マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

山上のホットケーキはぬるかった…

2012-10-29 19:16:34 | 

忘日、六甲山へ。 英国人グルームがひらいたという六甲山リゾートの礎。

神戸ゴルフ倶楽部はグルームが作った日本最初のカントリークラブ。


       



そんな古き良き六甲山を象徴するのが、六甲山ホテル。

旧館は現在は使われていない様子だが、趣きのあること。







六甲山一帯には別荘や企業の福利厚生のための山荘が多く、

毎日放送の山荘もあって、忘年会だかなんだかで、すき焼きをした記憶がある。

各社ともその辺から切っていくしかなく、わびしいことである。

なんとなく六甲町は元気なく、薄ら寂しい気がした。







六甲山ホテルのコーヒーハウスに。

道の南側にあるからサウスロード。 





南向きの斜面にあるので、摩耶方面の海が一望。

でも景色が売りなのに、いや、景色しか売りがないのに

ガラスは子供の手脂がつき、掃除が行き届いていない。

ここら辺がより、うらぶれ感を助長させる。





六甲山ホテル自家製アップルパイ  ¥900

もう少し量感があってもよかろうが、まぁ普通。

腹は立たないが、そう推されても困る感じ。

籠で出されたカトラリーが汚れている。 複数のナイフに洗浄剤の白い痕が付いている。

ナイフ、フォークは熱いうちに拭きあげるのが常道だが、それもしていないと見える。

汚れている旨を告げ、持ってこさせる。


問題は次なるホットケーキである。







小さな堅焼きせんべいのようなパンケーキが3枚。 しかもふっくらと膨らんだ小麦粉の

食感がない。これはもう冷凍物をチンしただけ。

しかも、ぬるい。 ホットケーキでぬるいのはもってのほかである。

カスカスで、咀嚼するとわびしさだけが去来した。





珈琲もどうみても淹れたてではない。 香りもコクもないから一目瞭然。

平日金曜の3時台。どう見てもガラガラの暇なんだから一杯ずつ淹れても

バチは当たらないだろう。 ホットケーキだって焼く時間は十二分にある。

こういう冷凍もんを出している料簡を聞いてみたいものだ。

これで良しとするならば、六甲山ホテルすでに終わっていると申し上げたい。

あやうく、神戸牛カレーライスをたのむところだった。

2000円弱も払って、ぬるいカレーでも出された日には怒り心頭しかない。





六甲山までわざわざ上がって来て、これを食わされる気持ちは判るだろうか。

我々客が六甲山ホテルに求める象徴的なのが、トビラの旧館のたたずまいである。

どこまでも頑固に良心的に戦前のクラシックなスタイルで出すお茶や洋菓子やカレーやサンドイッチ。

素材も製法も皿もカトラリーもサービスも、すべて昔風。サービス係の服装や言葉づかいもだ。

古き良き阪神間のモダニズムを学び、とことん踏襲し再生すべきではないだろうか。

手抜きだの経済性だの合理性だの、そんな醜悪なものを客の目の前にあらわにしてどうするか。

阪急・第一ホテルグループの一角にいながら、チェックも行きとどかぬようで

体制自体も六甲山ホットケーキのごとく、ぬる~いことになっているのだろう。

こんなこと下界でやってたら早晩閉店しかあるまい。

逸翁の句碑は、達筆過ぎて私にゃまるで読めないが、小林一三翁は確かに泣いている。



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