褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 ガンジー(1982) インド独立の父の伝記映画

2024年12月27日 | 映画(か行)
 どんな残酷な暴力に対しても徹底的な非暴力を貫き、そして絶対に不服従。そして、大英帝国からインドの独立を勝ち取ったマハトマ・ガンディーの生涯を描いた伝記映画の傑作が今回紹介するガンジー。どれだけのエキストラの人数が参加しているのかと思わさせられる圧倒的な映像と共にガンジーの生き様に感動させられる。
 彼の生き様に影響された有名人物は多い。例えば『I Have a Dream』の演説で有名なアメリカの運動家であるキング牧師、チベット仏教最高の指導者であるダライ・ラマ14世などが挙げられるだろう。俺なんかは、やられたらやり返せ!って直ぐに思ってしまうのだが、本作を観て大いに反省させられた。

 それではインド独立の父とよばれる男のストーリーを紹介しよう。
 1893年のイギリス領南アフリカにおいて弁護士をしていたインド人のガンジー(ベン・キングズレー)は理不尽な人種差別を受ける。そのことが切っ掛けで人種を超えた農園を造成し、人種差別政策を行うイギリス政府に対して抵抗運動を行う。一定の効果を得てガンジーは第一次世界大戦中にインドへ帰る。
 南アフリカでの活動によってインドでも民衆から大きな拍手で迎えられるガンジー。彼は大英帝国からの独立を目指すインド国民会議のネルー(ロシャン・セス)のアドバイスもあり、インドを見回る旅をするのだが、そこでインド国民が圧政に苦しんでいる姿を見てしまい・・・

 実は俺の勉強不足のせいもあり、ガンジーが南アフリカで弁護士活動をしていたことは全く知らなかった。しかし、南アフリカでの出来事(人種差別や不当な暴力)が彼のその後の生きる使命を与えることになる。彼の非暴力を貫く姿がインド人の心にも響き、その非暴力を武器にイギリスと戦う。例えばイギリスから入ってくる衣類の非買運動、ストライキ、イギリス政府から禁止されていた塩の生産、そしてデモ行進を駆使する。そして、ガンジーの凄さを感じるのがそのカリスマ性。ガンジーの一声で先述した抵抗運動がインド人全員を行動に駆り立てるのだ。
 ガンジーが偉いのはインド人がイギリスの憲兵に対して、暴力を振るってしまうことにも嘆き悲しむこと。彼の中にはイギリス人に対しては敵対心はなく、人間全員と仲良くやっていこうという善意であふれている。そしてインド人の暴動に胸を痛めて断食まで行うとは、とにかくストイック過ぎる。また、ガンジーが断食していることを知ったインド人は、暴動を止める。どこまでインド人はガンジーの事を慕っているのか。我が国の元首相には友愛精神を説いていながら、国民からすっかり見放されてしまったのとえらい違いだ。
 しかし、インド全体を複雑化しているのが諸々ある宗教。ヒンドゥー教、イスラム教、シーク教、ユダヤ教・・・。この宗教の争いにはガンジーをもってしても最後まで悩まされる。イギリスからの独立に際してインドとパキスタンに分離されてしまうが、そのことはインド独立後もガンジーを苦しめる。宗教の争いが現代にも続いていることを考えると本当に難しい問題だと痛感する。
 この世の中を見ると圧倒的な暴力の力をもってして他国に戦争を吹っ掛けるのを見掛ける。我が日本も隣の国を見るとならず者国家で囲まれている。そんな状況で日本はどこまでガンジーの信念を取り入れることができるのか?しかし、ガンジーの生き様は現代社会においても少しばかりの光を与えることは確かだろう。
 ガンジーと言えば非暴力の面にスポットが与えられがちだが、理不尽なことに対する不服従の精神の面も忘れてはならない。劣悪な法律が日本に存在したり作られそうになったりするが、そんなものに服従していてはダメだ。選挙に行かない人がいるが、ガンジーの不服従の精神を見習え。日本人にとっても考えさせられる伝記映画であるガンジーを今回はお勧めに挙げておこう

 監督はイギリス人のリチャード・アッテンボロー。イギリス人がマハトマ・ガンディーの伝記を映画化することに興味が湧きます。反戦ミュージカルの傑作素晴らしき戦争遠い夜明けがお勧め










 
 

  
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