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日本遺族通信 平成22年11月15日号 遺書と九段短歌

2010年11月22日 14時59分41秒 | 日本遺族通信

      
          平成22年11月 靖国神社社頭に掲示された遺書
         鹿児島県出身 陸軍曹長 久米 俊彦 様 (25歳)
      昭和19年11月20日 比島ミンダナオ島サンカナンにて戦死 合掌

今月もお若いお方の遺書をご紹介することとなりました。 文面から、独身のお方と拝読させていただきました。
              遺   書
畏クモ大命ニ依リ、外敵征討ノ途ニ就ク。男子ノ本懐之ニ勝ルモノナシ。
遂ニ待望ノ日ハ来ル。生キテ祖国ノ土ハ踏マズ。笑ッテ護国ノ鬼ト化ス。
             (中   略)
今日ありて 明日ある身とは 思ふなよ 皇国(すめらみくに)の 防人なればなげくなよ 桜の花と ちりし我 ほほえみ来たれ 靖国の社
母上様
兄上様
姉上様

私たち遺族は散華された多くの英霊に追悼の誠を捧げ、恒久平和を願いながら戦争の悲劇を後世に語り継ぐ使命が有ると存じます。
私たちは、夫を、父を、親族を永久に偲び、悲しみを歌に詠んでおります今号にも全国から鎮魂の歌が寄せられましたのでご紹介させて頂きます。
お目を通して頂けましたら幸に存じます。

   今年から慰霊のつどひやめますと自治会よりの通知は無念鳴呼  彦根市 男性
   蜩の声の中には「父さん」の無念の悲しさ吾には聞こゆ     甲州市 女性
   久々に戦死の夫の名を書いて二才だった息子は今六十八才   紀ノ川市 女性(妻)
   雁になり飛んで行きたしビアク島遺骨集めて抱きしめられたい     むつ市 女性
   いついつまで健やかなるや夫の墓淨めつつひとり蜩をきく    横手市 女性(妻)
   海碧き南緯十度の島なればみな知らぬ花ガダルカナルは   富士吉田市 男性
   七十年軍服を脱げずゐる父の写し絵の中の青年の面      名古屋市 女性
   吾も妻も共に戦没遺族なり交交語る兄在りし日々        篠山市 男性
   父恋ひて六十五年母姉も疾うに身罷りわが身の老ゆる     名古屋市 女性
   亡き母が縋りて上りし階段の手摺りをわれも握りてゐたり   うきは市 男性
   原爆も終戦しらず靖国の兵安らかに眠り給ひし         京都市 男性
   両の手を大きく拡ぐる父のゐき幼き吾に夢うつつとも      千葉市 私

今月もお二人の妻の立場のお方のお歌を拝読させていただき、お元気なお姿にとても嬉しく存じました。

コメント (2)
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