褒めまくる映画伝道師のブログ

映画の記事がメイン。自己基準で良かった映画ばかり紹介します。とにかく褒めることがコンセプトです。

映画 ミラグロ 奇跡の地(1988) レッドフォード監督作品の中では最も好きな映画!

2010年08月01日 | 映画(ま行)
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 映画俳優だった人が監督業に乗り出すことはよくあるけれど、そのような成功者にクリント・イーストウッドが直ぐに思い浮かぶ。
 しかし、実はその先駆けとなると俳優として明日に向かって撃て!、スティングで大スターに登りつめたロバート・レッドフォードの方が映画監督としては先に実績を残している



 ロバート・レッドフォードの映画監督としてのデビュー作が普通の人々
 この映画は確かにドナルド・サザーランドが出演しているが、家族崩壊を描いた非常に地味な映画であり、とても大スターだった人の監督作品とは思えない映画。しかし、この映画でアカデミー賞において作品賞、監督賞を取っているように映画監督として成功を収めた。
 そして当時まだ有名とは言えなかったブラッド・ピットを大スターにしたリバー・ランズ・スルー・イットでは、家族の絆をモンタナ州の大自然を背景に釣りを通して描き、そしてクイズ・ショウにおいては、テレビ業界をクイズ番組を通してスターを生み出したり、蹴落としたり簡単に出来る恐ろしさを描いた。
 他にも事故から馬を傷つけてしまったことによるショックから馬、そして回りの人間たちの精神ショックから立ち直る姿を描いたモンタナの風に抱かれてなど、派手な演出もなく、地味なストーリーだが、佳作を取り続けているイメージがある。
 そして今回紹介する映画が”普通の人々”に次ぐロバート・レッドフォード監督の2作目に当たるミラグロ 奇跡の地です。
 僕は彼の監督作品では今回紹介するミラグロ 奇跡の地が1番好きだったのだが、実は今回改めて見直すとこの映画には今まで気付かなかった点があることに気付いた。
 この映画は寓話的要素と環境破壊をテーマにした作品だと思っていたのだが、それ以外に・・・それではミラグロ 奇跡の地を紹介しよう

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 アメリカ南部のニューメキシコ州の自然に囲まれたミラグロが舞台。
 そこはヒスパニック系のアメリカ人が多く住む村。
 しかし、この自然あふれる村も大企業におけるレジャーランド建設により自然が破壊され代々この土地に住んでいるヒスパニック系アメリカ人達も水は使用禁止され、農作物も育たなくなり、彼らの仕事もなくなってきていた
 
 ある日、ホセ(チック・ヴェネーラ)が使用禁止の水を自分の農場に引いて、大豆の生産を始める。しかし村の住人たちはそんなホセ(ヴェネーラ)の行動に対して冷たい視線を投げ掛け、また州知事たちを巻き込んでそんなホセ(ヴェネーラ)の行動を中止させるべく、冷酷な保安官であるモンタナ(クリストファー・ウォーケン)がこの村にやって来た

 元々の住人であるヒスパニック系アメリカ人たちは、レジャーランド建設反対、そして自分達の代々の土地を守るための集会を開くが、ヒスパニック系アメリカ人たちはまとまりを欠いていた

 いつもひとり言をしゃべっている老人のアマランテ(カルロス・リケルメ)の豚がホセ(ヴェネーラ)の畑を荒らしていた。ホセ(ヴェネーラ)は豚を追い払おうとした時、銃を発砲しながらアマランテ(リケルメ)がやって来た。
 ホセ(ヴェネーラ)は誤ってアマランテ(リケルメ)を撃ってしまい、仲間たちはホセ(ヴェネーラ)に逃げるように忠告し、アマランテ(リケルメ)は病院に運ばれてしまう。

 今や殺人者として逃げる見になってしまったホセ(ヴェネーラ)をモンタナ(ウォーケン)が執拗な追跡を開始するが・・・ミラグロの土地に住む住人たちの団結、土地に対する想い、そして寓話的奇跡は映画を観てください

 この映画に出演している俳優はほとんど無名の人ばかりしかし、有名な俳優が出ている数と、その映画が良いかは比例しないと言うことを証明している典型的な作品
 ストーリーは地味すぎるレジャー開発を目論む企業や州の役人と、この土地に先祖代々住む人の争いを描いている
 しかし、地元住人の中にもレジャー開発に対して村の活性化を望む人々が居たり、またこのヒスパニック系アメリカ人たちの歴史、文化に対して寛容な白人たちもいる。

 この映画で描かれている内容は、まるで普天間の問題を抱える日本と状況はよく似ている。普天間移設問題に対してあまりにも報道が偏っているが実際の沖縄の人の中には少数意見かもしれないが普天間移設に賛成している人も居る。

 しかし、少数意見も重要だがこのような普天間移設の問題を考える時、大事な事はその土地の歴史、文化を考えると自然と答えが導き出されると思う

 この映画はそのような社会的問題を描いているけれど、このミラグロというタイトルは、その土地の名称ではあるのだが実はスペイン語で”奇跡”と言う意味を持っている
 この奇跡的な寓話と社会性を両立させた映画であり、ロバート・レッドフォード監督の後の作品にも通じる大自然に対する想いが出た映画です

