褒めまくる映画伝道師のブログ

映画の記事がメイン。自己基準で良かった映画ばかり紹介します。とにかく褒めることがコンセプトです。

映画 ラストエンペラー(1987) 中国王朝最後の皇帝の数奇の人生を描く

2025年01月16日 | 映画(ら行)
 中国最後の王朝である清の最後の皇帝であり、後に満州国の皇帝にもなる愛新覚羅溥儀(あいしんかくら ふぎ)の波乱万丈の人生を描いた映画が今回紹介するラストエンペラー。違う国家をまたいで2回も皇帝になるとは、羨ましい奴だと思いきや、全く権力を持たしてもらえない名ばかりの皇帝に就かされる溥儀の人生が哀れに感じさせるストーリー。彼の人生には我が国日本も大きく関わっているだけに、非常に興味が惹かれる伝記映画である。

 激動の中国近現代史を駆け抜ける溥儀の人生を描いたストーリーを簡単に紹介しよう。
 1950年、中華人民共和国の都市となったハルビンにおいて、ソ連の抑留から帰ってきた多数の中国人の中には戦争犯罪人として溥儀ジョン・ローン)の姿もあった。政治犯罪人収容所へ送られた彼は所長から厳しく尋問されるのだが、彼が語る内容とは。
 溥儀は3歳にして時の権力者であった西太后から、清の皇帝に就かされる。しかし、皇帝とは名ばかりで紫禁城の中では大人達も自分の言うことを聞いてくれるが、紫禁城の外のことは何にもわからなかった。やがて彼のもとにイギリスから教育係としてレジナルド・ジョンストンピーター・オトゥール)がやって来る。ジョンストンは溥儀に外の世界のことも教え、2人は良き師弟関係で結ばれることになる。
 しかし、北京政変によって溥儀たちは紫禁城を追い出され、日本の租界地である天津に身をおくことになる。そこで溥儀は甘粕(坂本龍一)と知り合うが、そのことは溥儀が満州国の皇帝になる切っ掛けを与えるのだが・・・

 本作が凄いのが紫禁城を実際のロケ地に使用できたことだろう。よく中国共産党が許したと思うのだが、そのお陰で観ている我々も紫禁城を見学している気分にさせ、また映像にも効果を発揮している。紫禁城でのシーンの豪華さは西洋の人々の興味を惹きつけたようだが、溥儀のくらしは寂しさが募る一方。皇帝とは名ばかりで古いしきたりに従わせられる息苦しさが伝わってくる場面が多々ある。実母との別れ、乳母であり初恋の人との別れなんかは憐れみが伝わってくる。紫禁城から一歩も外に出してもらえない生活から溥儀の孤独さが伝わってくる。
 満州の皇帝になった時はもう立派な大人になっているから、満州国のために権力者として振る舞えるのかと思いきや、ここでも日本に都合のいい傀儡で済まされる。皇帝の座に就いても権力を持てないお飾りの扱いになっていたとは本当に悲劇の人だと感じさせる。
 正直なところ満州の皇帝になってからは大した見せ場はなく、個人的にも首をかしげたくなるようなシーンも多く出てきて興ざめしてしまったが、まあイタリア人監督が満州国と日本の関係を描こうとしたらこの程度の視点しかないのだろう。
 しかし、ラストで溥儀が紫禁城を訪れるシーンは感動させられた。皇帝の座から庭師として一般市民に叩き落された溥儀だが、無念さを表現しながらも慎ましく生きてきた喜びを感じさせる。まさかこんな最後でコオロギが活躍するとは思わなかった。
 他には本作を知って中国の歴史に詳しくなれるとは思わないが、宦官についての豆知識が得られる。
 皇帝に対しての魅力は感じないが、中国の激動の時代を通して、家族、友情、出会いと別れと言った普遍的なテーマに共感が得られるラストエンペラーを今回はお勧めに挙げておこう

 監督は巨匠ベルナルド・ベルトルッチ。この監督のパワーを感じさせるのが5時間越えの力作1900年、他には暗殺のオペラ暗殺の森シェルタリング・スカイがお勧め

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映画 孔雀夫人(1936) アメリカ人夫婦のヨーロッパ旅行

2025年01月15日 | 映画(か行)
 今のアメリカはヒスパニック系の移民が多くなっているが、本作が公開された頃はヨーロッパ系移民の子孫が多かったはず。当時のアメリカ人が先祖のようなヨーロッパに対する憧れ意識を感じさせる映画が今回紹介する孔雀夫人。アメリカ人がヨーロッパの貴族社会に憧れて、田舎者だと自認している様子に非常に興味が惹かれた。
 ヨーロッパの貴族社会によって貧乏暮らしを強いられた者の中には、アメリカ大陸を渡ってアメリカンドリームを手に入れた者も居るが、それでも彼らの心にはヨーロッパは忘れられない存在だ。

 働き詰めだったアメリカ人夫婦が新婚旅行とばかりにヨーロッパ旅行に行くストーリーの紹介を。
 サム・ダズワース(ウォルター・ヒューストン)は20年間経営してきた自動車会社を売却し、これからは自分とは年の離れた妻で35歳の年齢の割に若く見えるフラン(ルース・チャタートン)との夫婦生活を楽しむために、貯めたお金で悠々自適の生活をしようとしていた。まずは彼らは新婚旅行にも行けていなかったこともあり、無期限のヨーロッパ旅行へ向かう。しかし、旅行中にサムは妻フランの低俗な人間性を見つけてしまい・・・

 仕事一筋だった男が急に家庭生活を大事にしようとするとロクでもないことになる見本のようなストーリー。サムには結婚した娘もおり、夫婦仲も良くて、決して家庭をかえりみなかったわけではない。それなのに今頃妻フランの本性に気付いたのかよ?とある意味で驚いた。
 妻フランだがヨーロッパの貴族のような華やかな生活に憧れている。旅行中の船の中でも、華やかな衣装で周囲の目を引いてしまったり、ヨーロッパ大陸に到着してからは貴族社会に属する人間と付き合うようになる。サムのように観光旅行するのが一般的だと思うのだが、フランはヨーロッパの華やかな生活に入り浸ってしまう。フランが老け込むのが嫌だとか、結婚生活をこれからも続けていくためにとか色々な理由を付けて、旦那はアメリカに帰らしておいて自分はヨーロッパの生活を満喫する。そして、娘に子供が出来たことに対して一瞬喜ぶが、それでもアメリカに帰ろうとしない。そう言えば、最初の方のシーンでサムの友人がサムに対して『お前は良いやつだが、嫁は悪いやつだ』なんてことを、唐突に言い出したシーンを思い出した。
 俺がサムだったら一緒にアメリカに帰ろうとしない時点で離婚だが、彼は忍耐強い。しかし、遂に彼の堪忍袋の緒が切れるのだが、そこについてはネタバレになるのでここでは触れないでおこう。
 まあ女性なら老いに対する恐怖は男性よりもあるよな~なんて妙に感心させられたり、愛し合うもの同士が結婚するべきだよな~なんて当たり前のことを思わせたり、当時のヨーロッパ貴族一族の深刻さが理解できたり、日本人以上にアメリカ人のヨーロッパに対する憧れの強さを感じさせられたり等、色々なことを気づかされる孔雀夫人をお勧めに挙げておこう

