン・フリーマン)は、地元の名士であるヘンリー(ジーン・ハックマン)が怪しいとみて、『10分間で終わるから、聞きたいことがある』と警察署に来るように命じる。
 その時間帯は地元の名士として重要なスピーチをしなければならないヘンリー(ジーン・ハックマン)だったが、『たったの10分間だけなら、まあ、良いっか』とスピーチ前に警察署に行き、ビクター(モーガン・フリーマン)と若き刑事オーエンス(トーマス・ジェーン)から尋問を受ける。
 ヘンリー(ジーン・ハックマン)は二件目の少女殺害事件の第一発見者であり、通報者であった。しかしながら、ヘンリー(ジーン・ハックマン)の証言にどこか不自然さを感じていたビクター(モーガン・フリーマン)とオーエンス(トーマス・ジェーン)は10分間だけという約束はすっかり反故にして、曖昧な返答を繰り返すヘンリー(ジーン・ハックマン)に執拗な尋問を繰り返す。
 そんな尋問の過程において、成功者としての表の顔を持つヘンリー(ジーン・ハックマン)だったが、次々に自らの恥ずかしい部分が暴露されていき、しかも連続少女レイプ殺人事件の第一容疑者にされていたことを知ってしまうのだが・・・

 基本的にはネタバレ厳禁のサスペンス映画の部類だと思うので、なるべく慎重に書いたつもり。途中の展開では観ている我々にミスリードを仕掛ける演出もあり、俺なんかはうっかり騙されそうになった。しかし、この映画は犯人はお前なのか?とじっくり推理して楽しむような映画ではない。俺の見終わった印象としてはサスペンスというより、人間の奥底に秘める暗闇をえぐり出すヒューマンドラマ。登場人物達がそれぞれが抱える疑惑が明らかになったときの衝撃的結末は観ている我々に如何なる余韻を遺すのか?単純明快なサスペンス映画では物足りない人には映画アンダー・サスピションはお勧めです

アンダー・サスピション [DVD]
ジーン・ハックマン,モーガン・フリーマン,モニカ・ベルッチ,トーマス・ジェーン
エスピーオー


 主演のモーガン・フリーマンジーン・ハックマンは説明不要の大スター。両者とも名作に多数出演している名優。
 この2人が共演しているお勧め作品といえばクリント・イーストウッド監督の西部劇の名作許されざる者がお勧め。

 ベルッチ姐さん、モニカ・ベルッチのお勧め作品といえば、マレーナ、そしてフランス製バイオレンスアクション映画ドーベルマン、他にキワモノの部類に入るかもしれませんがアレックスも一度は観ておきたい。

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映画 偽りなき者(2012) 本当に不条理です

2014年07月25日 | 映画(あ行)
 誰にでもなじみのある諺の1つに火の無い所には煙が立たぬというのがある。その意味は『まったく根拠がなければうわさは立たない。うわさが立つからには、なんらかの根拠があるはずだということ。』(goo辞書参照)。俺もずいぶん昔に聞かされ、意味を知った時はなるほど!と思った。しかも親や先生から怒られた時によく聞かされたし、俺もその通りだよな~と妙に納得したものだ。しかし、最近はどうもこの諺の信憑性を疑っている。近頃は、火が無くても煙を起こすことなど簡単に出来てしまうようだ。
 まあ、俺なんかは満員電車に乗るときは痴漢に間違えられないように、わざわざ両手で吊革を持つようにしているのだが、それでも側に居た女性から『この人痴漢なんです』なんて叫ばれたら、俺はやっぱり周囲から疑いの目を向けられるだろう。
 男性諸君にとっては、とにかく満員電車には乗るな、という教訓を得られる映画が今回紹介する映画偽りなき者。あらぬ疑惑を掛けられてしまったために、人生最大のピンチに陥ってしまった男のドラマ。ある小さな村において、周囲から孤立し、親友からも信頼されず、理不尽な暴力を受け、飼っていた犬は悲惨な目に遭い・・・次から次へと、これでもかと困難な出来事が主人公の男の身に降りかかってくる。そんな状況において、この主人公が取った選択は如何なる結果をもたらすのか?ちなみに俺がこんな目に遭ったら、間違いなく遠い場所へ引越しだ。

