悠紀は、漆黒の闇に浮かんでいた。身体が其処に融け込んで、冷たく寒いのは判るが自由を奪われていて動けない。恐怖ではなく、畏怖の念が果てしなく広がっている。心の中に言霊で伝わり入る為、心地よさをもたらせ同時に何処からともなく調べが聴こえる。悠紀は、身体の存在しないことを疑わなかった。
本箱の少ない書籍に、特殊能力に関する物がある。小さい頃から悠紀には、物を触らずに壊したり思考が判ることがあった。それらのどれも、心で念じれば起きるのと相手が思うことに応じてしまう。悠紀に対して、意地悪や困らせようとすると本人に返る。祖母は、悠紀の力を知ると隔世遺伝に狼狽え怯えた。
両親は悠紀に何も話さない侭に、愛情の限りを注いで育んだ。悠紀がそのことに気づいても、祖母を始めとして態度は変わらず日常を過ごしてきた。悠紀の視た映像は、鮮明で具体的な内容だが彼に知らせるには困難を極める。彼と何処かで遇うの?その可能性はない気がするものの、想いが迸り勢い広がって。
悠紀は、心の中に渦巻く青い光を視た。仔猫のすばるがにゃあぁ~と鳴きながら翔け、悠紀の周りをぐるぐると旋回する。次の瞬間、その光が空間を突っ切り流れて往くのが観えた。悠紀ははっとして瞳を瞠った、彼の許に繋がっていくんだわ。わたしの想いを連れて、彼方へと星が流れるように届けられるわ。
本箱の少ない書籍に、特殊能力に関する物がある。小さい頃から悠紀には、物を触らずに壊したり思考が判ることがあった。それらのどれも、心で念じれば起きるのと相手が思うことに応じてしまう。悠紀に対して、意地悪や困らせようとすると本人に返る。祖母は、悠紀の力を知ると隔世遺伝に狼狽え怯えた。
両親は悠紀に何も話さない侭に、愛情の限りを注いで育んだ。悠紀がそのことに気づいても、祖母を始めとして態度は変わらず日常を過ごしてきた。悠紀の視た映像は、鮮明で具体的な内容だが彼に知らせるには困難を極める。彼と何処かで遇うの?その可能性はない気がするものの、想いが迸り勢い広がって。
悠紀は、心の中に渦巻く青い光を視た。仔猫のすばるがにゃあぁ~と鳴きながら翔け、悠紀の周りをぐるぐると旋回する。次の瞬間、その光が空間を突っ切り流れて往くのが観えた。悠紀ははっとして瞳を瞠った、彼の許に繋がっていくんだわ。わたしの想いを連れて、彼方へと星が流れるように届けられるわ。