 監督は名匠中の名匠といえるウィリアム・ワイラーローマの休日ベン・ハー必死の逃亡者探偵物語我等の生涯の最良の年大いなる西部等、コメディ、歴史劇、サスペンス、ヒューマン、西部劇とあらゆる分野において名作を遺しています。

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映画 用心棒(1961) 痛快娯楽時代劇

2025年01月14日 | 映画(や行)
 どんな分野の映画を撮らさせても一流の黒澤明監督が娯楽に特化した作品を撮ったのが今回紹介する用心棒。本作を切っ掛けにそれまでの様式にこだわった時代劇のスタイルを変えただけでなく、世界においても本作は影響を与えている。クリント・イーストウッド主演のマカロニウェスタンの荒野の用心棒は完全に本作のパクリだし、ハリウッドもブルース・ウィリス主演のラストマン・スタンディングというタイトルでリメイクしている。まさに世界のクロサワの面目躍如といったところだろう。
 黒澤明監督作品の全般に言えることだが、本作の凄さに練りに練ったアイデアの巧みさがあるだろう。彼の作品の脚本は黒澤明本人とあと1人か2人を加えて共同でしている。数人で知恵を出し合ってアイデアを出し合っているのだろうと想像できる。『良い映画というのは良い脚本からしか生まれない。下手な脚本からは良い映画は生まれない』と誰かが言っていた。
 
 今さら紹介するまでもないと思えるが、改めてストーリーを簡単に紹介しよう。
 浪人(三船敏郎)が殺風景な宿場町に到着する。そこはヤクザとその元締めの両者が争っていた。桑畑三十郎と名乗るその浪人は用心棒として自らを売り込みにかける。実はその浪人には両者を戦わせて一気に両方とも壊滅させようという魂胆があったのだが、町に卯之助(仲代達也)が帰ってきてから微妙に計画が狂いだし・・・

 三船敏郎演じる浪人は抜群に剣の腕が立ち、頭も良い。しかも対立している両者だが、両方とも腕も無ければ頭も悪い奴ばかり。浪人も最初こそはこの町に平和を取り戻してやることについて簡単に考えていたようで、結構のんびりしている。どちらの用心棒になろうかとする駆け引きをするのだが、切羽詰まった様子がまるでない。しかし、強い奴が現れてから俄然緊張感が出てくる。
 本作は時代劇でありながら斬りあいのシーンは殆ど一瞬だけ。どちらかというと頭脳戦に重きを置いている。そして殺伐とした雰囲気を醸し出しながらも笑えるシーンも用意している。特に馬鹿キャラを演じて大いに笑わせてくれた加東大介には俺から助演男優賞を与えたい。
 一つ一つのシーンにおいて俺が思いつかないようなアイデアがたくさん出てくるし、最後の対決シーンのアイデアは特に感心させられた。そして、脇役陣も加東大介以外にも目立つ人も居れば、どうでも良いような人までバラエティに富んでいるのも楽しかった。最初の方だけの登場で、金だけパクッテ逃げ出す用心棒には笑った。黒澤明監督の作品を見たいけれど見たことがない人に、まずは用心棒から見ることを勧めておこう

 黒澤明監督のお勧めは多数ありすぎ。個人的にはやはり七人の侍は外せない。ヒューマンドラマならば生きる、サスペンス映画ならば天国と地獄がお勧め

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映画 天井桟敷の人々(1945) 大作のメロドラマ

2025年01月13日 | 映画(た行)
 3時間半の超大作メロドラマを描いたのが今回紹介する映画天井桟敷の人々。フランス映画史に遺る名作であり、パリに生きる人々の恋愛を哀感たっぷりに描いている。本作の凄さに1945年に公開されていることが挙げられるだろう。当然撮影はフランス国内で行われており、まさにその頃はナチスドイツによる影響下でのできごと。よって本作は命懸けで制作されていたのだ。そういう意味ではレジスタンス映画だと言っても良いかもしれない。

 フランス映画らしい苦みを感じさせるストーリーの紹介を。
 19世紀前半のパリが舞台。犯罪通りと呼ばれる大通りでは大道芸人見たさで、人々がごった返している。その中には殆ど裸の格好で見世物にされている女芸人のガランス(アル・レッティ)の姿も見られる。彼女は口が達者な無名の俳優フレデリック(ピエール・ブラッスール)にナンパされるも軽くあしらい、舞台のシナリオを描いているが裏の顔は犯罪を繰りかえすラスネール(マルセル・エラン)からも言い寄られているが、これも軽くあしらっていた。
 無言劇場でパントマイムをしていたバチスト(ジャン=ルイ・バロー)だが、同じ劇場の舞台に立っているナタリー(マリア・ガザレス)から愛されていた。ひょんなことからバチストはガランスと知り合いになり、バチストは彼女にゾッコン。しかし、純粋なバチストはもう一押しができないでいた。
 バチスト、フレデリック、ガランスは同じ舞台に出ることになるのだが、そこに観客としてモントレー伯爵(ルイ・サルー)がやって来る。彼はガランスに一目惚れ。舞台裏に来てまでガランスにアピールするのだが、彼女は申し出を軽くあしらう。しかし、ガランスは住んでいるマンションでラスネールの犯罪の共犯者になりそうになるが、モントレー伯爵のカネの力で助けられる。
 そして時は流れて5年後、ガランスはモントレー伯爵と結婚しており、バチストはナタリーと結婚しており子供も出来ており、パントマイム芸はパリ中で大流行り。しかし、バチストはガランスの事を忘れられないでいた・・・

 アル・レッティ演じるガランスがモテまくる。本作に登場する主要男性陣は4人ともガランスに惚れてしまう。ガランスが男を誘惑する素振りは一切ないのだが、彼女の成熟した色気が男達を虜にする。しかし、ガランスが本当に愛していたのはバチストだけ。金持ちのモントレー伯爵と結婚していても、心は常にバチストを想い続けている。
 またナタリーの一途にバチストを愛する様子が非常に悲しいものを感じさせる。ガランスに向かって『バチストは必ず私を愛するようになるわ』なんて言ってのけるが、どこからそんな自信が湧いてくる?と見ている最中は思った。バチストとナタリーも結婚して子供まで産まれるのだが、ナタリーがガランスに勝てない結末が哀しい。
 結局は誰も報われない結末に終わってしまうのだが、このセンチメンタリズムが1930年代から1940年代にかけてのフランス映画の独壇場。これぞ詩的リアリズムを感じさせる。
 男女の嫉妬、プライド、複雑な心情が描かれているように酸いも甘いも尽くした大人の心に響く恋愛劇として本作は傑作だろう。そして、ジャン=ルイ・バローのパントマイムは素晴らしいの一言。これも本作の見所として挙げて良いだろう。
 18世紀前半のパリの雑多な人混み、劇場風景、決闘、大道芸など当時の風俗が見られるのも褒めたいところだろう。3時間半という長時間にビビッて本作を観ていない人は非常に勿体ない。名作とはどういうものかを教えてくれる天井桟敷の人々を今回はお勧めに挙げておこう