 さて、ホラー映画などより、よっぽど身近に感じ、リアルな出来事が題材なだけに余計に怖く感じるストーリー紹介を簡単に。
 デンマークの小さな村において。私生活がゴタゴタ続きだったルーカス(マッツ・ミケルセン)だったが、ようやく幼稚園の教師の職を得て、安定した生活を取り戻しつつあった。しかし、ある日のこと、ルーカス(マッツ・ミケルセン)の親友のテオ(トマス・ボー・ラーセン)の娘である5歳ぐらいの少女クララ(アニカ・ヴィタコプ)がとんでもないことを言い出す(内容はここでは書けません)。
 クララ(アニカ・ヴィタコプ)の言ったことは、作り話の類であったが、周りの大人達、そしてテオ(トマス・ボー・ラーセン)もすっかり信じきってしまい、ルーカス(マッツ・ミケルセン)は村中で変態扱い。そもそもクララ(アニカ・ヴィタコプ)はルーカス(マッツ・ミケルセン)の優しさを知っており、彼の事に好感を持っていたのに、なぜルーカス((マッツ・ミケルセン))を陥れるようなことを言い出したのか
 最初こそ静かに耐えていたのだが、村中の人間からの嫌がらせはエスカレートするばかり。ルーカス(マッツ・ミケルセン)は自らの尊厳を取り戻すために行動を起こすのだが・・・

 それにしても、この映画に登場する大人達はバカばっかり。確かに5歳ぐらいの女の子が嘘を言うなんて思わないが、こんなにも血のつながっていない人間同士の絆とは簡単に切れてしまう物なのか?ちなみに本作は世界一幸福度の高い国デンマークの映画。この映画のどこに幸福を感じることができる部分があったのか俺には思い出せない。
 ハリウッド映画と違い、大げさな描写は無い。しかし、絶望感すら漂う主人公に対する不条理すぎる展開は目が離せないし、そして親子の絆の固さに大いに感動できる。満員電車のシーンなんて実は一切無いのだが、それでも冤罪について大いに考えさせれるテーマが日常においてたくさん転がっていることがよくわかる。
 なんだか大味なハリウッド映画は見飽きた人、ちょっとばかり社会性のメッセージが込められた作品を観て賢くなった気分を味わいたい人、デンマーク映画はレベルが高いことを知っている人、そして主役がマッツ・ミケルセンと聞いて心が躍る女性ファンにはお勧めだ

偽りなき者 [DVD]
マッツ・ミケルセン,トマス・ボー・ラ―セン
角川書店


 監督はトマス・ヴィンターベア。デンマーク映画のレベルの高さを世界中に広める担い手として今後も活躍が期待できる。この監督のお勧めは、ちょっとマニアックな内容ですがラストの銃撃戦は楽しいディア・ウェンディ、いくらデンマークが社会福祉が発達していると言っても、やっぱり働かないと生きていけないことがわかる光のほうへ
 比較的寡作ですがまだ年齢は40歳台半ば、今後は大いに活躍しそうな才能溢れる映画監督です。

 主演はマッツ・ミケルセン。ハリウッド映画の大作で見かける時がありますが、やっぱりデンマークで主役級の役を演じると奥の深い演技を見せてくれます。
 この人のお勧めはスサンネ・ビア監督の個人的には最も好きな恋愛映画のしあわせな孤独、同じくスサンネ・ビア監督のアフター・ウェディング、ナチスドイツに対するレジスタンスを描いた誰がため、珍しく悪役を演じているダニエル・クレイグ主演の007 カジノ・ロワイヤルもお勧め。

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映画 裏窓(1954) ヒッチコック監督はやっぱり上手いですね

