私も実は肝に命じている。
真っ直ぐ帰ってはいけない…。
しかし手元不如意だったり、ヤボな仕事あって帰らねばいけない時は帰る。
そんな時は恥ずかしく下向きがちで帰路につく。
森繁翁は若手の俳優へのことばとしたらしいが、我々とて同様。
酒場には何かが転がっている。
何にもねぇよというアナタ、 そりゃ、気がつかぬアナタが悪い。
ひょいと寄ってしまうのだ、新梅田食道街。
JR大阪駅と阪急梅田駅の間にある、100軒の飲食街。
昭和25年の創業で、ここは最も古くからある中の一軒、「北京」。
中華ではなく、スタンディングバー。
足をかける横棒があるからBARと言われる。
改めて足元を見てみたら、ありゃ、なんだか武骨な鉄骨みたいな感じ。
昔のバーはこの足棒の端っこにピカピカに磨き込んだタンツボがあったりした。
タンツボですぞ、しかし…!
角ハイボールにポテサラ。
生ビールみたいにいれられるハイボールはやだね。
バーテンダー殺しってんだ、ありゃあ。
そして…アテの白眉、エッグ一丁!
耐熱の焼きものにポンポンとSサイズの生玉子を割り入れて、
オーブンレンジへ。 アツアツで出てくるこれはすべての酒に合う。
醤油も選択できるが、こいつは塩をかけただけのものが一番美味い。
主人は「エッグは孝行息子で…」と言うが、これで300円。
物価変動のない卵だけに、稼いでくれたのである。
世界の酒「北京」。 もっとも新梅田食道街の匂いを体現する一軒。
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