 監督はマルセル・カルネ。第二次世界大戦中は多くの監督がフランスからアメリカに渡ったりしたが、この人は本作のようにフランスで撮り続けた。ラストシーンが秀逸な北ホテル、ジェラール・フィリップ主演の愛人ジュリエット、サスペンス映画の傑作嘆きのテレーズがお勧め

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映画 二十四の瞳(1954) 教師と生徒の交流を描く

2025年01月12日 | 映画(な行)
 少子化の波が起きているのに、学校の先生の数が足りてないというニュースが流れた。なぜこのような矛盾が起きているのか。そんなことを考えている時にふと思い出したのが今回紹介する映画二十四の瞳。香川県の小豆島を舞台に新任の女教師と12人の生徒たちの交流を、世界大戦前から戦後にかけて描いている。本作を観たら、私も先生になりたいと思うかどうかは別問題。どちらかと言えば先生という職業は辛いよ、と感じる人が多いか。

 有名すぎる日本映画だが早速ストーリーの紹介を。
 小豆島の分校に女性新任教師である大石先生(高峰秀子)がやって来る。しかし、モダンな服装で自転車で通勤するそのスタイルは大人たちからは冷ややかな目で見られていた。そんな苦労がありながらも、教え子である12人の生徒達の純粋な心は大石先生を受け入れる。やがて、大石先生は本校へ転任することになるのだが、その頃から戦争の影が小豆島にも及ぼすことになり・・・

 本作を観て驚いたのが、俺が小学校の時に教えられた唱歌がたくさん聴けたこと。妙に場面とマッチしているので唱歌が流れてくるシーンは感動させられる。そして、最も印象的で感動するシーンが大石先生が転任する時に見送りをする生徒達の姿。この時は学校の先生って素晴らしい職業だと思わさせられた。
 しかし、悲しいかな大石先生は学校を辞めてしまう。その理由が男子生徒達が軍人になりたがっていること。女性の教師なら教え子が戦争に行かされることの苦悩は相当なもの。それに戦争の時代における学校の先生に対する言論統制。良かれと思って生徒に教えていることが、国家反逆罪になってしまいそうになるのでは、学校の先生なんかやってられない。 
 大石先生の教えてきた男子生徒や旦那までもが戦争に駆り出され、女子生徒にしても辛い目に遭っている。実は本作は先生と生徒の美しき交流を描いた映画だと思っている人が多いかもしれないが、反戦メッセージの方が強い。本国に残されている女性にとっても戦争は地獄なのだ。
 しかしだ、最後には大石先生と教え子達の素晴らしいエピソードが待っている。なんだかんだ言っても学校の先生ってやりがいのある職業だと思わせるのだ。
 他にも小学生を卒業した時の子供たちの礼儀正しさ。俺が小学校を卒業した時に、恩師に対して、あんな立派なお礼の言葉を述べることなんかできなかった。昔の日本映画を観ていると本当に言葉遣いが綺麗だと感じさせられる。今でも言葉使いがなっていない自分を恥じるばかりだし、何だか急に敬語の勉強がしたくなってきた。
 本作は原作の同名小説も有名だから誰でもタイトル名ぐらいは聞いたことがあるだろう。しかし、まだ本作を観ていない人に今回は二十四の瞳をお勧めに挙げておこう

 監督は木下恵介。黒澤明や小津安二郎と並ぶくらいの日本映画界に名を遺す偉大なる監督。実はこの監督は本作しか見ていないので他にお勧めがあれば逆に教えてください

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映画 赤ちゃん教育(1938) ドタバタコメディ

2025年01月11日 | 映画(あ行)
超昔の映画にして、ドタバタコメディにして、ナンセンスなギャグが繰り広げられるのが今回紹介する映画赤ちゃん教育。タイトル名だけから想像すると、新婚夫婦の子育て奮闘記を思わせるかもしれないが、我々が想像するようなベイビーなんか出てこない。もっと違う形でベイビーが登場する。
 とにかく最初から最後までエンジン全開でギャグのオンパレードで、しかもテンポが速い。流れるような台詞と洪水のように出てくるギャグの数々。けっこうノリツッコミのギャグも出てくるのに驚いた。

 主役のケーリー・グラントの慌てぶりとキャサリン・ヘプバーンのわがままが笑えるストーリーの紹介を。
 博物館に勤める生物学者デイヴィッド(ケーリー・グラント)は明日に結婚を控えている身。これから100万ドルの寄付を願い出るためにビーボディ弁護士とゴルフをし、その後に呑み会の約束をしていたのだが、ゴルフの最中にたまたま出会ったスーザン(キャサリン・ヘプバーン)の我がままに振り回されてしまい・・・

 スーザンの我がままな行動にドン引き。デイヴィッドのゴルフボールを勝手に打ってしまい、車は平気でぶつけて、人の家の窓ガラスに石を投げる等のやりたい放題。そのおかげでデイヴィッドは肝心のビーボディ弁護士となかなか出会えない。しかも、明日結婚を控えているのにスーザンから気に入られてしまう。この2人のドタバタだけでも大騒ぎだが、他人を巻き込んだり、動物までが絡んでくるから更に大変だ。とくにベイビーの存在が更なる笑いの渦に持っていく。
 デイヴィッドが大事な日が明日に控えているのに、『何でこんなことになったんだ』と度々ボヤいているが、実は俺も見ていて何でこんな事になるのかわからなかった。前半はスーザンの我がままに見ているコッチが腹を立てるので少しぐらいしか笑えないが、ベイビーが登場してからは大いに笑える。そして最後の最後のオチも見事に決まっている。その場で思いついたようなギャグもあったように見受けられたが、全体的には非常に計算された笑いの演出。1930年代から1940年代にかけて流行ったスクリューボール・コメディの傑作として赤ちゃん教育をお勧めに挙げておこう

 監督はハワード・ホークス。映画史に遺る偉大なる映画監督。本作と同じくケーリー・グラント主演のコンドル、西部劇赤い河、エンターテイメントに徹したリオ・ブラボー、ギャング映画の傑作暗黒街の顔役、ハンフリー・ボガード主演のサスペンス映画三つ数えろ等お勧め多数です

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映画 グリーンブック(2018) 白人と黒人のロードムービー

2025年01月10日 | 映画(か行)
 実話をベースに白人と黒人が人種差別が色濃く残るアメリカ南部を一緒に旅するロードムービーの傑作が今回紹介するグリーンブック。最初はいがみ合いながらも、仲良くなっていくロードムービーのド定番の内容。しかしながら、本作は単に人種を超えた友情を描くだけでなく他にも色々と考えさせられるテーマが描かれている。タイトルの意味だが、黒人が寝泊まりできるホテルを紹介するガイドブックのこと。このような本が存在したということ自体が、人種差別の実態を知らしめている。