2014年04月22日 | 映画(あ行)
 多くのサスペンス映画の名作を遺してきた名匠アルフレッド・ヒッチコック監督だが、現在に至るまでのサスペンス映画の分野において多大なる影響を与えてきた。俺も今まで多くのサスペンス映画の分野を観てきたし、この映画の結末は凄いという評判の映画も観てきた。しかし、その多くが『な~んだ、これってヒッチコックのネタをパクってんじゃん』と思える作品ばかり。
 だが、この事は作り手側の能力不足が原因と決めつけるのは少々酷なような気がする。むしろ、ヒッチコック監督がサスペンス映画のあらゆる要素を踏襲してしまい、彼の後に続く監督たちは彼の進んできた道を辿るしかないと言うべきだろう。

 そんな中で多くの傑作サスペンス映画を撮ったヒッチコック作品の中で、現在においても影響を与え続けている作品が今回紹介する映画裏窓だろう。
 この映画の多くが自分の部屋の窓から望遠カメラで他人の部屋を覗き見るシーンばかり。今のサスペンス映画でもそのようなシーンは、よく見受けられるが大体が綺麗なオネエチャンが裸になって踊っているのを覗いているシーンばかり。そのような変態性を強調したり、エロいネエ~チャンを見せておけば観客に対してのサービス精神だと考えているのかもしれないが、ヒッチコックの凄いところは覗きをテーマにしていても決して悪趣味な描き方を一切せずに、上品に描いているところ。しかも何気にボケもかましてくれるのが楽しい。

 ジェームズ・スチュアート演じる主人公の設定が足の骨を折って車椅子生活を余儀なくされているカメラマンのために大した動きはなく、舞台設定は自室と自分の部屋の窓から見える風景だけ。極めて狭い空間が舞台なだけに爆発や轟音が鳴り響くド派手なスペクタクルシーンが期待できるはずはなく、そうかと言って限定された場所でのストーリーなだけに驚きや意外性に満ち溢れた展開が繰り広げられるわけでもない。当然の如く、銃を突き合わせての撃ち合いなどあるわけがない。

 この映画の楽しみは色々あるが、楽しい会話、細かい演出、望遠カメラを通して見るアパートの住人達の様子、ほとんどヤマカンに近い説得力ゼロの推理力、しっかり冒頭の伏線を回収するオチ、そして実は最大の見所は絶世の美女であるグレース・ケリーの奇跡的な綺麗さ
 なんでこんな年老いたように見えるオッサンにこんな綺麗な恋人がいるんだ?と誰もが思うはずだが、とにかくメチャクチャ綺麗だし、衣装がとっても素敵で背中がセクシー。しかも、こんな美女が添え物的な役割ではなくクライマックス直前では大活躍するからたまらない。

 さてアルフレッド・ヒッチコック作品の中でも代表作に挙げる人が多い傑作サスペンスの内容とはいかなるものか。
 仕事中の事故で片足を骨折してしまい車椅子生活を余儀なくされているカメラマンのジェフリーズ(ジェームズ・スチュアート)。ギブスが固定されて仕事ができない彼は休暇中だが、とにかくヒマ。彼は望遠レンズで向かいのアパートの住人達の様子を窓から覗き見るのを趣味ではなく、ヒマつぶしに観察していた。
 向かいの住人達の生活ぶりを観察していると、楽しそうな人、悲しい人、ベランダで寝ている夫婦、幸せそうな新婚カップル・・・などなど色々。
 何気なく観察していたつもりのジェフリー(ジェームズ・スチュアート)だったが、異変に気づいてしまう。奥さんが寝たきりの口論が絶えない夫婦が居たのだが、いつの間にか奥さんの姿が消えてしまっている。旦那の行動が怪しいと感じたジェフリー(ジェームズ・スチュアート)は、自慢の観察力を活かして旦那が奥さんを殺したと断定し、彼は恋人のリザ(グレイス・ケリー)、お手伝いのオバサン、友人の刑事に自らの説を主張するのだが最初は全く誰にも信じてもらえなかったのだが・・・

