悠紀と山本君は、同期で入社して年齢も一緒なら誕生日が並ぶ間柄。何かと気が合うのも確かでこちらの気配も察し無駄口は叩かず、常に冷静な判断して物事を進める。仕事が出来、部署の人望も篤いので次期部長の噂もささやかれる。無論のこと、結婚もしており子どももいて家庭を大切にするハンサムだ。
約束の時間には早かったが、読みたい書籍もあり店に出向くことにした。時間前10分に来た山本君、悠紀が珈琲を飲んでいたのに「夜に目覚めるよ、疲れているのか?」悠紀は、薄笑いを返しながら「要件を言ってくれない」山本君は、照れ隠しに鼻の下を擦り「あいつのこと、好きなんだろうけど止めとけ」
おおっ!気づかれぬように振舞っていたのに、山本君は直球を投げて来た。悠紀は、背筋を伸ばして「うん、初対面の時に」「あいつの情報知ってるか?可なりのお坊ちゃんだぞ」まあ薄々は咲子が喋るから聞いてるけど、それ以上あるとは。老舗の菓子屋経営で、両親は既になく叔父夫婦の代に成っている。
咲子向けの玉の輿じゃない、と悠紀は思う。悠紀には、合わない相手だと山本君は話す。叔父との経営上、意見の食い違いから転職して来たのも財産分与が絡むと言う。悠紀は、ややこしい遺産相続は無視したい。要は人柄だと山本君に伝えたが、好きな気持ちと結婚するのは異なるように思えて踏み切れず。
悠紀は帰宅してからも、山本君の話した内容に感情の起伏が揺れているのに気づいた。好きな想いの半分以上は彼方に失せ、これまでにない苛立ちも感じていた。咲子が相手なら上手くまとまるのかも?そうなったら応援すればいい。その反面で、そんな簡単に諦められるの?という後悔も湧き上がり始めた。
約束の時間には早かったが、読みたい書籍もあり店に出向くことにした。時間前10分に来た山本君、悠紀が珈琲を飲んでいたのに「夜に目覚めるよ、疲れているのか?」悠紀は、薄笑いを返しながら「要件を言ってくれない」山本君は、照れ隠しに鼻の下を擦り「あいつのこと、好きなんだろうけど止めとけ」
おおっ!気づかれぬように振舞っていたのに、山本君は直球を投げて来た。悠紀は、背筋を伸ばして「うん、初対面の時に」「あいつの情報知ってるか?可なりのお坊ちゃんだぞ」まあ薄々は咲子が喋るから聞いてるけど、それ以上あるとは。老舗の菓子屋経営で、両親は既になく叔父夫婦の代に成っている。
咲子向けの玉の輿じゃない、と悠紀は思う。悠紀には、合わない相手だと山本君は話す。叔父との経営上、意見の食い違いから転職して来たのも財産分与が絡むと言う。悠紀は、ややこしい遺産相続は無視したい。要は人柄だと山本君に伝えたが、好きな気持ちと結婚するのは異なるように思えて踏み切れず。
悠紀は帰宅してからも、山本君の話した内容に感情の起伏が揺れているのに気づいた。好きな想いの半分以上は彼方に失せ、これまでにない苛立ちも感じていた。咲子が相手なら上手くまとまるのかも?そうなったら応援すればいい。その反面で、そんな簡単に諦められるの?という後悔も湧き上がり始めた。