 性格以外にも何から何まで正反対の2人のツアーを描いたストーリーの紹介を。
 1962年のニューヨークにおいて、ナイトクラブの用心棒をしていたトニー(ヴィゴ・モーテンセン)が店の改装工事のために仕事をなくしてしまう。家庭もありお金に苦労しそうだったのだが、友人の紹介で仕事の斡旋の面接を受けることになる。それは、黒人ジャズピアニストドン・シャーリーマハーシャラ・アリ)がアメリカ南部をツアーするための運転手兼身の回りの世話係。トニーは黒人に対して偏見を持っていたのだが、金に困っていたので仕事を引き受ける。トニーとドン・シャーリーはアメリカ南部へ演奏会へのツアーに出掛けるのだが・・・

 トニーはナイトクラブの用心棒をしているぐらいだから腕っぷしは強くて、粗野な性格が目立ってしまう。しかし、イタリア系アメリカ人であり家族思いで妻を愛している。一方、黒人のドン・シャーリーだが天才ピアニストであり、しかもきめ細かくて律儀な性格。そして、彼は立派なコンサートホールの上階で壮麗な部屋を構えて、お手伝いさんを雇い悠々と生活している。そして、何かとエリート意識が強いためにマナーを知らないトニーを見下しているところがある。
 ドンがアメリカの南部をツアーで回ると聞いて、アホかと思った。1960年代前半のアメリカ南部の白人が黒人に対する人種差別は恐ろしいものがある。だからこそ腕っぷしの強いトニーみたいな男を運転手として雇いながらボディガードの役目とするのだが。実際に、ドンは各地で暴力にあったり、理不尽な差別を受けたりする。金に全く困っていないのに何でアメリカ南部で危険を冒してまで演奏ツアーを回ろうとする?と多くの人が思うはずだが、彼の意図を知った時、その熱い想いに胸をうたれた。
 何かと堅物すぎるドンと粗野なトニーの互いの長所と短所が上手く混ざり合っていき、影響しあう展開が非常に巧みに描かれている。音楽、チキンナゲット、手紙などで2人は友情が芽生えていく展開も良い。しかし、それ以上に俺が惹きつけられたのが、とにかく約束は果たすという心意気。トニーの仕事の契約に対する責任感は非常に見習いたいところ。ついでに喧嘩が強いところも見習いたい。そして、ドンの方もツアーを色々と酷い目に遭いながらも無事に終えた安堵感に浸るだけでなく、トニーの奥さんとの約束を果たす。ドンとトニーの奥さんとの間に約束があったことを忘れそうになっていたが、これも感動させられた。
 他にも印象的なシーンとして奴隷のように働かされていた南部の黒人たちが、ドンとトニーの関係を不思議そうに眺めているシーンや、イタリア系家族の賑やかさや、ドンの秘密や孤独など感じることが多いのも本作の見せ場。ケネディ兄弟を会話で出してくるなど時代背景にも考慮しているのも好感が持てる。そして前半の伏線を後半でしっかり回収する構成の巧みさも褒めたいところだ。
 他にもヴィゴ・モーテンセンの役作りや笑いが多いところなど褒め足りない部分もあるように思ったりするが、多くの人に観てもらいたい映画として今回はグリーンブックをお勧めに挙げておこう

 監督はピーター・ファレリー。今回は1人で監督しているが弟のボビー・ファレリーと一緒に監督することが多い。その中でもメリーに首ったけが下ネタで大いに笑わせてくれる

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映画 紅いコーリャン(1989) チャン・イーモウ監督のデビュー作です

2025年01月09日 | 映画(あ行)
 今や中国のみならずアジア映画界の巨匠として名を馳せるチャン・イーモウ監督。そんな彼がいきなりデビュー作で、その才能を世界に見せつけたのが今回紹介する映画紅いコーリャン。彼の作品の特徴として赤色を主とした強烈な色彩映像を挙げることができるだろう。その彼の個性が本作では全面に出ている。内容は前半は純朴な中国人が描かれているが、後半は怒涛の反日映画。思想がグルグルの左巻きの人は思わず手を叩いて喜びそうな内容だ。

 コーリャンを主原料にした美味しそうなお酒の作り方を学べるストーリーの紹介を。
 1930年代の中国の寒村において。若い少女である九児(コン・リー)が親子ほど年の離れておりハンセン病に罹っている造り酒屋の主人の元に売り飛ばされる。一旦故郷に帰る途中で山賊に襲われたかと思っていたら、実は造り酒屋で雇われている余占鰲(チアン・ウェン)であり、彼と結ばれてしまう。
 九児が造り酒屋に戻ってみると旦那は死亡しており、いきなり酒屋の主人の立場になってしまうのだが、いつのまにやら余占鰲と夫妻になっており、彼との間に子供豆官が生まれる。しばらくの間、銘酒が出来たおかげで酒屋も繁盛して幸せな日々を送るのだが、そこへ日本軍がやって来る・・・

 前半は砂漠みたいなシーンが出てきたりするが、コーリャン畑が壮大に広がっている様子が窺える。前半のストーリー展開は色々なエピソードがあるのだが、俺は銘酒が作られるエピソードに驚いた。登場人物たちは銘酒が偶然の賜物で出来あがった事に喜んでいたが、あんな酒は俺だったら飲めない。
 そして、本作が酷いのが日本軍の描き方。あんな残虐なことを日本人ができるわけがない。中国人の感覚をそのまま日本軍に持ち込んだような描き方。まあ、しょせん中国人が日本人を描こうとすると、あの程度になってしまうのだろう。そもそも日本軍がこんな人が少ない所に、人殺しをしに来るわけがない。
 しかし、本作が世界的に評価が高い理由は前述した赤色を基調とした色彩感覚。コーリャンで作った酒は赤色だし、最初に九児が嫁入りに来る時の衣装は赤色だし、流される血も赤色。そして、極めつけがラストシーンで太陽をとらえた映像。この演出は撮影監督出身のチャン・イーモウ監督の本領発揮といったところだろう。このラストシーンだけでも、本作は傑作なんだと思わせる。
 ストーリー的には大したことは無い割に、えらく日本のみならず世界的に評価が高い作品。もしかしたらこの映画の褒めるべき点を俺が見逃してしまっているのかと不安になっている。そもそもこんな反日映画が日本で評価が高い理由がわからなかった。とにかく最後まで見れば、なかなかインパクトのある映画を観たと思える、ということで今回は紅いコーリャンをお勧めに挙げておこう

 監督は前述したチャン・イーモウ監督。個人的には結構好きな監督。本作のような色彩感覚とドロドロの人間関係が楽しい紅夢、文化大革命の悲劇を描いた活きる、中国人の純朴さに感動する初恋のきた道、色彩感覚豊かなアクションが見れるHERO、骨肉の争いが楽しい王妃の紋章等、お勧め映画多数です