 ヒッチコック作品の多くの傑作群の中でも、最も有名な部類に入り、代表作に挙げる人が多い人気作品だが、実は個人的にはそれほど彼の作品の中では好きな方の作品ではない。しかし、実験精神旺盛な彼の演出は今観ても楽しめるし、大してリアリティに拘っていないように思える適当さも楽しい。
 個人的な感想としてヒッチコック作品はだいたいにおいて結末が結構いい加減。本作もこんな解決方法で良いの?と思えたりするが、最近の映画が最後の数分のオチだけに全力を注ぎ込むような作品が多い中で、途中過程を最も面白く撮るヒッチコックはやっぱり天才なんだろうと思う。
 しかし、この映画のオチはストーリーとは大して関係がないところで笑わせる。そして、とっても素敵な気分になれるシーンで終わる。
 なんだかんだ言っても、覗かれるグレース・ケリーを観たかった思ったりするが、アルフレッド・ヒッチコック監督の映画をまだ観たことが無い人は勿論、やっぱり美女が映画には必要だと持っている人には裏窓はお勧めだ。

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ジェネオン・ユニバーサル


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 監督は今更説明するのが不要のアルフレッド・ヒッチコック。実は最も好きな作品は北北西に進路を取れ。スペクタクル性もあり、ユーモアも抜群、風景も綺麗だし、そしてラストは超テキト~。ヒッチコック作品をまだ観ていない人で、何を観ようか迷っている人にはコレがお勧めか。
 他にヒッチコック作品の模倣作品が氾濫している中で、誰も真似が出来ないのが、まだカワイ子ちゃんだった時代のシャーリー・マクレーン主演のハリーの災難。とにかくボケ倒します。

 主演のジェフリーズを演じるのがジェームズ・スチュアート。ハリウッドの黄金期を支えた大スター中の大スター。アルフレッド・ヒッチコック作品に多く出演していますが、フランク・キャプラ監督作品で見せる善良さが個人的には印象的。
 彼のお勧め作品ではフランク・キャプラ監督作品では素晴らしき哉、人生!我が家の楽園がお勧め。他にスミス都へ行くはおおかたの人が絶賛している作品です(個人的には有名な演説シーンがダレる)。
 ヒッチコック作品ではキム・ノヴァク共演のめまい、ドリス・デイ共演の知りすぎていた男がお勧め。
 他にビリー・ワイルダー監督の翼よ、あれが巴里の灯だ、エルンスト・ルビッチ監督の街角 桃色の店がお勧め。

 ジェームズ・スチュアート演じるジェフリーの恋人リザ役にグレース・ケリー。この人の綺麗さは気品があります。
 この人もヒッチコック作品には多く出演していますが泥棒成金ダイヤルMを廻せ!がお勧め。
 他にフレッド・ジンネマン監督、ゲイリー・クーパー共演の真昼の決闘がお勧め。

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映画 愛、アムール(2012) これこそ至高の愛?です

2013年10月31日 | 映画(あ行)
 常に観る者に対し、挑発し続けるかのような作品を連発するミヒャエル・ハネケ監督。これまた常人には理解できないような愛の形を描いたのが今回紹介する映画愛、アムール。長年付き添った老夫婦の物語を通して、これぞ至高の愛だと声高に叫ぶかのようなハネケ監督の押し付けがましい主張から、果たして観る者は何を感じ、何を得るのか。それとも何だ、こりゃ?となってしまうのがオチなのか

 いきなり冒頭からハネケ監督らしい不穏な雰囲気が漂うシーンから始まるが、その後は2人のお年寄りが出ずっぱりの介護物語。長年もの間において良きパートナーだった老夫婦は高級アパートに平和に暮らし、文化人として尊敬されながらも、ある日突然に襲ってくる老いの症状が現われる。一瞬にして、それまで築いてきた物がガラガラと音を立てて崩れていく様子に、観ている我々は過酷な現実を目の当たりにする。
 このような出来事は『俺には関係ねぇ~よ』と思いながらも、実は心の中では人生の中で最も恐れていることであり、直視することを避けていた問題。あくまでも俺だけかもしれないが、最良の人生のフィナーレの方法を考えてしまった。しかし、悲しいことに今の俺にはいずれ訪れる老いに対する準備もできていなければ、そのことに立ち向かう勇気がない。

