フルートおじさんの八ヶ岳日記

美しい雑木林の四季、人々との交流、いびつなフルートの音

懐かしの上高地

2009-05-24 | 山登り

今日は上高地に入る予定だが、朝から雨が降っている。幸いなことに朝食を食べていると雨が止んで薄日が差してきた。宿のバスで上高地へ向かう。大正池、帝国ホテルと通過しバスターミナルに到着。梓川の水は澄んで流れは速い。河童橋で記念撮影をする。思えばこの橋で何度記念撮影をしただろうか。一緒に穂高や涸沢を登ったメンバーで亡くなった人もいれば、病に伏しているヤツもいる。

残雪の岳沢が半分ほど見えたので、一同来た甲斐があったと満足する。こんな天気でも結構観光客が多い。付近を1時間ほど散策して帰路に付く。せっかく信州へ来たのだからと、松本で蕎麦屋に入る。海苔が載る盛り蕎麦は3段重ねで、色が白く、硬くないほどの腰で、麺太さがやや不揃いながら、さっぱりしていて美味しい。蕎麦が出るまでは、熱燗の日本酒を飲む。これがすきっ腹にシミワタルのがなんともいえない。

山仲間のメンバーもみんないい年になってきた。やれ腰や膝が痛い、やれ糖尿の気がある、やれ通風、メタボだなどと健康体の者は一人としていない。が、長年パーティを組んできた「つ、と言えば、か」という関係なので、しゃべるは笑うはの楽しいグループだ。このメンバーと山へ行くと自然に元気がわいてくる。


眺望と秘湯

2009-05-23 | 山登り

今日から明日にかけて、今年3月末で退職した山仲間の退職記念「登山」である。高速料金1000円を使わない手はないので信州へ行くことになった。

アルプスから、中央アルプスの全山が見渡せるという、伊那谷の陣場形山へ行く。名の由来は、戦国武将が陣立ての訓練を行ったとか、その姿が陣羽織に似ているとかの説がある。松川ICで高速をおり、弁当、ビールを買い込む。陣場形山キャンプ場を目指して登るが、途中道を間違え、オフロードを走りやっとキャンプ場に到着。食料と飲み物を持ち、少し登ると標高1445メートルの陣場形山の頂上に着いた。言われたとおりそこからの眺めはすばらしいの一語である。

天竜川を挟んで西側には中央アルプス(木曽駒ケ岳、宝剣岳、空木岳、南駒ケ岳、越百山)、東側は南アルプスの山々(鋸岳から、堂々とした仙丈ガ岳、北岳、間ノ岳、農鳥岳、塩見岳、荒川三山、赤石岳、聖岳)がズラッと圧倒的な迫力で屹立している。天気がよすぎて、薄モヤがかかっているのが玉に瑕だ。記念撮影をして乾杯する。

下山は、舗装されたいい道だ。駒ヶ根ICから中央道に入り、松本ICで降りる。新島々から沢渡を通り、釜トンネルで左折し、安房峠を目指す。しばらくで中の湯温泉に到着。露天風呂から前穂高と明神岳がよく見えるのが感動的だ。

夕食時に今年退職されたMさんに、50Lのリュックを贈呈した。今後の抱負を聞くと、軽四輪にベッドを備え付けて日本全国の山を巡りたいとのことだった。岩魚の塩焼きや山菜の天ぷらをアテに実によく飲んだ。

 


藤沢周平「三屋清左衛門残実録」

2009-05-19 | 濫読

・・・清左衛門が思い描いていた悠々自適の暮らしというのは、例えば城下周辺の土地を心ゆくまで散策するというようなことだった。散策を兼ねて、たまには浅い丘に入って鳥を刺したり、小川で魚を釣ったりするのもいいだろう。記憶にあるばかりで久しく見る機会もなかった白い野いばらが咲き乱れている川べりの道を思いうかべると、清左衛門の胸は小さくときめいた。

ところが、隠居した清左衛門を襲ってきたのは、そういう開放感とは正に逆の、世間から隔絶されてしまったような自閉的な感情だったのである。そして、その奇妙な気持ちの萎縮が、数日して消えたとき、清左衛門はそのものが何処から来たかをいささか理解できた気がする。

隠居をするということを、清左衛門は世の中から一歩退くだけだと軽く考えていた節がある。ところが実際には、隠居はそれまでの清左衛門の生き方、平たく言えば暮らしと習慣の全てを変えることだったのである。・・・

江戸時代の定年退職=隠居、した後の空白感、所在無さに鬱屈としていた、元城主お側用人の清左衛門の思いは、誰もが持つのだろうか。そんな清左衛門の気持ちの飢えを補うかのように、現役当時のつながりから、さまざまな事件に巻き込まれていく。藩内の権力闘争、昔の同僚の妬み、青春時代の女性との邂逅など、肩がこらず面白かった。

 

 


法事

2009-05-17 | 日記

昨日、今日と法事が続いた。昨日は、第3土曜日なので母の月命日。92歳で往生してから、もう直ぐ2年になる。来月は3回忌を迎える。母の妹が、続いて去年亡くなった。今日はその伯母の一周忌が和歌山であった。

月日が経つのは本当に早い。法事の席で話題になるのが「親の代がほとんど亡くなってきたな。次は私たちの番だ」ということ。法事も色々わずらわしいが、「人は必ず死ぬ」ということ、自分の残された人生をどう生きるか、ということを、気付かさせくれることに意義があるかな。

和尚さんから般若心経の話を聴いた。正式には「摩訶般若波羅蜜多心経」。摩訶=大きい、般若とは、恐ろしい面のことではなく、知恵のこと、「波羅蜜多」(パーラミター)=悟りの境地に至ること、心経=普遍の真髄ということなので、大意は、悟りの境地に至る教え、ということになる。これをを話しだすと何日あっても足りないので、興味のある人は、本を買って読んでください、ということで終わった。「難しすぎる教え」というのも、宗教としてはどうかと思うが、このよく分からない梵語に包まれるのが仏教の法事だ。

 

 


コンパクトフラッシュの復旧

2009-05-14 | フルート

心配していたコンパクトフラッシュが無事復旧した。ネットで調べたら、こうしたことを専門にやっている横浜の会社だ。コンパクトフラッシュを送付すると、いとも簡単にできたようだ。「論理的問題」が解決し、データはDVDに保存して送り返してくれた。壊れたコンパクトフラッシュは、治ったので再度使えるとのことだ。ちょっと不安があるので、これは予備においておき、この際新しいのを購入することにする。

これで、何はともあれ、「八ケ岳の訪問記」は書くことができる。妻も撮っているので、最悪のときは、妻の写真で行くことができるのだが、サンライスさんのご主人が撮ってくれたり、乾杯の写真はこのコンパクトフラッシュにしかないので、是非とも復旧したかったた。7350円プラス送料780円かかって、新品より高いが、貴重な一枚だ。