 




 

 

 

 

 



 
 



 
 
 

 

 
 

 
 

 
 
 
 

 
 
 
 
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映画 たそがれ清兵衛(2002) 藤沢周平の原作

2025年01月08日 | 映画(た行)
 個人的にも大好きな小説家である藤沢周平の原作の映画化作品が今回紹介するたそがれ清兵衛。彼の作品と言えば時代劇であるが、下級に属する市井の人々の悲喜こもごもを描いている。そして、映画化に当たってもその雰囲気は山田洋次監督の手によって見事に描かれている。

 早速だがストーリーの紹介を。
 時代は幕末、庄内藩(今の山形県)において。平侍に過ぎない井口清兵衛(真田広之)は仕事の時間が終わると、上司や同僚の誘いを断って、さっさと帰宅していた。付き合いの悪い彼は陰で、たそがれ清兵衛とあだ名をつけられていた。井口は勿論、そんな陰口を叩かれているのは知っていた。しかし、彼は労咳で死んだ妻の薬代と葬式の費用が重なり、そしてボケた母と娘2人の世話をするのには、今の少ない俸禄では到底やっていけない。彼は節約と内職をこなすために真っすぐに家へ帰っていたのだ。
 しかし、藩の内部で権力争いが起こり粛清の嵐が起きる。その中には藩内で随一の剣豪の余吾善右衛門(田中 泯)も切腹の対象になっていたのだが、彼はその命令に反して家に立て籠ってしまっていて、誰も彼を倒すことができない。そんな余吾善右衛門を斬る藩の命令を下されたのが、井口清兵衛であったのだが・・・

 井口清兵衛というのが、ケチにならざるをえない程のものすごい貧乏。衣服がボロボロでもそのままだし、風呂にも何日も入っていないので匂いがしてしまうほど。せめて風呂ぐらいは入れ。侍に必須の持ち物である刀だが大刀の方は売り飛ばしてしまい、そして、少しでも生活をするために、侍ならば絶対にしないであろうと思われる畑仕事をしている。そして、売り飛ばした大刀の代わりに竹で作った刀を差している。もちろんそれでは人を斬れない。そんな貧乏生活をしている井口だが、それでも娘2人の成長を楽しみにしており、畑仕事にも精を出すようなところは非常に好感が持てるし、貧乏侍を描いた映画やドラマは見たことがないので興味深く見れた。
 それでも何だか冴えない侍なのだが、人間はやはり一つぐらいは特技がある。それは剣術。短い竹の刀で相手を斬り倒すのではなく、打ち倒すほどの強者。しかし、普段はそんなことはおくびにも出さない。この控え目な性格も好感が持てるし、普段はたそがれ清兵衛と馬鹿にしている者もそんな裏の素顔を知ってびっくりする様子が少し笑える。
 藤沢周平の愛読家が本作を観ると実はたそがれ清兵衛だけでなく竹光始末(この作品から竹が刀というアイデアが取られている)も脚色として加えられていることに気付く。両方とも短編で非常に味わい深い作品である。この機会に藤沢周平の短編小説は面白いということをアピールしておこう。
 時代劇映画らしく斬りあいのシーンもあり、真田広之宮沢りえの不器用な恋愛もあり、なんせ下級武士の生活の苦しさも描いているのが藤沢周平のファンからすると嬉しいところ。近回はたそがれ清兵衛をお勧めに挙げておこう

 監督は山田洋次。トラさんシリーズで有名。実は彼の作品は初めて観たのですがお勧めがあれば逆に教えてください

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原作です。











 
 


 

 
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映画 黄色いロールス・ロイス(1964) ヨーロッパを舞台にしたオムニバス

2025年01月07日 | 映画(か行)
 個人的にはオムニバス映画というのは好きでもないのだが、今回紹介する黄色いロールス・ロイスは、明るくて楽しい映画。3編のストーリーから成るが、タイトル名にもなっている黄色いロールス・ロイスが全編に渡って活躍するが、個人的にはいずれのストーリーも恋の場所として提供されているのにウケた。そして、1930年代のロールス、ロイスって、こんな形をしてたんだと少しばかり驚いた。更に驚きなのが当時の大スター達の共演。もちろん今では故人になられた方もいれば、今でも活躍している女優さんも出てくる。

 戦前から戦中にかけて黄色いロールス・ロイスが活躍するストーリーを紹介しよう。
 戦前のロンドンにおいて。チャールズ侯爵(レックス・ハリソン)は妻エロイーズ(ジャンヌ・モロー)との結婚10周年記念にロールス・ロイスを購入する。そして自分の馬が大レースに出走するために競馬場へエロイーズを伴なって行くのだが・・・。
 3万キロ以上走ったロールス・ロイスがイタリアに渡っている。マフィアのパオロ(ジョージ・C・スコット)はアメリカから婚約者であるメイ(シャーリー・マクレーン)を連れて旅行中。しかし、パオロはどんな遺跡を見せても感動しないメイに苛立っていた。しかし、メイは車屋にあったロールス・ロイスに感激してしまいパオロはキャッシュで払う。彼らはロールス・ロイスに乗って観光しているとイタリア人で観光客相手にカメラを撮っているステファーノ(アラン・ドロン)と出会う。パオロが仕事で一旦アメリカに帰り、イタリアを3週間離れることになるのだが、その間メイはステファーノと親しくなってしまい・・・
 1941年、ユーゴスラビアの国境に近いイタリアのトリエステに、ロールス・ロイスがあるのだがもう既に古びてしまっている。アメリカの富豪のミレット夫人(イングリッド・バーグマン)はこの車に乗ってユーゴスラビアの国王に会いに行こうとするが、一緒にユーゴスラビアへ帰りたがっていたダビッチ(オマル・シャリーフ)をついでに乗せる。しかし、ユーゴスラビアに到着した途端にナチスドイツの攻撃が激しくなる。その現状を見て見ぬふりができないミレット夫人は実はユーゴスラビアのバルチザンの指導者であったダビッチと行動を一緒にするのだが・・・

 凄い豪華スターが出てくる。イングリッド・バーグマンは本作が公開された時は49歳ぐらいだが綺麗。そして、非常に気が強い女性を演じているのが興味深く、笑わせる。絶世の美男子のアラン・ドロンがイタリア人役というのはイケてなかったが、可愛い時のシャーリー・マクレーンとキスしまくっているのは流石に感じた。
 3編とも、前述したがロールス・ロイスが結ばれぬロマンスの場になっているのが笑えるし、今思うとほろ苦くも感じる。そして、ロールス・ロイスが3編目ではボロボロになりながらも輸送機として大活躍しているのには笑えた。結局このロールス・ロイスがどのような運命を辿るのかは本作を観てもらおう。なかなかユーモアも効いており、楽しい気分になれる映画として今回は黄色いロールス・ロイスをお勧めに挙げておこう

