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日本遺族通信 平成24年1月の九段短歌    

2012年01月22日 07時00分00秒 | 日本遺族通信


          平成24年1月 靖国神社社頭に掲示された遺書
        愛知県東春日井郡出身 陸軍伍長 松浦 義一 様 (25歳)
 昭和18年1月10日 ソロモン群島ガダルカナル島タサワロングにて戦病死 合掌

「雑煮も汗を出して腹一杯戴きました」 とお父上に宛てた最後のお手紙です。
(前略)・(中略) 
正月の3日間も実に愉快に送りました。雑煮も汗を出して腹一杯戴きました。
兵舎の前の門松も実に堂々たるものです。この門松の前で写真を撮って戴きましたから、これも出来次第お送り致します。
次ぎに同封の写真2枚は任地に到着間もなく撮って戴いたものです。御笑納下さい。
それから、この外まだ色々の写真がありますが、これ等も追々御送り致します。
兎に角、写真の通りの元気さですから御安心下さい。(後略)
    1月4日                         義  一
 父 上 様

最後のお手紙からわずか6日後の病死に、ご本人は体調が悪かったことと思いますが、
お父様に心配を掛けてはならないと最後の力を振り絞ってお書きになられたのでは  と想像いたします。
お雑煮は本当に美味しく召し上がったのでしょうか。
そうであって欲しいと願いながら拝読させていただきました。 合掌

新年にそぐわない短歌と存じますが、今号も全国から鎮魂の歌が寄せられておりますのでご紹介させていただきます。

     晩秋になれば村葬思ひ出す父の遺骨に涙した母あり            長浜市 遺児女性
     ミャンマーの民主化祝ひ彼の地にて戦死の父の思ひをしのぶ       宇和島市 遺児男性
     落葉たき焼きくれし栗のうまかりき還らぬ兄おもふ初霜のけさ       横手市 遺族女性
     椰子の葉をゆらす風さへ哀しかり父戦場ラバウルに来て        富士吉田市 遺児男性
     ペリリューの密林行けば高く低くつはものの声のまぼろしを聴く      青森県 遺児女性
     空晴れて白雲棚引く兵の父今さは百歳歳月しのぶ             大阪市 遺児女性
     密林の戦に果てし夫の待つはるかはるかへ旅立ち逝きぬ         名古屋市 遺児女性
     シベリアに荼毘の炎の燃えさかる大いなる喪や日本は遙けし        出雲市 妻
     妻もまた戦死の兄をもつ身なり共に夜長を語り更けゆく          篠山市 遺族男性
     靖國で会ふ合ひ言葉結びたる兄や戦友眼にうかびく            京都市 遺族男性
     跪く父母眠る山案ずるも良き年迎へ国穏やかに             名古屋市 遺児女性
     「海ゆかば」み霊に届けと声高にこらへきれずに涙の合唱         千葉市 私

いつもの月より早い到着、そして掲載を戴きましたことに、体調の快復に励みをいただきました。
「海ゆかば」 の作詞:大伴家持と知りましたときはビックリ致しました。
昨年「洋上慰霊祭」の12日間、多くの父達に捧げました。
作曲:信時 潔(無信託)
信時の自筆譜では「海かば」であると。
出征兵士を送る歌として愛好されたが、やがて、若い学徒までが出征するにおよび、信時は
苦しむこととなる。 (以上HPよりいただきました。)

コメント (6)
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