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映画 イル・ポスティーノ(1994) 美しい詩的映画

2010年08月01日 | 映画(あ行)
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 音楽、雰囲気、イタリアの島を舞台にした映画ということで、非常にニュー・シネマ・パラダイスとよく似ていると感じたのは僕だけかな
 実際はストーリーは全く違うんだけれど
 この映画は共産主義者であり、詩人でもある実在の人物パブロ・ネルーダが祖国チリから追放され、亡命してきたのがイタリアの漁師の村である架空の島。
 そのイタリアの島において、毎日彼の元に手紙を送り続ける郵便配達人。
 そんな詩人と郵便配達人と友情物語であるが、実は政治的なテーマも入っているところがこの映画を名作として価値を高めている
 文学が時代の流れにおいて抹殺されることは世界中のみならず、日本においてもあった
 日本においてプロレタリア文学を掲げる作家たちも日本におけるファシズム(日本の軍国主義)の流れで弾圧を受けた姿をこの映画の共産主義者で詩人であるパブロ・ネルーダの姿と重なって見えるのである。
 実際に今回紹介するイル・ポスティーノは、チリやイタリアの政治背景を極力控えた作品であり、あくまでも詩人と郵便配達員との交流がメインになっており、またこの映画で撮影されている綺麗な風景がまるで詩の世界を感じさせられる。
 それではこの映画の主役のマッシモ・トロイージが、自らの命を投げ打ってまで完成させた渾身の力作であるイル・ポスティーノを紹介します

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 イタリアの漁島において、マリオ(マッシモ・トロイージ)は父親から漁師になることを勧められるが、体力仕事は向いていないようだ。

 ある日、この美しい島に世界的な詩人であるが、チリ政府から共産主義者であることから国から追放され、この美しい島に亡命してきたパブロ・ネルーダフィリップ・ノワレ)がイタリア国民から熱狂的に迎えられ、マリオ(トロイージ)の住む村にやって来た

 マリオ(トロイージ)は唯一この島において文字を読み書きできる人物で、そして郵便局の仕事に就く。
 しかし、マリオ(トロイージ)に与えられた仕事は、この島に亡命してきたパブロ(ノワレ)に来る手紙を配達するだけ。しかし、この世界的な詩人に対する女性から多くの手紙にマリオ(トロイージ)と郵便局の局長は驚く。

 マリオ(トロイージ)が毎日、手紙をパブロ(ノワレ)に配達するうちに2人の間には友情が芽生えていた
 そして詩人であるパブロ(ノワレ)から詩の技法である隠喩という言葉を聞かされる



 やがてマリオ(トロイージ)には、この島で喫茶店を経営している娘のベアトリーチェ(マリア・グラッツィア・クチノッタ)を好きになってしまうが、マリオ(トロイージ)はあまりにも純粋な人間であり、彼女に告白できない。
 そんなマリオ(トロイージ)に対して、流石は詩人であるパブロ(ノワレ)彼の協力によってマリオ(トロイージ)とベアトリーチェ(マリア・グラッツィア・クチノッタ)は結婚する。

 そしてパブロ(ノワレ)もチリ政権が変わったことにより、彼は自分の妻を連れてチリに帰国できるようになった。
 パブロ(ノワレ)は必要な荷物だけ手配して、残った荷物を後でマリオ(トロイージ)に対して運んでくるように頼んで、パブロ(ノワレ)はイタリアの島を去り、チリに帰ると彼は政府の要人になっていた。

 マリオ(トロイージ)たちは、イタリアのこの島から去ったパブロ(ノワレ)から手紙が来ないことに対して不信感を持ち出した。そしてパブロ(ノワレ)はチリ政府の要人としてフランスまで来ていながら、どうして自分たちを訪ねてこないのか

 マリオ(トロイージ)は、かつてパブロ(ノワレ)が住んでいた家に行くとマリオ(トロイージ)は自分からパブロ(ノワレ)に対して贈り物を贈ろうとする
 その贈り物は島の海の音、空の音、これから生まれる子供の声など、まさにパブロ(ノワレ)がこの島に住んでいた時に美しい島と絶賛していたが、その美しい島を隠喩で表した録音テープをパブロ(ノワレ)に贈ろうとする

 数年後、パブロ(ノワレ)はこの島にやって来るがマリオ(トロイージ)は・・・続きは映画を観てください

 この映画の主人公であるマリオを演じたマッシモ・トロイージは心臓病による手術を延ばして、この映画の撮影にのぞんで、撮影が終わって直ぐに亡くなったようです。
 そんな背景もあって、この映画を観ているとやっぱり悲しいねこの映画自体が彼なりの遺書であり、隠喩なのだろう。

 この映画を観ていると南米における社会主義国家の誕生による国家の変遷を感じるこの映画を観るとニュー・シネマ・パラダイスを思い出すと前述したけれど、貧富のある南米国家を人民がすべて平等な社会主義国家に本気で変えようとし革命家であるチェ・ゲバラを描いたチェ/28歳の革命を思い出したり、南米のチリ政権の社会主義国家への変遷を思わせるシーンはぜんぶ、フィデルのせいを思い出したりする。
 映画は一本の作品を独立させて見るのも良いけれど、他の映画と繋がりがあることを知るともっと面白く映画を観ることだ出来るし、その映画に深みが更に出てくる。
 それではこの映画の重要なテーマである隠喩を使って僕も詩を・・・



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