冬の日差し
さほど暖かい日だとは思えなかったが、ベンチで読書をする人がいた。
その前では、噴水が盛大な水しぶきを噴き上げていた。
寒々しい風景の中に噴き上げる噴水、一層の寒さを感じさせる。
半面、冬の日差しを浴びる水滴の輝きが美しく、寒さを忘れさせるかのような風景でもある。
橋の欄干の影と自分の影。
幾何学的文様が面白い。
冬の日差しによる長い影が写欲をそそる。
子供の頃、影を踏む鬼ごっこをした覚えが有る。
鬼になった子が逃げる子の影を踏めば、鬼が影を踏まれた子に移るというものだった。
この遊びは影の短い夏の遊びだった。
冬の長い影ではすぐに鬼に踏まれてしまう。
そんな遊びがあったなあ~などと思いながらシャッターを切る。
時計は1時20分を指している。
こんな真昼間でも影は長い。
園内一の枝ぶりの良い桜の木もすっかり丸坊主。
綺麗な花を咲かせてくれる春が待ち遠しい。