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映画 西鶴一代女(1952) ひたすら悲劇です

2025年01月06日 | 映画(さ行)
 江戸時代の作家である井原 西鶴の原作好色一代女を国際的評価の高い溝口健二監督による映画化作品が今回紹介する西鶴一代女。モノクロの映像に江戸時代を舞台にした映画。それでいてチャンバラのシーンなんか無いので血肉が湧き躍るようなシーンなんか無い。そりゃ~、井原西鶴原作でそんなことを求めるのが無理。逆にマトモな人が観れば深い悲しみに陥るだろう。まあ俺の観方は少し違ったが。

 ひたすら悲劇に襲われる女性の生涯を描いたストーリーの紹介を。
 十代の女性であるお春(田中絹代)は京都の御所勤めをしていた。しかし身分の低い勝之助(三船敏郎)の推しの強さに屈して、宿で2人が会っていたところを役人に見つかってしまう。お春は父母を伴なって京都から追放され、勝之助はお春へ『必ず愛する人と一緒になってくれ』と遺言を遺して斬首されてしまう。
 ある日のこと、世継ぎが出来ない松平家では側室を探していたのだが、お春は松平家の家臣に見いだされて側室になる。そして無事に世継ぎも産むのだが正室から疎まれてしまい、お春だけ実家へ帰されてしまい・・・

 モノクロの映像のおかげもあり、田中絹代が十代から五十代まで演じることができた。日本にも身分の違いで叶わぬ恋愛があるのかと痛感したが、本作はさらにお春をどん底へ叩き落す。なんせお父さんが最悪。勝之助と会っていたことに対して、怒りに任せて手を上げてしまうだけでなく、松平家から帰ってきたお春を島原の遊郭へ売り飛ばすような血も涙もないかのような父親。娘に対して愛情の欠片のなさにはドン引きした。
 しかし、お春が次々と家を出されてご奉公に出たり、嫁いだりするのだが、どれもロクでもない男に弄ばれてしまう始末。幸せな結婚をしたかと思ったら、それも一瞬のことで旦那さんが刺殺されたりで悲劇ばかり。人生を諦めて尼さんにまでなろうとするのに、ここでも悪いことが起きて追い出される始末。更に悪いことは起こる。
 実は俺はこの悲劇の出来事の連続に、思わず笑ってしまった。そんな俺は自分自身に罪悪感が芽生えたのだが、よく考えると悲劇と喜劇なんて紙一重。ちょっと演出を変えたら本当にブラックコメディになるようなストーリー展開が繰り広げられる。
 他にも松平家の家臣がやって来ての女性を集めての側室を選ぶシーンなんかは個人的には大笑いした。演出している方はそんな意図はなかったと思うのだが。今まで、たくさん映画を観たきたがこれだけ悲惨な目に遭う女性を描いた映画は初めてのような感覚がする。実際に原作はどのような描き方をしているのか気になった。果たしてこの映画をどのような人にお勧めしたら良いのか悩ましいが、なかなかの快作である西鶴一代女をお勧めに挙げておこう

 監督は前述したように溝口健二。人間の業の深さを感じさせる雨月物語はお勧め

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映画 ゾディアック(2007) 未解決殺人事件

2025年01月05日 | 映画(さ行)
 世の中には未解決事件なんて多々あるが、アメリカで最も有名な未解決殺人事件を描いた実話サスペンス映画が今回紹介するゾディアック。なぜ有名なのかというと、わざわざ警察に犯人だと名乗る男がマスコミや警察に電話で、俺があの場所で人を殺したよと言ったり、これから大量殺人を行うよと言ったり、暗号文を送りつけたり、生放送中のラジオに声で出演(犯人と違う説もあり)したり、警察やマスコミそして住人達を弄ぶような前代未聞の劇場型殺人だったからだ。1968年から1974年にかけて少なくとも5名が殺害された事件にその犯人が関係していたのだが、この殺人事件をゾディアック殺人事件と呼ぶ。

 実際に起きたゾディアック殺人事件が残した物は何か?それではストーリーの紹介を。
 1969年のアメリカの独立を祝うカリフォルニア州バレーホでドライブ中の若いカップルが襲われ、女性は銃弾を9発受け死亡。その後、犯人だという男から警察に電話があったり、新聞社に奇妙な暗号文が送りつけられたりした。しかも、それを記事に載せなければ大量殺人を犯すとやってきた。犯人を捕らえるべくサンフランシスコ市警のデイヴ(マーク・ラファエロ)は動き出し、暗号を送り付けられた新聞社の敏腕記者ポール(ロバート・タウニーJr)と風刺漫画家のロバート・グレイスミスジェイク・ギレンホール)も暗号解読や独自で調査に乗り出すのだが、彼らをあざ笑うかのようにゾディアックと名乗る男による連続殺人事件が起きてしまい・・・

 警察を馬鹿にしたかのように殺人事件を繰り返すゾディアック。この殺害シーンが不気味な効果音で煽り、殺されるとわかっているのに恐怖を感じる。また、ゾディアックと違う人間なのに、もしかしてコイツがゾディアックなのか?と思わせるような演出も怖い。ほら、あなたのすぐ近くにゾディアックが居るかも?
 しかし、この映画はスリラーとしての怖さを表現しながら、ゾディアックに振り回される刑事のデイヴ、敏腕記者のポール、そして漫画家のロバート・グレイスの3人の破滅していく様子に興味が惹かれる。逮捕できそうでできない苛立ちとダメ刑事の烙印を押されそうになっているデイヴ、ゾディアックから殺害予告を受けてアル中に陥るポール、そして家庭を壊してまで殺害事件の真相に迫ろうとするロバート・グレイスの3人それぞれのドラマが描かれている。
 それにしても証拠に挙げる要素が筆跡と指紋の2つぐらいしかないとは、この時代がいかに犯人を逮捕することが難しいかということを痛感する。しかし、ゾディアックって凄い知能犯なのかと思ったりしたが、こんなのは今の時代なら楽勝で捕まえられるだろうと思ったのは俺だけか?まあ、そんな俺の思いをくみ取っているわけではないだろうが、ラストできっちりコイツがゾディアックだろうと示しているのは、ちょっとした爽快感があった。そして、何年も昔の事件を決して風化させてはいけないという思いが、形になって表れているのが良い。正体不明の敵にぶつかっていくようなスリルは楽しいことを感じさせるゾディアックを今回はお勧めに挙げておこう

 監督は今や名匠と言える存在になったデヴィッド・フィンチャー。有名どころではセブンファイトクラブ。そしてベンジャミン・バトン 数奇な人生ソーシャル・ネットワークゴーン・ガールがお勧め

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映画 ブギーナイツ(1997) ポルノ業界の光と闇を描く

