これは、吉田秀和が西洋音楽の歴史をごく簡略にまとめたものであり、一読するだけで、西洋音楽の歴史を知ることが出来る。と同時に「名曲300」を選び、解説している。著者が、この曲を入れるべきか、あれを捨てるべきか、苦渋の選択をしている過程がなかなか面白い。読者がクラッシクを聴くにあたっての格好の手引書になっている。バッハからは21曲、モーツァルトからは26曲、ベートーヴェンからは29曲が選ばれている。モーツァルトの26曲はこれまで聴いたことがあるが、バッハ、ベートーヴェンには、まだ聴いていない曲がある。この本を読んでいると、いつかはこの300曲を全曲聴いてみたいという気になってくる。
写真は神戸北野英国館「シャーロック・ホームズの部屋」