 さて、殆んどの時間を老人同士による介護のシーンばかりだが、果たしてこの映画は介護の大変さを訴えた社会派映画なのだろうか?実は、この老人夫婦の間にしか理解できないような愛の形を描いたストーリーとはいかなるものか。
 パリの高級マンションに暮らすジョルジュ(ジャン=ルイ・トランティニャン)とアンヌ(エマニュエル・リヴァ)の老夫婦はお互いが音楽家。今まで仲睦まじく暮らしていて、愛弟子の音楽会にも参加するなど非常に満ち足りた生活を送ってきた。
 しかし、ある日のこと。突然妻のアンヌ(エマニュエル・リヴァ)が発作を起こしてしまう。病からくる発作であり、高確率で成功するはずの手術を受けるのだが、なんと失敗。その結果、アンヌ(エマニュエル・リヴァ)は半身麻痺になってしまい、車生活を強いられる。病院嫌いのアンヌ(エマニュエル・リヴァ)の我が儘な要求を受け容れ、ジョルジュ(ジャン=ルイ・トランティニャン)は彼女を入院させるのではなく、自宅で介護する道を選ぶ。しかし、アンヌ(エマニュエル・リヴァ)の症状は心身ともに酷くなるばかり。やがて夫のジョルジュ(ジャン=ルイ・トランティニャン)にも疲労が襲ってくるのだが・・・

 精神も肉体もボロボロになっていく老夫婦の様子が痛ましいが、俺なんかは、わざわざ荊の道を進まなくても、もっと楽な方法があるじゃん!なんて思いながら観ていたし、実際に老夫婦の娘エヴァ(イザペル・ユペール)が登場して、父親のジョルジュ(ジャン=ルイ・トランティニャン)に対するアドバイスなんかは誰もが思う当たり前の意見を言ったりしている。
 しかしながら、この老夫婦の愛の絆、形、その達する所は実の娘でも理解できないように、俺のような若造がアレコレと口出しすることが野暮なように思えてくる。この世の中を見ていても、どうしてこんなにも可愛くて、綺麗な女の子が、こんなおっさんと付き合っているんだ?、と不思議に感じることもあるが、それとて他人から見れば不思議でも、お互いの仲には2人にしかわからない世界があるのと一緒。それはさておき、老夫婦の介護映画、ではなく恋愛映画とはこれほど悲しく孤独なのかと感じたり、少数意見かもしれないが、これほど力強く美しい物なのかと感じられる映画愛、アムールは、ミヒャエル・ハネケ監督作品と聞いて心がウキウキしてくる人は勿論だが、それ以外の人にもお勧めしたい作品です

愛、アムール [DVD]
ジャン=ルイ・トランティニャン,エマニュエル・リヴァ,イザベル・ユペール
角川書店


 監督は前述しているようにオーストリア出身のミヒャエル・ハネケ監督。本作ではカンヌ映画際のパルムドール賞に輝くなど、その実力は折り紙つき。個人的にはファニー・ゲームが真正面から金属バットで殴られたような衝撃をくらったかのような作品でお勧め
 他には食卓を見ていたら楽しくなってくるセブンス・コンチネント、一瞬のドッキリシーンが楽しい社会派作品でダニエル・オートゥイユ、ジュリエット・ビノシュ共演の隠された記憶、後味の悪さが極めつけのピアニスト、これまたカンヌ映画祭パルムドール賞に輝いたドイツの寒村舞台にしたミステリー白いリボンがお勧め。(注:多くの人はこの監督の作風が合わない可能性が高いです)

 主演の夫役のジョルジュを演じるのが、多くのヨーロッパの名作に出演するジャン=ルイ・トランティニャン。コスタ=ガヴラス監督の社会派サスペンス映画の傑作でイヴ・モンタン共演のZ、ベルナルド・ベルトルッチ監督の暗殺の森等がお勧め。他には男と女は個人的にはハァ~?ってな感じでしたが名作の誉れが高い映画です。

 奥さん役でエマニュエル・リヴァ。何とこの人は二十四時間の情事の主演した女優さんでした。映画は名作の誉れが高いとだけ述べておきます(個人的には眠かった)。

 娘役で出番は少ないですが、フランスを代表するイザベル・ユペールが出演しています。本作と同じミヒャエル・ハネケ監督のピアニストの主演女優です。フランソワ・オゾン監督の8人の女たちは豪華キャストでお勧め。

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