悠紀は虚ろな心を封印して、実行する任務を気づかれることなくやっていた。人が他人を裁けないように、選ぶことは困難を極めた。悠紀は視えてくる印を決め手に、感情移入させず分ける作業に没頭した。非情なようだが、新しい星へ移るのも此処に残る人数も既に決まっているし時を超えていく者たちさえ。
この星は滅び逝き、仮に再生しても人類の繁栄は見当たらない。放射能に汚染された場所で、生き延びる手立ては皆無に等しく今までの見返りも消える。新しい星に移ったからと楽観するのも危険で、都合よく順応できない者も居よう。選ばれし者であれ、生きて逝かれる確実さや保証がないのは明らかだった。
悠紀には判るが、凡ての命に伝え訓える術もないのは確かだ。今を悔いる想いは欠片もないが、背負うことに心は抗えず眩暈を覚える。この世の春を満喫している者のなんと多いことか、夏も秋や冬の時期は来ないと喧騒に紛らわせている。直ぐ傍にあることに気づかないでいて、見えれば突然とわめきたてる。
他人其々だと静かに黙し、悠紀は真直ぐに前を向き歩んでいくことに戸惑いはない。行く先の果てには何もないのだ、虚でもあり無にも等しい世界が存在するだけだ。そのことを訓え告げても、誰一人信じはしないことも知っているが同志は心に感応してくる。悠紀は、彼への想いを解き放ち旅立つ為に翔けた。
この星は滅び逝き、仮に再生しても人類の繁栄は見当たらない。放射能に汚染された場所で、生き延びる手立ては皆無に等しく今までの見返りも消える。新しい星に移ったからと楽観するのも危険で、都合よく順応できない者も居よう。選ばれし者であれ、生きて逝かれる確実さや保証がないのは明らかだった。
悠紀には判るが、凡ての命に伝え訓える術もないのは確かだ。今を悔いる想いは欠片もないが、背負うことに心は抗えず眩暈を覚える。この世の春を満喫している者のなんと多いことか、夏も秋や冬の時期は来ないと喧騒に紛らわせている。直ぐ傍にあることに気づかないでいて、見えれば突然とわめきたてる。
他人其々だと静かに黙し、悠紀は真直ぐに前を向き歩んでいくことに戸惑いはない。行く先の果てには何もないのだ、虚でもあり無にも等しい世界が存在するだけだ。そのことを訓え告げても、誰一人信じはしないことも知っているが同志は心に感応してくる。悠紀は、彼への想いを解き放ち旅立つ為に翔けた。