2025年01月04日 | 映画(は行)
 1970年代から80年代にかけてのポルノ業界を群集劇にして描いたのが今回紹介する映画ブギーナイツ。最初に断っておくが、本作はポルノ映画ではない。確かに扱っているテーマがテーマなだけに、際どい表現はある。しかし、本作の見方としてエロ目的ではなく、ダメダメな人間の生き方を優しく見守っていくというのが正しい観方だろう。
 そして、1970年代のイケイケのポルノ映画が1980年代に陰りを見せるように栄枯盛衰の世界が描かれている。本作はある意味では特殊な世界を描いているが、どこの世界でも同じことが起こっていることが理解できる作品だ。

 主役が実在したポルノ男優をモデルにしたストーリーの紹介を。
 1977年、ナイトクラブでアルバイトしていた17歳のエディ(マーク・ウォールバーグ)はお客に来ていたポルノ映画監督のジャック(バート・レイノルズ)からポルノ男優へとスカウトされる。それまで何をやっていてもダメだったエディだったが、彼には巨根という天性の武器があり、そこをジャックから見込まれたのだ。 
 エディはジャック・ディグラーという芸名でたちまちポルノ映画界の大スターに登りつめる。しかし、1980年代に入るとポルノ映画界も不況に陥り、エディも麻薬漬けの日々がたたり、次第に自慢の巨根も立たなくなってきて、ジャックとの確執もおこり次第に落ち目になっていく・・・

 1970年代を感じさせるポスターや音楽なんかは、この時代のアメリカの雰囲気を感じさせる。そして、本作は冒頭からの長回しで主要人物を登場させてしまう映像が圧巻。その他にも映像表現で色々と魅せる。前半のストーリーは何をやってもダメな17歳の少年が母親の一言にブチギレて、ポルノ男優になって成功をおさめるサクセスストーリー。『人間、誰にだって長所が一つぐらいあるだろう』なんて主人公の口から発せられるが、俺もなんだか急に元気になった気分だ。
 そして、登場人物が個性的な面々。嫁がセックスに狂っている映画助監督、前の夫との間で息子がいるポルノ女優、ゲイの映画スタッフ、ローラースケートをいつも履いているポルノ女優の卵等。この登場人物達も悩みを抱えながら頑張って生きていこうとする姿が描かれている。まあ、この中には悲惨な結末を迎える奴もいるが。
 1970年代は、みんながイケイケだったポルノ映画関係者だったが、1980年に入ってからは、エロビデオの普及や麻薬の日常化に伴い彼らも次第に転落の人生を歩んでいく。この落ちっぷりがポルノ業界や大麻とは関係のない俺が見ていても深刻だった。元ポルノ男優という理由で銀行から融資されないシーンには俺が見ていても可哀想に思えた。しかし、エロやバイオレンスが若干強めだが、全体的には音楽や凝った映像シーン、そしてサタデーナイトフィーバーを思わせるダンスシーンのおかげでノリが良くて明るい雰囲気を感じさせる。そして、最後の方ではどんなに苦しい時があっても頑張ろうという展開になるのが良い。しかし、最後のボカシが入るシーンはいただけない。あのボカシがなければ、俺なんかはもっと色々な意味で自信が持てたはずなのだが。
 1970年代のアメリカの文化に興味がある人、ポルノ産業に興味がある人、多数の豪華キャストが出演する映画が好きな人、登場人物やストーリーに共感ができなくても映像表現に惹かれる人等に今回はブギーナイツをお勧めに挙げておこう

 監督はポール・トーマス・アンダーゾン。本作のような群集劇が繰り広げられるマグノリア、長編デビュー作品にあたるハードエイト、ちょっと刺激の恋愛映画パンチドランク・ラブ、そして私利私欲に溺れる石油王を描くゼア・ウィル・ビー・ブラッドなどがお勧め

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映画 いつか晴れた日に(1995) ジェイン・オースティン女史の原作

2025年01月03日 | 映画(あ行)
 大ドンデン返しのサスペンス映画というのはよく観るが、大ドンデン返しの恋愛模様を描いたのが今回紹介するいつか晴れた日に。19世紀初めのイギリス社会を鋭く描いた小説家であるジェイン・オースティン女史による分別と多感を原作とする映画化作品が今回紹介するいつか晴れた日に。19世紀初頭のイギリス、女性達の自由に恋愛することの困難さが描かれている。愛情よりもカネの方が上位に来るというパワーバランスがイギリスの女性を大いに苦しめるのだ。

 さて、二人の姉妹が貧乏に陥りながらも愛情を欲するストーリーの紹介を。
 貴族のダッシュウッド(トム・ウィルキンソン)が亡くなり、遺言で前妻の息子ジョン(ジェームズ・フリート)に住んでいたノーランドの屋敷を与える代わりに、遺産の500ポンドしか後妻のダッシュウッド夫人、その長女エリノア(エマ・トンプソン)、次女マリアンヌ(ケイト・ウィンスレット)、三女のマーガレット達には遺せないが、彼女たちの面倒を全力で見てやってくれと言い残して死亡する。
 しかし、ジョンとその妻のファニー(ハリエット・ウォルター)は、そんな遺言は無視。2人は早速に屋敷に乗り込んできて母娘4人を追い出しにかかる。そしてファニーは弟のエドワード(ヒュー・グラント)も加勢させるのだが、エリノアとエドワードは恋愛関係になってしまう。
 安い新居を探していたダッシュウッド母娘4人はミルトン卿(ロバート・ハーディ)の世話のおかげで、バートン・コテージへ移り住む。しかしながらエドワードとエリノアの仲を裂きたいファニーの計略もありエドワードはロンドンへ帰される。
 貧乏ながらなんとかやり繰りしていたダッシュウッド母娘の前に中年のブランドン大佐(アラン・リックマン)がやって来る。ブランドン大佐はマリアンヌに一目惚れするのだが、ある時マリアンヌは足首を怪我してしまった時に、通りすがりの若者ジョン・ウィロビー(クレッグ・ワイズ)に助けられる。マリアンヌはジョン・ウィロビーに恋心を抱き、彼らも恋愛関係になる。しかし、ジョン・ウィロビーは重大な用事でロンドンへ行くことになってしまい・・・

 原題の分別と多感の意味するところは、分別は冷静な長女であるエリノアのこと、多感は何事にも熱くなってしまう次女のマリアンヌのことを表している。この時代の英国は、女性は働くことが許されていない。貴族の夫が死んでしまい男の兄弟もいないダッシュウッド母娘4人にはこの先が金銭的に思いやられるだけに、ダッシュウッド夫人が娘たちが早く結婚してほしいと思う気持ちが半端なく伝わる。
 しかし、この姉妹たちは男運が悪すぎるのか、彼女たちが愛した男性はエドワードにしろ、ジョン・ウィロビーも最初の見た目は善人なのだが、実は訳あり。次女のマリアンヌはジョン・ウィロビーと結婚できないことを理解してしまうとショックのあまり死んでしまいそうになるぐらい。冷静な長女のエリノアにしても律儀な性格ゆえ自らを苦しめ、エドワードが他の人と結婚してしまうと聞いた時にはショックで泣き叫ぶ。長女と次女の婚活はもろくもカネの力や男の思わせぶりな行動によって吹っ飛ばされる様子が切ない。
 しかし、ファニーという女性の悪さが凄い。自分の弟で三兄弟の長男に当たるエドワードに言い寄る女性達(エレノアも含めて)は排除していく。男兄弟でも長男の価値は英国のこの時代は相当高いことが理解できる。
 さらに酷いのがジョン・ウィロビー。もうこれはクズ過ぎて説明できない。こんな男のためにマリアンヌが命を落としてしまったら、この世の中には神様が居ないことが決定的になってしまう。このまま、この姉妹は泣き寝入りしてしまうのか、と思わしておいて最後は意外過ぎる結末が待っている。当たり障りのない邦題がラストに効いてくる。
 恋愛の障害が高ければ高いほど面白くなるというのはイギリスを舞台にした映画のド定番。本作もその例に漏れないし、豪華キャスト陣が右往左往を繰り広げるのが楽しい。イギリス文学が好きな人やイギリス文学の映画化作品が好きな人にはいつか晴れた日にを自信を持ってお勧めしよう

 監督は台湾人のアン・リー。アジア人の中で最もハリウッドで成功している人物と言えるだろう。台湾時代の作品で恋人たちの食卓、エロエロ映画のラスト、コーション、アクション映画グリーンディスティニー、驚異の映像が見れるライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日ジェミニマンをお勧めに挙げておこう


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映画 七人の侍(1954) 娯楽時代劇に収まらない映画

2025年01月02日 | 映画(さ行)
 日本というよりも世界映画史に燦燦と輝く映画が今回紹介する七人の侍。その凄さはハリウッド映画が本作のリメイクとして荒野の七人という映画を撮るなど現在に至り影響を与え続けていることでわかる。俺が本作を初めて見たのは30年以上前になるが、その時まで日本映画に見向きもしなかったのに本作を観て衝撃を受けた。ハリウッドの大作よりもダイナミックさで優っているではないか。この映画の面白さはクライマックスのアクションシーンは勿論だが、巧みなストーリー展開と単なる勧善懲悪で済まされない奥の深さ。今まで何回か観ているがその度に新しい発見がある。

 黒澤明監督ってストーリーテラーだったんだと、思い知らされるストーリーの紹介を。
 戦国時代の農村において。そこは米の収穫が終わると野盗と化した野武士に襲われ、米だけでなく女も連れ去られたりしていた。村の人々は今年もこのままでは野武士に襲われることを恐れて、村を守るための侍探しに出る。しかし、飯を食わせるだけという条件では、なかなか侍を雇うことは困難だった。ある日のこと浪人風情ではあるが知力を備えた勘兵衛(志村喬)を雇うことに成功する。そして、勘兵衛の素晴らしい人柄のおかげもあり七人の侍を雇うことに成功。七人の侍と農民たちは一致協力して襲ってくる野武士たちと激闘を繰り広げるのだが・・・

 前半の侍を雇うシーンからして楽しめる。当時の侍達は浪人と言っても野心があり、中には一国一城の主になることを諦めてない侍もいる。しかも、侍の中には農民を馬鹿にしている奴も居たりする。米だけを食わすという条件がどれだけ割に合わないかということが巧みに説明されているために侍探しの絶望感が伝わってくる。しかし、侍の中にも百姓の辛さを知っている者がいた。
 そして、雇われる七人の侍が非常に個性的。知力とリーダーシップを持ち合わせている勘兵衛(志村喬)、ニヒルでクールな剣豪である久蔵(宮口精二)、ちょっと怖そうだが馴れ馴れしい面も持ち合わせている菊千代(三船敏郎)と名乗る男など。菊千代が侍の格好をしているのだが、実は百姓上がりだったことがバレるのだが、そのことが悲劇性をもたらすストーリーも胸をうつ。
 七人の侍たちが農村に初めて来たときの。農民たちの態度に驚く。農民たち全員が侍たちが来ることを歓迎していないのだ。農民たちの中には侍の中には野盗のような奴が居ることに警戒感を隠せないでいる。そして、百姓の方でも落ち武者狩りをしているのに、侍たちも嫌な気分を持っている。彼らは最初から一体感になれていないし、百姓の中にも自己中なのが居たりでまとまったいない。そんな百姓たちを訓練していくシーンも興味深く見れる。
 そして、野武士が襲ってきたときの農民達の描き方にも興味が惹かれる。威勢よく馬に乗ってやって来る野武士にビビッて逃げる農民もいるが、そんな奴に限って馬から落ちた野武士に対しては一斉に鍬などの農具で滅多打ちにしているシーンが出てきたりする。寄って高って弱い者いじめする卑屈な社会を感じさせる。
 クライマックスのアクションシーンもリアル志向で興味深い。雨が降り出し、泥だらけの戦場と化すが、泥に足を取られるシーンがあったり、また刀をたくさん用意しておいて1人切ったら刀を取り換えるシーンが出てくる。よく時代劇で1本の刀で大勢の敵を斬りまくるシーンがあるが、あんなのは嘘。本当はよく斬れて2人ぐらいまで。このような本物にこだわった演出は好感が持てた。何と言っても全身全霊で戦っているように思えるのが良い。これで超人ハルクみたいな奴が登場して1人でバッタバッタとなぎ倒していくシーンなんか見せられたら興ざめしてしまう。
 そして激闘が終わって、ラストシーンが印象に残る。まるで今までの戦いが嘘だったように農民たちが楽しそうに田植えをしている。その姿と犠牲になった侍たちをオーバーラップさせて、勘兵衛(志村喬)が吐く台詞が、『勝ったのは、あの百姓たちだ』。結局のところ、農民達にとって自分たちのために死んでいった侍たちのことなんか眼中に無い。単なるハッピーエンドではない憐れみを感じさせられる終わり方が余韻に残る。
 それから意外にもギャグがいけてるので笑えるシーンもある。特に三船敏郎は大いに笑わせる。他にも野武士が襲ってくるのに対する事前準備が緻密に練られていくシーンも流石は黒澤明監督。本当に色々と丁寧に作られていることを実感できる。そのおかげで3時間半の長時間になってしまったのが辛い人には辛いが個人的にはそれほど苦にならなかった。それ以上に問題なのが昔の日本映画にありがちであるように台詞が聞き取りにくいこと。たくさんの名台詞があったように思うので、聞き逃している名台詞がありそうなのが残念。日本語の映画だが字幕付きがあれば、それを利用した方が良いとアドバイスをしておこう。他にも褒め忘れていることがあったように思うが、日本が誇る世界的名作映画を観ないでどうする⁈ということで今回は七人の侍をお勧めに挙げておこう

 監督は黒澤明監督。本当にお勧め多数。本作と同じ時代劇なら用心棒隠し砦の三悪人ヒューマニズムを謳いあげた作品として生きる赤ひげ、社会派サスペンス映画として天国と地獄をお勧めに挙げておこう








 

 

 
  
 



 
 
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